個性:セブン!セブン!セブン!   作:財団K

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セブーン!!


第1話:どうしてセブン上司は登場したんだろう?

突然だけどみんな、ウルトラセブンって知ってるかな?

ふむふむ…成る程成る程。頭にトサカみたいなのつけた胸にカラータイマーの無いウルトラマンだって?まあ、概ねあってる。

 

地球人の歴史に残るレベルで観測された中で、二番目に地球に降り立ったウルトラマンである彼は、悪の宇宙人やら狂暴な怪獣やら、はたまたロボット兵器と激闘を繰り広げ、合間にちょっとロマンチックしながら見事に地球を守り抜いた。

近年ではトサカが二つになった息子さんが大活躍中らしく、親としても鼻が高いことだろう。

 

………さて、何故俺が唐突にそんな話をしたのか、それは俺の"前世"での顛末を話す必要があるだろう。

 

そう、あれは冬の寒い日。いつものようにブラック指令(社長)率いるブラックスター(会社)から命からがら定時退社した俺は、自宅へ向け車を走らせていた。

 

昨日から徹夜でプロジェクトの企画書を仕上げていて、心身共に限界だった俺は、回りがよく見えてなかった。そのせいで不幸にも黒塗りの高級車にぶつかり、ヤのつく職業の方々にオイコラァ!された後、まるで流れ作業のように色んな事が進み、最後には東京湾に沈められその生涯を終えた。

しかし……神はまだ俺を見捨ててはいなかった。

東京湾の底で先客(骸骨)と共に添い寝していた筈の俺は目を覚ましたかと思うと、知らない空間に横たわっていた。ついに頭がおかしくなったのかと思ったら目の前に仙人のような格好のジジイが現れ、諸々の事情を説明した後に、俺をどっかの適当な世界に転生させてくれるというのだ!

 

なんというテンプレ展開か!生前の高校生くらいの頃は、こういう展開をみる度に「いや見飽きたわ」と言っていたものだが、やはり王道というのは需要があるからこそ王道なのだという事を俺はこの時理解した。ありがとう王道、ありがとう異世界転生!

 

そんな訳でこれまたテンプレ通りチート能力を授かるんだろうなぁと期待していた俺だが、そこで驚愕の言葉を耳にする。

 

『いやぁ、最近チート過ぎる能力持たせると現地住神から"世 界 壊 れ る"って苦情がきちゃってさ。だから最近は渡す能力は完全ランダムにさせてもらってるの。期待させちゃって残念だけどこれ、規則なのよ。』

 

………規則がなんぼのもんじゃぁ!!

なんだ、規則がそんなに偉いのか?ん な 訳 ね え だ ろ!!

 

俺はどうにか仙人を説得しようとしたが、逆に神様から規則の正しさを親切丁寧に教えられた。キソク、ダイジ。ジョウシノイウコト、ゼッタイ。

 

 

まあ、そんなこんなでよくわからん能力を授かったまま異世界に飛ばされた訳だ。ん?結局何で冒頭にセブンの話をしたか分からないって?察しが悪いな。話の流れで大体分かるだろ?つまりだな、俺にランダムで与えられた能力の中身が

 

偽ウルトラセブン

セブン上司

セブンガー

 

のセブン三点セットだったってくらい、今の話を聞けば分かるだろ?

………いや、無理だわ(白目)

 

 

 

 

 

 

 

 

事の始まりは、中国・軽慶市。そこでコスモミラクルに発光する赤子が産まれたのが、この世界が変わる始まりだった。

以来、至るところで超常の能力…個性が確認されることとなり、いつしか超常は日常に、夢は現実に。

総人口の8割が何らかの能力を持った超人社会となった地球…それが俺の転生した世界だ。何か似たような事を前世に放映してたアニメで言ってたので、多分そこの世界だろう。名前は知らんけど。

 

個性とやらで独自の社会構造をしていても、ポケモンとかハン×ハン世界みたいに独自の言語がある訳じゃないので一から言語を学ぶ必要は無かったのは幸いだった。それでも、この特異な世界を受け入れるのに五年くらいはかかったが。

