俺の妹が子持ちでバツいちの男と結婚した件   作:加具

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要望があったのでマルチ投稿が可能になったため投稿します。
最新話はすいません、もう少しまってください。
パパのいうことを聞きなさい!の二次創作です。
佑太の性格、裕理や他の人との関係等色々改変しております。

小説とアニメを読んだあとで書いた自己満足小説です。

この小説はアルカディアにも投稿しています。


親戚とはお話のあとで交渉しました。

突然だが俺瀬川佑太は波乱万丈な人生を送っていると言っても過言ではない。

両親に先立たれ、残されたのは俺と妹の二人だけであった。

 

妹と二人助け合って暮らした。

この前妹がやっと結婚を果たし一安心したばかりの俺だったが、この度その妹宅から急な収集がかかったのである。

自前のバイクを乗り回し、俺は小鳥遊家へ向かった。

 

妹の呼び出しに答え玄関に辿り着く、家に入る前にする事がある。

まずは一服、俺は胸ポケットから煙草とライターを取り出し点火。

 

ぷか~  ぷか~

 

一本を吸い終わるとポケット灰皿に吸いがらを入れる。

ここから先で吸う事は出来ないから味わう様に吸った。

 

その後で、俺はインターホンに手を伸ばした―

 

「「「「「叔父さん(兄貴)(佑太君)!いらっしゃ~い!!」」」」」

 

そんな俺は今、明るく愉快な食卓にいる。

 

「おい、妹、こんな話し聞いてないぞ?」

 

皿には色とりどりの豪華な食事が並べられ、暖かな湯気をたたえている。

ジトッと下から眺める様に言う俺は、さぞかし機嫌悪そうに見えた事であろう。

ほらご覧、子供たちもビビってんじゃ・・・と思いきやなんかめちゃくちゃ笑顔だし。

 

「何って、兄の歓迎パーティーに決まってんじゃない。」

 

さも当然と云う様に言う妹。

 

「出張で手が離せないから留守番役を頼むって言うから来たんだぜ?」

 

確認するように俺は祐理を見た。

すると裕理は悪戯が成功した子供の様な無邪気な笑顔で笑っていた。

 

「あれ嘘!!!!!!」

 

ドヤァと言う様な生意気な顔である。

 

「・・・久しぶりに一片拳骨落としとくか。」

「ごめんなさい、ごめんなさい。」

 

俺の呟きを聞いた瞬間、土下座せんばかりに謝りはじめる妹。

 

「スイマセン、信吾さん、この馬鹿がお騒がせして。」

 

ペコリと頭を下げる俺。

 

「いやいや、いいんです、裕理さんが楽しそうでしたし、それに僕からもお礼が言いたかったので。」

 

そう言ってニコニコと笑っている妹の旦那である信吾さん。

いやぁ、ホントに良い人にもらわれやがったぜ妹よ。

 

「こんなに飯に金掛けやがって。」

 

出るのは溜め息。

 

「だって兄貴が来るんだもん。」

 

そうやってぷっくらと頬を膨らませる裕理。

 

「そういう問題じゃねぇよ。」

 

まぁいいか。

それより何より―

 

「元気にしてたか?ガキ共。」

 

俺はこの家に住む三人の少女+幼女に挨拶をした。

 

「「「うん!!!!」」」

 

元気に返事が返ってくる。

うむ、余は満足じゃ。

 

それぞれ母が違う彼女たちは三者三様の容姿を持ちながら仲良く暮らしていた。

 

「お兄ちゃん、久しぶりだね。」

 

頭にトレードマークの青いリボンをつけて微笑んでるのが小鳥遊空である。

 

「もっと家に遊びに来てくださいよ。」

 

そうやって笑っているのが金髪の美少女小鳥遊美羽

 

「おいたん、ゲームしよー!!」

 

