「ねぇ、霊夢」   作:鬼如月

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穀雨

「ねぇ、霊夢」

 

「なによ」

 

「前の訪問は何だったの?」

 

「おこちゃま吸血鬼の嫌がらせよ」

 

「ああ、あの紅い館の...」

 

「なかなかにキツかったわね」

 

「結界のせいで私達まで入れなかったものね」

 

「あれの数日後に桜が満開になったわ」

 

「期を逃したわね。今日は桜を見に?」

 

「ちょうど近くに寄ったからね」

 

「冥界の近くってどこよ」

 

「天界の不良天人に呼び出されてね。軽くぶちのめしてきたところよ」

 

「いつも暇してる有頂天人ね...今回も暇だから?」

 

「そうよ。例のごとくスキマを呼んで撤退したわ」

 

「彼女も大変ね...」

 

「妖怪の賢者サマなんだから博麗の巫女に融通するもんでしょ」

 

「いいように使ってると思うのだけれど」

 

「気のせいよ」

 

「そうかしら」

 

「そうよ」

 

「そういうことにしときましょうか」

 

「ところでいつもの庭師はどうしたのよ」

 

「気になるの?」

 

「私が来るときすれ違ってね。なんだか急いでいたみたいだけど」

 

「今日はけんちん汁が食べたいって言ったらね」

 

「ああ、アレは時間がかかるものね...」

 

「炊き込みご飯も食べたいって言ったわね」

 

「そういえばそろそろ筍の季節ね」

 

「言った途端に駆けだして行ってね」

 

「ソレも時間がかかるものね...」

 

「反省はしてるわ」

 

「後悔は?」

 

「従者が主人の令に従うのは当然でしょう?」

 

「ひどい主人ね」

 

「そんな!」

 

「至極真っ当な意見よ」

 

「そんなー」

 

「それより桜が無いなら帰るわね」

 

「まあまあそんなこと言わずに」

 

「もう用は無いのだけれど」

 

「お夕飯、どうかしら」

 

「お昼はどうしたのよ」

 

「お夕飯のためにガマンよ」

 

「どれだけ食べるつもりよ...」

 

「それで貴方もどう?」

 

「じゃあご相伴に与ろうかしら」

 

「よし、決まりね」

 

「私の分もあるのかしらね」

 

「あの子のことだから大丈夫よ」

 

「不安ね」

 

「そう?」

 

「アンタの胃袋がね」

 

「失礼ね」

 

「宗教戦争の時のことがあるからね」

 

「...なんのことだったかしら」

 

「アンタあのとき観戦しながらずっとおにぎり食べてたでしょう」

 

「よく覚えてるわね」

 

「戦闘が終わっても食べてたからそりゃ印象に残るわよ」

 

「流石にそこまでは.......食べてたわね」

 

「でしょう?」

 

「でも今回は大丈夫よ」

 

「どうだかしらね」

 

「それより最近の話を聞かせて頂戴よ」

 

「唐突ね。何かあったの?」

 

「何もないのよ」

 

「え?」

 

「冥界だと他人との関わりが少ないからね」

 

「それで暇だと」

 

「そうね」

 

「あの天人とあんまり変わらないのね」

 

「あそこまで暇じゃないけどね」

 

「まあいいわ」

 

「ありがとうね」

 

「夕飯戴くしその礼みたいなものよ」

 

「親切にするものね」

 

「最近のことだとそうね...アイツの日記のことでも話しましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....妖夢、私の分は?」

 

「......ごめん、霊夢。これしか防衛できなかったの」

 

「...杓文字....一掬い.....」

 

「ん~!今日もごはんが美味しいわね~!」

 

 

 

「..........ッこのハラペコ亡霊姫が!!!」

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