「ねぇ、霊夢」   作:鬼如月

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立夏

「ねえ、霊夢」

 

「なによ」

 

「ここに来るなんて珍しいじゃない」

 

「ふと筍が欲しくなってね」

 

「それでわざわざ竹林まで来たの」

 

「筍と言ったらここでしょう」

 

「ここの筍なら人里にも卸してるけれど...」

 

「新鮮なのが食べたいのよ」

 

「...その本意は?」

 

「タダだからよ」

 

「だろうと思った」

 

「アンタも手伝いなさいね」

 

「ええー」

 

「ご不満?」

 

「いえいえ滅相もない!」

 

「ならいいわ」

 

「まあ私もそろそろ自分用の筍が欲しかったところだからね」

 

「今まで掘った筍は?」

 

「全部人里に卸してるわよ」

 

「へー。他に仕事はしてるの?」

 

「それだけよ」

 

「...生きていけるの?」

 

「蓬莱人に何を言うか」

 

「そういやそうだったわね」

 

「あまり贅沢しないなら十分やってけるわ」

 

「私もやろうかしら、筍売り」

 

「私の食い扶持取らないでくれない?」

 

「冗談よ」

 

「冗談に聞こえないっての」

 

「それにしてもたくさん生えてるわね」

 

「露骨に話をそらさないでくれない?」

 

「今日のお夕飯は筍尽くしね」

 

「...まあいいわ」

 

「そういえば筍狩りってコツとかあるの?」

 

「そうだな...地下茎を見つければ大抵なんとかなるかな」

 

「地下茎....どうやって見つけるのよ」

 

「まあとりあえず筍の根本をだな....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあまあ取れたわね」

 

「そうだな。あんたの筋がよかったのもあって早く終わった」

 

「感謝しなさい」

 

「かしこみかしこみー」

 

「わかればいいのよ」

 

「それでいいのか」

 

「いいのよ」

 

「それで取り分はどうしようか」

 

「無難に10:0でどうかしら」

 

「もちろん私が10だよな」

 

「私が10に決まってるじゃない」

 

「まあ流石に5:5でいいだろう」

 

「そうね。さっきのは冗談よ」

 

「...何割くらい?」

 

「...1割かしらね」

 

「9割本気かよ」

 

「妥協しただけありがたく思いなさい」

 

「はいはいかしこみー」

 

「それでいいのよ」

 

「じゃあとりあえず分けていくか」

 

「その前に休憩しない?少し疲れちゃった」

 

「博麗の巫女様にも疲れはあるんだな」

 

「バカにしてる?」

 

「してるわ」

 

「10:0ね」

 

「私が悪かったから話し合わない?」

 

「弱いわね」

 

「今日の夕飯がかかっているからね」

 

「まあとりあえず休憩しましょうか」

 

「私の家まで来るか?」

 

「いいわよそこまでは」

 

「じゃあそこの少し開けたところで休むか」

 

「そうね...持って来たべっこう飴でも食べようかしら」

 

「いいわね。私にも頂戴よ」

 

「いいわよ」

 

「ありがとさん」

 

「気にしないで」

 

「じゃあとりあえず腰を下ろして休憩しよう...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...あれ、少し寝てたみたいね...」

 

「あれ?妹紅、筍ってどこかに仕舞った?」

 

「.......やられた...!」

 

「え?」

 

「家の厠に行った隙に盗られたんだよ...!私の夕飯...!」

 

「...犯人は予想できるわね」

 

「...さっさと捕まえに行くぞ」

 

「...食べ物の恨みを思い知らせましょう」

 

「「あの泥棒白兎......!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

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