あ、前線で戦うとか無理なんで偵察してきますね。 作:喪家の狗
「ハツカ様、次は何しますか?」
「じゃあ、人間達が酒場でやってた『ぽーかー』ってのやってみようか」
しぇるたーの中で暇そうな人たちと遊んでいると、終戦のお知らせが流れてきた。
...終わったのか、外出て見に行こうか。
☆ ☆ ☆
「おら! さっさと歩け!」
誰だこんな在り来たりな台詞を吐いてるやつは。
勇者と魔王軍との西支部戦が始まって早10時間。
どうやら勝敗が着いたようなのだが...
「ああ、うっさいわね! 歩いてるじゃない!」
「あんだこの雌。負けたっつうに口答えしやがって...」
片腕吹き飛んで顔からダラッダラの血を流し続けてるサイジャクさんが紐で繋がれた勇者御一行と城に入ってきた。
わざわざこんなみんなが集い、目立つような場所で何するんだろうか?
「ミサ、やめなよ。...あ、あの僕達ってこれからどうなるんですか?」
なんだ、あいつ等負けたってのに元気じゃん。
...いや、よく見たら後ろの子供3人は元気ないな。怪我してるわけでもなさそうだし、どしたんだ?
チラリと勇者と目が合う。
ん? あ、
わーはっははー。どうだ! 突然仲間だと思ってた奴から裏切られた気分は!
いや、今は人間の姿してるからわかんないだろうけどさ?
チクン
? ...な、なんだろ。今なんか胸がチクチク? モヤモヤしたような...。
「あ? なんだー? 気になるのかー? 今迄散々仲間たちを殺ってくれたからなー...。
そんなお前らには...」
「消えてもらうって言うんでしょ?」
「...え? 何でそんな思考になるの? 怖っ...」
「「...」」
魔王軍幹部に引かれるってどんな気分なんだろ...。
「消してほしいなら消してやるが、とりあえずご迷惑をおかけしたであろうここの住民さん達にごめんなさいして来い。
ここの人たちは優しいから許してくれると思うけど、もし無理なら......腕の1本覚悟しろ」
「「ひっ...」」
子供がビビった。
「...冗談だ。早く行ってこいや」
敵にも冗談言って和ませてくれるサイジャクさん優しいっすね。
☆ ☆ ☆
暫くすると、ごめんなさいしてきたのか両手いっぱいにお野菜、果物とどっかで見たことある姿で戻ってきた。
「おう、帰ったか」
「えっと~。
『お前らにはまだ俺らと戦えるだけの力が残ってる。その力を取り除くために残念だが暫くこの領域で暮らしてもらう。この領域特有の魔素がお前らのなんちゃをどーとかで、うん、まあ、力がドンドン無くなっていく』。
だってさ。理解したか、したな」
サイジャクさんが何かの紙を読み上げる。
「は、はー!? それだけ!? 実は裏でもっと...」
「うるさい、説明の途中だ。口答えするな。お前らは俺らに言われたことに「はい」と返事してそれに従えばいいだけだ。わかったか」
早口にそう言うとさらに説明を続ける。
「お前らにつけてもらってるその首輪はこの領域の魔素が吸えなくなると自動的に縮むようになってるからな。
それ以外では人体に影響はない」
勇者御一行の首には黒い首輪型の魔道具が付けられてる。
うちの製作部は凄いな...。
「てなわけで、お前らには近くの家を貸してやるからそこで生活しろ。そっちが変なことをしない限りこっちからは攻撃しない」
サイジャクさんが勇者に家の住所が書かれた紙と家の鍵を渡す。
「自給自足できるようにはしとくけど、なんか足りないもんあったら近くの店行くか俺たちのとこ来い」
大抵の家にはお庭と畑が付いている。恐らくそれの事だろう。
「御近所さんたちとは仲良くな? たまに何かもらえるかもだぜ?」
そう言われ、一行がさっき貰った野菜たちを見る。
これはホントにそう思う。俺もしょっちゅう...。
「ゴミの日は火木土の週3日な。朝の9時までに出しとかないと回収してもらえないし、それ以外の時間に出すと迷惑がられるから当日に出すように」
住民トラブルを避けたいからね。ここの人たちは優しいからゴミ関係で怒らないらしいけど。
「一応監視とお世話係は付けておくけど、まあ、なんだ。お前らも人間なんだから溜まるもん溜まるだろ? 監視の目を外すことはできないがしたくなったらいつでもしていいからな?
最中はそれとなーく視線は外すからって逃げようだとか思わないことだな」
俺も見たことあるけど人間て凄いのな。なんであんな色んな体制で...。
「今はまだ確定ではないが、安定してきたらこっちの仕事も手伝ってもらうからな。
...あ、人を殺せとかそんなことは言わねーから安心しろ。お前らが壊した壁の復旧とかだよ」
さっき見てきたけど周りの被害も凄いもんだった。
復旧には時間がかかりそうだな。頑張れ。
「...と、ザックリ説明したけど分からないことがあれば担当の者に聞いてくれ。
ここまで何か質問は?」
ヒラリと薄緑が手を挙げた。
「...いいですか?」
「ん、ああ。いいぞ?」
「どうして私たちを生かしておくんですか? 力を失って解放されたからってまた挑みに来てしまうかもしれませんよ?
自分たちで言うのもホントなんですけどさっさと殺してしまった方が...」
「...あのさー。前から思ってたんだが何で人間てのはそんな殺戮脳なんだ?」
それはずっと思ってた、ついでに勇者は不意打ち厨だし。
「別に殺してしまってもいいんだが俺達には何のメリットもないし、それを楽しいとも思わない」
...え、ホントに? サイジャクさんの部下兵士達なら意気揚々と殺しそうだけど?
「それにだ。お前は今さっき『解放されたらまた挑みに来る』とか何とか言ったが、やれるもんならやってみろ」
「え!?」
「ここで暫く生活してりゃー、近隣住民に情が沸くだろ。それを踏まえた上で仲間思いの優しい勇者様がそいつらを殺せるっつうなら来てみろ。俺たちは迷わずそいつらに武器を持たせる」
さっすがサイジャクさん。俺はまだその考えに至らなかったっす。
まだまだ修行が足りないな。
「他に無いか? 無いな。ならとっとと自分たちの家にでも行ってろ。後でお世話係の者がそっち行くからな」
そう言われると勇者たちはトボトボ出ていった。
それを見届けたサイジャクさんは、
「おい、ハツカ! 居るか!?」
「あ、はい。どしました?」
イライラ怒鳴り声をあげた。
声からわかるがすごく不機嫌なようだ。勇者となんかあったんかな?
「俺、あいつ等の相手苦手だわ」
「まあ、かなり面倒そうっすもんね...」
俺も散々苦労しましたよ。
「四天王様に口答えしやがって...!」
「あ、そっちすか」
相当根に持ってるらしい。
「ってわけでお世話係お前に任せるわ」
「あ、はい。わかりま...え?」
「だってお前、あいつらと仲いいだろ」
「べ、別にあいつらの事なんて...ただ任務で仕方なく...」
「偵察ならほかの奴に任せるから安心しろ。じゃ、よろしくな~」
「え~...」
ツンデレ演技無視せんで?
てか気まずくて会うのやなんだけどー...。
以下、コピペ挨拶。
どうもです。最後まで読んでいただきありがとうございます。
毎話文字数の少ない僕ですけど、気になっていただけたらブクマだけどもしていただけると、多分やる気が出ると思います。
評価や感想もいただければもっとやる気が出る気がします。
(意訳:ちやほやして)