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では、どうぞ。
反董卓連合が解散してしばらくの時が過ぎたが、諸侯の小競り合いが続き、乱世は収まることはなかった。そんな中で新たな情報が入った。
玉座の間
華琳「・・・呂布が見つかった?」
燈「はい。あの戦いの後、南方の小さな城に落ち延び、そこに拠点を構えることにしたようです。」
卓上の地図に置かれた碁石が示すのは、ここから遙か南西にある小さな城であり、周りに大きな勢力もない、殆ど空白地帯みたいな場所であった。
華琳「なるほど・・・。純、呂布が逃亡し同行していたわね。」
純「はい。副官の陳宮が、呂布と共に行動をしているという情報が届いてます。」
桂花「・・・どうしますか?少数とはいえ、呂布が本気になればこちらはかなりの損害を被る可能性もありますが・・・。」
その瞬間、誰かが息を飲んだ。確かに反董卓連合の戦の時は、純が激しい一騎打ちの末、倒したとはいえ、油断が出来ない相手であった。
華琳「・・・今は放っておきましょう。」
純「・・・。」
春蘭「何ですと!」
桂花「華琳様。それはいくらなんでも危険すぎます。」
華琳「・・・霞。呂布は、王の器に足る人物かしら?」
霞「・・・正直、よう分からん。」
霞が華琳に対しての質問にそう答えると、
春蘭「どういう意味だ?まさか、かつての味方だからといって・・・」
春蘭がそう言った。
霞「ンなわけあるかい。・・・恋が何を考えとるか、分からんっちゅうこっちゃ。純、秋蘭、流琉、正面からやりおうたアンタらなら分かるやろ?特に純は。」
純「・・・そうだな。」
秋蘭「・・・確かに。」
流琉「えっと、武将っていうより、野生の熊や虎を相手にしてるのと同じ感じでした。」
霞「・・・相手にしたことあるんかい。」
流琉「え?皆さんはないんですか?」
純「俺はあるぞ。」
霞「あるんかい!?」
華琳「確かに、あなたはどんなに険阻な場所でも熊や虎と格闘して、その肉を皆に分けてたわね・・・。」
純「あはは・・・。」
霞「・・・よ、よう分からんけど、多分そういうこっちゃ。」
春蘭「だから、どういう意味なのだ?」
純「・・・お前は少し勉強しておけ。周りが変な知恵を付けない限り、こちらが手を出さなければ、襲わねーという事だろ?」
霞「そんな感じかなぁ。軍師の陳宮はそこそこ切れ者やけど、まだまだおこちゃまやしな。」
華琳「あの辺りは治安も悪いし、南蛮の動きにも気を配る必要があるわ。何かするにしても、しばらくは動けないでしょう。」
華琳「それとも、あの辺りの州牧とでも結びつく可能性がある?」
燈「益州州牧の劉璋は、さして軍事には明るくないわ。こちらとの州境にはたびたび偵察を入れているようだけれど・・・。」
華琳「ならば西はそのようになさい。・・・ただ、監視だけは十分にしておくように。」
桂花「華琳様がそう仰るなら・・・。」
華琳「それに今はもっと警戒すべき相手がいるわ。純、情報は集まっている?」
純「はっ。先日の麗羽と公孫賛の争いですが・・・、予想通り、麗羽が勝ちました。公孫賛は徐州の劉備の所に落ち延びたようです。」
華琳「・・・そう。劉備か・・・。陶謙から徐州を受け継いだり、可愛い顔をしている癖に純の言う通り、一筋縄ではいかなそうね。」
純「恐れ入ります。」
華琳「話が逸れてしまったわね。純、話の続きを。」
純「はっ。麗羽は青州や并州にも勢力を伸ばし、河北四州をほぼ手中に納まりました。後は南に下るだけです。」
華琳「純、麗羽が次に狙う相手は誰だと思うかしら?」
純「姉上もアレの性格を分かっておいででしょうに。麗羽が次に狙うのは、ここでしょう。あいつは派手好きです、大きな宝箱と小さな宝箱を出されてどちらか選ぶように言われたら、迷わず大きな宝箱を選ぶ奴ですよ。」
華琳「ふふ、そうね。あなたの言う通りだわ。」
流琉「領地の大きな我々が狙われるという事ですか?」
燈「そのうえ、喜雨のおかげで土地の開拓も盛んに行われているもの。徐州よりは、よほど豊かなはずよ。」
華琳「そういうこと。州境の各城には、万全の警戒で当たるよう通達しておきなさい。・・・それから、河南の袁術の動きはどうなっていて?」
桂花「特に大きな動きはありません。州境を偵察する兵は散見されますが・・・、その程度です。」
華琳「あれも袁紹に負けず劣らずな俗物だけれど、動きがないというのも気味が悪いわね。警戒を怠らないようにしなさい。」
桂花「はっ。そちらにも既に指示は出しています。」
純「後で稟と風にも手伝わせるよ。」
桂花「はっ。ありがとうございます。」
華琳「他の皆は、いつ異変が起きても良いように準備を怠らないこと。いいわね。」
そう言って、解散となった。その際、
純「姉上。」
華琳「何?どうしたのかしら?」
純「先程の話ですが、姉上でしたらどちらの宝箱を選びますか?」
といったのを聞いた。すると、
華琳「あら、あなたも私の性格を分かってて言ってるわね。決まってるじゃない、両方開けさせて、中の良いところを全てよ。」
華琳はそう答えた。
純「やはりそうですか。姉上らしいですね。」
華琳「ふふ。」
純「はは。」
そして、互いに笑ったのであった。