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久し振りに劉備達が登場します。
では、どうぞ。
陳留・玉座の間
焔耶の活躍から暫くが経ち、新たな情報が入った。それは、袁紹が劉備達のいる徐州の州境を越えたという情報だった。
華琳「そう。麗羽が。」
純「まさか本当にやるとは思いませんでしたね。」
華琳「ええ、そうね。」
稟「袁術相手で手一杯の劉備を見て、好機と思ったのでしょうか?」
純「いや、違うと思う。」
華琳「ええ、袁術に徐州を一人占めされるのが、急に惜しくなったのでしょうね。」
純「・・・まるで子供ですね。」
華琳「そうね。・・・風、お茶をもう一杯貰えるかしら?」
風「はーい。純様もいりますかー。」
純「ふっ、貰おうか。」
華琳「さて、私達はこれからどうするべきか。皆はどう考えるかしら?」
純「稟はどう考える?」
稟「はい。徐州の遠征軍には袁紹、文醜、顔良という敵の主力が揃っています。この機に南皮へ攻め入り、徹底的に袁紹を叩くべきではないでしょうか。」
燈「・・・賛成です。もしくは遠征軍の後背を断ち、浮き草となった袁紹軍本隊を叩くべきかと。血の巡りの絶えた頭脳も、頭脳を失った手足も、いずれも敵とはなりえません。」
といった意見も出た。すると、
桂花「反対です。袁紹も袁術も先見の明のない小物ゆえ、今は大軍でも、放っておけば勝手に根腐れを起こします。」
桂花「しかし劉備は、以前純様が仰ってたように、いずれ華琳様と純様の前に立ち塞がるであろう相手。これを機に、まずは徐州を攻め劉備を討つべきかと。」
栄華「私も桂花さんの意見に賛成ですわ。面倒な種は先に省くに限りますわ。」
といった意見も出た。
純(見事に分かれたな・・・。)
華琳「純は?」
純「・・・俺としては、どちらにも手を出さずに国力を高めるべく傍観という考えです。風は?」
しかし、
風「・・・ぐー。」
・・・寝ていた。
桂花「純様が聞いてるのよ、寝るなっ!」
風「・・・おおっ。」
純「・・・膝枕しようか?」
風「お願いしまーす。」
稟「純様・・・。」
純「冗談だ。」
風「でー。劉備さんをよってたかって袋叩きにするんですか?それとも、袁紹さんの所に火事場泥棒に入るんですか?」
風「あとは、えーと・・・劉備さんをだまし討ちでしたっけ?」
稟「・・・。」
桂花「・・・。」
栄華「・・・身も蓋もない言い方をなさいますのね。」
華琳「でも、風の言っている事に間違いはないわ。純の案に決定ね。」
そして、袁紹の対策が決定したのだった。
徐州・琅邪
袁紹「おーっほっほっほ!おーっほっほっほ!」
文醜「進め進めー!目指すは劉備の本拠地だー!」
顔良「麗羽様ぁ・・・。ホントに良かったんですか?」
袁紹「何がですの?」
顔良「だって、劉備さん達、袁術様と戦ってて大変なのに・・・。」
袁紹「そんなの私の知ったことではありませんわ!そもそも、美羽さんなんかに必死になっている劉備さんが悪いんですのよ。ねぇ真直さん!」
田豊「ええ・・・まあ、流石に火事場泥棒感が半端ない気はしますけど、そうですね。」
文醜「そうそう。所詮この世は焼肉定食・・・、空しいぜ。」
田豊「それ、何か違わない?」
文醜「・・・そうだっけ?」
顔良「文ちゃん・・・、そんな所カッコ良く言っても、全然カッコ良くないよぅ。」
袁紹「それに、こんな広い土地を美羽さんに一人占めさせるなんて・・・この間お夜食を食べていたら、だんだん腹が立ってきましたの!」
顔良「はぁ・・・。」
文醜「結局は思いつきなんすね・・・。」
袁紹「閃きと言って欲しいですわね。」
田豊「そうは言っても、策を考えるのは私なんですから・・・少しは気を使って欲しいです。・・・しかもどうせ聞いてくれないのに。」
袁紹「ともかく、南にかかりっきりの劉備さんのお城はスッカスカのがらっがらに決まってますわ!今のうちに私達の物にしてしまいますわよっ!」
文醜「おー!」
袁紹「声が小さいですわっ!」
三人「「「おーっ!」」」
田豊(・・・七百の城を落とすのは渋るくせに、ガラガラの城を落とすのは平気なんだもの。我が主ながら、ホント読むのが面倒くさいわね。)
