皐月賞。僕はとても思い入れのあるレースだ。何せ自分が担当するウマ娘が初めて走ったレースなのだ。そして、今年もまた僕の担当ウマ娘がこの舞台で走る。
「あれから一年……か」
「何1人で物心にフケてるのよ」
「ごめんごめん」
今日は皐月賞。キングとスカイが出走する。
「2人とも、遂に今日が本番だよ」
「えぇ……そうね。トレーナー、しっかり見てなさいね」
「うん」
キングからは前回ほどの緊張は感じない。
「……ふぅ」
「スカイ?」
「ん?なに?」
一方のスカイはこちらの話を聞いていないくらいにはかなり緊張しているようだ。前回とは逆だね。
「大丈夫?」
「大丈夫ですよ~……まぁ、ほんとすこ~し、緊張してたり?」
スカイはいつも通りおちゃらけて見せるが顔が引きつっている。
「スカイ、緊張してるのはいい事だよ。努力出来てる証拠だって、弥生賞の時言ったでしょ?」
スカイはあの弥生賞の日から練習に来る回数がかなり増えた。それでもサボり癖が抜けきった訳では無いが。
「そうだね。トレーナーさん」
スカイはやっと少し柔らかく笑ってくれた。
「よーし!!トレーナーさん、ゆる〜く1位取ってくるね」
「そうはさせないわよ、スカイさん」
「望むところだよ」
二人の様子を見ながら、僕はこのまま観客席に向かった。
「トレーナー君、来たね」
今日は会長とチームメンバーが場所取りをしてくれていた。地下バ道でチームで集まっても良かったのだが、たまには変えてもいいかなということでね。
「トレーナー」
隣に来たテイオーから声をかけられる。
「懐かしいね……1年前だって」
「そうだね」
「トレーナーが泣いてた時だよね~」
そういえば昨年の皐月賞の時は泣いちゃってあまり見れなかったんだっけ。
「あれ?その話、テイオーにはしてなかった気が……」
「言わなくても分かってたよ~?ボク、トレーナーのことならエスパーみたいに分かっちゃうよ?」
「確かに」
テイオーは僕の考えを表情と口調からことごとく当ててくる。凄いの一言に尽きるが、テイオーとの関係がそれだけ深いっていう象徴でもある。
「二人とも、そろそろ始まるよ」
「「はーい」」
僕にとって2回目の、皐月賞が遂に始まる!!
『スタートしました!!』
スタートして、ウマ娘達が団子状態で進んでいく。逃げのスカイも集団に巻き込まれる。
「スカイあれ大丈夫かな」
「逃げウマ娘からすれば突き放せない状況はいいとは言えないな」
会長からの冷静な分析。
キングはいつもよりは少し前目に着いているものの機会を伺う形。スペシャルウィークを同じ様子だ。
「ボクの時よりかなり団子になってる……」
一箇所にウマ娘が固まると末脚で上がるキングも囲まれて抜け出せない……なんて可能性もある。
「落ち着けば大丈夫のはず」
そしてこの団子のまま、ウマ娘達は第四コーナーを曲がっていく。
キングとスペシャルウィークは物凄くいい位置にいる。スカイは未だに集団の中にいるが大丈夫なのだろうか。そしてそのまま直線に入る。
これはスカイはきびしいかな……と思ったその時だった。
『おっと、今日は控えたセイウンスカイが上がってきた!!』
突然、スカイがグッと加速した。明らかに逃げウマ娘の動きではない。けれど、そのまま一気に先頭に出た。
それを見てかキングもそれについて行くように走る。スペシャルウィークも加速しているが前よりスピードが出ていないように見える。
「坂かな」
皐月賞が行われるレース場、中山レース場は最後の直線で上り坂がある。そこで加速しきれていないのかも……なんて考えた。
スカイはそのまま周りを突き放し、それをキングとスペシャルウィークが追いかける展開。
「これは……」
誰もが予想外。
逃げウマ娘にとっては苦しい状況出会ったはずのスカイがそのまま走り抜け、一着でゴールを駆け抜けた。
結果としては一着がスカイ、二着でキング、三着スペシャルウィークという結果になった。
スカイもキングも見事、弥生賞でのリベンジを果たしたのだった。
ほのぼの要素はここら辺から死にます
オリジナルウマ娘を出すのに賛成?反対?
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反対