投稿できました。
今回は焔耶メインです。焔耶って、意外と可愛いですね。
意外とって、失礼か(笑)
焔耶の可愛い一面を書けたか分かりませんが、どうぞ。
焔耶「・・・はぁ。」
城の上で、焔耶は1人溜息をついていた。
焔耶「たまの余暇に、何をしているのだろうか?私は。」
彼女は、ある悩みを抱えていた。それは、自身の主でもある、純の事である。最初は、憧れの人の下に仕える時、歓喜の声を心の中で上げた。その時は、自身の武をこの人に全てを捧げようとし、日々の鍛錬に勤しんだ。苦手な兵法も必死に勉強し、今や曹和隊の指揮の一部を任せられるほどになり、あの春蘭とも一騎打ちで互角に渡り合えるほどに成長した。
そして、彼を間近で見て、その思いは敬意だけでなく、次第に愛も加わっていき、彼を目で追うようになっていった。しかし、
焔耶(お館には、既に秋蘭様がいる。それに稟も。まだ他にもいるかもしれないが、そのどれもが私とは違って、綺麗で凜々しい方ばかりだ。私が入り込む隙などありはしない・・・。)
と思い、諦めようと思っていた。けど、
焔耶(でも、駄目なのだ。どうしても、お館を目で追ってしまう。諦めなきゃならないのに。胸が苦しい。私はどうすれば・・・。)
と思い、
焔耶「はぁ・・・。」
また溜息をついた。するとそこへ、
星「おや、焔耶。こんな所で何をやっているのだ、お前は。」
焔耶「っ、星・・・。」
星が酒を片手に現れた。
星「このような場所で、酒を飲むでもなく風に吹かれて何をしている。」
焔耶「昼から酒などを食らっているのは、お前か霞だけだ。」
星「私なりの楽しみ方だ。恐らく霞も。たまの休みに、時間を持て余す哀れな者よりよほどマシだろう。」
焔耶「全く・・・。」
星「ふふ。・・・それで焔耶、何を悩んでいる。」
と、星は焔耶に言った。
焔耶「・・・別に悩んではいない。」
と言われたのだが、
星「主が気にしておったぞ。」
と切り出すと、
焔耶「な・・・!?」
分かりやすく、顔を真っ赤にして驚いたのであった。
星「おや、やはり主の事か。」
焔耶「何故、お館が・・・貴様!?私の何を知っているっ。」
星「朝から晩まで溜息ばかりでは、主でなくても気にするというものよ。」
焔耶「・・・お館は何と?」
しかし、星は酒を飲んでおり、話さなかった。それを見た焔耶は、
星「なんと余裕のない。酔っ払いをそのような武器で脅すとは、魏文長の名が泣くぞ。」
鈍砕骨を星に向けた。
焔耶「お前が、からかうようなことばかり言うからだっ!!」
星「主と秋蘭が情を交わしているため、苦しいのか。」
すると、
焔耶「な・・・!?」
また焔耶の顔が真っ赤になった。
焔耶「何故星がそれを知っている。」
星「そんなの、あのように仲睦まじい姿を見れば、誰だって分かるさ。稟も、主の事を好いており、情を交わしておるしな。」
焔耶「・・・。」
星「おや、泣くのか?」
焔耶「誰が泣くか!!」
星「泣くくらいの可愛げがあれば良いものを・・・。そうやって強がる。」
焔耶「・・・っ!?お、お前っ。」
星「主は本当に気にしておった。あの方は、本当に部下思いのお方だ。」
焔耶「・・・お館はそういうお方だ。私達臣下だけでなく、一兵卒のことも大事にしておられる。」
星「そういう一面を見て、お主の女をこじ開けたか。」
すると、焔耶はまた鈍砕骨を星に向けた。
星「照れ隠しにも可愛げがない・・・。私でなければ、仰け反っているところだ。」
焔耶「・・・。」
星「・・・まあ良い。そんなに深く考えなくても良いと思うぞ。主なら、お主の思いを受け取ってくれる。」
焔耶「・・・そうだろうか。」
星「そうとも。少なくとも、私の目に映る主は、秋蘭や稟だけでなく、お主の事も好いておるぞ。」
焔耶「・・・そうか。ここで私が躊躇ったら、意味がない。お館の思いを裏切るのと同じ。今からお館の元へ向かう。済まんな、星。」
星「何、共に戦う仲間のそんな姿を見てはおれんと思ったからな。」
焔耶「ふっ、感謝する。」
そう言って、焔耶はその場を後にした。そして、焔耶は純の部屋の前に立ち、
焔耶「お館、焔耶です。入っても宜しいでしょうか?」
すると、
純「焔耶か。入れ。」
という声が聞こえたので、
焔耶「失礼します!」
と言い、部屋に入った。
純「それで、俺に何のようだ?」
焔耶「えっと、そのですね・・・。」
その姿は、いつもの焔耶にしては珍しくしおらしかった。
焔耶「お館は、秋蘭様と稟をどう思っていますか?」
純「好きだよ。俺にとって、かけがえのない存在だ。」
焔耶「・・・。」
純「けど、最近もう1人決してなくしちゃいけない人を見つけたんだ。」
焔耶「・・・それは一体・・・。」
純「お前だ、焔耶。」
焔耶「っ!!。」
純「俺、お前のことも好きなんだ。一臣下としてだけでなく、1人の女として。」
すると、焔耶の目から大粒の涙が零れ落ちた。
焔耶「お館、それは本当ですか・・・。本当に・・・。」
純「ああ。嘘でもない。お前のことも好きだ。」
焔耶「お館っ!!」
焔耶は、純の胸に飛び込み、胸に顔を埋めた。
焔耶「ずっと、我慢してたんです。」
純「?」
焔耶「お館には、秋蘭様と稟がいる。私はあの2人とは違って、綺麗で凜々しくもなく無骨者だ。だから、諦めようと思っていました。けど、そう思えば思うほど、お館への気持ちがどんどん強くなってしまい、どうすれば良いのか分からなくなってしまいました。」
すると、
純「お前は無骨者なんかじゃねーよ。」
と言った。
焔耶「えっ?」
純「焔耶は無骨者なんかじゃねー。焔耶は、俺には勿体ないくらいの魅力を持った女子だ。だから、そう自分を卑下すんなよ。俺が辛い。」
そう言い、純は焔耶の背中に腕を回して、強く抱き締めた。
焔耶「本当に、私みたいな女でも・・・?」
純「二度も言わせるな。俺は見た目で判断しねーし、焔耶が俺を好きだって言ってくれた事が本当に嬉しかった。」
焔耶「はい・・・。」
純の言葉が恥ずかしかったのか、焔耶は顔を真っ赤にしたのだが、それが嬉しそうにはにかむように笑った。そして、
純「焔耶・・・。ん・・・っ。」
焔耶「お館・・・。ん・・・っ。」
2人は静かに唇を合わせ、寝台に倒れ込んだのだった。