恋姫無双〜覇王の弟〜   作:ホークス馬鹿

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15話です。


15話

謁見の間

 

 

 

秋蘭「それでは、本日の会議はここまで。」

 

春蘭「解散っ!」

 

その時、

 

兵士A「失礼します!」

 

春蘭「何事だ!」

 

兵士A「はっ!ここより200里離れた村が襲われていると報告がありました。黄色い布です!」

 

兵士の報告を聞き、皆引き締まった顔をした。

 

華琳「それで、数は?」

 

兵士A「はっ。およそ五千。」

 

春蘭「ご、五千だと!?」

 

桂花「華琳様、如何なさいますか?」

 

華琳「ふむ・・・。」

 

すると、

 

純「姉上、俺に行かせて下さい。」

 

純が自ら出陣を希望したのであった。

 

春蘭「純様!?」

 

秋蘭「・・・。」

 

栄華「お兄様!?」

 

華侖「純兄!?」

 

柳琳「お兄様!?」

 

桂花「純様!?」

 

季衣「純様!?」

 

香風「純様!?」

 

華琳「それは何故かしら?」

 

純「春蘭と秋蘭、それに栄華らは、明日の準備があり手が空いておらず、今手が空いているのは俺だけです。なので、お願いします。」

 

華琳「・・・分かったわ。けど、明日の準備のため、連れて行ける兵は少ない。それはあなたの子飼いの兵もよ。」

 

純「分かっております。なので、俺の子飼い五百で充分です。」

 

華・春・秋・栄・侖・柳・桂・季・香「「「「「「「「「なっ!!」」」」」」」」」

 

華琳「あなた正気なの!?相手は五千よ。確かにあなたの軍は我が軍最強だけど、五千を五百で倒すの!?」

 

純「はい。必ず成功させて見せます。」

 

そう言って、華琳と純は睨み合ったまま数秒後、

 

華琳「・・・分かったわ。貴方に任せるわ。」

 

純「はっ!秋蘭!」

 

秋蘭「はっ!」

 

純「今すぐに、俺の子飼いの中から五百を選りすぐってくれ。」

 

秋蘭「御意!」

 

純「ではこれにて。稟!風!行くぞ!」

 

稟「はっ!!」

 

風「はい~!!」

 

そして、純と稟、風は謁見の間を出た。

 

華琳「栄華、桂花。今すぐ純に兵糧を渡す準備をしなさい。」

 

栄・桂「「はっ。」」

 

その頃、

 

稟「それにしても、無茶を申しますね、純様。」

 

風「いくら純様の隊が精強でも、五百で五千の賊を相手にするのは大変ですよ~。」

 

純「悪い。明日のことを考えると、この兵数が限界だ。」

 

稟「確かに。明日の賊退治などの準備を考えると五百が限界ですけど。」

 

風「何とかしなくちゃいけないですね、稟ちゃん。」

 

稟「分かっています。」

 

そうして3人が喋りながら城門に行くと、そこには秋蘭がいた。

 

秋蘭「純様。曹和隊から選りすぐった五百の兵です。」

 

そこには、秋蘭が選びに選んだ選りすぐりの五百の兵がいた。

 

純「ありがとう、秋蘭。」

 

秋蘭「構いません。その代わり、生きて戻って下さい。」

 

純「分かった。それじゃ、行ってくる。」

 

秋蘭「はい。どうかご無事で。」

 

そう言われて、純は馬に乗り、

 

純「出陣!!」

 

兵「「「おおっ!!」」」

 

村に向かって出陣したのであった。

 

 

 

 

道中、

 

 

 

 

風「それで、これからどうするんですか純様。」

 

稟「何か策でもあるのですか。」

 

純「あるよ。あの村の近くには伏兵にうってつけの林がある。お前達はそれぞれ百ずつ兵を率いてそこに潜め。まず俺が三百の兵を連れて賊に一当てする。そして時機を見て林に後退し、それを追ってきた賊をお前達が両翼で奇襲する。」

 

風「悪くありませんね~。」

 

稟「そうですね。実質これしか無いでしょう。」

 

純「よし、急ぐぞ!」

 

稟・風「「御意!」」

 

 

 

 

 

一方、被害にあってる村は、

 

 

 

 

賊A「ギャアアアアア!」

 

??「くそ、一体どれだけ賊がいるんだ。いいかお前達、絶対に1人で立ち向かったりするな!3人1組で挑むんだ!じゃないと敵を倒せん!」

 

村の中心部には、ボーイッシュな黒髪に白いメッシュが加えられている1人の少女が、大きな金棒を使いながら敵を倒し、指示を出していたのであった。

 

??(くそぉ、荊州を出ていったのは間違いだったのか。いやしかし、あのまま居ても、私の立場は・・・。)

 

その時、

 

ジャーン、ジャーン、ジャーン

 

??「ん?銅鑼の音?」

 

賊B「大変だ~!!」

 

首領「どうした?」

 

賊B「陳留の兵がこちらに向かってきますぜ。」

 

首領「数は?」

 

賊B「三百くらい・・・。」

 

首領「三百?たった三百で怯えるな。俺達は五千もあるんだ。返り討ちにするぞ!」

 

賊「「「おおーっ!!」」」

 

そう言って、賊達は反転したのであった。

 

