恋姫無双〜覇王の弟〜   作:ホークス馬鹿

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10話です。


10話

陳留に帰還したその日の夜、

 

 

 

純の部屋

 

 

 

秋蘭「純様、秋蘭です。」

 

純「おお、ちょっと待って。」

 

そして、純は扉を開けた。

 

純「おう、秋蘭。入って入って。」

 

そう言って、純は秋蘭を部屋に入れた。

 

そして、2人は向かい合って座った。

 

秋蘭「それで純様、褒美の件ですが。」

 

純「ああ、何かお願いある?何でも良いよ。」

 

秋蘭「はい。純様、今日私と一緒に寝て欲しいのですが?」

 

純「・・・はっ?えっと、秋蘭、もう一度今なんて言った?」

 

秋蘭「はい、私と一緒に寝て欲しいと言ったのです。」

 

と、秋蘭は先程と同じ事を言った。

 

純「えっ、何で?」

 

秋蘭「最近一緒に寝ることがなかったので。・・・駄目ですか?」

 

秋蘭は上目遣いで純を見つめた。

 

純「いや、駄目じゃねーけど・・・、お前そんなんで良いの?」

 

秋蘭「はい、私は純様と一緒に寝ることが最大の褒美なのです。」

 

純「しかし、俺もお前もいい年だろう?」

 

すると、

 

秋蘭「ふふ、私達の間に年は関係ありませんよ。」

 

クスクスと口元に手を当てて笑いながら秋蘭は言った。その表情は女性の妖艶さが滲み出ていたのである。

 

純「・・・しょーがねーな。」

 

そう言った純は立ち上がり、寝床に身体を向け、

 

純「好きにしろ。」

 

と言ったのである。すると、

 

秋蘭「・・・はい!」

 

と言った秋蘭は、純の腕に絡み、一緒に寝床に入ったのである。

 

純「ったく。お休み、秋蘭。」

 

秋蘭「お休みなさい、純様。」

 

 

 

暫くが経ち、

 

 

 

秋蘭「ふふ。」

 

夜が更けてきた頃、秋蘭は目の前で寝ている純の頬を撫でていた。

 

秋蘭「・・・純様、大好きです。」

 

純の寝顔を見てそう言い、その想いが溢れてくる。

 

片腕で純の腕を抱き、足も純の足を絡めている。秋蘭は純に親愛以上に想いを寄せている。

 

純の寝顔を見ながら、秋蘭は昔のことを思い出していた。

 

 

 

 

回想

 

 

 

2人の初めての出会いは、今から10年近く前であった。その頃から、華琳と純は既に才能を発揮していた。

そのため、当時曹家の当主であった曹嵩は、2人を公私共に支えてくれる股肱の臣として仕えてくれる者として春蘭と秋蘭を呼び、華琳と純にもそれを伝えたのであった。

 

秋蘭「私は、姓は夏侯、名は淵、字は妙才と申します。」

 

純「おお、来たか!話は聞いてるか?」

 

秋蘭「はっ!この夏侯淵、心身の全てを捧げ、曹和様をお守りし・・・」

 

すると、

 

純「堅苦しい。『曹和様』はよせ。もっと砕けて呼んで良いぞ。俺より1個年上だけど、『純さん』とか。」

 

秋蘭「め、滅相もございません!!これから仕える主にそのような呼び方は!!しかも真名をいきなり預けるなど!!」

 

すると純は、少ししょんぼりした顔で見つめた。

 

秋蘭「・・・。そ、それでは・・・、『純様』とお呼びしても宜しいでしょうか?」

 

純「まぁ、それでいっか。」

 

秋蘭「後、私の真名は秋蘭です。真名を預けられたので、私も純様に真名を預けます。」

 

純「おお、そっか。分かった。秋蘭、これからよろしく。」

 

そう言って、純は秋蘭の前に行き、手を取った。

 

純「秋蘭。早速だけど、何の武器が得意?」

 

秋蘭「えっ。弓が得意ですが・・・。」

 

純「ホント!じゃあ、早速狩りに行こう。」

 

秋蘭「えっ!宜しいのですか!?」

 

純「大丈夫だって。ほら、行こ。」

 

そう言って、純は秋蘭と一緒に狩りに出かけた。その道中、

 

春蘭「おお、秋蘭!どこか出かけるのか?」

 

秋蘭「ああ、姉者。ちょっと純様と狩りにな。」

 

すると、

 

純「お前が、秋蘭の姉か?確か姉上に仕える事になった・・・」

 

春蘭「はっ!姓は夏侯、名は惇、字は元譲と申します。」

 

純「そうか。俺は曹和、字は子元、真名は純だ。」

 

春蘭「真名まで!?宜しいのですか!?」

 

