皆で歩む夢の話   作:月見草クロス

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スカイが遂に実装されるそうなので課金の準備をしています。


貧弱トレーナー

お昼過ぎ、ボクはトレーナーの部屋に来ていた。

 

「トレーナー!!」

 

「テイオー!!ごめんっ……っ!?」

 

カラオケに行く約束をした日、あまりにも来るのが遅いのでボクはトレーナーの部屋にやってきた。

部屋に入ってすぐ目に入ったのはベットで寝込んでいるトレーナーの姿だった。頭に保冷剤を乗っけでぐったりしている。そんな状況なのに大声で謝ったりするから頭を抑えて力尽きた。

 

「大丈夫!?」

 

「あぁ……多分」

 

「ちょっとごめんね」

 

彼のおでこに手を当ててみる。

……かなり熱い。

 

「昨日走りすぎたみたい……あんな感じで無茶するとすぐ熱出るんだよね……」

 

「トレーナーって、もしかして体弱い?」

 

「うん。僕、かなり病弱だよ」

 

そうなんだ……確かに見た目的にも強そうな感じしないけど……

 

「今、失礼なこと考えたね」

 

「な、なんで分かるのさー!?」

 

「顔に書いてあったよ」

 

顔は物凄く辛そうだけどヘラヘラと笑っている。

その様子を見るとなにかしてあげたくなる。

 

「トレーナー!!折角だしこのテイオー様が看病してあげてもいいよー」

 

「それなら助かるけど……テイオー、看病なんてできるの?」

 

「あー、バカにしてるなー!!テイオー様の実力、しかと見せてやる!!」

 

「……ハイハイ、テイオー様の実力、お手並み拝見と行くよ。頭に響くから大声出さないでくれ」

 

まぁ、そういう訳でトレーナーの看病をすることになった。

 

 

トレーナーの部屋は物凄い生活感がない。置いてあるものは必要最低限のものと大量の本だけだ。

 

試しに冷蔵庫を開けてみると、なんにもなかった。

 

「トレーナー、食べ物何も無いんだけどー!!」

 

「そりゃあ今週で出てくつもりだったからね。昼ご飯の分までしか買ってなかったんだよ」

 

「あ、それもそっか」

 

そういえばトレーナーは辞職する予定だったんだ。それならここまで生活感がないのも頷ける。

 

「しょうがない、ボクが何か買ってきてあげるよ」

 

「ありがとうテイオー、助かるよ……お金はどうすればいい?」

 

「ひとつ聞くけどトレーナーって、お金持ってるの?」

 

「……親の保険金だよ」

 

「……あぁ」

 

ボクは何も言えなかった。そういえば親がいないから働かないといけないとかいってた。

 

「お金は後でいいよ。いってくるね」

 

「ありがとう」

 

そういう訳でお買い物に向かった。

 

 

はっず

僕はテイオーのいなくなった部屋で恥ずかしさに蹲っていた。

 

「よりにもよって二日連続で弱いところを見せてしまうなんて……」

 

僕だって男だ。少しくらい見栄を張りたいのだけれど神様はそれを許してくれない。

 

というかまず見た目をどうにかして欲しかった。15歳にもなって未だに女の子に間違われるこの見た目にはウンザリしている。

人生でカッコイイと言われたことはほとんどない。悲しいかな。

 

「トレーニングメニューでも考えよ」

 

ベットでゴロゴロしながら待つのも暇なので勉強机に向かった。

 

 

「トレーナー蜂蜜好きかな」

 

買い物の帰り、ボクがよく行く蜂蜜ドリンクのお店に来ていた。

 

「蜂蜜硬め濃いめ多めで!!あ、今日は二つ!!」

 

「誰かにプレゼント?」

 

「うん!!トレーナーに!!」

 

お店の店員さんとはよく話すので仲良しだ。

 

「テイオーちゃんにもトレーナーが!!おめでとう!!」

 

「ちょっと頼りないけど、話してて楽しいトレーナーなんだー!!今度連れてくるよ!!」

 

トレーナーの話をしたら早く帰りたくなっちゃった。走って帰ろうかな。

 

 

「ただいまー!!」

 

「おかえり」

 

トレーナーの部屋に戻ってきた。トレーナーは机に座って本を読んでいたみたいだ。

 

「あー、大人しくしてないとダメだぞー」

 

「暇でさ」

 

とりあえず買ってきた食材を冷蔵庫に入れる。

 

「はい、トレーナー」

 

「これ……蜂蜜?」

 

「そう!!ボクのお気に入りなんだー!!」

 

トレーナーに買ってきた蜂蜜ドリンクを渡した。すぐにトレーナーはそれを少し飲んだ。

 

「おいしー!!」

 

「でしょでしょ~!!」

 

トレーナーに続いてボクも飲む。

あ~~!!やっぱりはちみつはおいしい!!

トレーナーは夢中になって飲んでいる。こういうところ、ちょっと可愛いなって思う。

 

「今、可愛いって思ったよね」

 

「うん、トレーナーは超能力者かな?」

 

ボク、そんなに顔に出てたかな……

 

「はぁ……いいけど口には出さないでね。恥ずかしいから」

 

「へー」

 

これはからかいがいがありそう。

 

「可愛いよ、トレーナー」

 

「……ほう、喧嘩を売ろうというのかね」

 

顔がマジになった。けど、少し顔が赤くなってる。

病人だし今日はこのくらいにしとこうかな。

 

「にしてもトレーナー。机で何してたの?」

 

いかにも学生が使っていそうな勉強机だった。いや、というより使っていたものを持ってきたのだろう。

 

「メニュー作りだよ」

 

「見せて見せてー!!」

 

トレーナーのノートを見てみる。そこにはビッシリとメニューの予定が書いてある。

 

「すご……」

 

「実はね、選抜レースを見て色んなウマ娘の走り方を覚えてたからテイオーの走り方ももうバッチリ分かってるんだよ」

 

「えぇっ!?」

 

確かに彼と会ってから一回だけ選抜レースに出ている。しかしその一回である程度走り方を把握していたなら結構すごい。

 

「前のページ見て」

 

「うん…」

 

メニューの予定の前のページを見てみると、ボクの走り方についてまたビッシリ書いてあった。絵も描いてあり、ビッシリ書いてあるのに凄く見やすい。

 

「トレーナー、凄いね。動画でも撮ってたの?」

 

「いや、目で見た通りに書いただけだよ」

 

映像で何回も見直したわけじゃないんだ……それにしてはボクの走り方がほぼ完璧に書いてある気が……

 

「僕の長所だよ。多分だけど、人一倍目が良くて記憶力がいい」

 

このトレーナー、見た目に反して物凄い頼れるトレーナーかもしれない。ボクは改めて彼にトレーナーになってもらって良かったと実感した。




誤字があったら報告お願いします。一応、書いてから何回も読み直してはいるんですけど誤字してる自信しかないです。
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