(誤字報告頂きました。ありがとうございます)
「あつい」
「トレーナー、さっきからそれしか言ってないよ」
「あつい」
季節は夏になり、かなり暑くなってきた。そんな中夏合宿が今日から始まった。二ヶ月間、海と山に囲まれた大自然の中でトレーニングができる。そんなとても貴重なものなんだけど……
「あつい」
もうそれが物凄く暑い。今年はかなり日差しが強いらしく、暑いのが苦手な僕は暑すぎて溶けかけている。
「もうトレーナー!!しっかりしてよー!!」
「んな事言われても暑いんだよ」
テイオーはやっと軽いトレーニングが出来るようになっていた。正直、菊花賞までに走りを元に戻せるかはまだ分からない。でも、やるしかない。
「やぁやぁ、トレーナー君。今日は暑いね」
「タキオン……なんか涼しくなる薬とかないの……」
「そんなものは無い」
「えー…」
ちなみに今回の合宿はテイオーだけでなくタキオンとキングもつれてきている。理事長が手を回してくれたらしくデビューがまだの二人を連れてくることが出来た。
「あら……三人お揃いのようね!!」
「あぁ……キング……」
噂をすればキングがやってきた。
「あの……タキオンさん?涼しくなる薬とかはないのかしら?」
「トレーナー君と同じことを聞くか……そんなものはないよ」
「あぁ……それは残念ね」
キングは物凄く暑そうな顔をしている。
「トレーナー!!とりあえず海行こうよ!!海!!」
「……そうだな、泳げば涼しくなるだろうし行くか」
ちなみに僕は泳ぐのは割と得意だ。
「よーし!!そうと決まれば水着に着替えてこよー!!トレーナーは着替え終わったらここで待っててね!!」
「はーい」
「二人とも行くよー!!」
「え!?私もかい!?」
「もちろん!!ほらほら行くよー!!」
「ちょっと!!テイオーさん待ちなさーい!!」
三人が慌ただしく走っていった。
そして一人になり少し寂しくなる。
「いいメンバーね」
「……誰です?」
突然、女の人から声をかけられた。
「あぁ、まだ自己紹介してなかったわね。私はシンボリルドルフのトレーナーよ」
「会長の!?」
もちろん会長にトレーナーがいるのは知っていたけどまさか声をかけられるなんて。
「あなたのことはルドルフから聞いてるわ。色々と大変なのね」
「まぁ……はい」
会長のトレーナーさんはとても凛々しくてかっこいい女性だった。なんかカリスマ感があって、会長と物凄くお似合いだ。
「でも、今のあなたは大丈夫そうね。安心したわ」
「えっと……」
「あぁ、突然ごめんね?ルドルフが私に君の話を良くしてきていたから気になってね」
「あぁー……そうなんですか」
なんだか、苦手なタイプではないんだけど話しずらい。なんか会長とは違う圧がある。
「それじゃあ、私は失礼するわ。あぁ、何かあったら頼ってちょうだい?あなた、トレーナーの友達いないんでしょ?」
「ありがとうございます。確かに友達はいないですねー」
「ふふ、じゃあまた」
「はい」
何でかは知らないが助けてくれるらしい。でも、正直ありがたい。今度、トレーナーとして質問をしに行こう。
「スマーン」
「遅いよトレーナー!!」
まぁ、会長のトレーナーと話をしたせいで少し遅れてしまった。
「よーし!!泳ぐぞー!!」
テイオーが海に向かっていく。そのスピードはあまり速くはない。まだ足が完全に治っていない以上、今は足に負担をかけないようにしなければいけない。
「ふぅ……私も行こうかな。海で出来る実験とやらは……そうだね、キング君。少しばかり私と競争しないかい?」
「いやよ!!あなたの研究にはもう付き合ってられないわ!!」
キングは僕達のところに来てからというものの、タキオンからいいように使われていた。まぁ、キングにも非はあるんだけど……
「おやおや、一流の君なら受け入れてくれると思ったのだがねぇ……」
「……!!そうよ!!私は一流だもの!!受けてたとうじゃない!!おーっほっほっほ!!」
まぁ、こんな感じである。
「トレーナー!!ほらほら、早く来なよー!!」
「へいへい」
テイオーに呼ばれたので海に入っていく。
「冷たくてきもちー」
「うんうん!!海はやっぱり楽しいね!!」
泳ぐことや水遊びはプールでも出来る。でも、やっぱり海で泳ぐと気分的に楽しく感じるものだ。
「テイオー、今のうちに言っとくけど、トレーニングは泳ぐのがメインになると思う」
「走るのよりも、足への負担が少ないからでしょ?わかってるわかってる」
「ならよし」
テイオーは自分でもトレーニングメニューを考えられるくらいにはトレーニングのことを学んでいる。と、いうもの怪我で動けなかった期間中に勉強したらしい。
「よーし!!ボク、もう少し遠くまで泳いでくる!!」
「溺れるなよー」
「大丈夫大丈夫!!」
「…はいはい」
夏合宿、きっと楽しい思い出になる。沢山思い出作らなきゃな。
よく考えると二ヶ月も夏合宿するなんてなかなか凄いですよね(小並感)