仮面ライダービルド×五等分の花嫁〜五等分のベストマッチ〜 作:しょくんだよ
三玖「戦兎、いきなり何?」
戦兎「何ってあらすじをお浚いするに決まってんだろ?
物語が始まる前に前回のあらすじを語るのが
筋ってもんだろ?ほら、三玖の台本。」
三玖「うわわっ、急に投げないで。」
戦兎「それでは、
桐生戦兎は、記憶を無くし、中野家の5姉妹である
三女の中野三玖に保護され、現在中野家へと一緒に
住んでいたのでした!」
三玖「保護じゃなくて拾った。あと居候の間違い。」
戦兎「茶々入れるんじゃないよ。そんな事言ったら
読者の皆さんに勘違いされるだろっ?」
三玖「全部本当のこと。戦兎の発言おかしい。
そもそもまだ10代なのに物理学者ってありえない。」
戦兎「いちいち食いつくんじゃないよっ。
まあ俺でも何でこんなに発言してるのかは
分かんないんだけど、でも!頭脳明晰容姿端麗な
少年この世界にいるわけないだろ?
きっと前世は最高な科学者だったに違いない!
現にフルボトルやマシンビルダーを開発したのは俺だからな。凄いでしょ?最高でしょ?てんs」
三玖「私達中野五姉妹はある事情で旭高校へと転校し、
戦兎と私も通学の途中。けど突如現れた
謎の怪人スマッシュに襲われたのでした。
記憶を無くした戦兎だけど、
唯一覚えている仮面ライダービルドの力で
戦兎は変身、東都の平和を脅かすスマッシュと
戦う事になったのでした。」
戦兎「うわあ!無視された挙句台詞全部取られちゃったよっ!?
今日あらすじ初なのに〜!俺主役ー!」
三玖「自意識過剰な戦兎が悪い。
ところで、私達が初めて会った回想とかはしなくていいの?」
戦兎「そこは二話で話すんじゃないの‥。
はぁ。気を取り直して、どうなる第2話!」
ある雨の日の出来事だった。
中野家はある事情をきっかけに父親の元から離れ
東都エリアA-1、昔は愛知県と呼ばれる場所へと
引っ越しをする事になっていた。
一通りの事は済み、中野三玖はコンビニから帰る途中。
その手に持つ袋の中身は抹茶ソーダという如何にも組み合わせが悪そうな缶飲料が数本入っていた。
「‥傘、持ってきて正解だった。二乃に感謝だね。」
天候は急に変わるもの。買い物に行く前に
中野5姉妹の次女、中野ニ乃に持っていけと言われたのだろう。
空を見ながら呟く三玖は少し早歩きとなり
マンションへと帰宅していた。
この先の曲がり角を曲がればマンションの入り口、
と言っても高級マンションなのでコンビニからでも
はっきりと聳え立つのが見える。引っ越ししたばかりでも
相当な方向音痴とかではなければ間違える筈がない。
その時だった。
「え‥?人‥?」
曲がり角を曲がった三玖の目先に映ったのは
雨の中に立ち尽くす1人の青年がいた。
歳は三玖と変わらないほど若く見える。
多雨だったため当然青年は
ずぶ濡れていた。
傘を忘れたなら言うまでもないが何処かで雨宿りするのが一般的だろう。
しかし、彼は微動打にせず、ただ空を見上げて立っていた。
異変に気付く三玖は若干人見知りではあったが
放ってはおけなかった。
そして、ゆっくりと彼に近付き
「‥あの、…どうしたの‥ですか‥?」
勇気を出して声を掛ける。
青年は三玖の存在に気づくと、
深刻な顔をして、、
「‥俺、何でこんなところに?
‥ここは、何処なんだ?‥何も思い出せない‥。」
三玖は驚き目を見開く。
何も思い出せないという言葉に耳を疑うが
こんな所でしかも雨天の中立ち尽くす男が
嘘をつく様には見えなかった。
「‥自分の名前、分かる?」
「‥名前‥‥。
俺の、名前は、桐生‥!
