あ、前線で戦うとか無理なんで偵察してきますね。 作:喪家の狗
「...っく! すまない、回復を!」
「オレに、任せるデス! 【回復魔法・中】!」
「ありがとう、助かった!」
...え、アイツ回復師だったの?
西支部を目指しレベルアップしつつ旅を続けてる勇者御一行は、何故かいつもより多めの敵とエンカウントしていた。
...あ、さーせん。俺の仕込みです。
別に勇者達に特別な恨みがあるわけじゃないけど、これも仕事だからね。
ってことで早速勇者たちの行く先を逐一報告していたのだー。
うん、何か恨みがあるわけじゃないけどね?
濡らされたのを根に持ってるわけじゃなくてね?
...ただ、予想外だったのが、
「ふう、今回も何とかなったね。皆、怪我は?」
「アタシは大丈夫よー」
「はい、大丈夫です」
「ボクも~」
「...むきず」
「えー、今回もあんまりオレが活躍できてなーいデス!」
「ま、まあ怪我しないに越したことは無いからさ」
コイツ等、強くね?
そんなつよつよ勇者達、倒した魔物が持っていた(緊急時、何かあった時のために使う)お金を拾い集めた。
おい、人のものを取ったら泥棒だって偉い人が言ってたぞ。
勇者がそんなで良いのか。
ホクホク顔で今日の宿を探していると偶々近くにあった村があったので、今日泊れるか聞くことにした。
そこの村長に話をすると、
「世界をお救いになられる勇者様、是非とも私たちの村に泊って行って下さい!」
快く受け入れられた。
野宿回避できて良かったね。
...いや、怒ってないから。
古民家を一部屋借りてようやく腰を落とす。
ほえー。古民家って言う割には中々綺麗なとこですな。
移動中の手から解放され、漸く俺も文字通り羽を伸ばせグウッ!?
「シロちゃ~ん、村の探索行こ~」
「行くデスよー」
「...はやく」
休ませろ。
俺は戦闘中だってお前らの誰かのポケットにずっと入れられてたんだぞ。
...仲間の死に様を見るよりは良いけど(死んで無い)。
「おお、勇者様のお仲間様! 良くぞ我らの村に! こちらをどうぞ、うちの村でとれた新鮮なフルーツです!」
「こちらもどうぞ! 収穫したてのお野菜です!」
と、一度外を歩けば村人から色々貰ってしまい直ぐに両手いっぱいになってしまう。
「おや、蝙蝠さん。あなたにはこの指輪を授けましょう。...うむ、よくお似合いですよ」
普通蝙蝠に指輪なんて送らねえだろ。
結局、村人からの贈り物を貰えるだけ貰い、村の探索はできず仕舞いとなってしまった。
「明日の朝行こ~」
「おー!」
「...おー」
休ませろ。
と言うかアンタらも休め。
☆ ☆ ☆
「流石に魔王城の近くとなると敵も増えてきたわね」
「そうだね、僕ももっと精進しなきゃ...」
よ、良かった。今回も何とかバレずに済んだ。
散って逝った仲間たちには申し訳ないが(死んで無い)、俺だって今結構危険なところに身を置いて、置かざるを得ないからね。
「はい、皆さん。出来ましたよ」
村人さん達から貰ったものを中心になんとかって名前のエルフが夜ご飯を作った。
それを一行が談笑しながら美味しそうに食べていた。
俺? 俺は食べてないよ?
...いや、俺からは食べていない。
と、そんな楽しいお食事の時間も終わり昼間の疲れもあるのか、皆早々に眠ってしまった。
...うん、寝るときくらい放して。痛いよ。
寝苦しい手の中で俺も眠りにつき、
指輪を通して送られてきた魔力によって目を覚ました。
...みんな寝たか。
皆が寝てるのを確認して、久しぶりに人間の姿へと成る。
う~、本来は蝙蝠なんだから大丈夫なはずなんだけど、体がこってる気がする...。城に戻ったらキキョウに頼もー...。
「整体術を極めたからいかがですか?」
ってこの前言ってたし今から楽しみだ。
久しぶりの目線の高さからは御一行皆様警戒心を放り捨てグッスリ眠ってるのが窺える。
いくら村の中とは言え、流石に見張りを就けないのは不用心じゃないのか?
あんなに優しい人たちが怪しいわけない?
...わかんないよ。
例えば___
「皆、寝たみたいっす」
「ご苦労さん、ハツカ」
___魔王軍が造り上げた偽物の村かもしれない。
以下、コピペ挨拶。
どうもです。最後まで読んでいただきありがとうございます。
毎話文字数の少ない僕ですけど、気になっていただけたらブクマだけどもしていただけると、多分やる気が出ると思います。
評価や感想もいただければもっとやる気が出る気がします。
(意訳:ちやほやして)