ホロライブラバーズRTA(初投稿)   作:Shohei Hayase

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凡例

「白上フブキ」さん

「大神ミオ」さん

「不知火フレア」さん

「白銀ノエル」さん

「宝鐘マリン」さん



Ep.11/本編開始前(9)

えー、こんにちは。

 

ショウヘイと申します。

 

では、前回の続きからやっていきたいと思います。

 

 

 

「買ってきましたよー!」

 

「ありがと、フブキ。 ……さて」

 

>フブキが持ってきた大判の地図を地面に広げ、ミオは顎に手を当てる。

 

「犯罪者がここから移動している可能性は?」

 

>「0じゃない。が……ここ周辺に大都市は無いんだろ? 山奥じゃ無い限り、人がいない所に進んでいくとは考えづらい」 

 

「私達は路銀を確保する為に幾つか手順を踏んだけど、それと同じことが出来るかも疑問だね」

 

「じゃあ街の周辺は……フブキ、出来る?」

 

「街一個覆うくらいなら、何とか」

 

>「なら、後は街の中を足で探すか」

 

「あ、犯罪者は銃を持ってるみたいなので、気を付けて下さい」

 

>マリンがその言葉を口にした途端、ミオとフブキの顔が、彼女達の首の関節の状態が心配になる速度で俺に向けられる。

 

「……それ、かなり不味くない? 警察も本腰入れてるでしょ、コレ」

 

「けど、街の外に犯罪者が出る可能性はほぼ無くなったと言っていいんじゃないですか? 50年前ならいざ知らず、拳銃を持ったまま遠くへと離れる事はそう無いはずですし」

 

「敢えて司法に捕まえさせて、それを横から掻っ攫うのはどう?」

 

「捕まったっていう事実が残るのが頂けませんね」

 

>「一回捕まえたのに一瞬で居なくなったら、それこそ違和感を与えてしまう……事態は急を要するか」

 

>ノエルの案も次善策の1つではあるが、俺達とフブキ達の第一義である「神秘の秘匿」に反する物だ。

 

「この街の面積はどれくらい?」

 

「……あった。36km2(平方キロメートル)、6キロ四方だから……えっと、一辺が小走りで一時間走ったくらいの距離の正方形かな?」

 

「なるほど……結構大きいかな? フレア、カバーできそう?」

 

「それくらいなら大丈夫。エルフの業、舐めないでよね」

 

「じゃあ問題は、ここがどこかですよね……」

 

>「俺達が今いるのは……」

 

「街の中心、大通りに一番近い路地ですね」

 

>フブキは地図の中央より少し下、地図を東西に横断する白黒の線の辺りを指差した。

 

駅街(えきまち)に近い裏路地か……場所を移すってわけにも行かないし、ここを拠点にするしか無さそうだね」

 

>「ならその場所から東西南北、各方位に1チームずつ出す。後詰めは……ノエル、頼む」

 

「わかった」

 

「北と西、南と東で連絡役を一人ずつ充てるって事で大丈夫?」

 

>「あぁ。それで頼む」

 

「なら、私達も協力しますよ?」

 

「二人で?」

 

「ふふふ……神のチカラを舐めないことです。物量とは其則(それすなわ)ち正義……『オン・チラチラヤ・ソワカ』」

 

>フブキが呪文を唱えると、あたり一面を埋め尽くすほどの大量の狐が召喚された。

 

「うわっ!?」

 

>「使い魔か……? それにしては、数が多すぎる気がするが」

 

「西洋であれば「使い魔」ですが、こちらでは「式神」と呼びます。普通の術者だったらこんなに召喚できませんよ」

 

「……けど、この街に狐って違和感あるよね?」

 

>フレアの言葉に、フブキは少し沈黙し、斜め上を向いて頬を掻き出す。

 

「いや考えてなかったんかい! ……視線避けの護符を作るしかないでしょ。誰か出来る人は?」

 

>「俺と……フレア、頼めるか?」

 

「任せて」

 

>俺とフレアとミオの3人は急いで護符を作成する作業に取り掛かり、その間に俺とフレアを除く3チームは西、東、南の方角へ出発した。

 

>「成り行きで俺と組むことになったが……悪いな」

 

