「ねぇ、霊夢」
「なによ」
「すこし匿ってもらえないかしら」
「どうしたのよ急に」
「最近あの子の機嫌が悪くてね」
「あの子って誰よ」
「半人前の魔法少女よ」
「ああ、あいつね」
「とにかく参っちゃってるのよ」
「それってうちに逃げ込むほどかしら?」
「顔を合わす度に弾幕ごっこを仕掛けてくるのよ」
「それは確かに面倒ね」
「理由もわからないからお手上げってわけ」
「理由ねぇ…」
「心当たりあるの?」
「どちらかといえばね」
「…まさか貴方が原因じゃないでしょうね」
「何が何だか」
「白々しいわね…」
「自業自得よ」
「私の?」
「アイツのよ」
「何かあったの?」
「アンタも散々遭ってるでしょう、本の借りパクよ」
「ああ、それはしょうがないわね」
「でしょう?」
「それで貴方は何をしたの?」
「アイツの日記を紫もやしに渡しただけよ」
「それはなんとも....惨いわね」
「そうかしら」
「そうよ」
「まあ自業自得よ」
「それはその通りね」
「でしょ?」
「でもそれに私が巻き込まれてるのだけれど」
「そういう日もあるわ」
「ないわよ」
「だから匿えと」
「そうよ」
「仕方がないわね...」
「ありがとう」
「元は自分の撒いた種だもの」
「あの子の盗み癖には困ったものだわ」
「アンタからも灸をすえたら?」
「そうね、考えておくわ」
「なんだかんだアンタはアイツに甘いのよね」
「そうかしら」
「そうよ」
「そんなことないわ」
「あるわよ。アンタ今まで何冊本盗られてきたのよ」
「覚えてないわね」
「そこよ」
「?」
「そこまで盗まれておいて平然と付き合ってるのはおかしいでしょうに」
「そうなのかしら」
「そうなのよ」
「貴方がそう言うならもう少しちゃんと怒ってみようかしら」
「それがいいわよ。アイツを懲りさせて頂戴」
「あら、それは貴方じゃダメなのかしら」
「嫌よ面倒くさい」
「酷いわね」
「そもそも私はもうやったわ」
「確かにそうね」
「だから今度は貴方の番ってわけ」
「そういうこと。なら仕方ないわね」
「でしょ?」
「そうね」
「そうと決まったらさっさと行きなさい」
「あら、匿ってくれるんじゃなかったの?」
「もうアイツならこの辺に居ないわ」
「なんでわかるのかしら」
「勘よ」
「貴方の勘なら信用できるわね」
「わかったらさっさと帰りなさい」
「なにをそんなに急いているのかしら」
「そろそろ私が原因ということに辿り着くだろうからね」
「逃げるのね」
「そうよ」
「わかったわよ。じゃあまた会いましょう」
「ええ、またね」
「え?貴方の日記?それならさっき人形遣いに渡したけど」
「そうね...確かこれから文屋の所に行くって言ってたわね」
「――――――――――――っの人形バカが!!!」