「ねぇ、霊夢」   作:鬼如月

4 / 24
雨水

「なぁ、霊夢」

 

「なによ」

 

「お前からウチに来るなんて珍しいじゃないか」

 

「そうね」

 

「何かあったのか?」

 

「そうね」

 

「お、異変か?この大魔女様に解決の依頼ってわけだな!」

 

「違うわよ」

 

「えー...じゃあなんなんだよ」

 

「紫もやしの推理小説。知っているでしょう」

 

「そういやそんな本も借りたな」

 

「だったら早く返しなさいよ」

 

「死んだら返すぜ」

 

「死んだ後には返せないでしょう」

 

「死んだら罪はなくなるんだぜ?」

 

「生きてるうちはなくならないわよ」

 

「今はほら、借りてるだけだからな」

 

「そもそも無断で借りるのは罪じゃない?」

 

「図書館で借りて何が悪い」

 

「無断はダメでしょ」

 

「ちゃんと借りるって言ってるぜ?」

 

「了承得てないじゃない」

 

「心では了承してたぞ」

 

「アンタはさとりかっての」

 

「そんなわけないだろ。頭大丈夫か?」

 

「殴るわよ」

 

「殴ってからいうなよ!?」

 

「いいから早く返しなさいよ」

 

「そうはいってもな…」

 

「煮え切らないわね」

 

「いやまあちょっとな」

 

「さっさと話しなさいよ」

 

「あー、なんだ」

 

「?」

 

「どこにあるかわからないんだ」

 

「はぁ?…アンタねぇ」

 

「今研究が山場でな。少しばかり部屋が散らかってるんだよ」

 

「アンタんとこはいつもそうでしょうに」

 

「酷いこと言うな」

 

「本当のことでしょう?」

 

「なんのことだかわからないぜ」

 

「白々しいわね」

 

「まあそういうわけでな」

 

「どういうわけよ」

 

「研究に不要な本の場所はさっぱりなんだよ」

 

「面倒ね…探すわよ」

 

「探すついでに片付けもしてくれないか?」

 

「そういうのはメイドにでも頼みなさい」

 

「1度頼んだが次の日には片付け前に戻ってたぜ」

 

「散らかす才能あるわね」

 

「照れるぜ」

 

「褒めてないわ」

 

「まあ私の家に来るなら覚悟することだな」

 

「探すだけ探して帰るわ」

 

「片付けは?」

 

「しないわ」

 

「酷いな」

 

「どっちが」

 

「私が」

 

「アンタかい」

 

「ところで飯はどうするんだ?ウチでか?」

 

「いや、お野菜が傷みそうだから神社で食べるわ」

 

「そうか。酒は?」

 

「飲むわ。あるの?」

 

「最近開発したキノコ酒がな」

 

「…アンタそれ大丈夫でしょうね」

 

「平気だ。ちっと幻覚作用があるがな」

 

「世間一般ではそれを毒というのよ」

 

「物知りだな」

 

「流石にそんな酒は飲めないわ」

 

「味は美味しいんだがな」

 

「ちなみにどんな味よ」

 

「呑んだくれ鬼っ子の酒とタメ張るくらいだな」

 

「今すぐ呑むわよ」

 

「酷い手のひら返しだな」

 

「いいからさっさと肴の準備よ」

 

「はいはいわかったよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?これあの子の日記じゃない。あなた酔ってて別の本取ってきたわね」

 

「あらら…今度また返してもらいに行くわ」

 

「この本はどうするのよ」

 

「お好きなようにどうぞ」

 

「…ええ、わかったわ」

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。