「なぁ、霊夢」
「なによ」
「お前からウチに来るなんて珍しいじゃないか」
「そうね」
「何かあったのか?」
「そうね」
「お、異変か?この大魔女様に解決の依頼ってわけだな!」
「違うわよ」
「えー...じゃあなんなんだよ」
「紫もやしの推理小説。知っているでしょう」
「そういやそんな本も借りたな」
「だったら早く返しなさいよ」
「死んだら返すぜ」
「死んだ後には返せないでしょう」
「死んだら罪はなくなるんだぜ?」
「生きてるうちはなくならないわよ」
「今はほら、借りてるだけだからな」
「そもそも無断で借りるのは罪じゃない?」
「図書館で借りて何が悪い」
「無断はダメでしょ」
「ちゃんと借りるって言ってるぜ?」
「了承得てないじゃない」
「心では了承してたぞ」
「アンタはさとりかっての」
「そんなわけないだろ。頭大丈夫か?」
「殴るわよ」
「殴ってからいうなよ!?」
「いいから早く返しなさいよ」
「そうはいってもな…」
「煮え切らないわね」
「いやまあちょっとな」
「さっさと話しなさいよ」
「あー、なんだ」
「?」
「どこにあるかわからないんだ」
「はぁ?…アンタねぇ」
「今研究が山場でな。少しばかり部屋が散らかってるんだよ」
「アンタんとこはいつもそうでしょうに」
「酷いこと言うな」
「本当のことでしょう?」
「なんのことだかわからないぜ」
「白々しいわね」
「まあそういうわけでな」
「どういうわけよ」
「研究に不要な本の場所はさっぱりなんだよ」
「面倒ね…探すわよ」
「探すついでに片付けもしてくれないか?」
「そういうのはメイドにでも頼みなさい」
「1度頼んだが次の日には片付け前に戻ってたぜ」
「散らかす才能あるわね」
「照れるぜ」
「褒めてないわ」
「まあ私の家に来るなら覚悟することだな」
「探すだけ探して帰るわ」
「片付けは?」
「しないわ」
「酷いな」
「どっちが」
「私が」
「アンタかい」
「ところで飯はどうするんだ?ウチでか?」
「いや、お野菜が傷みそうだから神社で食べるわ」
「そうか。酒は?」
「飲むわ。あるの?」
「最近開発したキノコ酒がな」
「…アンタそれ大丈夫でしょうね」
「平気だ。ちっと幻覚作用があるがな」
「世間一般ではそれを毒というのよ」
「物知りだな」
「流石にそんな酒は飲めないわ」
「味は美味しいんだがな」
「ちなみにどんな味よ」
「呑んだくれ鬼っ子の酒とタメ張るくらいだな」
「今すぐ呑むわよ」
「酷い手のひら返しだな」
「いいからさっさと肴の準備よ」
「はいはいわかったよ…」
「あら?これあの子の日記じゃない。あなた酔ってて別の本取ってきたわね」
「あらら…今度また返してもらいに行くわ」
「この本はどうするのよ」
「お好きなようにどうぞ」
「…ええ、わかったわ」