皆で歩む夢の話   作:月見草クロス

34 / 43
割と雑目な回


三冠に向けて

キング、ウララ、スカイの三人がデビュー戦を終えた。結果としてはキングスカイの二人はしっかり1位。ウララは7位……とはいえ、一人を上手く抜くことが出来た。それだけと言われるかもしれないがウララにとっては大きな成長だった。

 

「ウララはとりあえずオープンレース……キングスカイは次は弥生賞だな。それにテイオーの復帰戦のこともぼちぼち考えなきゃーだよなぁ……」

 

テイオーもついに運動の許可が降りたのでトレーニングに復帰した。タキオンは……相変わらずだけど、ちょいちょいひょっこりと練習に顔を出してくる。

 

「思い詰めてるねぇ!!」

 

「うるさい。思考がまとまらない」

 

そうそう、今は久しぶりに選抜レースを見に来たのだ。早いうちから強そうなウマ娘に目をつけ、対策するのもトレーナーの仕事だ。

あ、ちなみに隣にいるのはエルコンドルパサーのトレーナーだ。何となくわかってただろうけど。

 

「俺に話してくれてもぉー!!いいんだぜ?」

 

「……困っているのが分からないんです?」

 

「ひぃっ!?」

 

それとグラスワンダーのトレーナーだ。

 

「若手くん。困ったことがあるなら相談に乗りますよ?」

 

「大丈夫です。ちょっとチームの皆のこれからのプランを練ってるだけなので」

 

「そうですか……」

 

グラスワンダーのトレーナーは、僕のことを物凄く気にかけてくれる。恐らくエルコンドルパサーのトレーナーもなのだろうけど、うるさすぎてそれどころじゃない。

 

「大変ですね。三冠狙いのウマ娘を二人も……」

 

「二人ともとても優秀なので大丈夫ですよ?」

 

正直、大変なのは事実だ。あの二人は片方だけでも、テイオーの時より大変だと思うくらい練習メニューを作るのが大変だった。テイオーは柔軟でやれることが多かったから簡単だったのだ。いい意味でも悪い意味でもトレーナーがいなくてもどうにかなるタイプだった。

でも、キングとスカイは違う。確かに物凄い強いウマ娘だけど、柔軟さはそこまでない。僕がしっかり個人にあったメニューを組まなければ実力を最大限発揮できない。

 

「おう、勢揃いしてるみたいだな」

 

アルタイルトレーナーもやってきた。後ろには某変態オタクウマ娘ことアグネスデジタルもいる。

 

「なにしに来たのさ」

 

「デジタルがレースを見たいって聞かなくてな」

 

相変わらずである。

 

「トレーナーさん」

 

デジタルから声をかけられる。

 

「あ、あの!!トレーナーさんとテイオーさんはどんな関係なのでしょうかぁ!!(ニヘラァ)」

 

顔が物凄く気持ち悪いことになっているのだけれど。

 

「普通にウマ娘とトレーナーだよ。まぁ……仲のいい友達みたいなものでもあるかな?」

 

「ひょえぇぇー!!無自覚であの尊さ……罪です!!トレーナーさん!!」

 

「え、えぇ……」

 

ワケワカンナイヨー!!

 

「デジタルやめとけ。困ってるだろ?」

 

「あぁぁぁ!!やってしまった……デジたん、オタク失格です……」

 

いや!!だからもう!!ワケワカンナイヨー!!

 

 

三冠に向けて、今日はキングとスカイはとても大事な特訓をすることになっている。それは……!!

 

「ダンスレッスン!!」

 

「そういうわけでボクの出番!!」

 

うちのチームでダンスといえばやっぱりテイオーだ。テイオーのダンスセンスはトレセン学園でも群を抜いている。

 

「ちなみに僕も教えるからよろしくねー」

 

「トレーナー、ダンスできたのね……」

 

ダンスは会長に憧れてまだ現実に気づいていなかった時に練習していたことがある。それなのである程度なら出来る。

 

「本来ならダンスを教えるのもトレーナーの仕事!!……なんだけどうちは流石にテイオーが教えた方がいいからさ……」

 

テイオーはチームに関係なくウマ娘にダンスレッスンの手伝いを頼まれる。教えるのも大得意らしい。

 

「これから三冠路線で勝ち進んでいくなら、いやでも目立つ!!ダンスも出来てこそ、一流のウマ娘!!」

 

「そんなの分かってるわよ!!ほら、早く始めましょ!!」

 

「えぇー……私は注目とかされなくてもいいから早くお休みしたいでーす」

 

スカイが気だるそうに言ってくる。

 

「んな事言われましても」

 

「大丈夫大丈夫、私なんかよりキングやスペちゃんに皆、注目してるだろうからさー」

 

「後で恥かくのはスカイだよー?それに、ダンスまでこなせると達成感が増すよー?」

 

「えぇー……」

 

ダメだ。スカイの身からやる気を感じない。

 

「スカイ、それ以上言うと熱々のブラックコーヒー飲ませるよ」

 

「脅し文句が特殊なのに私にすごく効く!?」

 

スカイは超猫舌に加えて、コーヒーはブラックだと飲めない。スカイからすれば所謂拷問なのだ。

 

「わかりましたわかりました。やりますよー」

 

「よーし!!」

 

最近、段々とスカイの扱いに慣れてきた。この調子でこっちのペースに持ち込んで、スカイがサボらなくなればいいんだけど……

 

「と、言うとでも思ったか!!」

 

「逃がすか!!」

 

予想は出来ていたのですぐさま肩を掴む。

 

「うわぁ!?痴漢だ!!」

 

「首絞めてやろうか?」

 

「うわわわ!?ごめんなさいごめんなさい!!顔が怖いから!!その目はマジな目だから!!」

 

担当トレーナーのことを痴漢扱いとはいいご身分のようで。

 

「全く…!!」

 

「あはは……レッスンはするから離して……」

 

顔が諦めた時の顔になった。僕も顔に出やすいと言われるが僕からすればスカイも出やすい方だと思う。他のみんなは全く分からないらしいけど。

 

いじめられっ子は人の表情をよく見ながら行動するようになる。僕もそうだった。だからその名残で、人の表情をよく見ているのは間違いない。

 

「トレーナーさん、そんな顔をできるんですね……テイオーが怒らせない方がいいって言ってたのはこれかー……」

 

「テイオー?」

 

「トレーナー怖いよ!!なんでボクのこと睨んでるのさ!!」

 

人のことを怖いなんて伝えられたら誰でもいやでしょ。

 

「いい加減始めない?トレーナー」

 

「……それもそうだね」

 

キングに言われて今からダンスレッスンなのを思い出した。

 

「よーし!!やっちゃうよー!!」

 

 

その日、スカイは逃げずにレッスンをこなした。圧には弱いらしい。




このメンバーだとキングの胃に穴あいちゃいそう……

オリジナルウマ娘を出すのに賛成?反対?

  • 賛成
  • どっちでもいい
  • 反対
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。