「謝ることじゃないでしょ。それに、色々話したかったし」

 

「おや、お二人は知り合いなんですか?」

 

「二人っていうか、ショウヘイ、私、ノエル、マリンは官吏学校*1の同期なの。私は養成課程の途中でアルヴヘイムに戻ったから、かれこれ四年ぶりに再会したってわけ」

 

「なるほど……ミオ、ペース落ちてきてません?」

 

「フブキがぽこじゃか出すからでしょーが……」

 

>ボヤきながらも、ミオは手を止めることなく護符を作り、狐の背中に貼り付けていく。

 

>狐は護符を貼り付けられると、一鳴きして路地の入り口へと走っていく。

 

>「かれこれ50体は放ったんじゃないか……?」

 

「あ、倍くらい呼びましたね」

 

「呼びすぎでしょ」

 

「まぁまぁ、百人力ならぬ百匹力って事で、ここは一つ」

 

>フブキは片手で手刀を切って舌を軽く出し、くるりと一回転した。

 

「こんこん、こんこん♪宇迦之御魂(ウカノミタマ)、白神の(ほこら)。権現たる明神はタケハヤ♪フフフフンフフーン♪ ……ってわぁ!?」

 

>勢いのままに数度回りながら何やら歌を歌い出すが、途中でバランスを崩して強かに頭を打つ。

 

「あいたたた……」

 

「ねぇ今すごい痛そうな音したけど、大丈夫?」

 

「つつつ……頭から行きましたからね。常人だったら即死でしたね*2、っと」

 

>頭をさすりながらもフブキは反動をつけてひょいと立ち上がり、ひらひらと手を振った。

 

「ちょっと私は神社に向かってきます。この街の神様に挨拶しに行かないと」

 

「分かった。宜しくね、フブキ」

 

>ミオも手を振って送り出し、フブキは狐耳をあちこちに向け、尻尾をゆらゆら揺らしながら路地の入り口へと歩いていった。

 

「フブキさんは、護符をつけなくていいの?」

 

「カミと只人では存在の波長が異なるの。視覚、嗅覚、聴覚、触覚。存在の()が違うから、神秘の欠片(かけら)、奇跡を再現する資格……貴女達が言う「魔力」を持つ人だとしても、そう安々と知覚できない。例外は後天的にカミと同じ波長を知覚できるようになった人だね」

 

>「つまり、俺達に見えるようにその……波長? を合わせているって事でいいのか?」

 

「そう。キミ達は魔力の量もそれなりだから、合わせるのも簡単だったよ。あまりにも波長が離れ過ぎると、その人のイメージに影響されたりして、本来とは異なる姿に変貌してしまう時もあるんだけど」

 

>ミオは最後の護符を描ききって、全てを狐に貼り付けた。割合はミオが5割、俺とフレアで2割5分ずつと言ったところだろうか。

 

「お疲れ様……すごい速さだね」

 

「カミだからね。血も涙も流すけど、ウチ達の体を構成するのは蛋白(タンパク)質ではなく、人々が紡いだ尊き信仰(イワレ)。体のスペックそのものが違うから、あまり参考にはならないかな」

 

>狐を数度撫でてから、ミオは静かに立ち上がる。

 

「それじゃ、私はここでちょっと準備をさせてもらうよ。 ……ノエルさん、良いかな?」

 

「……? あ、はい。どうぞ?」

 

>「よし、俺達も行くか」

 

「うん。行ってくるね、ノエル」

 

「気をつけてね、フレア、ショウヘイ!」

 

>ノエルに対して拳を軽く向け、俺は返答の代わりとした。

 

>「護符は持ったか?」

 

「勿論」

 

>護符に魔力を流し、込められた術式を起動させる。

 

>路地から出ると、鋭さを増した太陽の光が俺の目を焼き、慌てて視線を下に向ける。

 

>(それよりも……)

 

>「寒っ……」

 

「何でだろうね……さっきも気になったし、路地だとあんまり感じなかったけど」

 

>「路地は狭かったからだろ。人もいたし」

 

「私達の世界はそんなに寒くなかったよね?」

 

>「世界の進行が違うんじゃないか? 技術年代からして違うんだから、基礎知識が通用しただけでも奇跡だと思うぞ」

 