桐生 戦兎‥っ。」
「桐生戦兎‥?変わった名前だね。
他は思い出せる?」
「‥!いや、全く。」
思い出そうと眉間にしわを寄せたが、
すぐに諦めたのか間抜けな表情で返す。
「‥‥。そんなに濡れてたら風邪を引く。
うち、すぐそこだから来て。」
「え、‥でも、いきなりお邪魔なんて。
家族に迷惑だろ?しかも君、女の子だし。」
「‥多分大丈夫。それに戦兎は行く宛あるの?」
「いや、‥ないけど‥。」
「なら行くよ。」
「うぉっとと!ちょっと待っ!」
普通なら、知らない人、増してや初対面の人など
気に止めもしない三玖だが何故か、どうしてなのか
この
そんな気がしたのか、少し強引気味に戦兎の手を引き、
歩き出したその時、ガシャン!と
何か落とした音が聞こえた。
「これ、何?」
「…これは…。」
見るとそれは戦兎の懐から落ちたものであろう物だったが、
見た事のない造形が施されたアイテム、そう、
〝ビルドドライバー〟と2本の〝フルボトル〟だった。
☆☆☆
『グォオオオッ!!』
「よっと!」
戦士、仮面ライダービルドは雄叫びと共に突進してくる
ストロングスマッシュから軽い身のこなしで避ける。
距離ができたビルドは一度腰を落とすと
左足が赤く光り、太もも部にあるアーマーが
バネの様に伸縮し、勢いよく踏み出す。
すると、一瞬でストロングスマッシュの目の前まで跳躍し、
一撃、二撃と殴り、蹴り飛ばす。
『グォオオオッ!?』
「よし、こいつを試してみるか!」
大きく吹っ飛んだスマッシュは豪快に転び
痛みが走るのか蹴られた部分を抑え叫ぶ。
そしてビルドが取り出したのは今朝完成した
掃除機フルボトルだ。2、3回振り、
シールディングキャップをボトルの正面に固定、
『掃除機!』
それをタンクフルボトルと入れ替え、
ボルテックレバーを回す。
するとスナップライドビルダーがすぐに展開し、そのパイプの中を、水色の液体が流れ始め、
新たなアーマーを形成する。
『Are you ready?』
「ビルドアップ!」
水色のアーマーが、青色のアーマーの上に重なるようにビルドに装着され水色のアーマーが重なると同時に
青色のアーマーは粒子となって消え、そして
水色のアーマーがビルドの新たな装甲となって完成する。
先程の癖の強い声は一切聞こえず、陽気なメロディが
ビルドドライバーから鳴り響く。
これはベストマッチの組み合わせ以外で変身した形態
〝トライアルフォーム〟と呼ばれるものであった。
名付けて〝仮面ライダービルド トライアルフォーム
(ラビット掃除機)〟。
『‥‥!?』
「そう恥ずかしがらずに、こっちへおいでっ!よっ!」
先程とは打って変わって警戒したのか
近づこうとしないスマッシュ。
だが、ビルドは掃除機の先端が丸々くっついた様な
装甲の左手をスマッシュへ向けると、
吸い込みが作動する。
『ッッ!!?』
「思ってたよりも、凄い吸引力だなっ!