今では見慣れたものだが、自分の母親の首がポロっと取れた時は、思わず悲鳴をあげ失禁したものだ。

 

 

 

「ふぁあ……う〜ん…、太陽光が美味しい。」

 

そんなこんなで俺、現在14歳。ピッチピチの中学三年生である。

中学三年生となると、受験に忙しい季節だと大半の人は思うだろう。実際、俺も前世ではそれなりに苦労して普通くらいの学校になんとか入学できたくらいには大変だった記憶がある。

 

だが……今の俺は人生二週目!言うならば全身にひかりのたまを付けながら大魔王ゾーマに挑むようなもの。つまるところ、前世の記憶を総動員すればこの戦い、勝ったも同然なのだ!クックックックック……完璧じゃあないか俺の人生!出鼻を挫かれはしたが、やはり俺の人生はチートだった!ありがとう神様、ありがとう転生!くそ食らえ俺の個性!

 

……ふう、少々取り乱してしまった。

しかし朝からテンションを上げてしまったせいか、心の高ぶりが止まらないな。仕方ない、今日は休日だし、"アレ"をやりにいくか。そう決意し、俺は着替えに手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

「みんな、配置についたら教えて。」

 

「「「「「「了解。」」」」」」

 

私の名前は手羽 風蘭。ここら一体を活動拠点としているヒーローで、ヒーローネームはブレイザーガール。全国的な知名度はそんなにないけど、地元の人達からは結構信頼されてると自負してる。

 

いつもは街の見廻りや建物の警備、チンピラの対応とかをしてて、ヴィランを相手にするのは週に一度あるかないかくらい。あっても他のヒーローのサポートがほとんどだった。

 

でも今日は違う。仕事の内容は銀行強盗団の一斉検挙で、アジトであるとされる建物は住宅街から離れた場所にある5階建ての廃ビル。

 

相手は全国で幾つもの銀行強盗を成功させている凶悪なヴィラン達。本来なら複数のヒーローと連携して取りかかる案件だけど、他のヒーローは別の案件を抱えていて、対応できるのは私達だけ。全国にアジトがあるから、今捕まえなければまた他のアジトに移ってしまう可能性がある。だから他のヒーローを待ってる暇はない。

 

リスクは大きい、だけどうまく捕まえられればリターンも大きい。きっと今までよりももっと前線に出られるし、事務所の規模も大きくできる。だから、私は自分の事務所の人間だけで作戦を進める事を決めた。

 

だけれどやっぱり、最悪の事態を考えてしまう。失敗した場合のシチュエーションは、成功した場合よりも鮮明に頭の中でイメージされ、心臓の鼓動を早めていく。何度も自己暗示のように大丈夫だと言い聞かせても、やはり不安は拭えない。

 

「ふぅ……大丈夫、機動力なら誰にも負けない自信がある。相手がどんな奴だろうと絶対…」

 

『ブレイザー!全員配置につきました!』

 

「クァッ?!…ちょっと!いきなり大きな声出さないでよ!」

 

『は、はぁ……申し訳ないです。』

 

いけないいけない。今は仕事に集中しなきゃ…私は腕に力をいれ、瞬時に腕から大量の羽を生やす。

 

 

手羽 風蘭

個性:鳥獣化

体を鳥のように変化させ、空を飛ぶ事ができる。体調によって生やせる羽毛の数と艶が変わるぞ!

 

 

個性により部分的に鳥獣化した私は、腕を上下に降って浮力を生み出し、空を飛ぶ。

一定の高度まで達したら、上空から鷹の目を用いて廃ビルの様子を見る。一時間前に偵察した時と比べても、対して変わりはないようだ。

ビルに入った一味が出てきてないのも既に確認済みの為、今あの廃ビルには強盗団が潜んでいるのは確定である。

 

「よし、私は作戦通り上から攻めるから、みんなは…」

 

と、通信機越しに指示を出そうとしたその時…視界の端、廃ビル近くの空き地に民間人を発見する。

放置していても作戦に支障は出ないけれど、万が一強盗団のうち一人でも私達の包囲網を潜り抜けあの空き地に行きでもしたら、大変な事になってしまう。

 

