あ、前線で戦うとか無理なんで偵察してきますね。   作:喪家の狗

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誤字報告助かります。
ありがとうございます。



幼女と和解せよ

 

 

いい加減、幼女と仲直りしようか。

 

 

 

 

いや、喧嘩してるわけじゃないけどさ?

 

 

 

 

改めてよろしくの自己紹介が終わってからの日々も相変わらず幼女ちゃんに無視され続けている。

 

 

「...」

 

「あ、ちょ」

 

「...ぷい」

 

 

それは朝だろうと。

 

 

「ね、ねえ」

 

「...ぷい」

 

「...」

 

 

それはお昼ごはんの時だろうと。

 

 

「はい、お城からパン持ってけって言われたからどうぞ」

 

「...ぷい」

 

「パンは持ってくのね」

 

 

それは勇者宅にお泊りした時の夜中も。

 

 

「...おきて」

 

「ん、んー...。なにー?」

 

「...ぷい」

 

「...え、ホントに何。何で今俺起こされたの」

 

 

いい加減自分が犯罪者なんじゃないかって錯覚してきたからそろそろどうにかしないと...

 

 

「ってことでどうしたらいいと思う!?」

 

「いや、だれ...?」

 

 

偶々街で見かけた友達に聞いてみることにした。

 

 

 

 

 

 

勇者宅の近くにある空き地に机と椅子が置いてあり、休憩できるようになっている。

 

そこに偶々友達が休憩してたから相談に乗ってもらうことにした。

 

 

「それでね、クッキーって言うお菓子が凄く美味しくてね?」

 

「おいさっきと言ってること違うじゃん! 子供の話はどうしたんだよ! そしてお前誰なんだよ!」

 

 

さっすがマイフレンド。軌道修正もしっかりしてくれる!

 

 

「おっとそうだった、ありがとねゾリエル」

 

「誰だよゾリエルって! 気持ち悪い名前だな! そしてお前誰なんだよ!」

 

「でねモリオカ、その子供が俺と全然目を合わせてくれないんだけどさ、昨日起こされてまで「ぷい」ってされたんだよ?」

 

「だから知らないって! あとそれどういう状況だよ! そしてお前誰なんだよ!」

 

「折角いい夢見てたのに~」

 

「夢に逃げるな! 現実を見ろ! そしてお前誰なんだよ!」

 

「うん、そうだよね。ありがとうクリップ。俺そうしてみるよ」

 

「まだ大したこと言ってねえよ! もっと良いこと言いたいから待てよ! あとさっきから呼び方変わってるぞ! そしてお前誰なんだよ!」

 

「ちょ、そんな大声出したら近所、いや違う金魚迷惑でしょ?」

 

「お前が原因なんだよ! あと近所で合ってたのになんでわざわざ金魚って言ったんだよ!  脳内水族館か!」

 

「...?」

 

「なんか言ってくれよ! おれがやべえ奴みたいじゃん!」

 

「...魔王様って、何歳なんだろ?」

 

「いや、そっちかよ! いや、そっちかよじゃねえよ! そんな話してなかっただろ! 王様に年を聞くのは失礼だって雑誌に書いてあったぞ!」

 

「ああ、そっか今日は20日だ...」

 

「28日だよ! さっきから話題振っといて無視してんなよ! どうでもよくなるつつあるけど、お前誰なんだよ!」

 

「...ねえ、もう帰っていい?」

 

「おれが呼び留めてたみたいに言うなよ! お前さんから来たんだろ! てか最初の相談はもういいのかよ!」

 

「疲れたからもう帰るね。今日はありがと。じゃまたー」

 

「え、あ、おう。またなー。

 

...いや、誰だったんだよ!」

 

 

すっかり話し込んでしまったようでもう陽が傾いてる。

 

おれは飲みかけのドリンクを飲み干し、

 

 

「...なんか、楽しかったな」

 

 

帰路に就いた。

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 

「...さっきの誰だったんだろ。こわ。早く帰ろ」

 

 

友達だと思って相談してたら違う人だった。

 

 

なんか怖いからトウヤに報告しよ。

 

 

「おじゃましまーす、トウヤーいるー?」

 

「おー! ハツカ! ちょうどいいデス。オレに乗るのデス」

 

「トウヤはいないのか。てか師匠、俺乗って師匠歩けるの?」

 

 

マイペースに会話を進めるハルコちゃんは良いとして、師匠とはいえさほど重くは無い俺が乗ってもダイジョブなのか?

 

グエってなんない?

 

 

「蝙蝠でデス! なんで人間のハツカを持ち上げなくちゃいけないんデスか」

 

「あー、なんだ。蝙蝠ね」

 

 

言われて蝙蝠の姿になる。

 

なんか久しぶりだな。蝙蝠の姿でハルコの前に出グエッ!?

 

 

「さ、行くデスよ!」

 

 

乗れって言ったよね! いきなり握らないでよ!

 

 

雑に運ばれ着いたのは渦中の幼女のお部屋。

 

 

「持ってきたデスよー!」

 

 

持ってきたって言うな、連れてきたって言え。実際持ってきたんだけど。

 

 

「...こうもり」

 

 

解放されたかと思うと直ぐに幼女に捕まってしまった。

 

 

「良かったデスね、ペットが帰って来て」

 

 

は?

 

 

いやいや、ペットって。

 

確かに君くらいの年で1回動物に興味を持つらしいけどさ?

 

 

それにしてももっといるでしょ。ワンちゃんネコちゃん、ニンゲンちゃん。数多いる中なぜに蝙蝠なのでしょう...。

 

 

趣味悪いっすね。

 

 

てか年下のペットになるってどんなプレイですか。

 

 

「...こうもり」

 

 

もしかして好きな玩具を取られて不機嫌になってる子供、みたいな感じだったの?

 

 

なら蝙蝠に成れって言ってくれればよかったのに...。

 

 

いや、言われたらやりたくないか。

 

 

 

 

 

結局その日、人間に戻れずに勇者宅でお泊りすることになった。

 

 

言うまでもなく幼女、『ユウカ』に握られっぱなしだったので、消えかけてた痣は復活した。

 

 

 

 

 

 

...それと、勇者方。子供達が寝てるんだ。『お楽しみ』はも少し音量下げなさい。

 

 

 

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