仮面ライダービルド×五等分の花嫁〜五等分のベストマッチ〜 作:しょくんだよ
ある日突然記憶を無くし、中野五姉妹と共に生活を
送りながら、仮面ライダービルドの力で
東都の平和を守っていたのでありました!」
四葉「おっ!これが噂のあらすじ紹介ってやつですね!
四葉、精一杯頑張らせていただきます!
えーっと、朝の登校中で仮面ライダービルドとなり
スマッシュと戦い見事勝利を掴んだ桐生さんっ。
でも、下校中二乃に疑われてしまったんですよね?」
戦兎「あぁ。まさか五月がフォローしちまうなんてな。
あの時はさすがの俺も予想外だった。
‥って四葉。1話振り久しぶりだな。里帰りでもしてたのか?」
四葉「違いますよぉ!四葉も色々してたんですから!
学校で迷子になったり、授業に絵を描いたり、
あ!帰りでパフェも食べました!」
戦兎「いや、どうでもいい事ばかりなんだけど。」
四葉「パフェ美味しかったです!」
戦兎「感想とか聞いてないんですけど!?
あー本編始まっちゃう!今回もろくにあらすじ
できなかったぁ!さあ、どうなる第3話!」
四葉「欲を言えば生クリームもっと欲しかったです!」
戦兎「いつまで続けるの?」
初日の旭高校の授業が終わり、
1人鼻歌を唄いながら帰る中野四葉。
ふと、夕焼けの空を四葉は眺める。
だけどそれも一瞬。夕焼けの美しさよりも
あの聳え立つスカイウォールの方へと無意識に
視界に入る。四葉は思い見るような眼差しで
スカイウォールを眺める。
数十秒程で見終わると軽快な歩みで
四葉は自宅のマンションの中へと入って行った。
ーーーー
「たっだいま〜!ってうわぁっ!?」
「うぉっ!?お前‥確か。よ、四葉だったかっ?」
中野姉妹家であるマンションの玄関に元気よく帰ってきた
四葉は先にいた男、上杉風太郎に驚き腰を
抜かし掛ける。
「何でここに上杉さんがっ!?はっ!?
まさか上杉さんもここのマンションに!
四葉部屋を間違えましたか!?」
「ち、違う!ここはお前の家だっ。」
「えっ?」
風太郎の言葉に我に帰った四葉はキョロキョロと
見渡し、自身の家の中だと把握すると
ポンっと手の平に握り手を乗せる。
「確かにここは私の家ですねっ!
四葉勘違いしていました!」
「今更かよ‥。」
「でも、何で上杉さんが私の家に?」
「あ、あぁ。実はな‥。」
バアァァンッッ!!
「うぉあ!!?」
瞬間、部屋の奥から爆発音が聞こえた。同時に
風太郎は普段考えられない様な声を上げる。
「な、何だっ!?爆発っ?」
「あー、あれは
上杉さんも見てみます?」
先程の爆発音に
頭のリボンのみが反応し、後は微動打にしていなかったのだ。
警戒する事もなく四葉は風太郎を招き入れ
リビングを通り過ぎ、吹き抜け式の階段を登り、
5つある扉の1番奥の本棚へと風太郎を案内する。
「‥おい?何故本棚の目の前で止まる?」
「ふっふっふ!驚かないでくださいね上杉さん!」
四葉はそう言うと、本棚の一冊の本を取り出そうとした。
が、その本は取り出せず、『カチッ』とスイッチの様な
音が聞こえると、、、何という事でしょう。
本棚のロックが解除され、それは扉となり開かれたのだ。
「な、なにぃいいっ!!?」
無論風太郎は当然驚愕する。
「えっへへぇ!どうですか!凄いですよねっ!」
「なっ!?まさか高級なマンションは
こんな隠し扉とかが備わっているのか!?
(市民には到底及ばない世界が広がっているのか‥!!)」
「いえいえっ!これは作ったんです!」
「あり得ない!テスト0点のお前が!?」
「ち、違いますよ!私にこんなの作れませんよ〜!
作った人はこの中にいますので!