どうだ三玖!掃除機も、馬鹿に、出来ないだろ!?」
「う、うん‥!きゃあっ!‥凄すぎる‥!」
ビルドが興奮する通り、ものすごい吸引力で
スマッシュも耐えるのがやっとだが徐々に距離は狭まって行く。
辺りも風で巻き込まれる程凄まじく、
距離が離れている三玖にも影響が出るくらいだった。
耐えきれなかったスマッシュは一気に距離を縮められ
ビルドは再び一撃を入れ、あろうことか
掃除機で薙ぎ払うかのようにスマッシュを攻撃した。
どうやら戦闘用に強度も高いらしい。
「時間に余裕がなくてね。さっさと済ませちゃおうか!」
『タンク!』
『ベストマッチ!』
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエェーイ!』
ビルドは再びラビットタンクフォームに戻ると
ボルティックレバーを回す。
『Ready Go!』
「ちょーっと、待ってね。」
ボルティックレバーを回し終えたビルドは
スマッシュにそう告げると、何と敵を背に向け走り出した。
その行動にスマッシュも首を傾げる仕草を見せる。
何歩か走った所でビルドは右足で思い切り地面を踏みつける。
するとビルドが立っている部分だけ陥没し、
ビルドは地中に姿を消した。
『ッ!?』
気を取られたスマッシュに何処から現れたのか
巨大な白い、〝グラフ〟の様な形をしたものが
左右から現れ、スマッシュを拘束するよう挟み込む。
真横から見ればスマッシュを拘束しているのはX軸だった。
「はっ!」
ビルドは地中深くから飛び出し、巨大なグラフの
Y軸上まで飛ぶ。そしてそのグラフの放物線に従う様に線の上を滑り落ち、スマッシュ目掛けて
〝蹴り〟をぶつけた。
「はぁぁぁっ!!」
『ボルテックフィニッシュ!イェーイ!』
渾身の一撃。必殺技とも言えるその威力は
スマッシュを蹴り飛ばし、火花を散らしながら
空中で緑色の炎を上げ、爆発した。
ビルドはその光景を確認した後、深く息を吐き
ドライバーに装填されてる2本のフルボトルを
抜き取ると、アーマーは粒子となって消え、
戦兎の姿へと戻った。
戻った戦兎はポケットからエンプティボトルを取り出すと
シールディングキャップを固定し、横たわるスマッシュにキャップの先端部を向けた。
するとスマッシュは粒子となり、その粒子が
ボトルの中へと吸い込まれる様に抜き取られていく。
抜き取り終わるとボトルは膨れ上がるような造形となり、
シールティングキャップを回して戦兎はポケットにしまい込む。
そして、〝横たわっている男性〟を見遣る。
「よしっ、と。おぉーい。大丈夫か?」
「戦兎。この人、戦兎と同じ学生服。」
横たわる男性に戦兎は声を掛けていると
茂みに隠れていた三玖が歩み寄る。
よく見ると男性は今から向かう旭高校の服装をしており、
見た目からして戦兎等と同学年の風格だった。
「こんな学生にまでスマッシュにされちまうなんてな。」
「戦兎も学生でしょ?」
「いちいち食いつくんじゃないよ。
おーい、大丈夫か?」
「‥はっ!?」
「うおっ!?」
「きゃっ!?」
戦兎は倒れてる男性の頬を軽く叩くと、
男性は急に起き上がり、戦兎と三玖はびっくりしてしまい、
三玖に至っては尻餅をついてしまう。
「えっ?は?‥ここは?あれ?」
「君、スマッシュになっていたな。怪我はないかい?」
「‥すまっしゅ?てか、あんた等誰だ?」
「おいおい、命の恩人なのに礼儀知らずな男だねー。
俺は桐生戦兎。街の愛と平和を守る
仮面ライダービルドをやっている。」
「私は中野三玖。‥スマッシュを知らないの?
東都では結構有名よ?」
「‥ちょっと待ってくれ。情報が追いつかない。」
男は頭を抱えながら立ち上がると辺りを見渡し始める。
「えっと、スマッシュ‥だっけか?
確か学校で噂になっているのは知っていたが‥。
何だ、スマッシュって。」
「仕方ない、この天っ才!物理学者の桐生戦兎が
分かりやすく説明してあげよう!