無邪気にご飯そっちのけで笑う彼女が小鳥遊ひな

我が妹がお腹を痛めて産んだのは唯一ひなだけであるが三人ともが小鳥遊家の娘であり、裕理の娘なのだった。

 

「ひな、ちょっと待て遊ぶのはこの飯食ってからだ。」

 

俺は久しぶりの裕理のつくった飯を堪能した後、土産に持ってきていたひなへのゲームやら美羽へのアクセサリーやら空への漫画本等を渡した。

皆の笑顔が見られたのに安心し、皆とゲームで遊んで久しぶりにひなと風呂に入ってから寝た。

 

夜、布団に入っていた所でふすまの開く音がした。

 

「どうしたんだ裕理?こんな時間に。」

 

見ると其処には寝巻姿の裕理がいた。

何かを話したそうな、でも申し訳ない様な、そんな雰囲気を漂わせている。

 

「何突っ立ってんだよ。」

 

その一声に裕理は後ろ手に襖を閉め、部屋に入り込んだ。

 

「兄貴、お願いがあるんだけど。」

 

その瞳の凛とした事、さすが俺の妹である。

 

「言ってみろ。」

「子供たちを預かって欲しい。」

 

先程の躊躇は何処へやら、ポンとその一言は放たれた。

月明かりだけが照らすこの部屋は、薄ら暗かったが、その中で裕理の瞳だけが輝いて見えた。

 

「分かった。」

 

俺は直ぐに頷いた。

裕理は笑顔である。

儚い笑顔、何処か少しだけ罪悪感を背負った様な笑顔。

 

「何も聞かないの?」

 

そうやって返ってくる言葉。

前にもこんな事あったなぁ。

あれは裕理が信吾さんと結婚すると言いだした時だったか。

振り返ると懐かしい、もう三年も前の話になるのか。

あの時もこういったっっけなぁ。

 

「お前がそんな瞳をする時は間違ったことしねぇよ。」

「・・・ありがとう。」

 

それだけ言って裕理は部屋からでて行った。

 

次の日、朝リビングを見ると机には朝飯とは思えない程の量のサラダがつくられ、すごくハシャいだ様な字で“信吾さんの出張についていきます?”と書いてあった。

皆が起きる前に二人揃って出て行った様である。

 

何で皆が起きる前の早朝だったのか、三人の子供を置いて何処に行くのか、何時帰って来るのか、全てを俺に伝えることなく、謎のままにして二人は出て行った。

起きてきた美羽や空達から今日から一週間、父の出張に海外に母もついていくことになったということを聞いた。。

新婚旅行が忙しくて出来なかったから、行けて良かったと。

既に前もって裕理は俺が一週間面倒を見るようになると伝えていたらしく、そういう体で話は既に済んでいたらしい。

あいつ俺を全部騙して行きやがったな。

一先ずその説明に納得する。

 

だが、新婚旅行で一週間家を開ける為の話の展開としては、如何にも譜に落ちない俺がいた。

 

一日、二日と過ぎて行く、毎日三姉妹と遊び、飯をつくってやったりひなの面倒を見たり。

俺としても楽しい日々が過ぎて行く。

 

皆を寝かせ、客間の布団に入ってテレビを見ていたその時。

飛行機が墜落し乗員、乗客が行方不明になったという緊急速報が流れた。

沢山の名前が羅列され、また他の人の名前に塗りつぶされて行く中で、俺の妹、小鳥遊裕理とその夫小鳥遊信吾の名前があった。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

小鳥遊家の親族の対応は迅速であった。

行方不明の段階で、まだ事件から数日しかたっていない段階で、裕理と信吾さんの遺体のない葬式が行われた。

 

「~~~~~~~~!!!!」

「大丈夫だ、あんがとな。」

 

俺は礼を言って携帯を閉じる。

携帯には俺の妹が事故に巻き込まれた事を知った友人たちからの着信が殺到していた。

葬式の準備や着信への対応で時間を取られてしまったがどうやら一段落である。

 

遺影の前で手を合わせ、祈る。

 

―美羽ちゃんのお母さんには連絡はとれないの?