さっ、着いてきてくださいっ。」
四葉はやや中腰になりながら本棚の扉の向こうへと
入っていく。その間、風太郎は脳内が困惑していた。
ここが中野五姉妹が住んでいるという
事情は既に織り込み済みで五姉妹の誰かが
こんな隠し扉を作った何てあり得もしない、と
風太郎の中ではそう思い込んでいた。
もし誰かが作ったのならば、
それだけ頭が良い事に間違いない。
つまり風太郎が
いや、だからこそ。
この先の部屋にいる人物に会いたくなる。
一体、五姉妹の内の誰が、こんな物を作ったのか。
若干興味心が湧く風太郎は、身構えつつも
四葉に続き中へと入って行った。
☆☆☆
「うわっ‥何だここ‥。」
先程のリビングとは打って変わってガレージの様な
造形でそこは男心を擽ぐる様な部屋が広がっていた。
「桐生さーん!ボトル出来たんですかー?」
「え?桐生?」
吹き抜け式の手摺に捕まり下を見下ろし呼ぶ四葉の
言葉に反応する風太郎。四葉と一緒に下を見下ろすと
間違いなく、そこに居たのは桐生戦兎だった。
「完成したぞ!ゴリラフルボトル!パワー系のボトルか!
あー早く試したいっ!やっぱり俺の発明品は最高だな!
もっと世間に評価されてもいいはずなのにっ。
‥って、何だ四葉帰って‥たのか‥?」
気分上昇の戦兎は感情に浸り、遅れて四葉の存在に
気付き上を見上げると徐々に言葉を失い
隣にいる風太郎の存在に気付くと言葉を徐々に失う。
「桐生っ?」
「え?上杉?」
「「何でお前がっ?」」
「あれ?もしかしてお二人共お知り合いですか?」
「え?あ、ああ。ちょっとした顔馴染みだ。
てか、桐生。何でここにいるんだ?」
「何ってここに住んでいるからだよ。」
「ちょっと待て。待ってくれ。情報が追いつかない。」
何気ない戦兎の衝撃な一言に脳がパンクしたのか
風太郎は頭を抱えて考え込んでしまう。
「‥とりあえず下に降りてきな。コーヒーくらいなら出すぞ。」
「あ、あぁ。」
☆☆☆
薄暗く、仄かに明るい照明灯の中、
怯え、悶え、苦しむ様な人間の悲鳴が
不協和音になって響き渡る。
機材が多く並び、壁のあちこちには巨大なガラス瓶が
配置されており、中の液体が怪しげに沸騰していた。
見渡す限りどこかの研究室のようだ。
そこにいるのは白の防護服を身にまとい、
ガスマスクを着装している研究員らしき者が数名。
役割分担をして各自何かしらの研究を行なっている様だ。
「頼む!見逃してくれ!死にたくねえっ!!」
「嫌だあぁ!!家に帰らせてくれぇえ!!」
ベットに拘束され悲鳴を上げる人々。
だがガスマスクの連中は振り向きもせず
黙々と動き回っている。
すると、奥から足音を立て、こちらに向かってくる
人影が見えてきた。
否、それは人ではなく人の格好をした〝怪人〟だ。
黒のデザインで覆われ身体の一部には〝配管〟を
思わせるようなデザインが施されており、
一見すると眼のように見える蝙蝠型のゴーグル状の部分をよく見ると、その下に本当の目が隠れていることが確認できる。
どことなくモチーフも〝蝙蝠〟のような
意匠をされている。
「〝ナイトローグ〟様。〝スチームブレード〟の性能は如何でしょう?」
『‥実に素晴らしい。
これがあれば直接〝ガス〟を投与でき、その場で
〝スマッシュ〟へと変貌させることができる。
全く恐ろしい代物を作ったものだ。』
一人の研究員が声を掛ける。
加工されているのか濁ったノイズがかかった声で
手に持つ武器〝スチームブレード〟を見ては淡々と喋る。
「お気に召されて何よりです。〝あの方〟も
さぞ喜ばれる事でしょう。」
『無論。実験は良好だ。
奴にももっと活躍してもらわねばな。
〝アレ〟を送り込みたまえ。』
「よろしいのですか?〝アレ〟は
まだ東都も開発途中の代物です。
もし政府や民間人に見られたら世間は
大事になりかねません。」
『構わない。戦闘データが必要なのだよ。
私から〝会長〟に話をつけておく。
それに、民間人の目の届かない場所で
〝作動〟させれば問題はない。』
「かしこまりました。」
研究員は深々とお辞儀をし、
ナイトローグと呼ばれる人物は
研究室の奥にある階段をゆっくり登っていく。
その一番上には悪趣味な造形と素材でできた
一人掛けのソファーがあり、そこへ腰を降ろし
胡座をかいて研究室全体を見下すかのように座った。
☆☆☆
「‥そう言う事か。で、桐生はここに居候してるってわけだろ?」
「責めて保護されてるって事にしといてくれ。」
一方で戦兎と風太郎、そして四葉は部屋で
戦兎の過去を風太郎に説明する。
中野五姉妹ではなく戦兎がこの部屋を作ったとなれば
風太郎もやや驚きだが納得し、
辺りを見渡しながら小さく頷いていた。
そして風太郎の手にはゴリラフルボトルが握られており、
それを見つめると軽く数回ほど投げる。
「スマッシュを倒して、成分を抜き取り、
あの浄化装置ってやつでビルドに使えるボトルに変換。
やっぱりお前すげーな。あんなもん作れるなんて
学生レベル超えてる。」
「当然でしょっ!天才物理学者の桐生戦兎に
不可能と言う文字はないからねっ!
