恋姫無双〜覇王の弟〜   作:ホークス馬鹿

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4話です。


4話

純の部屋

 

 

 

純「なあ、稟。」

 

稟「なんですか、純様?」

 

純「・・・いや、なんでもねー。」

 

稟「なら、手を動かしてください。」

 

純「ああ。」

 

謁見の間での出来事から数日後、今純は事務処理を行っている。そして目の前には先日軍師となった稟がいる。

どういう訳か、稟は華琳とは仲が悪く、未だに真名を交換していない。もう1人の軍師である風はあの時華琳と真名を交換したが、稟はまだだ。一悶着あった春蘭と栄華とは真名を交換している。

 

純「なあ、稟。」

 

すると、

 

文官A「曹和様。曹操様がお呼びです。すぐに謁見の間まで。」

 

純「分かった。稟行くぞ。」

 

稟「はい、純様」

 

 

 

謁見の間

 

 

 

純「姉上、お呼びでしょうか。」

 

華琳「来たわね、純。あら、郭嘉も来たの。」

 

稟「ええ。純様と一緒でしたから。」

 

華琳と稟の会話が始まった途端、周りの空気が重くなった。丁度華琳の傍にいた秋蘭も、

 

秋蘭(またか・・・。)

 

と呆れていた。

 

純「それで、何のようですか?」

 

華琳「ええ。実はこれなんだけど。」

 

純は、華琳に渡された書類を見た。

 

純「これは警備報告書。当然治安維持には努めておりましたが、それでもかなりの事件数ですね。しかも昨日現場に行けた警備隊は半分以下・・・。」

 

純「それで、これを俺にですか。」

 

華琳「ええ。あなたに任せたいの。仕事を増やすようで申し訳ないけど。」

 

純「・・・稟。明日の分任せても良いか?」

 

稟「私は純様が命じられれば構いません。」

 

純「助かる。姉上、警備隊の件、引き受けましょう。ただし条件があります。」

 

華琳「条件?何かしら?」

 

純「はい。それは俺を明日から警備隊に入れて欲しいのですが。数日で良いので。」

 

華琳「それはどうして?」

 

純「実際に現場に行ってみないと分からないこともあるので。ましてや触れてない案件なので尚更。」

 

華琳「分かったわ。秋蘭。」

 

秋蘭「はっ。」

 

華琳「警備部隊長に、明日から10日間、純を警備隊に入れることを報告しなさい。」

 

秋蘭「御意。」

 

華琳の命令を受けた秋蘭は、すぐさま近くの兵に報告に向かわせた。

 

純「では、これにて。まだ少し仕事が残っているので。」

 

華琳「分かったわ。それと水路工事の視察の報告は。」

 

純「朝に風が視察に行ったので、明日には報告が出せると思います。」

 

華琳「そう。なら良いわ。」

 

純「では、また後で。稟行くぞ。」

 

稟「はい、純様。」

 

そうして、2人は謁見の間を後にしたのであった。

 

華琳「秋蘭。あなた郭嘉に焼き餅を焼いているのかしら。」

 

秋蘭「そのようなことはありません。稟は共に戦う仲間。それ以外の何物でもありません。」

 

華琳「・・・そう。なら良いわ。」

 

秋蘭「はっ。」

 

このとき華琳は、秋蘭の僅かな感情の揺れを密かに感じたのであった。

 

 

翌日、

 

 

純「え~、今日から10日間警備隊員として働くことになった曹和だ。宜しく頼む。」

 

純の挨拶が終わると警備隊員の皆が動揺していた。

 

隊長「そういうことだ。曹和様は警備隊の改善をするために来てくださった。」

 

隊員「「はあ~っ」」

 

隊員達はあまり納得していなかった。

 

隊長「よし、これより警邏を始める。」

 

隊員「「はっ!!」」

 

隊長の一言で警邏が始まった。

 

 

 

 

 

 

純「ふう~。」

 

稟「お疲れ様です。」

 

純が椅子に座ると、稟が濡らした布を持ってきてくれた。

 

純「おお、ありがとう稟。それと風、頼んだことやってくれてる?」

 

風「ぐぅ~。」

 

稟「起きなさい、風。」

 

風「おお!」

 

純「おはよう風。で、頼んだことは?」

 

風「え~とですね。孫策さんですが、孫堅さんの死後今は袁術さんのところで客将になっています。孫策さんの所の将達も袁術さんの命で散り散りになっていますので、現在孫策さんの所にいるのは軍師の周瑜さんと陸遜さん、将は黄蓋さんと程普さん、そして太史慈さんだけですね。」

 

純「そっか。」

 

稟「純様。どうして、この者達の情報など。今はどう見ても袁紹と袁術の袁家の2人の方では。」

 

純「これは秘密だが、俺は過去に孫策を見たことがある。といっても、俺は彼女とは実際に話したことはねーがな。俺が見たときは、まだ孫堅は生きていたが、孫堅はあの当時から凄まじい武勇を持っていた。『江東の虎』の名に相応しい程のな。その娘の孫策も、その虎の娘に相応しい器の持ち主だった。今は袁術の下にいるが、あのまま終わるような奴ではない。そして、その者の側には、周瑜、陸遜、黄蓋、程普、太史慈、また張昭という者もいる。これは将来いずれ大きな敵になると思ったからね。」

 

稟「なるほど。」

 

純「うん。風はそのまま情報を集めてくれ。稟は北方あたりで少し情報を集めてくれないか。」

 

稟「分かりました。情報が入り次第、報告致します。」

 