 

妹が死んだ、そんな実感が湧かない。

 

―する必要ないよ、第一言葉の通じない外国へ彼女を連れていけないよ。

 

信吾さんと並ぶように置かれた裕理の写真。

 

―空ちゃんのお母さんが生きていればよかったんだけど・・・

 

事故がどのように起こったのか、どれだけの人が死んだのか、そんな情報は事件の起こった場所が悪かったらしく殆ど分からない。

そんな状態で裕理の死を実感しろという方が無理だった。

 

―運がないよね、お兄ちゃん。

 

そして俺は頼まれごとの最中である。

見ると三人は小鳥遊家の親戚たちが話しあっているのを傍で聞いているらしい。

 

―ホント、運がないというかなんというか

 

瀬川家の出席者は俺と伯母さんにあたるよし子さんのみ。

不安そうな顔をしている三人に向かう。

 

「手は合わせたのか?」

 

その言葉に長女の空が頷いた。

しかしその動作は心ここにあらずで一心に目線を小鳥遊家の親族会議に集中させている。

美羽も不安げな目線で其処を見ていて、ひなだけが何が起こっているのか分かっていないのか眠たそうに目をこすっていた。

もう夕方だし今日は忙しかったもんな。

 

俺も親族会議の内容は聞こえていた。

つまりはこの三人の処遇を考えているのだ。

しかも、どうやら三人は別々になる流れで。

 

それを不安に思っているのは明らかで、寄り添う三人の姿はこれから先に広がる未来に対して無防備な身を守るかの様にきつく抱き合っていた。

 

「どうしたい?」

 

俺は投げ掛ける、親がなくなり、大事な物を守ることもできない、目の前の存在はそんなちっぽけな存在である。

社会に対する何の抵抗力もなく、存在するいくつものルールの前に何の知識もない。

かつては俺もそうだった。

 

「お前たちはどうしたい?」

 

俺は投げ掛けるだけ、何の決定もしてやらない。

決めるのはこいつらであって俺じゃない。

その結末がどうであれ、彼女たちの望む形を見つけさせる。

 

三人(実質二人だが)は互いを見つめ合う。

そこになんの感慨があるのかは知らない。

所詮俺はこの家族にとって部外者で、境界線の外からしか見ていないのだから。

 

「私は三人で暮らしたい」

 

空が言った。

 

「皆、・・・一緒がいい」

 

その声に美羽も頷く。

 

「私だって、おねぇちゃんやひなと一緒にいたい!!」

 

空も美羽も泣きそうになりながら俺をみた。

自分たちは一緒がいい、何の事情も、何の制約も無視した本音はそれであった。

でも、それぞれの目からはそれが叶いそうもない事を知っているかの様に暗かった。

この瞳は前にも見たことのある瞳だ。

親父とお袋が死んで、途方に暮れた時の裕理の瞳だ。

 

「結論をだそうか」

 

親族会議は一応の終結を迎えた様だった。

そこには三人に向かって親戚一同全員が向かい合っていた。

 

「皆のこれからの事が決まったから、静かに聞いて欲しい」

 

代表して話はじめたのは信吾さんの兄、信好さんだった。

傍で聞いていた子供たちは置き去りにして、決まった三姉妹の今後を信好さんは淡々と語っていった。

 

「ひなは真弓伯母さんが引き取る」

 

その言葉に空達はひなを見るが、ひなは空の太ももを枕にして既に眠っていた。

 

「美羽は私の家に、空は全寮制の中高一貫校に―」

「ちょ、ちょっと待ってください」

 

空がたまらずに口を出した。

俺は唯其れを見ているだけである。

 

「私達、・・・三人一緒がいいんです」

 

その声を聞いて困った顔をする信好さん。

 

