あ、前線で戦うとか無理なんで偵察してきますね。 作:喪家の狗
「...ってことで改めて、僕はトウヤです。一応、勇者。
あ、最近ではちゃんと住民様のために働いてるよ、勇者としてね」
勇者として魔王軍の魔物のために働くってどうなんだ?
いや、そうさせたのは俺らだけどさ?
今回俺が喋れるってこととお世話係になったってことがあり、改めて一同自己紹介することになった。
まあ、今まで「勇者」とか「赤毛」「薄緑」としか呼んでなかったからね。これを機に覚えようか。
何ならオレっ娘と幼女の名前も知らないし。
「うん、よろしく。...ところで勇者さんの不意打ち気味の『勇者スラッシュ』はどうにかならなかったんですかね、勇者としてそれって...」
「あ、あーー。すみません。国王様からやられる前にやれってお告げを頂いたからね...」
おい国王、お前は人間じゃねえのか。
身体は魔素でできてんのか。
「えっと...アタシはミサ。神官よ。...って改めて言うのもなんか恥ずかしいわね」
何でだよ。恥ずかしがるのは勇者の前でだけにしろ。
と言うか神官って何するんだ? この前は「勇者にお告げした」としか聞いてないけど...。
「よろしく。えっと、神官って何する職業なんですか?」
気になったことは聞いてみよう。
「え? 勇者にお告げをするくらいだけど...?」
あれ?
た、確かに思い返してみたら偶に来る国王さんからのお告げを勇者に伝えたり、【洗濯魔法】とかの日常使い魔法しか使ってないような...。
まさかの無の...
いやいや! 【洗濯魔法】は便利だったし、ほかにも細々したのをたくさんやってくれたからね。目立ってないだけで...。
「そ、そうなんすか。あ、いつも【洗濯魔法】とかありがとうございました」
「あら、そう。喜んで貰えたなら良かったわ」
うん、平和に行こう。
はい、次ぃ!
「エルフで弓使いのシイノです。改めてこれからもよろしくお願いしますね、ハツカさん」
あ、こいつはいつも通りで良かった。
俺の事ももうハツカって呼んでるし、順応性が高いのかな。
「シイノさんの弓って命中率高いから凄いっすよね。使ってみたい武器が弓なんすけど、なんかコツとかあるんすか?」
いくら偵察だけとはいえ、いざとなった時にやっぱり攻撃手段はあった方がいいと思ってたんだけど、弓が全然うまくいかなくてね。
「コツ、ですか...。そうですね...。
常に、誰かを見つめる、とかでしょうか...」
「...っ!?」
...? なんか勇者がゾクッとしたけど、大丈夫?
「ふふふ...」
なんか怖いな。
「え、え~っと~...。あ、あの、ボク、魔法使いのリリカって言います...」
よく握って来てた子が落ち着きなさそうに言った。
なんだ、そんなモジモジして。トイレならこの前場所教えたでしょ。
「あの、大丈夫ですか? トイレなら...」
「あ! あの、違うんです! あ、あの...えっと...、その。シロちゃ、ハツカさんってかっこいいな~、って...。え、えへへ~...」
...な、なんだこの子。
もしや魔素濃度の濃い空気にやられでもしたのか...?
可哀そうに...。
大丈夫だ、あとで魔素の薄いところに連れて行って改めて俺の顔見せてやるからな。
勇者からNTったみたいになるのは御免だからね。
「リリカさん、用事があるので後で少し、良いですか?」
「え、ええ~!? な、な...! そ、そんな、そんないきなり...!? で、でも、ぼ、ボク...!」
ちょっとお、そんな反応しないでよー。オレも勘違いしそうになるじゃーん。
おい、周りー。君らもニヤニヤしてんなよ。
ほ、ホントに勘違い、しそうになるじゃん...。
「白いのー! ...って、ハツカ、デシたっけ? まあいいデス! ペットじゃなくなったハツカはこれからオレの弟子にしてやるのデス!」
今迄のはペット扱いだったんですね。そうですか。
「えっと、俺に師はいないんすけど...?」
「だーかーら! オレが師匠になってやるのデス! さ、「師匠♡」って呼んでみるが良いデスよ!」
えーー、何その羞恥プレイー。
「師匠...♡」
言ってみるけどさ?
「!? ふ、ふーん。中々良い響きデスね...。これからもそう呼ぶように、いいデスね...!?」
どうやらお気に召したようだ。
おかしいなあー、見た目的には俺の方年上かなって思ってたんだけど...。
年下が師匠ってー...。
...おいこら周り、ほっこりするな。
はい、つぎぃー...
...っていや、名前と職業! そっちの方、気になるんだけど!?
「えとー。お名前と職業を聞いても...?」
「『師匠、教えて~♡』、デス」
...。
「え~と、次はー...」
「職業は『何でも屋』、名前はハルコ、デス。師匠を無視するとはいい度胸デスね...」
無視しようとしたら教えてくれる優しいお師匠様好き。
『何でも屋』は型に収まらない、兎に角何でも出来るようなオールマイティな人のことだと前に聞いたことがある。
「うん、ありがとう、師匠」
「な、生意気な弟子デスね...」
おーけー、この子の扱い完全に理解した。
「...」
「...」
「...」
どうしようかなり沈黙が続いてる!
「...えっと~、それでお名前から聞いても...?」
「...ぷい」
「なんで!?」
また目を逸らされたんですけどー!?
な、なんでー!? 何で嫌われたのー!?
シロちゃん実はハツカ様でした~、の回では熱烈にハグしてきて泣きまくってたじゃん! あの時の感動をもう一度~!?
ちょ、ちょっと。周りも温かい目で見守るんじゃなくて名前教えるとかしてよ~...。
こうして全員の自己紹介が無事終わり(?)、
「初めまして、私はキキョウです。お料理係をしています。皆さん、ハツカ様との旅、楽しかったですか?」
キキョウの自己紹介が始まった。
うん、何でいるの?
あと顔怖いよ。
笑ってるはずなのになんか怖いよ?
第一印象ってすごく大事でね?
「...キキョウちゃん、どうしてここに?」
「
あ、やっべ忘れてた。
蝙蝠(の姿で握られたり)ばっかりだったから体バキバキなって頼んだのよ。
「ごめん、忘れてた。今ちょっと忙しいから後でも良い?」
「分かりました。では夜におじゃましますね!」
...何で所々強調するように言うの?
「わざわざありがとね」
「いえいえ、こちらこ...」
「子供の前でやめなさいよ!」
...え、なにが。
えろマッサージじゃないよ?
☆ ☆ ☆
「じゃ、終わりで良い? はい、解散」
「ハツカはならないのデスか?」
あ、ごめん忘れてた。
「魔王軍トオカカン、ハツカ。御存知されちゃってた通り偵察します、よろしく。質問は無いね、はい解さ...」
「なんで白いんだ?」
「なんで白いのよ?」
「なぜ、白いのでしょうか?」
「あ、あの、なんで白いの~?」
「どうして白いのデスかー?」
「...」
絶対聞かれると思った。
以下、コピペ挨拶。
どうもです。最後まで読んでいただきありがとうございます。
毎話文字数の少ない僕ですけど、気になっていただけたらお気に入りだけでもしていただけると、多分やる気が出ると思います。
評価や感想もいただければもっとやる気が出る気がします。
(意訳:ちやほやして)