弥生賞。
僕はこの時、初めて敗北を味わった。
チームベガは地下バ道に集まっていた。
「惜しかったね」
「いやー……スペちゃん強すぎ……」
スペシャルウィーク、セイウンスカイ、キングヘイローの黄金世代の初対決となった弥生賞。結果は後ろから物凄い末脚を見せ、ギリギリでスカイを差し切ってスペシャルウィークが1着。そして、スカイが2着、キングはスペシャルウィークに食らいついて末脚を見せたものの上手くいかず、3位という結果だった。
「ごめんなさい、トレーナー」
「謝らないでよ。今回はスペシャルウィークが強かった。それだけだよ」
実際、スペシャルウィークの仕上がりは半端ないものだった。ラスト直線に入った際に、逃げをしていたスカイがまだ1位に着いておりこれは決まったと誰もが思った。しかし、それでもスペシャルウィークは差し切ってきた。あの末脚は正直、イカれてる。
「大丈夫、今度は勝てるよ。キングもスカイも……」
「……トレーナーさん、励ますの下手じゃないです?」
……そう、実は僕、トレーナーになってから担当のウマ娘がレースで敗北するのは初めてなのだ。テイオーは未だに一度もレースに負けていない。
「はぁ……トレーナーさん、トレーニングメニューは上手いし、教え方も上手いのに、こういうところは弱いよねー」
「スカイ、お願いだから呆れてため息つくのやめてくれ……」
結構、適当なスカイに呆れられるのは物凄く傷つく。
「……ぅぅうう!!まだよ!!次はキングが勝つわ!!」
「うわぁ!!びっくりした!!発作起こさないでよキング!!」
テイオーが尻尾を上げてびっくりしている。
「えっと……キング?大丈夫?」
「あんたが励ますのが下手だから自分で喝を入れたの!!一度の負けでへこたれる訳にはいかないの!!」
「……キングは凄いねぇ」
スカイが聞こえるか聞こえないかくらいの声量でそう言っていた。
「トレーナーさん、キング。皐月賞では私が勝つ予定なのでそこのところよろしくお願いしまーす」
「スカイ……」
スカイは普段の態度からは分かりずらいが物凄い負けず嫌いだ。
「よし、その意気で行こう。スカイもキングも」
口に出して、言ったからには全力で勝ってもらわないとね。
「おめでとう」
「お前から素直に褒め言葉が出てくるとはねぇ」
僕はスカイとキングがウイニングライブの準備に行ってからすぐにアルタイルトレーナーと会っていた。
「どうだ?初めて負けた気分は」
「こういう時に、二人を上手く励ませない自分がにくいよ」
「……そうか」
なんだか何か言いたげだった。
「まぁ、これからも負けることなんかいくらでもある。慣れてくるものさ」
「それだといいな」
「トレーナー辞める気ないんだろ?お前若いんだし長くトレーナーやることになる。流石にどうにかなるって」
ちなみにトレーナーを辞める気は今のところ毛頭ない。ある程度歳をとるまでやるつもりだ。
「じゃ、次は僕達が勝つから」
「言っとけ」
しっかりと宣戦布告をして、僕はチームの皆の元に向かった。
一人残されたアルタイルトレーナーは走り去る彼の背中を見て一抹の不安を感じた。
「なんで……お前……負けたことに対して全く悔しがってないんだよ……」
何かが変わってきたことに気づき始めた。
アンケの結果が割と接戦で困ってる
オリジナルウマ娘を出すのに賛成?反対?
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賛成
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どっちでもいい
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反対