予測だがスマッシュは人間に
ある特殊な成分を注入させられそれが人間の体内で
化学反応を起こし、人体に影響され、変貌。
それがスマッシュだ。スマッシュになってしまえば
自我を失い見境なく破壊衝動に襲われちまうって事。
そしてその間の記憶までもが失われちまう。」
「言われてみれば、全然思い出せない‥。確か通学の途中‥。」
「そ!で、そのスマッシュを止めるのがこの俺、
桐生戦兎が開発したビルドd」
「あぁっ!!」
「うおっ!?何っ!?」
「悪い!俺急いでるんだ!」
と、言い残すと男性は急いでその場から
走り去ってしまった。
「ったく、お礼の一つもないなんて無神経な男だな。」
「‥無理もない。スマッシュになって頭が混乱している。
それに、戦兎の話が長いのもある。」
「長いって失礼だなー。スマッシュの事が分からないんだから、説明するのが筋ってもんでしょーよ。」
「うるさい。ほら、戦兎。私達も行かないと。」
三玖はやれやれと言わんばかりな顔をしながら
止めてあるマシンビルダーの近くまで行き、
ヘルメットを被り出す。
時刻は8時40分。完全に遅刻だ。
戦兎も納得のいかない顔をしつつも歩き出そうとする。
ふと、地面に目がいく。
そこには生徒手帳が落ちていた。
「上杉‥、風太郎?」
☆☆☆
「あぁー。初日なのに遅刻した挙句先生に怒られたと‥。
最悪だ‥。」
「なあに桐生君。しょげてるの?
でも、スマッシュと遭遇したんじゃ、しょうがないよ。
お姉さんが元気づけてあげよっか?」
「いやいいよっ。戦利品は手に入ったし。」
「相変わらず女の子には興味ないな〜。
そんな事じゃモテないぞ〜?」
「うるさい、俺は科学と情報集めその他諸々で忙しいの。
あー、学校なんて本当は行きたくなかったのにぃ。」
あの後、旭高校に到着した戦兎と三玖は
校門前の生徒指導の先生に怒られてしまった。
その後、編入生として教室へ案内され、
現在昼休みの時間となった出来事だ。
テンションが下がる戦兎に声を掛けたのは
同じクラスとなった
アシメントリーのショートヘアが特徴。
中野五姉妹の長女でお姉さんだけあって
悩み事や相談事はなんでも聞いてくれる面倒見がいい子だ。
だがいつも胸元のボタンは一つ開けており、
目のやり場に困る事もしばしば。
「文句言っちゃダメ。記憶喪失で学歴も分かんなくて
17歳の君はどこかの高校に通ってたんだと思う。
私達と同じ高校に編入させたんだから
ちょっとは感謝して欲しいくらいだよ?」
「逆にあんなデタラメな
よく編入できたよ、俺。」
そう、戦兎は嘘の志望理由を書き、面接を受けたのだ。
受かるはずないと思っていた数日後に合格の通知が
届いたのだから当時驚いたのも無理はない。
「まあ、無事来れたんだから、早くご飯食べよ?
他の4人もきっと学食に集まってるはずだから。」
「あーそうだな。鯵の開きとかないかな。」
「もー、桐生君本当鯵の開き好きなんだね。
おじさん臭いよ?」
苦笑しながらも戦兎と一花は教室を出て学食へと向かう。
この旭高校は学食があるらしく生徒の8割以上が
ほぼ学食で昼ご飯を済ませてるらしい。
早めに行かないと混雑してしまうと、先程
クラスの生徒が言っていたので戦兎と一花は
教室を後にした。
☆☆☆
「鯵の開き定食で。あと卵焼き追加で。」
「あいよっ!」
食堂にたどり着いた戦兎。だが、先程言った通りの
混み具合で食堂は生徒のバーゲンセールの如く人で溢れかえっていた。
気付けば一花とも逸れ1人となった戦兎はトレーを持ち、
カウンターで注文をしていた。
メニューが豊富で好物の鯵の開きもあったので
若干興奮してるのか戦兎の頭には癖毛がピンっと
跳ねていた。
「はいお待ちどう!650ドルクね!」
「あざーすっ。」
元気のいい食堂のおばさんは奥から持ってきた
皿をトレーの上に並べてくれる。
トレーの上に置かれたのはメインの鯵の開き、
ご飯と味噌汁にお新香、そして追加で卵焼きが並ばれている。
戦兎は緑色の札を1枚出しお釣りを受け取る。
実はあのスカイウォールが現れて3つの国に分かれた時、
その国々で使えるお金が円ではなくなったのだ。
