あ、前線で戦うとか無理なんで偵察してきますね。 作:喪家の狗
西支部城下、勇者様及び御一行様用ハウス。
「あ、あのー。勇者さん達ー? 今良いですか?」
コンコン控えめにノックして中に入ると、勇者御一行様が皆リビングでぐだーってしてた。
「え、えっと君は...?」
俺に気付いた勇者が姿勢を正したが、他の皆は未だぐだーってしてる。
人間って魔素の濃いとこだとこんな感じなのか。
それとも戦い疲れか。
「あ、紹介遅れてすんません。俺、ここで勇者さん達のお世話係? に任命されたハツカって言います」
「え、あ、ああはい。どうも...」
なんだコイツ、余所余所しいな。あんなに俺の身体弄って来たくせに。
むう。
...しょうがないな、こいつ等が分かりやすい方が良いのか。
「あ、こっちの方分かりやすいですかね...」
「え?」
しょうがないからこいつ等が見慣れたであろう蝙蝠、シロちゃんとやらの姿へ戻る。
...仕方なくだよ?
「...え?」
「し、シロちゃん...?」
「い、生きてたのですか...?」
「シロちゃん!?」
「白いの!?」
「...いた」
...?
あれ、想像してた反応と違う。
ここは、
「あー! お前魔王軍の奴だったのかー! ふざけるな! もう【契約魔法】も切るからな!」
ってのを期待してたんだけど...?
「シロちゃーーーーん!!」
グッハ!?
「良かったよ~~!! 良かったよ、生きてて! ごめんね~~! 護ってあげれなくてホントにごめん!!!」
うん、痛い。
懐かしい痛みだ......とかそうじゃなくて!
やっぱりなんか違うんだけど!?
予想と違うんだけど!?
俺ってば勝手に死んだことになってたんすか!?
てか何でこいつ泣いてんの!?
「白いの! どこ行ってたんデスか!? 心配したんデスよ!?」
え、あ、すんません...?
「...し、心配、したんデスよ...? オレが呼んだらすぐ返事するって、約束したじゃないデスか」
あ、はい。すみま......いや、ごめんその記憶ないんだけど。そんな約束した?
あと返事ってなんだよ。俺この姿で声出せると思ってんの?
...いや、出来なくは無いけどさ?
てかなんでお前も泣いてんの。
「...こうもり」
あ、お前はいつも通りなのな。安心し...
「...こ、こうもりいーーー」
あ、やっぱ泣くのか...。
何なのー、コイツ等。
おい、ある意味での大人組! さっきから涙流してないでコイツ等どうにかしろ!
おいって!
...?
おーい。
だめだ、あいつ等子供より泣いてやがる。
全く、何をそんな泣いてんだか...。
...!?
...いや、だからなんで俺はそれを見て嬉しいと思ってんだよ...。
わけわかんねー。
☆ ☆ ☆
「魔王軍である俺がこんなこと言うのもなんですけど、裏切る形になってしまい、なんかすみませんでした」
落ち着いて話が出来るようになるまでめっちゃ時間かかった。
「い、いやそれはシロちゃ...ハツカさん? も仕事だったわけですし、仕方ないというかー...」
勇者がそんな御託を並べてくれる。
「ありがとうございます。でも」
でも、
「勇者さん達との旅、意外と楽しかったかもっす」
「ハツカ...」
「なので、あの...」
俺は作り涙を目に浮かべ、反省してる風を装いながら、
「いい加減【契約魔法】解いてくれませんか?」
頭を下げてそう言った。
「...え~、やだ~!」
ちっ、情に訴えるような話をすれば流れでなんかできると思ったのに。
涙浮かべながら笑って言われたら...なんか、反論できないじゃん...。
あーあ、残念ながら勇者一行が力を失うまでこのままのようだ。
...
ん? ...何で今少し安心したんだ?
「そんな繋がりが無くても、オレ達は仲間デスから」
「...はい」
魔法解除してもこの関係は終わらせないってさ。
...あれ? これもしかして勇者パの1人である俺も同じ罰を受けろ、とかそんな落ち?
「...なかま」
「ああ、はい」
うん、俺は魔王様の仲間だけどね?
...ところで作り涙がずっと止まらないんだけど、これは何で? 誰か催涙成分ばら撒いた?
以下、コピペ挨拶。
どうもです。最後まで読んでいただきありがとうございます。
毎話文字数の少ない僕ですけど、気になっていただけたらお気に入りだけでもしていただけると、多分やる気が出ると思います。
評価や感想もいただければもっとやる気が出る気がします。
(意訳:ちやほやして)