「ねぇ、霊夢」
「なによ」
「今回は何用?」
「涼みに来たわ」
「あれ?もうそろそろ涼しくなる時期じゃ?」
「暑さの峠は越えたわね」
「ならさっさと帰ってよね」
「峠は越えても暑いのよ」
「だからって幽霊で涼まないでくれる?」
「いつものことじゃない」
「いつも怒ってるのだけれど!」
「捕まえないだけましじゃないの」
「それは...そうだけど」
「じゃあ無罪ね。邪魔するわ」
「あ、ちょっと!」
「なによ」
「今はダメなのよ」
「なんでよ」
「最近ちょっと忙しくてね」
「あの緊張感のない姫様でも忙しい時なんてあるのね」
「バカにしてる?」
「してなくもないわ」
「...」
「カッカしないでよ暑苦しい。それでなんで忙しいの?」
「貴方って人は......最近お盆があったでしょう?」
「そうね」
「その時にどれくらいの幽霊が冥界と現世を行き来したかを記録しているのよ」
「へぇ、面倒そうね」
「ええ。この時期になると食べる量も増えて困るわ」
「え」
「...何が言いたいのかなんとなくわかるわね」
「...いつもでアレなのにもっと増えるの?」
「そうね...前貴方がウチに来た時に夕飯食べたよね?」
「そうね。あの時もアイツはかなり食ってたけど...それくらい?」
「アレでおやつになります」
「......は?」
「一番忙しい日には一日の半分以上が料理と買い出しで潰れるわね」
「あー...それは大変ね?」
「本当にね」
「でもあの姫様ならのんびりやりそうだけれど」
「あまりにも遅いと上司からどやされるからね」
「上司?」
「閻魔様よ」
「ああ、そりゃ急ぐわ」
「まあそんなわけでね」
「じゃあお邪魔するわね」
「さっきの話聞いてた!?」
「聞いてたわよ」
「じゃあ帰りなさいよ!」
「だって私に関係ないもの」
「何て自分勝手な...!」
「幻想郷では遠慮した奴から散っていくのよ」
「なによそれ。聞いたことないわよ」
「そりゃないわよ。今作ったんだもの」
「この...!」
「ところでアンタは仕事ないの?」
「え?私?」
「アンタ以外に居ないでしょう」
「私は庭師よ?」
「庭師は普通料理とか買い出しとかしないわよ」
「それもそうね。まあ特にやることはないわね」
「へぇ。そうなのね」
「まあ強いて言えば戻ってこない幽霊の連れ戻し役とかかしらね」
「あー、いつも怒りに来るのってそういうコト」
「そうよ!わかったら幽霊で涼むのはやめてよね!」
「考えておくわ」
「絶対やめない気ね...」
「信じられないのかしら」
「考えた結果やめないんでしょう?」
「そうなる可能性もあるわね」
「ですよねー......それでどうしても入ろうというなら斬るけど」
「そこをどうにか入れてほしいのよ」
「そうね...じゃあ幽霊の連れ戻しを手伝ってくれるなら滞在を許可しましょう」
「えー。面倒ね」
「じゃあ帰りなさい」
「仕方がないわね。背に腹は代えられないわ」
「ただお嬢様の邪魔だけはしないでよね?」
「わかってるわよー」
「今年の幽霊釣りも完璧だったわね!」
「そうね、サニーが卒塔婆を無くしたせいで探す手間がかかったこと以外はね」
「まあこれで残りの夏も楽できるわー」
「そこまでよ!!」
「「「げぇ!?霊夢さん!?」」」
「今年は幽霊で涼むなんてことさせないわよ!!こいつは没収!!」
「「「そ、そんな~~~!!」」」
「...来年も頼もうかしら」