「成程」

 

>大通りの雑踏の中を通り抜けながら、俺とフレアは北へと向かう。休日なのだろうか。人の出が物凄く多い。

 

>「王都に匹敵する人出だ。これで首都じゃないんだから恐ろしい」

 

「でも、ここは百万都市……人口は百万人いるって話だよ。ウェスタの王都が60万人少々なのを考えると、そもそもの外出が少ないのかもね」

 

>背の高いビルを見上げながら、フレアはそんな予測を立てた。

 

>「そうだな……」

 

「あ、そうそう。新しいエルフの氏族が見つかったよ」

 

>「……そうか」

 

>俺は軽く驚く。エルフは基本閉鎖的で、「氏族」というコミュニティ単位で集落を作り、暮らしている。

 

>「アルヴヘイム」はその氏族の連合体。ウェスタ領内の8程度の氏族が構成母体になっている筈だ。

 

>「ウェスタの氏族は、てっきり全て調べ上げられたのかと思っていたが」

 

「北だよ北。絶凍領域(アイスコフィン)。渡り龍の住処」

 

>「……成程。そこなら人間は手を出せない」

 

>ウェスタ王都より遙か北、馬で3週間*3は掛かる人類不可侵領域。

 

>「渡り龍」とよばれる生物の存在によって環境が捻じ曲げられ、熱湯を撒けば即座に雪になる、常人には手を出せない不毛の大地。

 

>「だが、そもそもエルフであっても住めるのか? 渡り龍に襲われたりは?」

 

「環境制御魔法の重ねがけと、服で何とかしてるみたい。渡り龍とは交渉して、相互不可侵の契約を結んだんだってさ」

 

>「……龍相手に交渉を成立させるとは」

 

「ねー。私も驚いたよ」

 

>「その氏族は、アルヴヘイムに何か言ってきたのか?」

 

「アルヴヘイム経由で、ウェスタと関係を持ちたいんだってさ。こっちとしても数少ない同胞だし、了承したよ。先遣隊に一人、その氏族から同行者が来てるの。とってもいい娘なんだ」

 

>「……気にかけてるんだな」

 

>俺がそう言った瞬間、僅かにフレアの顔が曇った。

 

>「すまん」

 

「謝らなくていいよ。こっちの事情」

 

>フレアは数秒目を伏せ、暗い表情のまま口を開く。

 

「その子、ハーフなんだ。私と同じ」

 

>「……そうか」

 

「純血派による厄介払い。万一死んでも所詮は庶子。でも片親の地位が高いから()()()の役割は果たせる」

 

>フレアは淡々と言い切った。

 

>語られたその理由は、フレアが官吏学校にやってきた理由と、全く同じ物だった。

 

「あの娘は聡い娘だし、理解してるとは思うんだけど……どうしても、放っとけ無くてね」

 

>「……そこは、昔から変わらないんだな」

 

「そっか、ショウヘイも。 ……そうだね」

 

>フレアは頷く。官吏学校に入学したばかりで、貴族儀礼や高位魔術に苦戦するばかりだった平民の俺に、最初に手を差し伸べてくれたのはフレアだった。

 

>彼女がいなければ、ノエルやマリンと出会い、有効な関係を築く事も無かったし、宮廷魔術師に上り詰めることもできなかっただろう。

 

>「……少し歩くか」

 

「うん」

 

>眩しい太陽が照りつける寒風の中、俺とフレアは遠くにそびえる山々を見つめながら、北へ北へと進んでいった。

 

 

サラッと放たれる闇……

 

でも、この話からするに「雪花ラミィ」さんの事ですよね、これ、恐らく……

 

不知火フレアさんがこちらに移って来たことによって、異世界組関連のフラグがこちらに引き寄せられてる……?

 

うーん、謎だ……

 

とはいえ、今回はここまでとさせて頂きます。

 

ではまた次回、お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
大日本帝国憲法下において、文官、武官を包括した呼び名となる。今回は上記の意味で用いられている。

*2
通常、30〜50cmの高さからアスファルトに頭をぶつけた場合、重症の危険性がある。

*3
距離千キロ。馬の移動距離を1日50kmとして。

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