あ、前線で戦うとか無理なんで偵察してきますね。 作:喪家の狗
どうも。サボってる作品があるのに新たに書いてしまった僕です。
1話1話を長くすると直ぐに在庫(かきだめ)が切れてしまうので、薄く長く続けるようにしたいです。
ご理解とご協力とセットでご購入下さい
勇者と愉快な仲間達それと...
「「「「カンパーーイ!!」」」」
賑やかな酒場にグラスを重ねた音が鳴り響く。
「勇者様~、今日も凄かったよ~」
そう言ってくれるのは魔法使いのリリカ。
魔法使いらしい黒のローブに三角の帽子。どこか魔女を彷彿とさせる格好だが、特徴的なピンクの髪のせいで魔女のそれとは遠く及ばない。
背は小さいものの高い魔力を保持していて、彼女の放つ1撃は凄まじい。
「はい、流石勇者様です。今日もお疲れ様です」
リリカと同じように褒めてくれるこの子は、弓使いのシイノ。
薄緑の綺麗な髪から見える長い耳が証明するように彼女はエルフという種族だ。
まだ奴隷だったころの癖が抜けきっていないのか今のも敬語で話すものの、常に仲間のことを最優先で考えられる子だ。
「ふふ~ん、そりゃそうよ。なんてったってこのアタシが見込んだ勇者なんだから!」
胸を張り自慢げに言う彼女は神官のミサ。
青と白を基調とした正装は赤い髪の彼女とは合っていないが、彼女なりのアイデンティティとして今ではしっくり来ている。
突然僕の前に現れ、「アンタ、今代の勇者だから。さ、魔王を倒しに行くわよ!」と言ってきてからというもの、僕の人生は一転し仲間と共に魔王を倒す旅が始まった。
「み、みんな褒めすぎだって...」
そして彼女たちの話題の中にあり、パーティーリーダーでもある僕、勇者のトウヤ。
僕らのパーティー『ナマノトリニク』は、今日も打倒魔王を目標に掲げ、朝から夕方までダンジョン攻略に勤しんでいた。
ダンジョンとは定期的に魔物が産み落とされる洞窟のことで下に行くほど強い魔物がたくさん出てくる場所のことだ。
そこと魔王軍は関係ないけど、多くの冒険者たちからレベルアップには最適と聞き僕らもそこに通うようになった。
そしてこの俺! 長ったるい勇者様御一行の紹介を最初から最後まで聞かされた偵察蝙蝠のハツカ。
今日も今日とて今代の勇者の行動を監視し、魔王様及び俺の上司に逐一報告してるのだー!
天井と壁の隅にぶら下がってる
はっ、勇者め! まさか暢気に話してるこの瞬間も魔王軍の目があるとは夢にも思うまい!
...あ、蝙蝠だから視力はそんなに良くないけど。
......うん、耳だな。耳にしよう。
まあ、視力の云々はあるものの、その隠密能力は魔王軍トップクラス。(当社比)
過去に数々の偵察任務をこなして来たけど、バレるなんてヘマしたことは一度もない。
「あ~、シロちゃんまた来てるよ~」
「あらホント。最近よく来るね」
(あ、ホントだ。今日も来てる。最近よく見かけるけど何処の子なんだろ。誰かの使いかな?)
ちっこいのが俺の近くの席を指さした。
む、シロちゃんって誰だろ。新しい勇者パーティかな。
...まだ増えるのかよ、勇者ハーレム。
からだと見えないけど、恐らくほかの客の中にシロちゃんたる人物がいるのだろう。
「ご飯食べるかな~? ね~ね勇者様、パンあげてみてもいい?」
「ん? ああ、良いんじゃない?」
__不意にパンくずが飛んできた。
...!
だが俺は回避にも長けているからね。そう簡単には当たらない。
パンくずはコロコロと床を転がった。
おいこら、食べ物を投げるな。マナーが悪いし、命中も悪い。
手で渡せばいいだろ。
少しびっくりしたじゃないか。バレたのかと思ったよ。
「あれ~、やっぱり食べな~い。パン嫌いなのかな~?」
「お腹すいてないのかしら。あ、トウヤ。次の作戦についてなんだけど...」
話を盗み聞き、床に落ちてしまったパンを齧った。
ん、これ凄くおいしい...。
(んー、これからの作戦か、どうしよう...。)
さっきから勇者の思考が読み取れているのは、音ならざる声、つまり心の声を特定の状況下で聞くことができるという蝙蝠系の魔物なら使える能力によるもの。
(そんな僕達だが今は1つ目の目標、魔王城西支部の攻略を目の前にしている。)
対象が1人だけだったり、敵対してない奴には使えないとかいろいろ面倒な制約があるけど、中々に便利な能力だ。
(パーティー名である『ナマノトリニク』は、国王様から授かったもので、『気を付けろ』って意味だそうだ。ふふ、魔王軍に対する警告を掲げてるみたいでかっこいいな。)
...おい。ずっと監視してて思ったんだがお前心の声すげえうるせーのな。
よくぞ食べながら仲間たちの会話を聞きそれに答えながら現在進行で思考を乱されないな。
(僕の好きな食べ物はニンニクとパクチー、それからー...)
おいて。関係なくなってきてるだろ。それだったらさっきみたいに有益な情報を垂れ流せよ。
☆ ☆ ☆
「ふわ~...。勇者様あ~ボク、もう眠いよ~」
「おっと、もうこんな時間か。それじゃあ、そろそろ宿に戻ろうか」
「ええ」
「はい」
おや、宿に行くのか? しょうがない、寝る前に何か話し合うかもしれないから付いてくか。
もう既に結構遅い時間だったようで勇者たちは会計を済ませ店を出た。
勇者がちっこいのをおぶって、その後ろに2人の女が続く。
そのまま一行が寝泊まりしてる宿屋へと入っていった。
俺もバレないようそれに続き、部屋の屋根裏に忍び込んで聞き耳を立てた___
___後、聞きに行かなければ良かったと後悔した。
...ハーレムパだもんね。しょうがない、しょうがない。
このことも報告したほういいのかな?
こんな感じの作品です。
文章が合わなかったり、作者のテンション気持ち悪いなって方はなにも言わずにクローズバックしちゃってください。
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本日中にあと2,3話投稿する予定です。