「待って、近くの空き地に民間人を発見。私が保護しにいくから、皆はそのまま……ちょっと待って。あれ何してるの?」

 

『?どうしましたかブレイザー。』

 

通信機越しに何層にも重なったサイドキック達の声が聞こえてくる。しかし、それらの声は私の耳に一切入ってこなかった。

 

何故なら……他の事に脳の処理を割いているから。他の事とはつまり、何百メートルも離れた先にいる民間人の様子の事だ。

 

私の脳では、その民間人のやっている事を言葉に現す事ができないので、見たままをここに記す。

そいつは……何か、赤い眼鏡?のようなものをかけ、地面に置いた石に向かってひたすら何かを呟きながら胸の前で手をクロスさせていた。

……邪神を降ろす儀式でもしているのか。いや、頼むからそうであるといってほしい。でないと本当に何をやっているのか、私の頭では理解できなくなる。

 

正直、近づきたくはないのだが、まだ5%ほど善良な市民である可能性が残っている為、私は渋々空き地へ向け急降下を開始したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいない空き地でウルトラ念力の練習をしていたら、めっちゃ美人なヒーローに職質された件。

……Why?!何故だ!俺の人生はイージーモードの筈じゃなかったのか?!それがなんでこんな職質をされなければならないんだ!どう考えても自業自得です本当にありがとうございました。

 

確かに、こんな空き地で赤色の眼鏡かけながら地面に置いた石を凝視してたら「あれれ〜?おじさん何してるの〜?」と問いかけられても仕方ないかもしれない。だけど、信じてくれ!俺は善良な一般市民なんだ!信じられないかもしれないけど!ほら、善良な証に正義のヒーローウルトラマンの力見せてあげるから!

 

というか、何も法に触れてる訳でもあるまいしこんな焦る必要もないか。適当に反省してるフリでもしてりゃ帰してくれるでしょ。……え、公然での個性使用はライセンスがない限り違法?あっ、ふーん……

 

 

いつも個性:セブン!セブン!セブン!を見てくれてありがとう。

主人公が急に小説に出られなくなった。

彼がまたいつシャバに戻ってくるのか、私にも分からない。

そこで、来週からは個性:ウルトラマンゼロ!〜俺に惚れるなんざ、2万年早いぜ?(トゥンク…)を見てもらうことにした。じっくり、見てほしい

 

 

 

 

いやあかーん!そんな上位互換個性出てきたらただでさえ意味わからん個性持たされた俺の存在意義が完膚なきまでに消えてしまうぅ!!

何とかしてこの鳥人お姉さんの機嫌をとって、見逃してもらわなければ…ん?何か急に焦った様子で誰かと話しだしたな。無茶苦茶取り乱してる……何々、強盗団があのビルでどうたらこうたら言ってるな。成る程、あのビルは強盗団のアジトだった訳か。それで鳥人お姉さんはここにいたのか。…え、早く逃げなさい?マジすか!逃げもいいんですか?!

 

俺にそんな事を告げた鳥人お姉さんは、そのまま廃ビルの方へ飛んでいった。

と、同時に。廃ビルから派手な音が何度も何度も、断続的に響いてくる。

これは……事件の香り。

ウルトラマン(笑)の力を持っている身からすれば、見逃す訳にはいかない予感。

 

俺は近場のコンクリにウルトラ念力をかけ、アイスラッガーの形に整形すると、それを片手に廃ビルへと歩みを進めるのであった。

 

 

 

 

 

「一歩でも近づいてみろ!そうしたらこいつの首が飛び跳ねるぞ!」

 

うわぁ……むっちゃ修羅場。

窓の外からチラッと中を覗けば、鳥人お姉さんの仲間らしき人が、片腕を鋭利な鎌に変形させたいかにも悪人面なおじさんに人質にされていた。

 

鳥人お姉さんは くっ、卑怯な… と、ア○ルが弱い女騎士みたいな事を言いながら、刺激しないようおじさんから距離をとっている。

 