分かってくれるかい上杉君!」
「今更君付けやめろ気持ち悪い。‥となると、
俺ここに来る必要ないんじゃねえか‥参ったな。」
「‥?そう言えば、何で上杉がここにいるんだ?」
「あ、それ四葉も気になってました!」
声が段々小さくなりその言葉にも気になった
戦兎は問いかける。
離れた所で機材をつついてた四葉も反応していた。
「あー、実はな。俺ここで
する事になったんだ。」
「え?」
「家庭教師ですか!?凄いですね上杉さん!」
「何言ってんだ四葉。ここでって事は
お前等の事だろ?勉強するの。」
「え?そうなんですか?」
理解が出来てない四葉の頭からはてなマークが浮かび上がる。
「桐生は察しが早いな。」
「まあこいつ等が頭悪いのは一緒に暮らして
何となく分かる。でも何で家庭教師なんだ?
上杉、お前高校生だろ?」
「あぁ。食堂の時途中で抜けただろ。
あの時妹から家庭教師のバイトがあると連絡が来たんだ。
勉強教えれる程頭が良ければ年齢は問わないらしく、
早速今日面接の電話を掛けたら、この家の五姉妹の
区切ると風太郎は用意されたコーヒーを啜る。
食堂の件は確かにあの後風太郎は食べ終え
自身の携帯の着信音が鳴り、あの場を離れたが
戦兎は納得したのか目を逸らし相槌を軽くする。
そして風太郎が言いかけた瞬間、
四葉は「はっ!」と言って腰掛けてた椅子から
立ち上がる。
「あ!なるほど!それで上杉さんは許可をもらって
家庭教師のバイトで私達の家に来てるわけなんですね!」
四葉は納得の行く顔を見せ、風太郎を見遣る。
「おぉ、馬鹿の四葉でも察せれる時があるんだな。」
「えっへへぇ。ありがとうございます!」
「馬鹿にされたのにお礼言っちゃったよこいつ。
‥桐生。お前ぐらい頭が良いのならこいつ等に
勉強教えないのか?」
「逆に、天才的な俺の考えにこいつらが
ついて来れるわけない。いくら科学の説明をしても
無視か寝るかツッコまれるか頭に入らない。
もし俺が家庭教師をやるとしても、お手上げだな。」
「‥そんなにこいつ、こいつ等頭悪いのか?」
「む、上杉さんちょっと失礼じゃないですか?」
「今知る限りこいつ、五姉妹は相当頭が悪い。」
「むむっ!桐生さんも失礼じゃないですかーっ。
さっきからこいつこいつって!」
「「事実だ。」」
「うあー!四葉傷つきますー!」
四葉は余程衝撃を受けたらしく両手で頭を押さえ出す。
「‥それで、ここに来たってことは四葉以外の奴らには
承諾してくれたのか?」
「ま、まあ、俺にかかれば皆んなウェルカムだったぞ!
HA HA HAっ!」
「はい駄目だったのね。」
冷や汗で作り笑いのぎこちない表情を見れば
どうなったのか大体見当はつく。
戦兎でさえも毛嫌いされているくらいだから
今日初めて会った風太郎が打ち解けるはずがない。
大方家に入れたはいいが塩対応され玄関先で
放置されてたのだろう。
「‥だが諦めるわけには行かない。
俺にも目的があってここに来た。誰が何と言おうと
あいつ等に意地でも勉強を教える使命がある!