??「助かったのか・・・。」

 

 

 

 

一方純の率いる本隊は、

 

 

 

 

純「来たか。行くぞお前ら!!突撃!!」

 

兵「「「おおーっ!!」」」

 

純の一言で戦が始まった。最初は純の兵が押していたが、数の差からか、次第に押されつつあった。

 

純「この辺でいいだろう、今だ、退け!!」

 

純の命令で、本隊は後退する。

 

首領「逃がすな、追えー!!」

 

すかさず賊は追ってきたのであった。その様子を見た稟と風は、

 

稟「流石純様。絶妙な判断で退きました。それでこそ我が主。皆さん、合図で突撃を開始して下さい。」

 

風「おお~、流石純様。これは風達もしくじれませんね~。」

 

それぞれそう述べたのであった。そして、賊が稟達が潜んでいる林を通った瞬間、

 

稟「今です!!」

 

風「銅鑼を鳴らして下さい!!」

 

一斉に賊に襲いかかったのであった。

 

首領「な、何ー!!これは罠か!?」

 

賊B「どうしましょう?」

 

首領「構わん。1人残らず討ち取れー!!」

 

するとそこへ、

 

純「今だ!反転し、賊を蹴散らせ!!」

 

兵「「「おおーっ!!」」」

 

純率いる本隊も襲いかかってきたのであった。

 

純「おい貴様、貴様が首領か!!」

 

首領「そうだ。」

 

純「この俺が討ち取ってやろう。」

 

首領「ガキが調子に乗りやがって、死ねー!!」

 

首領はそう言って、剣を大きく振りかぶって襲いかかってきたのであるが、

 

純「ふっ。」

 

純の一太刀で首が飛んだのであった。

 

賊B「首領がやられた!?逃げろー!!」

 

そう言って、残りの賊も逃げ出してしまったのであった。

 

純「逃げた賊は追うな。村の救助を最優先するぞ。」

 

そう言って、村に向かったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

純「怪我人を急いで手当てしろ。それと稟、急いで飯の用意をしてくれ。村人に配る。」

 

稟「はっ。」

 

純「風は村の復興作業を頼む。」

 

風「はい~。」

 

すると、

 

村長「あの、此度は誠にありがとうございます。」

 

村の村長が、純にお礼を述べに来たのであった。

 

純「そなたが村の村長か。すまない。もう少し早く来ていれば、ここまでの被害にならずに済んだ。」

 

そう言って、純は頭を下げたのであった。

 

村長「そんな!!頭を上げて下さい。むしろ曹和様が来てくれたからこそ、賊は追い払えたのです。」

 

純「そうか・・・。」

 

村長「それに、この村が持ちこたえられたのは、この強き者のお陰です。」

 

そう言って、1人の少女に目を向けた。

 

純「そうか。お前が、村を助けてくれたのだな。感謝する。俺は曹和という。お前の名は?」

 

すると、

 

焔耶「わ、私は、魏延、字を文長と申します!!」

 

緊張しながら自己紹介をしたのであった。

 

純「はは。そう緊張するな。」

 

そう言って、焔耶の肩に手を置いた。

 

焔耶「は、はい!!」

 

純「それで、怪我はないか?」

 

焔耶「はい‼︎この通り大丈夫です‼︎」

 

純「そうか。これから、俺達の陣に行かないか。炊き出ししてるから食いな。」

 

焔耶「はい‼︎」

 

そうして純は、魏延と共に本陣に向かった。

 

 

 

本陣

 

 

 

稟「お帰りなさいませ、純様。」

 

風「お疲れ様です、純様。後ろにいる人は誰ですか?」

 

純「この村を守ってくれた者だ。稟、この者に飯をあげて。」

 

稟「はい。」

 

純「それと、この2人は俺の軍師の」

 

稟「郭嘉です。」

 

風「程昱です〜。」

 

純「それで、お前はこの村の出身か?」

 

焔耶「いえ。私は元々荊州の者で、劉表様に仕えておりました。しかし、孫堅との戦で大きな失態を犯し、自身の立場が危うくなったため、やむなく荊州を出たのです。」

 

純「なるほど。つまり、行く宛もないって事か。」

 

焔耶「はい。」

 

純「では、俺に仕えないか。俺達が来るまで、この村を守ってくれたんだ。それ相応の才があるはずだ。」

 

焔耶「え!?」

 

その時焔耶はビックリした声を上げた。実は、彼女は密かに純に憧れており、いつも彼の活躍を耳にするたびに、その憧れが強くなったのである。今会えただけでも幸運なのに、その憧れの人に仕えるという提案に自分は夢を見てるのではないかと錯覚してしまったのである。

暫く経って、冷静になった焔耶は、決意をした顔になって、

 

焔耶「私は、姓は魏、名は延、字は文長、真名は焔耶です。この命、お館に捧げます。」

 

跪き、拱手したのである。

 

純「そうか、分かった。俺の真名は純だ。よろしく頼むぞ、焔耶。」

 

焔耶「はっ!!」

 

そして、

 

稟「私は稟です。よろしく頼みます。」

 

風「風は風ですよ~。」

 

焔耶「ああ、よろしく頼む。」

 

そう言って、それぞれ真名を交換し、その後村を後にしたのであった。


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