純「ああ、お前もこれから共に戦う仲間。真名を預けなければ。」

 

春蘭「では、私の真名は春蘭です。」

 

純「そっか。春蘭、よろしく頼む。後俺のことは『純さん』で良いぞ。」

 

春蘭「そんな!そのような呼び方、畏れ多いです!!」

 

純「そっか・・・。まあ、秋蘭にも同じ事言われたなあ。まぁ、好きに呼べ。」

 

春蘭「はっ!では、『純様』とお呼びします!」

 

すると、

 

華琳「あら、子元。早速仲間作りかしら?ご苦労な事ね。」

 

華琳が現れ、純に対して嫌味を言った。

 

春蘭「華琳様・・・。」

 

純「姉上。別に俺はそのようなつもりで・・・」

 

華琳「でも子元、例えあなたがどんなに戦で私より手柄を挙げても、人々があなたについて行っても、私は負けないわ!必ず私が曹家の当主になってみせるわ!」

 

そう言って、華琳はその場を後にしたのであった。

 

純「・・・。」

 

秋蘭「純様・・・。」

 

純「あっ、ああ、気にすんな。悪いな、嫌なとこ見せちまって。」

 

秋蘭「いえ。」

 

純「よし、早速行くか!」

 

秋蘭「は、はい!」

 

純「春蘭はどうする?」

 

春蘭「申し訳ありません。私は華琳様の臣下でもありますので、今日は華琳様のお側にいたいと思います。」

 

純「そっか・・・。分かった。何か機会があったら、一緒に行こう。」

 

春蘭「はい!」

 

そう言って、春蘭は華琳が向かった先に行った。

 

純「よし、じゃあ行こ。」

 

そう言って、純は秋蘭の手を取り、狩りに出かけ、大物を取って皆にご馳走を振舞ったのである。

 

それからも、純と秋蘭は寝食を共にし、絆を深めていった。その時秋蘭は、前から聞いていた通り、純は武人としても指揮官としても抜きん出た才能を持っており、一兵卒や文武官、そして民にまで慕われており、その人望は、姉の華琳を凌いでいると感じていた。

そのためか、姉である華琳は、純に対して一方的に嫌っていた。しかし、純は姉のことは嫌っておらず、むしろ寂しそうであった。

そんな姿を見ていた秋蘭は、自身の主にそのような顔をさせている華琳が許せなかった。しかし、純はその度に

 

純「気にすんな。」

 

と声をかけてくれた。その表情がとても無理をしているように見え、秋蘭は、いつも胸が締め付けられる思いがした。

 

 

そんなある日、

 

 

純「お呼びでしょうか。父上。」

 

純は、父である曹嵩に呼ばれていた。秋蘭を連れて。

 

曹嵩「うむ。近くの村が賊に襲われているとの情報があってな。お前たちに任せたいのだが。」

 

純「分かりました。では、すぐに出陣します。」

 

曹嵩「うむ。頼んだぞ。」

 

純「はっ。ではこれにて。行くぞ、秋蘭。」

 

秋蘭「御意。」

 

そう言って、純達はその場を後にし、出陣したのであった。それと入れ替わりに、

 

華琳「お父様‼︎」

 

曹嵩「おお、華琳か。どうしたそんなに慌てて。」

 

華琳「どうしたではありません。どうして今回の賊討伐の件、子元に任せたのですか⁉︎」

 

曹嵩「お前も初陣以来、場数を踏んでおるし、戦の才もある。けど、お前より遙かに彼奴の方が戦の才がある。故に彼奴に任せたのだ。」

 

華琳「しかし、私と春蘭でも・・・。」

 

曹嵩「華琳!いつまでも下らない妬みで純を悲しませるな!純は純。お前はお前であろうが!」

 

華琳「・・・っ!」

 

そう言われた華琳は、唇を噛みしめながらその場を後にした。

 

曹嵩「・・・華琳。いつまでもそのような態度では、いずれ曹家は2つに割れてしまうぞ・・・。ただでさえ華琳の派閥と、純の派閥に別れかけておるのに・・・。」

 

そう呟いた曹嵩であった。

 

 

 

一方純達は、

 

 

 

純「秋蘭。部隊を2つに分ける。1つはお前が率いろ。もう1つは俺が率いるから、2つの部隊で挟み撃ちをする。1人も逃がさず殲滅しろ。」

 

秋蘭「御意。」

 

そして2人はそれぞれ率いる部隊に別れ、村に向かう街道を駆け下りる。

それに気付いた賊であったが時既に遅く、

 

純「死ね。」

 

純の一太刀で賊の首が宙に舞う。それが皮切りで、賊との戦いが始まった。

一方の秋蘭の方も、賊とぶつかり、戦いが始まった。秋蘭はただただ純に褒められたいの一心で賊を射抜いていた。しかし、

 

