「ねぇ、霊夢」   作:鬼如月

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大暑

「ねぇ、霊夢」

 

「なによ」

 

「氷精はどうしたの?」

 

「帰したわ」

 

「ええ!どうして!?」

 

「何でも凍らせるから障子が全部駄目になったわ」

 

「あー...」

 

「それでアンタも涼みに来たクチ?」

 

「そうよ。でも無駄足だったかしら」

 

「そうね。さっさと帰りなさい」

 

「お断りよ」

 

「なんでよ」

 

「折角来たんだからもてなしてほしいわ」

 

「図々しいわね」

 

「ここまで遠かったんだから少しは休ませてよ」

 

「そういえばアンタ薬売りはどうしたのよ」

 

「これから行くわ」

 

「行く前に涼みに来たのね...」

 

「当てが外れたけどね」

 

「本当図々しいわね」

 

「それほどでも」

 

「褒めてないわよ」

 

「そうなの?」

 

「そうよ」

 

「それにしてもこれからどうしようかしら」

 

「薬売りに行きなさいよ」

 

「師匠の目が無いんで少し遊んでいこうかなと」

 

「アンタ結構アレよね」

 

「普段は師匠の手伝いで忙しいのよ」

 

「だから外売りくらいはゆっくりしたいと」

 

「そうよ」

 

「...まあアンタの自由だからいいけど」

 

「師匠には内密にね」

 

「まあ考えとくわ」

 

「そこは確約してほしいのだけど」

 

「考えるのを確約するわ」

 

「そういう事じゃないわよ」

 

「面倒ね」

 

「あんたねぇ...」

 

「ああ、そういやアンタに聞きたいことがあったんだった」

 

「あら、珍しいわね。体調でも崩したの?」

 

「生憎ピンピンしてるわ」

 

「見りゃ分かるわね。それで何?」

 

「アンタんとこのバカ兎よ」

 

「ああ、あの子ね...」

 

「バカ兎でわかるのね」

 

「貴方が言ったんじゃない」

 

「まあそうだけど」

 

「それであの子がなんかやったの?」

 

「ああそうそう、私の筍を盗んだのよ」

 

「へー、それは災難だったわね」

 

「一度捕まえたけど逃げられてね」

 

「ふーん」

 

「興味なさそうね」

 

「ないもの」

 

「代わりにアンタを退治してもいいのよ」

 

「...横暴すぎない?」

 

「食べ物の恨みね」

 

「筍の旬なんて幾月も前じゃない」

 

「食べ物の恨みは永いのよ」

 

「恐ろしいわね...」

 

「それで捕まえてくれないかしら」

 

「あの子を?」

 

「そうよ」

 

「なんで私が」

 

「サボり」

 

「ゔ...」

 

「断ったら薬師に言うわ」

 

「それは反則でしょう...」

 

「諦めて協力なさい」

 

「しょうがないわね。今回だけよ」

 

「次回も頼むわ」

 

「話聞いてた?」

 

「聞いてないわ」

 

「こいつ...」

 

「まあ今回だけでいいわよ」

 

「流石に冗談だったのね」

 

「.....ええ、流石にね」

 

「今のは何の間よ」

 

「よくわからないわね」

 

「白々しい...じゃあ薬売りが終わるまで待ってて頂戴」

 

「助かるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「放せ!このー!」

 

「ありがとね」

 

「じゃあお願いね」

 

「はいはい、それじゃー」

 

 

 

「あら、ウドンゲ。帰ってたのね」

 

「はい師匠。しっかり売ってきました」

 

「ふーん...その割には結構サボってたようね」

 

「えっ!?そ、そんなことないですよ~!」

 

「さっき霊夢が教えてくれました。何か言い訳はある?」

 

「..だっ.....」

 

「だ?」

 

「騙したなぁーーーーーーー!?!?!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「考えた結果言う事にしたわ」

 

「あんたも中々あくどいわよね...」

 

「何か言った?」

 

「いえ何もー!」

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