東都では〝ドルク〟北都では〝ホルク〟
西都では〝ルルク〟となっている。
1ドルク、ホルク、ルルクは以前の日本円にして1円。
これだけついて650ドルクは安い。戦兎はお金を支払い、
トレーを持ち、動こうとしたその時だ。
「焼肉定食、焼肉抜きで。」
「‥え?」
衝撃の一言が聞こえ、思わず声が漏れてしまった。
確か確実に今戦兎の後に注文していた
男子生徒から声がしたのは間違いない。
問題は注文内容だ。焼肉定食を頼んで
確かに聞こえた。男子生徒はお金を支払い、
トレーを持ち振り返った瞬間である。
「あ。」
「‥あ。」
お互い顔を見るなり声を漏らす。
そう、彼はスマッシュとなった上杉風太郎本人だった。
「‥何だ?」
「え?いやいや、何だはこっちの台詞。
焼肉定食焼肉抜きって、え?どゆこと?ダイエット中?」
「悪いか?」
「いやまぁ、悪くはねえけど、予想外な
注文でびっくりしただけだ。」
「そうか。てか、お前もここの生徒だったんだな。」
「えぇ‥?今更気づいたの?まあ積もる話もあるから、一緒に食べないか?それに‥。」
戦兎は周りを見遣る。
「見ろよ、また上杉の奴焼肉抜きだぞ?」
「いつもいつも変な頼み方するよなぁ?」
「もう1人は誰?あの上杉の知り合い?」
などと風太郎と戦兎に周りの生徒は呟き
特に風太郎には嫌味を吐かれる始末だ。
どうやら訳ありと察した戦兎は橋側に空いている
2人席のテーブルに目で指すように向けると
風太郎はしょうがなさそうな顔をし、承諾した。
奥側の席に先に着く戦兎、そして風太郎も座ろうと
トレーをテーブルに置いた瞬間だった。
もう1人別の生徒がテーブルにトレーを置いたのだ。
「えっ?」
「はっ?」
「‥お、
戦兎は名前を呼ぶ。
その生徒は
中野五姉妹の中の末っ子でウェーブのかかった
長い髪が特徴で前髪の一部が長く後ろに伸びている。
星形の髪飾りを前髪に着けておりアホ毛の様にピンと
生えている。
五つ子の中では常識人で真面目だが真面目過ぎる故
失敗をしてしまうこともしばしば。
「あの!私のほうが先でした。私は桐生君に用があるので
隣の席が空いてるのでそっちに移ってください。」
「え?そうなの?」
「悪いがここは俺達が毎日座っている席だ。
俺もこいつに用があるからあんたが移れ。」
「え?毎日?俺座ってよかった?」
バチバチと睨み合う2人に若干戸惑う戦兎だが
このまま放っておくと喧嘩になりそうな雰囲気を出し始める。
「あー、俺が隣の席に行くよ。五月がここに座れば
2人まとめて用件聞けるからさ。」
「‥ですが、私の用件は今朝、の出来事です。」
「奇遇だな、俺も今朝、の事だ。」
「貴方も‥?桐生君、貴方何をしでかしたんですか?」
「おいおい誤解を招く様な言い方やめてくれ。
説明するから2人共座りなさいよ。」
また、周りの視線が戦兎等に向かれる。
嫌気を指した戦兎は、前に風太郎、横の席に
五月が座る。我慢出来なかったのか風太郎は
先に食べ始めていた。
「五月。他の姉妹は?」
「いただきます‥、え?あぁ、
4人なら向こうで食べてますよ。席が足らなく
1人で食べようと思ったら偶然桐生君がいたので
仕方なくこちらに来ました。」
「仕方なくね‥。で、用は何?」
「では単刀直入に伺います。何故朝遅刻したのですか?」
「はぁ、何だ三玖から何も聞いてないのか?」
「聞けてないから今こうして聞いてるんじゃないですかっ。
でないとわざわざ貴方と食卓を共にする事なんてあり得ません。」
頬を膨らまし、五月は一口うどんを口に運び啜る。
今更だがよく見ると五月のトレーにはうどんに
トッピングを加えたのか海老天が2つ、かしわ天1つ、
さつまいも天、更にデザートにプリンまで頼んでいる。
風太郎も目を見開いていたが戦兎は知っていた。
この子は見かけによらず食欲旺盛の女の子だ。
五月は五姉妹の中でも中々の短気な性格で
戦兎と会話をしても途中で怒られ、心開けずにいた。
短気故か、食欲も増すのだろうと戦兎は勝手に
推測している。
「まあ、用件は大体分かっているが、登校途中にスm」
「‥あぁ、遅れた原因は俺だろ?
