「今日からトレーニングね」
風邪を一日で治した僕はテイオーのトレーニングを始めることにした。
「えー、カラオケはー!!」
「今度の休みな」
「えぇー!?」
「はちみつ奢るからさ」
「うぐぐ……」
はちみつの誘惑に惑わされるテイオー。
「わかった、でも約束だからね!!」
「うい」
と、言うわけでトレーニングをすることになった。
「流石テイオー」
テイオーの走りは流石のものだった。足の筋肉の柔らかさと天性のセンスは間違いない。物凄い軽やかな走りだ。
「でしょー!!それで次のメニューは?」
「坂2本。今のうちにスタミナつけよ」
テイオーは本当は中距離向きの走りだ。三冠を狙うなら三つ目の冠『菊花賞』でつまづく可能性がある。早いうちからの対策が必要なのは間違いない。
「うん!!行ってくるね!!」
テイオーはウッキウキで走っていった。
走るのが本当に好きなんだろうな……やっぱり羨ましい。
「どうだ、テイオーの走りは」
「才能の塊ですね」
会長がテイオーのトレーニングを見にやってきた。
「そうだろう。彼女なら、本当に三冠を取ってしまいそうだ」
「取りますし、取らせますよ」
それが僕達の約束だ。
「ふふ……決意は固いようだな。君の夢も彼女が叶えてくれるだろう」
「……簡単な話じゃないですけどね」
約束……などと言ったが三冠ウマ娘はそんなに簡単なものでは無い。
「それにしても、トレーナー君。君は私に憧れたのだろう?」
「そうですけど」
10歳の時に見たあの圧巻の走りは僕の頭から一瞬たりとも離れたことは無い。
「そうか、なら君は二人目のテイオーだな」
「なんですそれ」
「ふふ、特別な存在ということさ。思い返してみれば初めて会った時の君の目はテイオーと初めて会った時と同じものだったしな」
特別な存在……って、なんか少し照れくさい言い方な気がする。
「照れることはない。とりあえず困ったら私に頼って欲しい」
「いいんですか?」
「もちろんだ。君は私の可愛い後輩だ」
後輩……っていう言い方は少し違う気がするけど、確かに僕は会長より年下だ。
「なら、頼りますよ。それも沢山。僕、まだまだ分からないことだらけだから」
頼らせて貰えるなら頼る他ない。学園のトップであり皇帝とも呼ばれる名実ともに最強のウマ娘、シンボリルドルフに力を借りれるなら力強いなんてものじゃない。
「あ、会長!!何話してたのー?」
「二人のことが気になってね」
「そーなんだ!!」
テイオーは会長の前では基本的にデレデレだ。しっぽの動きでそれがわかる。
「やはり君達二人は似ているな」
「らしいけどどう思うテイオー」
「うん、確かにちょっと似てるかもね」
やっぱり似てるのかな。
「トレーナー、会長と話してる時はデレデレだもんね」
「え?」
そんなデレデレかな。
「そんなことないよー」
「でも、会長のことは大好きだよね?」
「テイオー、それに『うん』って言ったらなんか違う意味になりそうだから……」
まぁ、間違いなく(尊敬の意味で)好きだけど。
「君達は仲もいいな……これなら心配なさそうだ」
「会長心配してたの?大丈夫大丈夫ー!!僕達二人、とっっっても仲良しだよ」
「それはそうだね」
テイオーは僕からしても信頼して話が出来る相手だ。
「さて、私は生徒会の仕事に戻る」
「ありがとう会長!!」
そうして会長は颯爽と去っていった。
「トレーナー!!」
トレーニングも終わり、今日は解散となったのだがテイオーはトレーナー室にやってきた。
「なに?」
「いやー、暇だったから来ただけー」
「なんじゃそれ」
まぁ、トレーナーとしての仕事は終わっていて暇だったのでいいけれど。
「何かする?」
「トレーナー、ボクテレビゲームしたいなー」
ゲームかぁ……
「部屋に行けばゲームあるけどどうする?」
「行く!!」
ちなみにテイオーはかなりゲームが上手かったが、ボコボコにしてやった。
今回は短いですけど許してください