俺が直々勉強見てやるのを拒みやがったんだ。
個人的にムカつくから俺があいつ等に制裁を下す!」
「意外と心が捻くれてるんだな。」
意外と人見知りで他人には興味がないと思っていたが
どこか熱い表情を見せる風太郎に
思わず笑ってしまう戦兎。
「‥目的は何か知らねえけど、
そういう心意気嫌いじゃない。
俺も出来るだけ協力してやるよ。」
「おぉっ!本当か!?マジで助かる!」
「うぁあ〜、そんな揺さぶるんじゃないよ〜。」
ガシッと風太郎は戦兎の両手を掴み大きく振り
戦兎は身体を揺さぶられる。
戦兎も初めて中野家に居候する事になった際に
五月と二乃に父親に報告したのだ。
だが父親は、普通なら断る筈を、
事情を聞くとすんなり許可を出したらしく
落ち着くまでしばらくは居ても構わないと認めたのだ。
女子5人しか住んでいないマンション。
そこに男子が入り込むのは言語道断。
決して世間では認められるわけがない。
無論最初は居づらく、特に五月、二乃の2人には
害虫が入ってきたかのように嫌われていたが、
時が経ち、五月には少し認められるようになっていた。
でなければあの下校中にフォローをしてくれるはずがない。
徐々に認められ、今やっと少しは
住み心地やすい環境になっている。
だから風太郎も五姉妹と上手く馴染めば
戦兎みたく徐々に通じ合うと戦兎は思い、
風太郎と握手を交わした。
「なら早速勉強教えてあげないとな。
どうせ自己紹介とかもしてないんだろ?」
「あ!はいはーい!じゃあ私が案内するので
上杉さんはついてきてください!
大丈夫です!最初は皆さん人見知りなだけです!
呼び掛ければきっと応えてくれるはず!」
「本当かよ?」
「はいっ!」
「‥だそうだ。行動に移さないと何も始まらないぞ。
ほら行った行った。」
「なっ、桐生は来ないのか?」
「出来るだけ協力はする。が、今は実験で忙しいんだよ。
早くお前からとった新作のゴリラちゃんを
試したくてしょうがないのよっ。」
「ゴリラちゃんって‥。てか何で
俺から取れた成分がゴリラのボトルなんだ?
(俺がゴリラが好きってのと関係あるのか‥?)」
「スマッシュから抜き取った成分は
成分がとれるんだよ。
お前のはたまたまゴリラの成分がとれた。因みに
そのスマッシュの成分をちょっと改良して
別のボトル、
俺が作ったあの自動ボトル浄化変換装置で作れる。
凄いでしょ?最高でしょっ?天才でしょ!?
‥はい、そう言う事なんで、頑張って〜。」
「いやどういうことだよっ。」
そう言って手首を振り、戦兎は作業机へ移動し
椅子に腰掛けビルドドライバーと何本かフルボトルを取り出す。
風太郎は少し溜息を吐くと、案内してくれる
四葉と共に部屋を出て行った。
「さあて!ここからは俺の至福の時間!
あー!どれにベストマッチするんだろ!?
掃除機かな?〝ダイヤモンド〟かな?
それとも〝ライト〟か?
くぅー!迷っちゃうなーーー」
「戦兎。」
両手にフルボトルを持ち、はしゃぐ戦兎に声をかけたのは
自分の部屋にいたはずの中野三玖だった。
「おぉ三玖。あれ?上杉と四葉は?
さっき出て行ったのに鉢合わせなかったのか?」
「こっそり抜けてきた。今五月の部屋にいるから。
それより‥。」
五月、と言うことは1番末っ子から順番に回って
いこうとしてるのだろう。
おそらく五月の部屋に風太郎と四葉が入った隙に
三玖は自身の部屋からこっそり抜けて戦兎の部屋に来た。
抜け目のない奴だと言わんばかりに戦兎は顔を顰めると、
三玖はスマホを取り出してこちらに画面を向ける。
「スマッシュ情報。東都エリア:A-5に出現した。」
テンションが上がっていた戦兎は深刻な表情へと変わる。
三玖は他の姉妹とは違い積極的に
戦兎のサポートをしてくれている。
そんな三玖に戦兎は〝スマッシュ探知機〟という
アプリを作り、三玖のスマホにアップロードした。
東都でスマッシュが頻繁に目撃される事が多くなり
目撃してから駆け付けては確実に他の市民に被害が出る。
そこで、戦兎はスマッシュから出る特殊な成分を分析し、
すぐに外や街中で現れた際に探知出来る電波信号を
開発し、三玖のスマホに探知機として導入した。
勿論戦兎のビルドフォンにも導入しているが
実験やら何やらで忙しなくやっており、
先に気付くのは大体三玖なのだ。
「よっし!」
「待って戦兎。私も行く。」
「行くってお前、上杉から話聞いたんだろ?