「なにも地球の裏側まで行くわけじゃない、会いたい時は何時だって会える」

「絶対迷惑かけません」

 

空の声は続いた、相手の話を遮る様に、聞いてしまえば、もう元には戻れないという様に。

 

「お前達が一番しあわせになれる方法がこれなんだよ」

 

信好さんは優しく、言い聞かせるように、空に向けて言う。

美羽の手が空の手を固く掴んでいた。

 

「私達、何でも言う事聞きます」

「いつまでも、我がまま言わないでくれ、三人は無理と言ったら無理なんだよ」

 

信好さんは困った表情を浮かべながら三人をみた。

しかし、頑なな彼女たちの様子は変わりそうになかった。

 

空や美羽の思いは本気の様で、瞳には強い色が浮かんでいた。

やっぱり、本当の娘じゃなくても、あれが母親なら子も子なのだろう。

あれは裕理の瞳だ、あの夜の日に見せた、決意を秘めた瞳だった。

俺の好きな瞳だ。

決意を確認して俺は腹を決めた。

 

「空、美羽、ひな」

 

突然入ってきた声の主に視線が集まる。

泣きそうな顔が俺を迎える。

皆が離れ離れになるのを拒み、一生懸命守ろうとした家族が此処にいる。

 

「家に来るか?」

「……へ?」

 

信じられないとかそんな顔、灯った希望が真実なのか、受け入れられないという色。

 

「狭いし、ヤニくせぇし、時々変な奴が来るけど、三人でいいぜ」

 

クシャクシャとそれぞれの頭を撫でてやる

それに反応して、ひなも目を開けた。

 

「おにぃ……」

「簡単に言うんじゃない!君は自分の言っていることが分かっているのか?」

 

信好さんの声が背中にかかる。

 

「大丈夫っスよ、なんせ経験者ですから。」

 

その俺の言葉には、何か引っかかる所があったらしい。

 

「一人を育てる訳じゃない、大体、君は美羽や空とは―」

「血とかは、どうでもいいんじゃないすか?」

 

なんせ、俺の妹は実際血の繋がらない可愛い娘達を、一生懸命育て上げたのだから。

 

「裕理と俺は血が繋がってるから家族だったんじゃないですよ。」

 

一緒の家で暮らして、一緒の飯を食って、一緒に遊んで、沢山の時間を共有して。

唾液の交換なんざとっくに済んでるけど恋人じゃなくて、何時だって一緒にいるけど友達じゃなくて。

それは何とも不思議な関係なのである。

それは血が繋がってるからとかそうじゃないとか、そんな単純な問題ではないのだ。

 

「単純な人数だけの問題なんて思ってない、こいつらはまだまだ子供で、いろんなこと考えてきっと迷う。」

 

沢山の悩みを抱え、沢山の葛藤を越えて、ゆっくりゆっくり成長していくのだろう。

 

「その時に、一人じゃ寂しいじゃないですか。」

 

隣に兄弟がいて、悩みを話し合い、時には喧嘩して、バカな笑い話に花を咲かせるのである。

きっと、それがいつか実を結ぶ。

どんなに歳をとって、どんなに離れても、そんな奴がいたら頑張れると思うから。

どんなに疲れたって、どんなに辛くたって、挫けない強さをくれると思うから。

そんな一人よがりな考えを、空も美羽も、思ってくれていて、今は分からないひなも姉と離れる事は嫌がるだろうから。

 

「そんでこれは俺も経験したからこそ言えるんですけど―」

 

一度区切って向き直る、空も美羽も、寝ぼけ眼をこすりながらもひなも皆俺を見ていた。

 

「やっぱ家族は一緒じゃなきゃな。」

 

俺はこの三姉妹を育てていくことに決めた。

妹の頼みだからだとか、三姉妹がそうしたいからだとか、そんなのではなく、俺自身がそう決めた。

 

俺はもう一度パパになってやる。

 




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