ようこそひより至上主義の教室へ   作:nagai

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天才の定義編。
 予定では煉獄編でした。ひより至上主義~とあまりにもギャップが酷かったので変えました。
 これ書くの滅茶苦茶久々なので、ちょっと感覚取り戻せない。


天才の定義 編
プロローグ:無人島へ


 豪華客船。

 高校生が学校のイベントで乗るには不相応にも思える。どこのクラスの生徒も大はしゃぎしていた。俺からしたら、ひよりの影響で海外ミステリをよく読んでいるせいもあって、とりあえず十人ぐらい死んで爆発して沈むのではないかと気が気でない。もしそうなったら犯人はどんな奴だろうか。かつてAクラスで卒業出来なかったOBが、学校に逆恨みをして――とかありがちだな。他にも、どこかの国の要人の隠し子が生徒の中にいて、その一人を拉致するためにそこまでの騒ぎを起こすとか。B級映画や、ミステリでありそうな設定だと思う。

 

 

 そんな豪華客船にて。

 

「ぶーん!!」

 

 俺は飛行機のプラモデルを手に持ち、甲板を全力で駆け抜けていた。

 

 念のために弁明しておくと、奇行ではない。

 

 長い船旅において警戒するべきは、運動不足。勿論休息は必要だけれど、ある程度運動を続けていなければすぐに衰える。全力で走りたい。

 ジムでランニングマシンを使うというのも考えたが、どうにも景色が変わらなくてつまらないし、風を切って走る快感も併せて運動だと思う。故に走るべきは甲板。だが、甲板には生徒がたくさんいて、そこを全力で走ると迷惑になってしまう。

 

 そこで、たまたま持っていた飛行機のプラモデルを飛ばすふりをしていると、みんなが気を使って距離を取ってくれることを発見したのだ。

 

 これで数十分は人を気にせずに走り続けられそう。

 

 

「志島? 何やってんだ……?」

「? ああ、石崎か」

 

 いつもは龍園にべったりと付き従っている石崎が、なぜか一人。疑問に感じるが、手にペットボトル飲料を持っているので、おそらくパシられたのだろう。あまり長く会話を続けると、龍園に怒られてしまうだろうから、効率的に答える必要がある。

 

「走ってる」

「いや、それは見たらわかるんだけどよ。まあ、今さらか」

 

 なぜか変に納得して、石崎はさっさと走って行ってしまった。まあ、龍園の気分次第では急いでも遅いと言われそうだが。

 そこでふと、状況次第では面白いことが出来たことに気が付く。

 

「しまったなぁ、炭酸のペットボトル持ってたらすり替えたのに」

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 運動を終えて、そこそこ回り始めた頭で考える事は、今後の事だ。

 流石にこれがただの旅行だとは思えない。

 

「なんて、もう何があるかは見えて来てるけれど……ええ? マジで?」

 

 無人島のペンションで夏を満喫とか言う予定にはなっているが、何事も最悪の事態を想定するべきだ。

 例えば、無人島サバイバルをやってもらうとかいう展開あり得るのだろうか。

 

 出来るかできないかで言えば、それはもちろん出来るだろうけれど、やりたくはない。それに無人島というのはあまり好きではないのだ。

 前にも語ったように、俺の両親は実の兄妹。勝手に関連付けて、勝手に嫌っているだけなのだけれど、夢野久作の『瓶詰地獄』から、無人島と聞くと両親のことを思い出してしまって苦手だ。

 

 しかし両親ともども天才で、その近親相姦で生まれたのが俺なのだから、能力が高いのも納得というか。

 血が濃くなることは、潜性遺伝子が発現する可能性が高く、遺伝病だののリスクが高くなるほか、能力が高くなることもある。とはいえ、一代の近親交配でそれらが大きく表れるというわけでもないのだから、単純に両親が優秀だった、で終わらせてもいい話だろう。

 

 天才……か。

 

 時折考える事がある。天才とは何だろう。天才の定義とは何だろうかと。

 往々にして日常的に使われる言葉こそ定義が曖昧だったりするが、天才もその例に漏れない。誰もが天才という言葉を乱用し、俺だって凄いと言ったニュアンスで人を褒める時に使う。

 けれど、天才というのはそう安いものではないと思うのだ。

 

 一応俺なりに天才の条件というべきものは考えたことがある。その例で言えば、俺は可能性がある、くらいなもの。この学校でも当てはまるのは龍園、南雲。生徒会長は入らない。

 綾小路と高円寺は未知数で採点不可。一之瀬や坂柳、葛城は論外だ。

 

「まあ、天才なんて誉め言葉とも限らないし、入らない方がいいかもだけれど……」

 

 努力したくない言い訳に使う時。結果を出している人の努力を侮辱する使い方。

 理解できないものを、理解できなくていいものとラベル付けする時。天才を孤独へと追いやる使い方。

 

「疲れること考えてないで、無人島サバイバルに備えるか。流石にもうちょっとマシな行事だとは思うけれど」

 

 

 とりあえずクラスで共有する用に、食べれる野草図鑑つくっておこう。




 めっちゃ☆1増えてて草。
 それでなくとも適当に書きすぎた自覚はあるので、修正か作り直すかはしたい気持ちもある。
 ゴム五万円分はあたおか。

 最新刊まだ読んでないので南雲君は保留にしておきますが、主人公の考えている天才の定義(高度育成高校での、という前提で)によう実で当てはまるのは今のところ龍園だけです。保留にしたように、最新刊未読の状態では南雲君も入ります。とは言いつつ、南雲君が退学になったとしてもたぶん入ります。これに関しては筆者の考えている定義なのですが。念のため書いておくと、主人公の思想や考えと、筆者のそれとは一緒の時もあれば全然違う時もあります。
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