ホロライブラバーズRTA(初投稿)   作:Shohei Hayase

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凡例

「白上フブキ」さん

「不知火フレア」さん



Ep.9/本編開始前(7)

えー、こんにちは。

 

ショウヘイと申します。

 

では、前回の続きからやっていきたいと思います。

 

 

 

「それでショウヘイさん、お仲間さんはどちらに?」

 

>「今は買い出しに行ってる。こっちとしても、やらなきゃいけない事があってな。今はそのための下準備だ」

 

「やらなきゃいけない事……? 失礼ながら現金は?」

 

>「あー……貴金属買取業者で地金を買い取ってもらった。品質は問題ないはずで、受け取った額は売値の半分だ」

 

「……あのー、非常に言いにくい事なんですが、地金も今は登録制になってまして……」

 

>フブキの言葉に俺は絶句する。まさかそこまで管理が行き届いているなど、正直予想外だった。

 

>「金にすら番号がつくのか……」

 

「自由経済になったとはいえ、貴金属の総量は変わりませんからね。金は以前と変わらず安定資産で、世界の共通通貨です」

 

>(……さて、困ったことになった)

 

>俺はそう心の中で呟く。

 

>管理、と言う事は地金にも規格があるのだろうが、あいにくとノエルが持ってきた地金は四角に成形されてはいるものの、登録事項など書かれていない。

 

>「……どうするか」

 

「品質……品位はどの位ですか?」

 

>「100%だ。魔法で精錬されたから間違いない」

 

「……えぇ?」

 

>フブキは思いっきり胡散臭そうな顔をして俺を見る……どうやら信用されていないようだ。

 

>「まぁそれもそうか。完全純度の金属なんて、早々存在しない*1からな……フブキがそんな反応をするって事は、この世界もそうなんだろ?」

 

「えぇ。普通の金属は4N*2、純度が必要なら5Nか6N*3で製造されます」

 

>「そうだな……冶金(やきん)は俺の専門外なんだが、何か金属質のものはないか?」

 

「えっと……ちょっと待って下さい」

 

>フブキはそう言い残して素早く路地の入り口に移動し、カラフルな缶を二本持って来た。

 

「この缶が金属製で……それを製錬してください」

 

>「……まずは缶を開けないとな」

 

>フブキから一本受け取って、取っ手を引っ張る。内容物を見てみると、緑色の液体が詰まっていた。

 

>「これは?」

 

「お茶です」

 

>「嘘だろ!?」

 

「ホントですよ。茶葉を発酵させずに即座に蒸した物です。独特の味ですけど、美味しいですよ」

 

>念の為対毒系魔法を液体に通すが、特に害となる物は入っていないようだ。

 

>「……では失礼して」

 

>二人で缶の中身を呷ると、爽やかな苦味と風味が喉を通り抜けていった。確かにフブキの言う通り独特な味だが、そこまで口に合わない訳では無い。

 

>「美味しいな」

 

「国産茶葉厳選、穂露(ホロ)茶堂の看板製品ホロ茶ですよ〜。私はこれが一番お気に入りなんです」

 

>「ホロ茶……」

 

>不思議な語感だ、と思いながら缶の中身を飲み切る。

 

「オン・サラスヴァテイエ・ソワカ」

 

>フブキは懐から取り出した布で口をつけた所を拭くと、何やら呪文を唱え出す。

 

>「……この世界にも魔法が存在するのか?」

 

「より正確に言えば、とうに駆逐された時代遅れ(ローテク)ですね。今の人間には魔法は使えません」

 

>呪文の効果か、フブキの掌の上に一塊の水が精製され、フブキが持っている缶の中に飛び込む。

 

「オン・アギャナエイ・ソワカ」

 

>続いて呪文を唱えると、これまた掌の上に火種が生成され、フブキはそれを缶の中に放り込む。

 

>「熱くならないのか?」

 

「仮にも神格の炎ですし、燃える燃えないの区別位出来ますよ」

 

>「神格に仮託して魔術を起動するのか? それだと無駄が多いような……いや」

 

>(……もしかして、()()()()()()()()のか?)