勉強しないと社会じゃ生きていけねーぞ。」
「勉強はいい。それより市民の安全が大事。」
「だけどお前まだ高校生‥。ったく‥。ほら行くぞ。」
「うんっ。」
我儘を言う三玖に仕方なく承諾し、部屋を出る。
お前はまだ高校生。と言いたかったのだろうが
戦兎も同じ高校生がとやかく言う筋合いはない。
廊下には風太郎と四葉が居らず、そのまま
吹き抜け式の階段を降りる。
タイミングが良いのか悪いのか不明だが
風太郎と鉢合わせすることなく、戦兎と三玖は
自宅を飛び出した。
☆☆☆
時刻は夕方18時過ぎ。街から離れ、廃墟の工場付近へと
マシンビルダーで走行し、目的地へと向かう戦兎と三玖。
「戦兎っ、そろそろ着きそうっ。」
「分かってる!てか、お前勉強本当によかったのかっ?」
「さっきも言った!勉強より市民の安全が優先‥!」
「そうだけど!お前等の父親何で家庭教師なんて雇ってんだっ?」
向かい風が強いためか2人はやや大きめの会話をする。
三玖はしばらく俯向くと顔を上げ戦兎に語りかける。
「‥実は、私達っ。前の学校で
「予想以上の馬鹿だったか‥。」
三玖の言葉に納得がいく戦兎。
居候した最初の頃は家の事情で編入して
来たのだと思っていたが、今日風太郎が来た理由を聞いて
疑問に感じていた。
彼は頭が良ければ年齢は問わないと言っていた。
なら、余程勉強に関しては切羽詰まっていると推測する。
現に、戦兎五姉妹は真面目な五月を除き、勉強を
家でしているところを見た事ないからだ。
だから、戦兎は三玖の言葉に合点がいく。
「‥勉強するのも案外楽しいぞ。」
「勉強は嫌い。頭に入らない。」
「頭に入らないのは興味がないからだ。
興味を少しでも持てば自然と頭に入る。
高校生なんだから少しでも得意な科目とかあるだろ?」
「‥っ。私、実は‥!」
何かを言いかけたその時、バイクのブレーキがかかり、
三玖は戦兎の背中に身を任せる。
どうやら話をしている間に目的地へと到着したようだ。
お互いヘルメットを取ると目の前に見えるのは
使われていない廃工場だ。
持ってきたライトで灯りを照らす戦兎。
夕暮れの時間帯なので廃工場は薄暗く、
不気味な雰囲気を出す。
「本当に、ここなの‥?」
「探知機が強い信号を出している間違いない。
何だ?もしかして怖いのか?」
「‥違う。武者震い。」
「お前は戦わないでしょーよ。」
ツッコミを入れながら、戦兎は廃工場へと近付き、
扉に手を掛けようとした次の瞬間だった。
突然、グシャ!と大きな鈍い音が
戦兎と三玖の背後から響く。
「うおっ!?」
「きゃっ!?」
一瞬何が起きたのか分からず、2人は驚き、
戦兎は灯りを背後へと向ける。
「えっ?戦兎これ‥!」
「‥!何で‥どこから‥!?」
2人は目の前の物体に驚愕する。
それは紛れもない
両手は巨大な翼の様な形をした造形、恐らく
飛行能力が備わっているスマッシュだろう。
よく見るとスマッシュの身体のあちこちに
何か打ち込まれたような穴がいくつも空いていて、
身体からは煙があちこちから上がっており
悶え苦しむ様な声をあげて横たわっている。
つまり、今鈍い音がしたのは、空中から落ちてきたと推測する。
「これ、もう弱ってる‥?」
「あぁ。少なくとも一般人の仕業じゃねえな‥。」
戦兎はダメージを受けている〝フライングスマッシュ〟を見て
ポケットからエンプティボトルを手に取る。
シールディングキャップを正面に固定し、
ボトルのキャップ部をスマッシュへ向け、成分を抜き取る。
粒子となってボトルへ吸収されると変貌していた
身体は元に戻り、女性が横たわっていた。
「大丈夫‥?」
「う、うぅ‥。」
三玖は駆け寄り女性を軽く揺さぶるとうめき声は上げるが目を覚さない。微かな意識はあるが
彼女は気を失っているようだ。
「‥三玖。この人を連れて安全なところへ。」