一方、淮陰の袁術は、
袁術「はぁ!?麗羽が攻めてきたのかえ!?」
魯粛「はい。密偵から連絡があって、もう徐州の州境あたりにいるみたいなんですよー。」
袁術「し・・・、信じられんのじゃ!普通、そんな火事場泥棒のような真似はせんであろ!?」
孫策(・・・あなたがいつもしてる事じゃない。)
袁術「孫策!何か言うたかや?」
孫策「べっつにー。」
袁術「とにかくこのままチンタラしていては、徐州の良い所は全部麗羽に取られてしまうのじゃ!」
袁術「せめて七割・・・いや、八割は制圧せねば攻め損じゃぞ!包、策を考えよ!」
魯粛「ひゃわわ。策を考えろって言っても、美羽様包の話とか全然聞いてくれないじゃないですかぁ!」
魯粛「それに向こうの軍師、将軍達の連携の隙とか包の指示の合間とか、遠慮ナシに突いてきて・・・、こっちが見透かされてるみたいでむちゃくちゃ怖いんですけどー。」
張勲「包ちゃん。何か仰いました?」
魯粛「・・・うぅ、何でもないです。」
魯粛(・・・ひゃわわ。仕官先、間違えたかなぁ。)
孫策(・・・ここの軍師も大変そうねぇ。)
袁術「ええい、役に立たんやつめ。・・・ならば孫策、おぬしらの部隊で総攻撃を掛けるのじゃ。それで劉備をやっつけて、徐州を一気に妾のものにしてみせるのじゃ!」
孫策(・・・言うだけなんだから、楽なものよねぇ。)
袁術「返事は!」
孫策「はいはい。」
袁術「はいは一度でよいのじゃ!」
孫策「はーい。」
魯粛(・・・て言っても、ここの将も大変そうなんですよねぇ。)
一方、劉備達は、
関羽「・・・袁術も本気の様子か。」
張飛「さっきの戦いで、もうみんなヘトヘトなのだ。・・・ここでさっきよりも多い相手が来たら、きっと持ち堪えられないのだ。」
関羽「それに、いくら白蓮殿でも、今の城の兵だけでは・・・。」
北郷「でも、だからって何もしないわけにはいかないよな。」
すると、
諸葛亮「・・・うーん。」
龐統「やっぱり、あれかなぁ・・・。」
諸葛亮「・・・でもあれは厳しいし、あれも無理があるし。」
龐統「だよねぇ。あっちが立てば、こっちが立たなくなるし。」
と諸葛亮と龐統が、何か策があるのか、話し合っていた。それを見た北郷は、
北郷「何か良い策があるのかい?朱里、雛里。」
と尋ねた。
諸葛亮「ないわけでは・・・、ないのですが。」
龐統「朱里ちゃん・・・。」
諸葛亮「ううん、やっぱりダメです。この策を実行すれば、きっと沢山の犠牲が出ちゃいます。」
関羽「だがな、朱里よ。この窮地を乗り切る為には……犠牲はやむなしとするしかないぞ?」
鈴々「愛紗!!」
北郷「そうだぞ愛紗、桃香の考えを・・・!!」
関羽「分かっております。心優しいご主人様と桃香様は、一人の犠牲も出したくない事を。」
北郷「愛紗!!」
しかし、
関羽「しかしご主人様。そのような超常の一手は、そうそう打てるものではありません。故に我々は、出来る限りの最良の手を打つしかないのです。」
関羽は終始冷静に北郷にそう返した。
北郷「ぐっ・・・。」
関羽「朱里。その策、私に授けてくれ。見事に果たしてみせる。」
鈴々「愛紗・・・。」
関羽「大丈夫だ鈴々。私一人ならどうとでもなる。ご主人様と桃香様をしかと守るのだぞ。」
と関羽は張飛に優しく言った。
北郷「けど、そんなの・・・!」
その時、
劉備「そんなのダメ!絶対ダメ!みんな無事に生き残るの!」
劉備の声が、大広間に響き渡った。
関羽「しかし桃香様。他に方策がない以上、打てる手を打たねばなりません。それに、世の中には出来ることと出来ないことが・・・。」
劉備「そ、それは分かってる。けど・・・!!」
そう言って、劉備は顔を俯いた。すると、
北郷「・・・あるよ、一つだけ。」
と北郷が言った。
関羽「まさかご主人様、降伏ですか。」
北郷「いや、降伏はしない。袁紹のやり方は間違っている。」
劉備「うん。私もそう思う。力を使って制圧なんて。」
関羽「だったら何を?」
北郷「朱里、前に言ったのだけど・・・。」
この決断に、劉備以外の皆は猛反対したのだが、
北郷「皆が生き残るにはそれしかない。」
と北郷が言い切り、強引に事を進めたのだった。