 

「……まぁ、ショウヘイさんの認識で凡そ問題は無いと思いますよ」

 

>俺の予想が顔に出たのか、フブキは片目を瞑って困り顔をしながら首を横に振った。

 

「そもそも魔術には、その現象を肯定する基盤(リライアンス)が要求されます。術理道理は全て、拠り所あってこそ成り立ちます」

 

>「だがこの世界には基盤が存在しない。故に多少大仰であっても、神格という「万人に何となく信仰されているモノ」を基盤にするしかない、って事か」

 

「満点です」

 

>フブキはそう言って缶を差し出す。受け取った手指に伝わってきた感触は、缶の中に少しも水が残っていない事を指し示していた。

 

「ではお願いしますね」

 

>「了解した」

 

>俺は意識を集中させ、缶に魔力を通す。

 

>金属精錬の能力が最も高いのは雷と土の二重属性で、雷の影響が高いとされる。

 

>俺の金属加工精度はマリン程では無いが、俺も彼女の真似事は出来ない訳ではないし、彼女に手ほどきも受けている。

 

>金属を蒸発させないように慎重に魔力を流し、ある程度魔力量が纏まったところで一気に「捻る」。

 

>すると、手の中に浮かぶ缶も赤熱しながら雑巾のように捻じ曲げられ、不純物と塗装が剥がれ落ちる。

 

「おぉ……!?」

 

>「界磁の反発係数は覚えた……これがターゲットか。ならば全磁束集積、整列、出力は7テスラに固定。誘導電流出力上昇」

 

>捻られた缶が青い光を放ち、段々とその質量を減じさせる。瞬く間に金属は蒸発し、俺の手の上でドーナツ型になって閉じ込められる。

 

「……第四態、プラズマ……?」

 

>「そう。そのプラズマとか言うのに変えて、ターゲットした電磁係数の物だけを通さない。他の物質は磁場の外に出て蒸発する。故に100%、完全純度の物質が出来上がるって訳だ」

 

>これが最高効率って訳じゃない*4んだろうな、と嘯きながらも、段々と純度を上げていく。

 

>「連続起動……安定遷移。魔力消費は許容範囲、少しオーバー気味か? ……龍脈を借りても?」

 

「えっ? あ、どうぞ」

 

>フブキの許しを得て、俺は魔力を龍脈から吸い上げ、術式に投入する。

 

>魔術による金属精錬の欠点は、その魔力消費が著しい事と、該当する属性適性を持つ者がごく限られる事だ。

 

>前者は空間のマナを借りることで解決するが、後者はそうも行かない。属性適性とはあくまでも先天的なもので、鍛錬によって開花する適正は極稀だ。

 

>「磁束集積、電流出力減退……損失は許容範囲内、と」

 

>電流を弱めながら磁場を圧縮し、不要な物質を取り込まないようにカバーしながら高エネルギーの状態から金属へと戻していく。

 

>「これが、完成純度の金属だ」

 

「おぉ……触っても?」

 

>「まだ熱い。手が燃える。 ……ってか、今は磁場で他の物質が入らないように保護してるんだ。その膜を破られたら純度が下がる、安定するまで待ってくれ」

 

「ふむふむなるほど……しかし魔術にそんな使い方があったとは……確かに特定の元素のみをターゲットしたフィルターは現代科学ではまず再現不可能ですからね。しかし金属をプラズマにまで変えてしまうとは、凄い出力ですね……一体如何程で?」

 

>「大気中のマナ……えっと龍脈ありで、雷くらいの出力は出せるな。インターバルは要るが」

 

>フブキは俺の返答を聞いてぽかんと口を開けた。

 

「まるで超電磁砲(レールガン)ですね……」

 

>「レールガン? 何だそれ?」

 