「わかった‥。戦兎は?」
「少し辺りを探ってみる。嫌な予感がする‥。」
戦兎はビルドドライバーを取り出し腰に宛てがうと
アジャストバインドが腰に巻き付き固定する。
拳銃を持ってしてもスマッシュを倒せるのは不可能に近く、
戦兎は人間の仕業じゃないと判断し、変身する為、
三玖等から少し距離をとる。
辺りを警戒しながら2本のフルボトルを軽く振り
シールディングキャップを固定。
『ラビット!』
『ダイヤモンド!』
『Are you ready?』
「変身!」
ツインフルボトルスロットにフルボトルを差し込み
ボルテックレバーを回すと、アップテンポ調の
音楽が鳴り、赤と
スナップライドビルダーを展開。
状況が状況なのでファイティングポーズを取らず
戦兎は仮面ライダービルド
トライアルフォーム(ラビットダイヤモンド)に
変身が完了する。
ビルドは直様仮面の額にある
〝BLDシグナル〟を作動させる。
これは戦闘データ、周囲の状況及び、
ビルド全身の状態を分析し把握できる事が可能のシステム。
つまりデータ収集装置だ。
「っ!やっば‥!」
「戦兎?」
ビルドは分析を終えるとドライバーから瞬時に
小型のパイプが伸び形を形成。
完成されるとそれは
ビルドの愛用の武器、刃はドリルの造形がされている。
その名も〝ドリルクラッシャー〟。
「三玖っ、伏せてろっ。」
「う、うんっ!」
状況が分からない三玖は言われた通り、
倒れている女性に上半身だけ被さる様に伏せる。
ビルドは確認すると、左腕を大きく三玖、そして
自分事囲む様に円を描く。左半身、
〝ダイヤモンドハーフボディ〟が光り輝くと
ダイヤモンドの形をした防壁がビルド等を
囲むように完成する。
その瞬間、四方八方から防壁の外側が強い衝撃と音で
火花を散らして行く。
「きゃあっ!?な、なにっ!?」
「ぐっ!その女性を
「嘘っ‥!?」
防壁で覆われ更には外部からの攻撃で確認すら
出来ない状況だが、ビルドは把握しており、
ドリルクラッシャーのドリルの部分を取り外し
逆さにして別のジョイントへと差し込む。
「〝ブレードモード〟から〝ガンモード〟へ変形!
2モード変形ができるのはヒーロー武器の特権でしょっ!」
「こんな時に呑気すぎ‥っ!」
こんな状況でもビルドは独り言解説をしてしまい
流石の三玖も声を上げてツッコミを入れる。
ビルドはゴリラフルボトルを取り出すと
ドリルクラッシャーのソケットに装填する。
『Ready Go!』
「三玖!そのまま伏せてろ!」
ドリルクラッシャーから音声が鳴ると
ビルドはダイヤモンドの防壁を解除すると同時に
トリガーを引く。
『ボルテックブレイク!』
「はぁっ!」
ビルドは立ち上がると横凪に
ドリルクラッシャーを大きく振り払う。
それを追っかける様に巨大な拳状のエネルギーが
周りの
周囲で爆発が起きる。
「た、倒したの‥?」
「いや、まだだ。」
ホッと一息を入れる三玖だがビルドは警戒を解かず
その視線の先を逸らす事なく見ていた。
場に緊張感が走る。
戦いが終わってない事に気付く三玖は
ビルドの見る方角を見遣るが、
いつの間にか日が沈み、辺り一体は夜の
薄暗い景色が広がっていた。
『Ready Go!』
ビルドはドリルクラッシャーにライトフルボトルを
ソケット部、フルボトルスロットへと装填。
ビルドは思い切り腕を伸ばしその銃口を真上へと向けた。
『ボルテックブレイク!』
音声と共に黄色いエネルギー状の銃弾が放たれる。
それはまるで、打ち上げ花火の様な形と速度で
空高く上がり‥。
それは弾け飛び、辺り一面が明るく照らされた。
「‥うそ。」
「‥まるで映画の光景だな。
三玖、そこから一歩も動くなよ。」
ビルドは構える。2人が見据えたその先には
その数は約30と推測する。
行進を行う
