「ねぇ、霊夢さん」
「なによ」
「今日はどうしてウチに?」
「魚を捕ってきてもらおうと思ってね」
「それでウチに」
「そうよ」
「天狗にでも頼めばいいじゃないか」
「川といえば河童でしょう?」
「それは勿論だけれどね」
「じゃあさっさとやっちゃってよ」
「なんとも妖怪使いの荒いことで」
「いいじゃないちょっとくらい」
「私もヒマじゃないんだよ」
「ケチね」
「客なら無碍にはしませんがねぇ」
「報酬ならあるわよ」
「...その内容は?」
「さっき人里で買ってきた胡瓜。それも3本」
「...それで今日はどんな魚をご所望で?私に任せてくだせぇ!」
「現金ねぇ」
「河童なんて皆そんなもんですよ」
「あ、そ。じゃあ白鮭でも取ってきてもらおうかしら」
「そろそろ産卵の時期ですもんね!張り切って捕って参りやしょう!」
「なるべく大きいのをお願いねー」
「わかってますって旦那!」
「誰が旦那よ」
「はい、これくらいあれば十分でしょ」
「上出来よ。胡瓜1本追加ね」
「やった!」
「こちらとしても安くてありがたいわ」
「私達じゃ開発、実験に忙しくて育てるなんてできないからね。貴重なのさ」
「そういうものかしら」
「そういうものだよ」
「アンタたちなら絡繰りでどうにかできそうなものだけれどね」
「というと?」
「ほら、胡瓜の栽培もお得意の面白絡繰りでやっちゃえばいいのよ」
「ああ、栽培の全自動化ねぇ...」
「やったことあるの?」
「それは勿論。でも今の状況が答えだよ」
「失敗したってことね」
「そういうことさ」
「なんで失敗したのよ」
「栽培した胡瓜の配分にモメちゃってね」
「等しく分けりゃいいじゃないの」
「そいつが出来りゃ世界は平和さ」
「そこまでのものかしら?」
「少なくとも私らにとってはそうなのさ」
「ふーん」
「興味なさそうだね」
「興味ないもの」
「あんたから訊いたんじゃないか」
「ちょっと気になっただけよ」
「そうかい。じゃあさっさと出すもの出して帰んな」
「急に野蛮ね」
「忙しいって言ったろう」
「いいじゃないちょっとくらい」
「私もヒマじゃないんだよ」
「辛辣ね」
「作業の邪魔だからね」
「あら、そんなこと言っていいのかしら」
「なんだい?報酬を取り消すとか言う気かい?」
「仮にそうならどうするの?」
「ウチの機械全部使って神社を攻撃するね」
「スキマ妖怪が黙ってないわよ」
「勿論結界には傷一つつけないさ。あんたの家がしばらくなくなるだけだね」
「それは困るわ」
「だろうね」
「まあこっちには最強のカードがあるからね」
「ふん、ハッタリじゃないのかい?」
「そう思うならそうでいいわ」
「その言い方、ちょっと怖いな」
「それじゃあ今日はお暇するわ。鮭ありがとうね」
「ちょっと待ってくれよ!せめて何があるのか...」
「...ってもう行っちゃったか」
「おや、私が建てた神社を壊そうっていうからどんな命知らずかと思ったら河童じゃないか」
「ひゅい!?す、萃香様!?」
「河童風情が私のモノに手ェ出すなんて...いい度胸してるじゃないか」
「ひ、ひえ~~~!!」
「精々反省しなさい。......あ、この鮭美味しい」