「ねぇ、霊夢」   作:鬼如月

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春分

「ねぇ、霊夢さん」

 

「なによ」

 

「すこし匿ってくれませんか」

 

「以前も聞いたわね」

 

「追いかけられてるんですよ」

 

「あの白黒?」

 

「あの白黒です」

 

「報道したのって結構前じゃなかったかしら」

 

「大体ひと月前ですね」

 

「随分しつこいのね」

 

「かなり恥をかかせましたからね」

 

「自覚してるなら自重しなさいよ」

 

「ネタがあったら体が勝手に動くんですよ」

 

「それだから嫌われるのよ」

 

「こればかりは性分でして」

 

「アンタねぇ...」

 

「これでも人里では人気なんですよ」

 

「まあ娯楽にはなるでしょうしね」

 

「そういうことですよ」

 

「得意気ね」

 

「今回もアイツに売上部数勝ちましたからね」

 

「アイツって花果子念報の?」

 

「はい。あの念写のヤツです」

 

「売上部数で競ってるわけ」

 

「アイツにゃ負けたくないですからね」

 

「そう。まあ応援してるわ」

 

「テキトーな返しですが応援は受け取りましょう」

 

「信憑性が薄い記事には薄い応援がお似合いよ」

 

「失礼ですね」

 

「事実でしょう」

 

「否定はしませんがね」

 

「そこは否定しなさいよ」

 

「記事は字数が最重要ですからね」

 

「だから事実かは関係ないと」

 

「事件の質が良ければ正偽はどうでもいいのですよ」

 

「これだからゴシップ記者は...」

 

「事実の事件もあるんでいいでしょう」

 

「嘘と真が混ざってるからよりたちが悪いわよ」

 

「おもしろければいいのです」

 

「閻魔サマでも読んでこようかしら」

 

「あやややそれは御勘弁を」

 

「流石に冗談よ。私も怒られたくはないもの」

 

「貴方が言うと冗談に聞こえませんね...」

 

「照れるわ」

 

「褒めてませんからね」

 

「そんなまさか」

 

「そのまさかですよ」

 

「冗談が上手ね」

 

「貴方よか上手ですよ」

 

「そうかしら」

 

「そうですよ」

 

「そういえば今更だけれどなんであんたがあの本を?」

 

「本当に今更ですね」

 

「それでどうなのよ」

 

「七色の人形遣いから受け取ったのですよ」

 

「あいつが?そりゃまたどうして」

 

「なんでもちゃんと怒れと言われたんだとか」

 

「ああ…」

 

「覚えがあるんで?」

 

「いや、ないわね」

 

「本当に?」

 

「本当よ」

 

「そこまで言うなら信じましょうか」

 

「やけにあっさりと引き下がるわね」

 

「裏付けなんて要りませんからね」

 

「コレを記事にするつもり?」

 

「人形遣いの乱心は博麗の巫女の教唆によるもの!だとか」

 

「また夢想封印を喰らいたいかしら」

 

「いえいえめっそうもありません」

 

「ならわかるわね?」

 

「仕方ありません諦めましょう」

 

「そうしなさい」

 

「あ、ではそろそろお暇しますね」

 

「そう。話し相手にはなったかしらね」

 

「それではコレを」

 

「これは?」

 

「匿ってくれたお礼です。包装は私が去った後に開けてください」

 

「へぇ…まあありがたく受けとるわ」

 

「ではまた。文々。新聞を御贔屓に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお霊夢、文のヤツ見なかったか…って―――――――――――――――ナンでお前が私の日記を持ってるんだ?」

 

「アッハッハッハ…………………………

 

 

 

 

 

 

…………………あのクソ文屋!!!!」

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