スマッシュって奴になったらしい。」
「え、えぇっ!?」
割入って口を挟んで来たのは風太郎だった。
その事実に当然驚く五月。
すると風太郎は一度箸を置き、
何か言いづらそうに戦兎の顔を見遣る。
「その‥朝は悪かったな。少しだけ記憶が戻ってきたんだけど、
あんたが、助けてくれたんだろ?」
「‥へへっ。何だ、お礼言えるまともな奴じゃねえか。
それに、あんたじゃない。俺は桐生戦兎。
今日編入してきたばかりだ。よろしくな、上杉。でよかったか?」
戦兎はくしゃっと笑顔を見せ、ポケットから
今朝拾った生徒手帳を風太郎に差し出した。
「‥俺の生徒手帳っ?何で桐生が?」
「今朝落ちてたんだよ。名前しか見てないから
安心しときなさい。」
「まぁ何だ‥とりあえず、色々サンキュー‥。」
他人と話すのは苦手なのだろうか風太郎は
戦兎の顔をまともに見ず、生徒手帳を受け取る。
「風太郎、何でスマッシュになっちまったか
そこら辺の記憶は覚えてるか?」
「えと‥悪い。そこら辺は記憶飛んじまっている。
登校中に路地裏に入ってそこから‥記憶がないんだ。」
「んんっ!あのっ!」
突然咳払いし声を掛ける五月。
「先程から親睦を深めている様ですが、
私がいる事をお忘れですか?」
「「悪い、忘れてた。」」
「なっ!?もう知りません!」
☆☆☆
「んん〜っ!!あー、疲れた。
何で天才の俺が授業なんて受けなきゃいけないの。
高校生レベルなんてとっくに卒業してるのに。」
「あははっ。桐生君、17歳の君が言っても説得力ないよ?」
授業が終わり、同じクラスの一花と下校する戦兎は
大きく背伸びをし、気怠そうに欠伸をする。
あの後、五月は食べ途中のうどんをトレー事持ち
戦兎と風太郎の席を離れてしまった。
その後すぐに風太郎も自身の携帯電話が鳴り、
食事を早急に食べ終え、席を離れた。
戦兎は結局1人で食事を済ませ、その後は特に何事もなく
今現在に至るわけだ。
「‥本当、桐生君って凄いよね。色々開発しちゃうし、頭もいいし。あの空き部屋があんな秘密基地になるなんて最初はびっくりしちゃったな。」
「そうでしょーっ?俺の天っ才的な頭脳を持ってしまえば
あんなの朝飯前だっ。」
一花に褒められて戦兎は鼻を高くする。
そう、三玖に拾われ一緒に住む事になって
戦兎には物置部屋を借りる事になったのだが
数週間後には自分でリフォームを行い、今の部屋に至る。
扉も改造し、本棚を側に付けた隠し扉の様に作られている。
五姉妹も驚くほどの才能の持ち主だから
羨ましそうに見る一花も内心嫉妬しているのだろう。
「ね、桐生君。この先のお弁当屋さんに
焼き立てのパンも売ってあるんだって。
少しお腹も減ってきたし、寄ってかない?」
「え?あぁ、そうだな。寄ってみるか。」
「やったぁ。桐生君の奢りだねっ。」
「いやいや、俺金そんなに持ってねぇし。」
「こんな可愛い女の子に奢らせる気?」
「こんな記憶喪失の可哀想なイケメンにお金取る気?」
「うっ、記憶喪失はずるいよぉ。
わかった、お姉さんが奢ってあげる。」
「ゴチになりまーっす。」
手を合わせ戦兎は少し早歩き気味に歩き出す。
仮にも戦兎は居候。お金は毎日五月等から貰っていたが
編入前に実はネットでバイトを始め、
自身の生活費分は稼いでいる。
それでも自身の生活費分だけなので
人に奢る程の余裕はあまりない。
さて、数分後。
たわいもない世間話をしながら歩いた戦兎と一花は
一花が言っていた店〝AAA–MATE〟という名の店に
たどり着くが、戦兎は「‥最悪だ。」と言って立ち止まる。
