「ねぇ、霊夢」   作:鬼如月

2 / 24
大寒

「ねぇ、霊夢」

 

「なによ」

 

「今年は外に出ないんじゃなかったの?」

 

「あの紫ババアに出されたのよ」

 

「それで諦めて普通に過ごすと」

 

「そういうことよ」

 

「ところで今日は何の用かしら」

 

「用なく来たらダメだった?」

 

「そうじゃないのよごめんなさい」

 

「図書館に本を借りに来たのよ」

 

「私の謝罪を返しなさいよ」

 

「一度貰ったら私のものよ」

 

「酷い言い草ね。私悲しいわ」

 

「勝手に悲しんでなさいな」

 

「あら辛辣」

 

「早く本の続きを読みたいのよ」

 

「なんの本なの?」

 

「推理小説よ」

 

「そんなもの、鈴奈庵で借りればいいじゃない」

 

「アレは一点モノなの」

 

「ウチの図書館にそんなものあったかしら?」

 

「あのもやしが書いてるのよ」

 

「パチェが?」

 

「そうよ」

 

「魔法書を書いてるのは知ってたけども…」

 

「あなた、知らなかったの?」

 

「知らないわよ。今度パチェを煽る口実ができたわね」

 

「そ。ちょっと申し訳ない気持ちになってきたわ」

 

「私に?」

 

「紫もやしよ。なんでアンタに申し訳なくならなくちゃいけないのよ」

 

「私よりパチェのことを知ってる点があることによ」

 

「呆れた。独占欲ってヤツ?」

 

「そうよ。私の館に住む者のことは私が一番知っていなければならない」

 

「主殿は大変ね」

 

「家族のことを知ることは苦にならないわ」

 

「無粋だったかしら」

 

「いいのよ。貴女と私の仲でしょう?」

 

「そこまでアンタと仲良かったかしら」

 

「あら酷い。一夜を共にした仲だというのに」

 

「紛らわしい言い方するな」

 

「事実じゃない」

 

「事実じゃないわよ。異変の時でしょ?」

 

「そうよ。紅霧異変」

 

「夜に弾幕ごっこしただけじゃない」

 

「間違いではないでしょう?」

 

「…そうだけども」

 

「あら不満そう。もっかい霧でも出しちゃおうかしら」

 

「今度やったら幻想郷から叩き出すわ」

 

「怖いわ貴女」

 

「アンタがそんなこと言うからでしょう」

 

「それもそうね。ごめんなさい」

 

「いいわ。気にしてないし」

 

「Thank You Reimu」

 

「急にどしたのよ」

 

「急に母国が恋しくなってね」

 

「本当に急ね」

 

「ここだと皆日本語だからね」

 

「しょうがないわよ」

 

「そういうものよね」

 

「そういうものよ」

 

「貴女は英語とか喋れないの?」

 

「喋れないわよ」

 

「なんでよ」

 

「生まれも育ちも幻想郷だからよ」

 

「それなら仕方がないわね」

 

「そういうアンタは日本語上手よね」

 

「でしょう?これでも必死に勉強したのよ」

 

「カリスマの具現が勉強ねぇ」

 

「何事も勉強は大事よ」

 

「そうね。じゃあ私は勉強するために図書館に行くわね」

 

「それはダメ。私について勉強しなさい」

 

「嫌よ。私は本を読むの」

 

「暇なのよ」

 

「だったら代わりを呼んでおくから」

 

「それならいいわ。白黒?半霊?」

 

「会ってからのお楽しみってことよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁい、レミリア・スカーレット。紅霧異変をまた起こそうって言ってるらしいじゃない?」

 

「」

 

「――――――あの紅白巫女ォ!!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。