風「了解です~。それで純様。」

 

純「ああ、はい。約束の飴。」

 

純は風に飴を渡した。

 

純「そうだ。稟、明日って空いてる?」

 

稟「え、明日ですか?」

 

純「うん、明日。」

 

稟「明日でしたら昼ごろには仕事も終わると思うので、午後でしたら。」

 

純「だったら明日の午後、俺と一緒に警邏に出ないか?」

 

稟「じ、じ、じ、純様と一緒に、ですか!?」

 

純「うん。稟から見た警邏についての意見も聞きたい。嫌か?」

 

稟「べ、別に嫌ではありませんが、その・・・、ふ、2人きりですか?」

 

純「うん、2人で。」

 

純(秋蘭同様、いつも冷静だから。なんかこういうの、可愛いな・・・。)

 

純がそう思っていると、

 

稟「あ、ああ・・・。」

 

純「えっ、稟?」

 

稟「ぶぅ~~~~。」

 

純「り、り~~~~ん!」

 

稟「ああ、純様は私を・・・。」

 

純「何言ってんだ稟は。おい風、稟の鼻血を止めてやって。」

 

風「ぐぅ~。」

 

純「起きろ!」

 

風「おお。純様が稟ちゃんを口説いている現実から逃げるために寝てたのですが。」

 

純「口説いてねーよ。速く稟を助けてあげて。」

 

宝慧「おいおい、さっき可愛いなんて言ったのはどの口だ。」

 

風「こら宝慧。純様はそんなこと一言も言ってないですよ。」

 

純(何故心が読めた・・・。)

 

風「そりゃ~風は一流ですから~。」

 

純「悪い。人の心を読まないでください。」

 

その後、風は稟の鼻血を止めそのまま部屋を出たのであった。

 

 

翌日、昼

 

 

純「稟いる~?」

 

稟「あ、はい。純様」

 

純「丁度良い。昨日話した警邏の件だけど、大丈夫?」

 

稟「はい、大丈夫です。」

 

純「じゃあ、行こうか。」

 

稟「はい。」

 

 

警備隊詰所

 

 

稟「それで昨日の今日ですが、警備隊の改善案はどのようなものですか?」

 

そう言われた純は、陳留の街の地図を広げた。

 

純「えーと、まずここに4町から5町毎に警備隊の詰所があるだろ。これを1町毎に作って、兵を常駐させ、瞬時に対応できるようにする。そうすれば事件が起きてもすぐに駆けつけられるようにできるだろ。」

 

稟「確かに良い案ですが、それだと人手も経費もかなり必要になりますが。」

 

純「それは、募集しかないと思う。それと、ここの警備員は愛想が無さ過ぎ。もう少し街の人々と触れ合うべきだと思う。そうじゃないと、街の人たちが道を聞きたいとき、何か落とし物を拾ったとき、怖くて聞きにくいと思う。」

 

稟「確かにそうですが、どうすれば良いのですか?」

 

純「そうだな~。まずは、挨拶からかな。」

 

稟「挨拶ですか?」

 

純「うん。挨拶するしないで大きく違うと思うんだよ。だからまずは挨拶かな。街の人との距離を縮めるには。」

 

稟「そんなものなのでしょうか。」

 

純「そうだと思うよ。よし、それじゃあ、行こうか。」

 

稟「はい。」

 

 

こうして、純と稟は街のあちこちを歩き回った。子供達が純を見つけると、

 

子供A「曹和様だ~。」

 

子供B「曹和様、遊ぼ。」

 

と近寄ってきては純に抱きついてくる。それを見ていた稟だったが、純が、

 

純「あのお姉さんも一緒に遊んでくれるよ。」

 

と言い、子供達が近寄ってきたので少々困っていた稟であった。

 

 

 

一刻後、

 

 

 

純「どうだった。子供達と遊んでみて。」

 

稟「そうですね。楽しかったですよ。この街がどれだけ平和なのかよく分かりましたし。」

 

純「そうだろ。あの子達の笑顔を見ていると、この平和がこれからも続くように俺は頑張ろうと思うんだ。」

 

稟「私も同じ意見です。だから、あなたについて行こうと決めたのですよ。純様。」

 

純「ありがとう、稟。」

 

それから2人の警邏は何事もなく終わっていったのであった。

 

 

 

そして、期日の10日が経った。

 

 

 

謁見の間

 

 

 

純「これが、俺の考えた改善案です。」

 

華琳「へえ、どこにそれを設置するかも詳しく書いてあるし、よくやったわ。」

 

純「ありがとうございます。」

 

華琳「ねえ純。この改善案、私が頼んだときには、ある程度考えていたでしょう?」

 

純「はい、そうですが。」

 

華琳「なら何故警備隊に入りたかったのかしら?」

 

純「その理由は2つあります。まず1つは、詰所の設置場所を何処にするか、2つめは、警備隊員には、街の人達と距離を縮めて欲しかったからです。」

 

華琳「1つめは分かったけど、2つめはどういう意味かしら?」

 

純「はい。警備隊には、街を守るだけでなく、その街の案内などして欲しかったので。それにはまず、街の人と距離を縮め話しやすくしないといけない。だから警備隊に入ってそれを教えたかったのです。」

 

華琳「そう、それなら良いわ。ご苦労だったわね。」

 

純「はっ。」

 

華琳「また、警備隊に関してはあなたに任せるわ。仕事は増えるかもしれないけど、頼むわね。」

 

純「はっ。お任せください。」

 

そして、純は警備隊の隊長も兼任したのであった。

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