「‥あ、戦兎に一花。」
「‥‥。」
「げっ!‥一花。何でそいつと一緒にいんのよ?」
そこにいたのはガードレールに腰掛ける三玖、
戦兎を見るなり頬を膨らませ、じと目で睨む五月、
そして同じく戦兎を見るなり嫌な顔を出したのは
五姉妹のニ女の
ぱっつん前髪で姉妹の中では1番のロングヘアーの髪型で
左右に黒い蝶の髪飾りを着けてるのが特徴。
姉妹1番のとがった性格をしており、
反応を見る限り一緒に住む事になった戦兎をこの上なく
嫌っているみたいだ。
「二乃。そんなにカリカリしてたらダメだよ?
それに桐生君は今一緒に住んでるんだから
仲良くしないと、ね?」
「仲良くなんてできないわ!突然家に来て
記憶喪失を理由に一緒に住むなんて普通あり得ないでしょっ!?
しかも怪物相手にあんな力使えるなんて
怪しすぎるわよ!」
宥めようとする一花を通り過ぎ、戦兎に近づく二乃。
「アンタ、まさか怪物の仲間じゃないの?」
「っ!?」
突きつける一言。
「ちょ、ちょっと二乃っ。それは言い過ぎっ。」
「‥確かに、二乃の言う事には一理あります。」
「五月までっ‥!」
黙っていた五月も加わり状況は更に険悪なムードになる。
さすがの三玖も止めに入ろうと一歩前へ出るが
視界に入った戦兎の顔に立ち止まる。
何故なら言わせてやれと言わんばかりに
戦兎は深刻な顔をし、首を小さく振っていたのだ。
同時に見ていた一花も黙り込む。
「記憶喪失なら自分が何者かも分からないのでは仕方ありませんが、今日本は
引き金に経済も儘ならない不安定な状況です。」
五月はいったん区切るとスカイウォールを見遣る。
「‥近頃東都に現れたスマッシュと呼ばれる怪物に
いつ襲われるか分からない私達は怯えながら生活を
送るようになりました。
‥はっきり言って貴方は信用できません。」
再び区切ると、五月は戦兎の顔を見る。
いつの間にか言い始めの二乃もどこか嬉し気な様子で
戦兎を見ていた。
「ま、そうゆうことだから、とっとと荷物をまとめて出t」
「なので、これからも行く宛がないのなら
しばらくは居ても構いません。」
「「「えっ?」」」
二乃の言葉を押し退けるよう五月の言葉に
この場の誰もが耳を疑った。
「‥貴方は特別な力を持っていらっしゃいます。
あの怪物と戦える力。使い方を間違えれば
それは狂気にもなり得ます。」
「なら‥!」
「二乃。私達は一度桐生さんに
違いますか?」
「!‥覚えてるわよ…。」
「桐生さんの以前の記憶が、あの怪物と同類であれば、
今頃私達も殺されているはずです。
ですが、私達を助けてくれた人が奴らの仲間でしょうか?」
二乃は下唇を噛み、黙り込む。
そう、戦兎は当時スマッシュに襲われた二乃と五月を
救った事がある。それがきっかけで
中野家に住まわせてもらってるのが理由の1つだ。
「‥なら何で私の言う事に一理あるって言ったのよ!」
「二乃、これは悪魔で私の推測です。
共に一つ屋根の下で生活して、その様な行動を
見せた事はないので、一応は信頼しているつもりです。」
「五月‥。」
「‥そうだよ、二乃。もし桐生君が悪い人なら
五月の言う通り今頃私達どうなっていたと思う?」
ほっと撫で下ろす三玖。一花も安心した顔で
俯向く二乃に声を掛ける。
「二乃、戦兎は変な人だけど悪い人じゃない。
五月も二乃も、私も、戦兎に助けられた。」
「‥‥。」
「‥二乃。」
三玖の言葉に眉間にしわを寄せていた二乃の表情は
徐々に緩めていく。
「‥ふんっ!いつか本性が出るわ!