全身灰色の装甲で覆われており、その手には
銃口の下にはナイフが取り付けられた
ライフルを所持している。
「凄い数‥!」
『〝仮面ライダービルド〟ヲ確認。対処ヲ破壊シマス。』
「‥どうやら人間じゃねえみたいだな。」
行進が止まり一体の個体がビルドを分析し
AIが解説するような言語で喋る。
スマッシュでもなく人間でもない
ビルドは躊躇なくドリルクラッシャーの銃口を向ける。
が、その集団の一列目、二列目と順番に、
急に背中を向け始めた。
「ちょ、え?何だっ?」
個体は一つ一つ積み重なるとその個体の身体は変形し
徐々に合体していく。そして一体の巨大な二足歩行の
ロボットへと変形合体したのだ。
「うそーん!?」
「でかい‥!?」
体長7メートルくらいはあるその巨体に驚愕。
ビルドはドリルクラッシャーをガンモードから
ブレードモードに切り替えると、左足に力を入れ
腰を低くする。
「三玖っ。俺がこいつを引き付けておくから
何とかその女性を安全な所へ連れて行ってくれ!」
三玖の返事を待つ事なく、ビルドは一気に跳躍し、
巨大ロボの頭部らしき部分に着地。
ドリルクラッシャーで突き刺さすと巨大ロボの頭部から
火花が散り、ビルドを振り払おうと
その巨体を大きく揺らす。
「うおっとと!?」
『ーーーッ!!』
耐えきれずビルドは三玖等がいる別の方向へと
振り落とされ豪快に転んでしまう。
だが好都合。巨大ロボはビルドを攻撃せんとばかりに
機械音の様な咆哮と共にビルドに向かって歩き出す。
「いってぇ〜。ちょっと骨が折れる戦いになりそうだな。」
ビルドは尻の埃を払いながら立ち上がる。
そしてドリルクラッシャーを構え、
向かってくる巨大ロボを見ながらぼやく。
一方で三玖は女性の両脇に腕を入れ引きずる状態で
息切れをしながら女性を運び終えると
ふと、廃工場の隣にある貯水タンクが目が入る。
「‥‥!」
何か思いついたのか三玖は深呼吸をし、
大きく息を吸うと‥。
「戦兎ーっ!!」
「っ!?三玖かっ!?」
巨大ロボの攻撃にドリルクラッシャーで受け流すビルド。
少し離れた所にいる三玖が声をあげ反応する。
いつもクールで小声な三玖の大声に多少驚いてしまう。
「そのロボットを、工場に誘い込んでっ!!
〝備中高松城の戦い〟の策っ!」
「はぁっ!?備中高松城っ!?」
ビルドは攻撃を交わしながら叫ぶと三玖は大きく頷く。
「急に!歴史をぶっ込んでくんじゃ!ないよっ!
えっと確か豊臣秀吉が提案した水攻めの‥!
そう言う事かっ!」
ビルドは廃工場に視線を向ける。その近くには
巨大な貯水タンクが設置されているのを発見すると
BLDシグナルを作動させ分析を始める。
「
さあ、実験を始めようかっ!」
ビルドは巨大ロボから距離を取ると
ゴリラフルボトルを取り出し、2、3回振り、
シールディングキャップをボトルの正面に固定。
『ゴリラ!』
『ダイヤモンド!』
『ベストマッチ!』
「ベストマッチ!?キター!!っふう!!」
偶然装填されていたダイヤモンドとベストマッチし
ビルドこと戦兎は感情が昂りボルテックレバーを
勢いよく回す。
スナップライドビルダーが展開し茶色と水色の
液体が流れ新たなアーマーが形成される。
『Are you ready?』
「ビルドアップ!」
『輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イエイ‥!』
アーマーが挟む様に着装され蒸気が勢いよく射出される。
ラビットタンクとは異なる音声がドライバーから流れ
剛腕の拳、片側は煌めく宝石のボディ。
パワーとガード、つまりは矛と盾を兼ね備えた
ビルドは〝ゴリラモンドフォーム〟へと変身する。
「勝利の法則は決まった!」
台詞を決めるとビルドは置いてあった
マシンビルダーに跨り、アクセルを全開に回し走行。