賊A「このアマー!死ねー!」

 

そう言った賊は、秋蘭に剣を振り下ろそうとした。

 

秋蘭「・・・っ!」

 

突然のことで身体が動かず、目を閉じたが、その衝撃が来ず、むしろ、

 

賊A「ぐはぁっ!?」

 

秋蘭「・・・っ!?」

 

賊のうめき声が聞こえたので目を開けると、賊の身体に矢が貫いていて、その先には純が弓を構えていたのである。

 

純「気を抜くなー!徹底的にやれー!」

 

そう言って、純は馬を駆け抜けた。そして賊は、全滅したのであった。

 

 

 

そして、村人達から感謝された純達は、帰る準備をしていた。その時、

 

秋蘭「純様。」

 

秋蘭が純を呼んだ。

 

純「おお、秋蘭。先程は大丈夫だったか?」

 

秋蘭「はい。申し訳ありません。」

 

純「ん?何故謝る?」

 

突然謝ってきたので、困惑する純。

 

秋蘭「お支えするはずが、逆に助けられてしまって・・・。」

 

すると純は、

 

純「気にすんなって。これから経験を積めば、お前は凄い将軍になるって。大丈夫。」

 

秋蘭「・・・はい。」

 

純「よし、引き揚げるぞ。」

 

秋蘭「・・・御意。」

 

そして、純達は引き揚げて、曹嵩に報告をしたのであった。

 

 

 

その夜、

 

 

 

秋蘭は1人、弓の鍛錬をしていた。

 

秋蘭「くっ!こんなことで純様のお助けになるか!」

 

しかし、いつもの秋蘭ではなく、鬼気迫るような感じであった。

 

秋蘭「こんなことで!」

 

すると、後ろから純が秋蘭の背中に付き、

 

純「いいか秋蘭。弓はこう構えた方が良いぞ。」

 

そして、純は秋蘭に指導していた。

 

純「これで打ってみな。」

 

その声に従って、打ってみた。すると、先程よりも打ちやすくなっていたのである。

 

純「そうそう、そんな感じ!この感じを忘れんなよ。」

 

すると、秋蘭は跪き、拱手した。

 

純「そう思い詰めるな。お前は良くやっている。」

 

秋蘭「いいえ。まだ足りません。」

 

秋蘭は純の言葉を否定した。

 

秋蘭「純様をお支えするには、まだ力が足りません。いえ、何もかもが足りませぬ。」

 

すると、純は秋蘭の頭を撫で、

 

純「もう良い。」

 

そう言った。

 

秋蘭「純様・・・。」

 

純「お前のそんな姿、俺見たくねーよ。お前は俺にとって、大切な人なんだから。」

 

秋蘭「私にそのようなお言葉、もったいない。」

 

すると、純は秋蘭の膝の上に頭を置いた。

 

純「だからもう良い。見ろ。今日は満月だぞ。」

 

そう言われて、秋蘭は空を見上げた。すると、純が言っていたとおり、満月があった。

 

秋蘭「・・・はい。」

 

すると、純は秋蘭の膝の上で静かな寝息を立てながら眠ったのであった。秋蘭は、彼の寝顔を見て、純に対して別の感情を抱いていた。そして純の頭を撫でながら、

 

秋蘭「いつまでも、お側でお支えします。いつまでも・・・。」

 

そう言った。すると、

 

純「ああ、約束だぞ。」

 

恐らく純の寝言であろう台詞に驚いた秋蘭であったが、すぐに穏やかな顔になり、顔を屈め、純の顔に近づき、

 

チュッ

 

純の唇にキスをしたのであった。

 

秋蘭「大好きです。純様・・・。」

 

優しい夜風が秋蘭の頬を撫でていた。

 

 

 

回想終了

 

 

 

この日以来、秋蘭は1人の女として、純に強い想いを寄せた。その日以来、少しずつ純に触れ合う回数を増やしていった。

そして、時々見せる純の少なからず動揺を見せる姿が堪らなく嬉しかった。

 

秋蘭「・・・今はまだ、これだけ・・・。」

 

そう言って、秋蘭は純の唇を奪う。もっと、もっと触れたいという気持ちをどうにか抑え込み、唇を離す。

触れ合った唇に純の余熱を感じる。純と床を共にする事は少なくない。その度に秋蘭は純には内緒でこの秘密の行為を行っている。

 

秋蘭「・・・こんな可愛らしい無防備だといつか、貴方を襲いますよ。」

 

クスッと笑い、両手で純の腕を抱く。今日もまた、純の匂いに包まれながら眠る幸せを噛みしめながら目を閉じた秋蘭であった。

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