ふむ……何だかこのまま放っておくと薄い本みたいな展開になりそうだ。具体的には「ぐへへへへ、人質を殺されたくなったかったら大人しくしてるんだな。……ほほ〜う、鳥人でもここは気持ちいいのか。ならたっぷり鳴かせてやるぜ(ボロン)」…みたいな。むぅ…それはいかん。良い子の皆に見せられない。よし、止めよう。

 

俺はビルの窓から少し離れると、コンクリートで作ったアイスラッガーを投擲する。

ウルトラ念力で補強し、自由に軌道を変えられるアイスラッガーは、ビルの壁を突き破り、おじさんの腕が変化した鎌を下から突き上げる。

 

「なっ……はぁ?」

 

と、おじさんが何が起きたのかわからないと処理落ちを起こしている間に、アイスラッガーをおじさんの胸部に当てそのまま壁に叩きつける。

 

今のでコンクリアイスラッガーが壊れてしまったが、男も頭を打ち付けて気絶した。よし、ミッションコンプリート。

 

人質になっていた人と鳥人お姉さんは何が起きたのか…と未だに混乱している様子で、窓の外に浮かんでる俺には気付いていない様子だった。

 

まあ、名乗る必要もないし、強盗団のアジトであるここにはまだ構成員がいるようだから、パパっと片付けるかと、俺は鳥人お姉さんのいる階の一つ下の三階に窓ガラスを割りながら侵入する。

中には階段へ視線を向け警戒態勢をとっていた数人の強盗団が。音に反応しこちらを向いてきたので先手必勝!

 

「てめぇ、何者…グヘェッ!」

 

出会い頭にロケットパンチ!…いや、硬芯鉄拳弾だったか をかます。自分の腕が飛ぶ感覚というのは随分と不思議なもので、未だに慣れがこない。

 

「な、なんだこの赤眼鏡野郎?!」

 

奴等が現状を理解しそうになっていたので、そうなる前に制圧しなければ。

俺は戻ってきた腕をハメなおすと、余りあるフィジカルで強盗団達に接近する。

 

「このっ!」

 

流石に強盗団達もボーっと突っ立ってる訳もなく、異形型らしき熊みたいな格好の男が拳をふるってきた。

 

俺は腕をクロスしその攻撃をガード…しきれず、思いっきり吹き飛ばされる。いてて、敵の力量を間違えたな。いくらウルトラマン(笑)の力といえど、パワー系の敵に無策で突っ込んでいける程のパワーはないらしい。

俺は戦略を脳内で練り直し、再び突撃する。

 

熊男は俺を迎撃する為に一本前に踏み出し、大振りの一撃を正面に放ってきた。俺のいる方向だ。流石にまともに喰らう訳にはいかない。

俺はその場で急停止し、バリアを貼る。コンクリくらいなら簡単に消し飛ぶだろうその拳は、けれども俺の貼ったバリアを打ち砕く程の威力はなかったらしい。鈍い衝突音と共に、砕けたらしき拳を引っ込める熊男。その隙を見逃す訳もなく、額に両手の人差し指と中指を当ててエメリウム光線を発射する。

 

 

鮮やかな緑色の光線は、男の体に深々と突き刺さり、その巨体を容易に吹き飛ばした。かなり手加減はしたので、死んでる事はないと思うが、それでも心配になってくる吹っ飛び加減だ。人間相手に光線技は危険かもしれないな……

 

そうだ、もう二、三人いたっけなと、再び戦闘態勢に入る俺。けれども、階段付近にいた筈の奴等は熊男がやられたらいなや直ぐに下の階に逃げていったらしく、そこにはもう誰もいなかった。

 

まあ、下の階には鳥人お姉さんの仲間がいるっぽいし、俺は部外者だしでやることやったしもう帰ろうかなと、踵をかえしたその瞬間…

 

「止まりなさい!」

 

鳥人お姉さんが、窓の外から敵意を込めた目でこちらを睨んできていた。……なんでぇ?!




次回第2話:せめてセブンXとかセブン21とかがよかった に、こうご期待。
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