我々の歴史には常にウマ娘が傍にいた。
歴史の勉強をすれば彼女らが描かれた絵画が数多く存在するし、古代の史跡からもヒトとは違う特徴を持つ、明らかにウマ娘を形どったと思われる素焼きの人形や壁画が発見されている。
彼女らは有史以前より我々「ウマ娘以外の人類=ヒト」と共存し、共に歩んできた。
ではヒトとほぼ同じ外見を持つ彼女らはどこから来たのか。
まずはその部分から述べていこうと思う。
現在のヒトの祖先はおよそ25万年前、アフリカ大陸で発生したことが研究により凡そ判明している。
ヒトはおよそ10万年前にアフリカ大陸を出て、世界中に拡散した。
ではウマ娘もそれと同時期にヒトと共にアフリカ大陸を出たのかというと、そうではない。
ヒトがアフリカ大陸から出るルートはおよそ2つあるが、そのどちらにもウマ娘がヒトと共に歩んだ記録が残っていないのだ。
同年代の地層からはヒトの化石は出るものの、ウマ娘の化石の出土例は報告されていない。
そしてなにより、彼女らの最古の化石はほんの5万年前からしか発掘されないのだ。
ただしその出土数はごくわずかであり、この5万年という年代はまだ考慮の余地があるだろう。
時代が下るにつれてウマ娘の化石の出土数も徐々に増えてくるのだが、古い時代のものは非常に少なく、もともと少数の種だったのではないかと考えられている。
人類はヒト以外にも多種多様な化石が発掘されており、その最古の化石は600万年を超えるものもある。
しかしその中にウマ娘と似た特徴を持つ人類化石は一切発見されていない。
そして現世人類と異なる人類が文明を築いた跡も発見されていない。
つまりウマ娘は、「現世人類とは別系統のヒト種」ではなく、「ヒトから発生した新しいヒト」だとほぼ断言できよう。
では「最初のウマ娘」はどこで誕生したのだろうか。
最古のウマ娘化石が発掘されている5万年前の時点で、既に古代人類は大陸だけでなく世界中のあらゆる島しょ部までに拡散しており、世界中でヒトの生活の痕跡を見つけることができる。
墓と思わしき施設や集合住宅の跡も見つかっており、恐らくこの時代でも相当な人口を支えるだけのインフラ基盤が揃っていたという説が有力である。
しかしそれだけの人口規模と技術がありながら、この世界文明は5万年前を境に急激に縮小してしまう。
ウマ娘の化石が見つかり始めるのは、まさにその時代なのだ。
現時点で最も古いウマ娘の化石はアメリカ大陸で発見されているが、数が少なすぎるため確実にアメリカ大陸で初めて生まれたと断言することはできない。
さらに最古のウマ娘化石とほぼ同時期と思われるウマ娘化石もごく少数ながら全世界で発見されている。
それゆえ、あくまで「アメリカ大陸で最古の化石が見つかっている」というだけであり、ウマ娘がアメリカ大陸で誕生したと結論付けるには至っていない。
ではウマ娘の「発生」についてはどうか。
先述の通り、5万年より古いウマ娘の化石は発見されておらず、また、ヒトの祖先がアフリカ大陸から出ていく10万年前もウマ娘の痕跡は確認されていない。
そうなればウマ娘はヒトから発生したと考えるのが自然なのだが、問題は「ヒトとウマ娘の極端な性能差」である。
ウマ娘の持つ耳はヒトとは明らかに異なり、耳を自由に動かすための神経系や頭蓋骨周りの筋肉など生物学的、形質的な差が大きい。
また、尻尾は速く走る際のバランサーとしての機能が強い。
ここで疑問に浮かぶのが、「早く走るためにバランサーである尻尾が発生したのであれば、なぜ体そのものは華奢なままなのか」ということである。
早く走るためには当然ながら筋肉が必要であるが、筋肉が付くベースになる骨格そのものは大型化せず、ただ筋肉の出力が異常なまでに上がっているのである。
さらに筋肉を支える骨の強度も異常なほど高い。
彼女らの体は「ヒトのサイズのまま早く走ること」が前提として変異しており、さらにその変化はあまりにも的確かつ急激である。
普通ならば数百、数千万年かけて行われるような変化が突如発生しており、生物学的変化としてあり得ないものである。
それゆえ私は、「ウマ娘の変化は人為的に行われた」と結論付けている。