あ、前線で戦うとか無理なんで偵察してきますね。 作:喪家の狗
魔王城西支部。
魔王城と呼ばれてはいるものの、見た目は塔。
その塔を中心に街が発展し、円形の壁が街や塔を守るように聳え建っている。
バザールとか鍛冶屋等様々な施設があり、目的もなくぶらつくだけでも結構楽しいと専らの評判。
石やレンガといった、なんか見たことあるような街成りは、一見人間側と何ら変わりはない。
だがこれは人間共に作らせたものではなく、魔王様が御1人で創り上げたのだという。
分かりずらい?
...あーっと、『迷宮でお別れを求めるのは間違っている!』という作品の舞台である『オリラオ』という街を思い浮かべてもらえればいい。
大体そんな感じ。
そしてその円状壁の前に勇者と従者御一行が並んだ。
それを見た門番が警鐘を鳴らし、兵士がやってくるのを待っ...
「勇者スラッシュ!!!!」
え、ちょ!
勇者の剣から迸った横一線の閃光はその剣から離れても輝きを失わず、城壁へと吸い込まれるように向かって行き、
「「は?」」
その壁を門番さん諸共ものの見事に破壊した。
「行くぞ皆ーーー!!」
畜生勇者め!
☆ ☆ ☆
『被害甚大! たった1振りで正門側壁の38%消失! 住民の皆さんは速やかに避難してください! 繰り返します...』
ちょっと待って、思い描いてた勇者戦じゃないんだけど...!?
なんかヤバい? ヤバいですわ!?
さ、流石に手の中にいる訳にもいかないからさらっと脱出を...。
ぬ、抜けねえ! コイツいつにも増して力強くないか?
や、やめろ! こんな所、とっとと出て行ってやる! お、俺は1人で城に戻るからな...!
なんて考えてると、
「よお、勇者ァ...。派手にやってくれてんじゃねーか...」
「四天王、サイジャク...!」
さ...
サイジャクさんキターーーー!
サイジャクさんが大勢の兵士を引き連れ勇者たちの前に現れた。
濃い魔素で活性化しているのか、その肉体は無残に切り裂かれてた頃とは比べ物にならないほど盛り上がり、所々浮き出た血管が発光している。
かっけえーー...。
「...この壁、お前がやったんだろ? 困るんだよな。壁の修繕って結構大変で、費用だって馬鹿に...」
「勇者スラッシュ!!」
ておい!
何時になったらその不意打ち癖治るんだよ。勇者なんだろ!? せめて正々堂々戦えよ!
「...相変わらずだなー、その不意打ちは」
「な...!? き、効いてない...!?」
す、すげーーー! さっすがサイジャクさん!
「そんな攻撃じゃ今の俺は倒せグッハ...!? い、いっでぇーー!?」
あ、あれ?
「時差!? 時差で来たぞ今の!? な、なんなんだクッソイッテェーー!!」
さ、サイジャクさーーん!?
「よし、皆今だ! 行くぞ!」
「ええ!」
「はい!」
「うん!」
「おー!」
「...おー」
ふざけんな勇者ーー!?
☆ ☆ ☆
「は、ハツカ様! 大丈夫でしたか!? ...ってあれ、首輪は?」
首輪? 何それ。
何とか戦闘を掻い潜り、城内に戻ってくるとお久しぶりキキョウちゃんが出迎えてくれた。
え、いや逃げたんじゃないよ。俺元々戦闘用じゃないし。
そんな俺の役目の終わったからね。漸くシロ......城に戻って来たんです。
「久しぶり、キキョウ。こんなとこにいたら危ないから早く地下に避難しなきゃ」
地下には非戦闘民及び外の非契約者・住民が避難できるような『しぇるたー』? という名前の部屋がある。
とっとと避難命令は出てたはずなんだが...
「あ、そうでした。ハツカ様お疲れ様です。こちら『生き血ゼリー』です。早くお召し上がってほしくてここで待ってました」
き、キキョウ...。
「俺、生き血とか好かんよ?」
「あれ!?」
「吸血蝙蝠じゃないのだよ~?」
知らなかったのかい?
「てかそれ誰の血なのさ」
「え? ええっと...そ、それは~...」
「キキョウ、何やってんのよ。早く非難するわよ。...ってああ! 貴方がハツカ様ですね!? 偵察任務お疲れ様です! ささ、ハツカ様もご一緒に避難しましょ!」
キキョウちゃん、同僚に話すときもハツカ様って言うの辞めようね? 俺、様って付けられるほど立派な奴じゃないからさ。
以下、コピペ挨拶。
どうもです。最後まで読んでいただきありがとうございます。
毎話文字数の少ない僕ですけど、気になっていただけたらブクマだけどもしていただけると、多分やる気が出ると思います。
評価や感想もいただければもっとやる気が出る気がします。
(意訳:ちやほやして)