巨大ロボはそれを追いかけんと前進し始める。
廃工場の中へと突っ切ると勢いよくブレーキターンをし、
その場で一時止まり巨大ロボが来るのを見届ける。
『ーーーッ!!』
「っ!いまだ!」
当然その巨体は廃工場の扉事破壊し突入する。
ビルドを踏み潰そうと脚を上げるその瞬間、
アクセルターンを決め、その脚をくぐり抜けたのだ。
『ーーーッ!?』
「こんな狭いとこでその巨体はキツいだろ?」
巨大ロボは振り返り後を追いかけようとするが
その巨体故に廃工場の天井や物に当たり
動きが鈍っていた。
その隙に、ビルドは貯水タンク付近で
マシンビルダーから降りると貯水タンクに向かって
右腕の拳に力を入れ、
「はあっ!」
ーー叩き込んだ
貯水タンクは大きく凹み巨大ロボへとゆっくりと
倒れ、大量の水が巨大ロボに覆い被さる。
「流石に構造剥き出し状態で真水を浴びたら
ショートするだろ?」
バチバチと火花を散らし動きが鈍る巨大ロボ。
廃工場の中は水でほぼ浸水状態となる。
「さて、改めてもう一度。んんっ。
勝利の法則は決まった!」
『Ready Go!』
ボルテックレバーを回したビルドは
腐食している鉄柱に左手を触れた瞬間、
瞬く間に鉄柱はダイヤモンドの宝石に包まれていった。
今度は左腕の拳を力強く引き絞るとその拳に
螺旋状のエネルギーが凝縮されていき、、
「はぁあっ!!」
『ボルテックフィニッシュ!』
宝石に変わった鉄柱を解放された衝撃をぶつけ
砕け散ったダイヤモンドを巨大ロボに百発百中の如く命中。
そして爆発し破壊したのだった。
「‥はぁ〜。疲れた‥。」
ビルドは肩の力を抜き、ドライバーからボトルを抜き取り、
アーマーは粒子となって消え、変身を解除する。
そして、巨大ロボが爆発した残火を見遣る。
「‥‥。何か裏がありそうだな。」
見た事のない敵、集団で行動しライフルを所持している様は
まさに〝軍〟、兵隊そのものと言えるだろう。
近頃のスマッシュ出現率が増加しているのと
何か関係があるのかもしれない。
そう戦兎は考え、廃工場を後にしたのだった。
次回!仮面ライダービルド×五等分の花嫁
〜五等分のベストマッチ〜
「初めまして!お兄ちゃんがいつもお世話になってます!」
風太郎に妹?可愛さに戸惑う戦兎。
「この新武器にベストマッチするボトルを
見つけなければならない!」
戦兎は新武器開発!ベストマッチなボトルとは?
「桐生っ!こいつら‥!」
「あぁ‥!ある意味凄い才を持っているぞ‥!」
風太郎と戦兎は一枚の紙を見て驚愕。
「調べてみる必要があるな。」
戦兎はある決断をする。それは‥。
第4話問題だらけなシスターズ
五つ子豆知識!
戦兎「はーい、今回は中野三玖の
ちょっとした紹介しまーす。」
三玖「戦兎、どうしてそんなにだるそうなの?」
戦兎「んー、細かい事は気にしないの。」
三玖「自分の紹介じゃないから拗ねてるの?」
戦兎「い、いやぁ?そんな事ないよぉ??
そんな事よりちゃちゃっと始めるよ、
三玖が好きな食べ物はー」
三玖「抹茶。正確には抹茶味の食べ物。」
戦兎「祖父臭いねぇ。飲み物は?」
三玖「抹茶ソーダ。」
戦兎「あー、あの可もなく不可もなくの
何とも言えない飲み物か。」
三玖「抹茶ソーダの味が分からないのはお子様。
渋くて苦さの中に旨味がある。最高の飲み物。
暑い時にも炭酸が効いてとても美味しい。」
戦兎「抹茶は美味しいけど、
炭酸と一緒はダメでしょーよ。ミスマッチだっ。」
三玖「それを言ったらラビットとタンク。
兎と戦車。どう考えてもこの組み合わせはおかしい。」
戦兎「そこはラビットのビュイーーンな蹴りと
タンクのズガズガァ!の身体を活かしてd」
三玖「擬音ばかりうるさい。」
戦兎「一言で語れないのが天才なのっ!‥はぁ。
物語の感想、評価よろしくお願いします!」