私は絶対認めないから!絶っ対!認めないから!」
「え、あ、はい。」
と、言い残し、頭から煙をプスンと出して(そう見える)
先に帰って行った。
「‥ふぅ〜っ。もー、五月〜。
怖いムードださないでよ〜っ。」
「一花。二乃が言い出した事‥。
五月は、どちらかと言うとフォローしてくれている。」
「‥。五月。」
「勘違いしないでください。」
感謝する戦兎だが、五月の表情は変わっておらず
戦兎の顔を見ずに背を向ける。
「一緒に住む事については何も言いません。
ただ、私は貴方を
それだけは忘れないでください。
二乃、一花。先に帰りますね。」
「あっ、ちょっと待ってよ五月〜っ。」
五月はそれを言い残し、一花は追いかける様に
2人は先に帰って行った。
「‥戦兎。その、あんまり気にしたらダメだよ‥?」
「‥。」
残った三玖は先程から殆ど喋っていない戦兎に声を掛ける。
フォローしてくれたとは故、あの冷たい視線は
ずっと戦兎に向けたままだったのだ。無理もない。
‥が。
「‥最高だな。」
「えっ?」
「五月があんな事を言ってくれるなんてな。
少しは俺の天才物理学者の才能を認めてくれたって事だろ?
なら、この調子で人々を守って、、」
戦兎は区切るとポケットからラビットフルボトルを取り出し、三玖を見遣る。
「
「‥!!」
強い眼差し。
それは本当に実現してくれそうな眼差し。
三玖は強く受け止め、手を胸に当てる。
「(あれ‥?)」
胸に当てると僅かに鼓動が速くなっている事に気付く三玖。
それが何なのか、今はまだ知る由もなかった。
ーーーーーーーーーーーーーー
次回!仮面ライダービルド×五等分の花嫁
〜五等分のベストマッチ〜
「「何でお前がっ?」」
帰宅した戦兎、そこには何故か風太郎が?
『実験は良好だ。』
動き出す影。彼らは一体‥。
「ベストマッチ!?キター!!」
新たなるベストマッチ!
「勉強するのも、案外楽しいぞ。」
「私、実は‥。」
悩む三玖。その理由は‥。
第三話 実験と戦国ランナウェイ
戦兎の豆知識!
戦兎「さぁ、このコーナーは尺が短いので
各自の特徴を軽く説明するぞ!最初は当然主役の俺桐生戦兎!」
風太郎「ちょ、何で俺が呼ばれてるんだっ?」
戦兎「細かい事は気にすんじゃないよ。
早く台本読んどきなさいっ。」
風太郎「お、おう。んんっ!(咳払い)
せ、セントハコウフンスルトクセゲガタツ。」
戦兎「いやびっくりするほど片言!?」
風太郎「しょうがないだろっ。台本とか読むの
得意じゃないんだ。性に合わん。」
戦兎「素性持ち込むんじゃないよ!あーもう尺がないっ!
俺桐生戦兎は感情が昂り、
興奮すると癖毛がピンっと跳ねて
逆に下がったり落ち込んだりするともとに戻るんだ!」
風太郎「へぇ。変な身体してるんだな。」
戦兎「うるさいよ!元はと言えば上杉が、、
あーもう!物語の感想、評価の方よろしくお願いします!」