「ねぇ、霊夢」
「なによ」
「何か冷たいもの頂戴」
「あんた自身が冷たいじゃないの」
「暑すぎて溶けそうなんだよ...」
「まだ夏も始まったばかりよ」
「それにしたって暑すぎるわ!」
「それはまあそうね。じゃあちょっと待ってなさい」
「ほら冷たいの」
「なにこれ!?」
「アイスキャンディーって言うらしいわ。前に貰ってね」
「こんなのがあるんだ...うん!おいしい!」
「それならよかったわ」
「うん!」
「ところでなんでウチに来たの?」
「そりゃ涼むためよ」
「ウチにアイスがあることなんてアンタ知らないでしょ」
「知らなかったわ!」
「じゃあなんでわざわざウチに涼みに来たのよ」
「あれ...そういえばなんでだっけ」
「アンタねぇ...」
「なんでか知ってる?」
「私が知るか」
「だよねー」
「さっさと思い出しなさいな」
「んーっとんーっと、確かさっき誰かに会って...」
「どんなやつ?」
「白黒の服の箒持ったやつ」
「ああ、アイツね...」
「暑くて溶けそうって言ったらここに行けばいいって言われたの」
「アイツはまた...」
「こんな冷たいお菓子が貰えたのだから来て正解ね!」
「偶然よ」
「そうなの?」
「そうよ」
「えー!いつもは無いの!?」
「無いわよそりゃ。諦めて普段は水遊びでもしてなさい」
「それが最近遊びすぎて怒られちゃってさー」
「霧の湖で?そりゃまた誰に」
「なんか人魚のやつ」
「あー...そんなやつもいたわね」
「湖が寒すぎて冬眠しそうなんだって」
「夏なのに冬眠ね」
「困った魚人間ね!」
「アンタが迷惑かけてるんでしょうが」
「あたいのナワバリなのよ!」
「ナワバリから追い出されてるじゃない」
「あたいが折れてあげただけよ!」
「そうなの?怪しいわね」
「そうなんだってば!」
「まあそういうことにしときましょうか」
「むきー!」
「まあまあ...ところでアンタは今どこに住んでるの?」
「どこって?」
「追い出されたんでしょう?」
「テキトーにふらふら暮らしてるわ。妖精だもの」
「へぇ...だったら夏の間はウチに住まない?」
「えぇ~?」
「不満そうね」
「あたいは自由に生きたいの!」
「住んでくれたら今ウチにあるアイス好きなだけ食べていいわよ」
「ほんとに!?住むわ!!」
「即決ね」
「アイスキャンディーおいしかったからね!」
「こちらとしても冷房が居てくれて助かるわー」
「へ?」
「ああ、なんでもないわよ。それより夏バテ対策に鰻でも食べに行かない?」
「ウナギって何?」
「鳥妖怪が屋台で出してる酒の肴よ。正確には鰻とは違うらしいけど」
「食べに行くー!」
「これまた即答。じゃあ行きますか」
「お客さん!商品が凍ってダメになっちゃったじゃないか!」
「ははははは!あたいの手にかかればウナギもバラバラ!」
「一体誰が連れてきたのよこの妖精ー!!」
「...家に居候させるって言ったの、失敗だったかもしれない...」