「雷並みの電力を操る超能力……えっと魔法みたいなものですね」

 

>「超能力? 魔法じゃなくてか?」

 

「えぇ。といってもフィクションの中だけですけどね。超能力も魔法も、この世界には存在しないのです」

 

>「想像力が豊かってのは良い事じゃないのか?」

 

>俺がそう言うと、フブキは腹を抱えて笑い出した。

 

>「何だよ、一体」

 

>憮然とした口調で問うと、フブキは目尻の涙を小指で拭きながら口を開いた。

 

「神秘、非日常を知る側から言えばそうなるのは分かっているんですけど……あぁお腹痛い……超能力の如何(いかん)を想像力と結びつける人なんて、長い神生(じんせい)の中でも初めてですよ」

 

>「魔法は想像力が肝だ。道理を想像力で拡張する。それはフブキも同じじゃないのか?」

 

「まぁそうですけどね……えへへ」

 

>ひとしきり笑って、フブキは俺の掌の上に浮かぶ金属に視線を向ける。

 

「もう大丈夫ですか?」

 

>「……あぁ」

 

>磁場に伝わってくる感覚から、十分に冷めたと判断した俺は磁界を切って浮遊している金属を手のひらに落とす。

 

>まだ少し熱を持っている金属片を2、3度手の中で弄んでから、俺はフブキに金属片を差し出す。

 

>「はいよ」

 

「うわぁ……アルミが磁化してるとかどんな磁場を当てたんですか?」

 

>フブキは受け取った金属片を上から下から眺め回し、ブツブツ何事かを呟き出す。

 

 

「やっほ、ショウヘイ、その人誰?」

 

>唐突に後ろから投げかけられたその声に、俺は出来の悪い錻力(ブリキ)人形のようにゆっくりと振り返る。

 

>ニッコリと笑ったフレアは、何故か左手を後ろに回し、邪気も何も感じられない能面のような笑みでこちらを見てくる。

 

>「フレア、あー……」

 

>どうしたものか、と俺は視線を巡らせる。フレアは何やら臨戦態勢だし、フブキは突然のフレアの登場に獣耳を小刻みに震わせながら目を真ん丸に開いている。

 

>「……()(かく)、話を聞いてくれ」

 

>俺は静かに、その台詞を絞り出すしかなかった。

 

 

 

よっしゃあいい感じのセカンドコンタクトになりそうです!

 

 

……ん? 新しいアンロックスキル?

 

 

『大源同調/Ⅴ+』

 

補正、補助系スキル。

 

MPリジェネ+1000%/min 自身のMP量よりもMP消費の多い魔法が発動可能になる(最大3倍)。

 

##現在は使用不可能。スキル効果減退中##

 

大気中のマナを自在に操作する能力を示す。

 

Ⅴ+ともなれば周囲1kmのマナを90%近い変換効率でオドに変換出来る。

 

マナとはイワレ。信仰を形にした星の息吹。

 

大気に満ちる魔力は、変容を経て個人の魔力へと変わる。

 

 

……+裁定入ってる!?!?

 

 

えーっと、+裁定は能力の強さが倍になります。

 

倍になります

 

Ⅴの倍とか信じられない能力ですよ! 神に匹敵する能力です!

 

主人公くんマジで魔法の天才なんですね……Ⅴって本来なら全く見られないんですよ。そのスキルを普通に、何の支障も無く扱える人がⅢですからね。

 

Ⅴ+とか天才も天才、紛れもなく人類の傑物です。

 

 

えー……ともあれフレアとフブキが出会いました。

 

ここからどのように関わっていくのか……さて、今回はここまでとさせて頂きます。

 

ではまた次回、お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
というか不可能。100%純粋な金属を売りつけてくる人間からは即刻距離を取った方が良い。

*2
99.99%

*3
99.9999%

*4
極めて効率が悪い。実用には程遠い。……しかし、現状これしか方法が無いのも事実。

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