恋姫無双〜覇王の弟〜   作:ホークス馬鹿

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55話です。

では、どうぞ。


55話

焔耶「兵の皆に負担を掛けてしまっている・・・。どうにか出来ないか。」

 

官渡の戦いで勝利した華琳と純は、河北四州に加え徐州に馬一門の涼州を新たに手に入れその広大な領地を支配下に置いた。

しかし、その反動で直面した緊急の課題は、兵力不足であった。その課題解決のために、凪と沙和にはいつも以上の強行ペースで新兵の育成を任せたのだったが、2人には警備隊の仕事もあるため、その疲労を焔耶は心配した。しかし、

 

凪『私達に出来ることは任せておけ。ただ、時々で良いから、純様にも詰所に顔を出して欲しい。』

 

沙和『なの!真桜ちゃんも、もうひと月くらい詰所に純様が来てないってぼやいてたの。』

 

と言った。

 

焔耶(ここまで勢力が拡大したのだ。周りも警戒するわけだ。翠達がいなかったら、もっと負担が掛かっていた・・・。)

 

そんなことを考えていると、

 

香風「焔耶。」

 

香風が焔耶の服を引っ張っていた。

 

焔耶「おお、香風か。この前の并州の遠征の話を聞くんだったな。確か、栄華様の護衛で行ってたんだったな?」

 

香風「・・・うん。凪達のお話が終わるの、待ってた。」

 

焔耶「そうか。では、昼を食べながらで良いか?」

 

香風「それでいい。ご飯もいっしょー。」

 

そして、焔耶は香風と一緒に食堂へ向かおうとしたその時、

 

霞「何やっとんねん!」

 

真桜「せやかて、これだけは譲られへん!」

 

霞と真桜の言い争いの声が聞こえた。

 

焔耶「・・・。」

 

香風「・・・焔耶。」

 

焔耶「・・・ああ。行くしかあるまい。」

 

そう言って、焔耶と香風は声のする方へ向かったのだった。

 

焔耶「・・・何やってんだ?2人とも。」

 

真桜「ん?ああ、焔耶と香風か。」

 

香風「ケンカ?」

 

霞「2人ともええ所に来た!ちょっとウチの話、聞いてくれへん?」

 

焔耶「別に良いが・・・霞、朝の軍議で、昼には稟と幽州の州境の警備に出ると言ってたはずだが?」

 

香風「うん。向こうで、稟が準備してた。」

 

霞「それにも必要な事なんや!稟の奴は待たしとったらええ!」

 

焔耶「・・・そんな大事な事なのか?」

 

すると、

 

霞「せや!これ、見てみ!」

 

霞がいつも使っている圓月刀を焔耶に見せた。

 

香風「おー。ぴかぴか。」

 

焔耶「うむ。そう言えば、この前の遠征で・・・」

 

霞「せや。折れてもうたから、真桜に新調してもろてん!」

 

焔耶「そう言えば、私の鈍砕骨も傷んでしまったから、真桜に新調させたな。前より使いやすくなったし、強度も増した。星も翠も槍を新調したら扱いやすくなったと喜んでいたな。」

 

真桜「ホンマか!そりゃ嬉しいわ!柄も刃も材料ぜーんぶ一から見直して、組み合わせ方も強度が出るように工夫しとる。姐さんが少々乱暴に使うたかて、絶対に壊れたりせぇへんよ!」

 

焔耶「では、何が問題なのだ?私同様、武器が扱いやすくなったのなら良いことじゃないか。」

 

香風「・・・重くなった?」

 

霞「んー。ちっと重うなった気はするけど、そこは不満やない。勢いも付くし、振り回した時の釣り合いも取れるしな。具合は前よりええくらいや。」

 

霞「こんだけ回せるようになりゃ、それこそ空かて飛べるかもな。」

 

香風「ほんと!?」

 

霞「え、なんや?そこ、そないに食いつくとこか?」

 

香風「空が飛べるの・・・だいじ。ホントに飛べる?」

 

霞「い、いや・・・ホンマに飛べるんかは、よう分からんけど。」

 

香風「・・・ざんねん。」

 

霞「まあそれはええ・・・ええけどな!」

 

焔耶「・・・けど、何だ?」

 

霞「ここの龍の角が一本増えとるのはどないなっとんねん!説明してもらおか!」

 

焔耶「・・・龍の角?」

 

そう言って、焔耶は圓月刀を見た。

 

霞「せや!せっかく関羽の圓月刀と並べてエエ具合になるようにしとったのに、台無しやないか!どないしてくれるんや!」

 

焔耶「・・・いつからそんなこだわりを?」

 

霞「反董卓連合ん時に、華雄を一発でノシた将がおるて聞いてな、どんな奴かってずーっと気にしててん。」

 

霞「で、こないだ益州に案内した時色々あったけど、その間関羽と少し話してな。これがまたエエ奴でなー!」

 

焔耶「そう言えば、霞は関羽と何か話してたな。」

 

霞「元々ウチも似たような武器使うてたから、ならちっと合わせてみようかって言うてやってみたんやけど・・・」

 

霞「ごっつお気に入りやったのに、それをなー!まだ半年も経ってへんのに、お前なー!真桜ー!」

 

真桜「せやかて強化したんやから、角増やさんと強そうに見えんやろ!」

 

霞「何が強そうにや!いじらんでも十分強いやねんから関係ないやろ!はよ直しや!」

 

真桜「直さへん!十倍強うなったら、十倍強う見えんとアカンやろ!どうしてもそこ直せっちゅうんなら、牙の数を倍にさせてもらうで!」

 

霞「アホかーっ!そんなん直すて言わんわ!もっと台無しやろ!」

 

焔耶「・・・はぁ。」

 

香風「・・・焔耶。」

 

焔耶と香風は、特に焔耶は少し呆れてしまっていた。その時、

 

風「あー。焔耶ちゃん、こんな所でご休憩ですかー。」

 

稟「あのー、焔耶。霞を見ませんでしたか・・・?」

 

稟と風がやって来た。

 

焔耶「・・・今真桜と言い争ってる。大丈夫なのか?」

 

稟「・・・まあ、暫くなら構いませんよ。純様と曹操殿は、今面会の最中ですから。」

 

焔耶「面会?朝廷の使者か?」

 

風「それは先程済みまして・・・。今は関羽さんにお会いしてますよー。」

 

すると、それを聞いた霞は、真っ先に玉座の間に駆け、焔耶達もそれに続いて行ったのだった。

 

 

 

 

 

玉座の間

 

 

 

 

 

霞「・・・おお、ホンマや。ホンマに関羽がおる。」

 

燈「静かに。挨拶中よ。」

 

その玉座の間には、関羽の他に厳顔がいた。

 

関羽「曹孟徳殿、曹子元殿。先日は大変お世話になりました。」

 

華琳「到着の報は純と燈、そして霞から聞いていたし、こんなに早く礼状を寄越さなくても良かったのよ。まだ旅装も解き終わっていないでしょうに。」

 

関羽「無事な到着を、きちんとした形で報告したいという、桃香様とご主人様の強いご意志でしたから。」

 

純(それ、本当か・・・?焔耶にあんなに怒鳴られて気絶してしまったし、北郷の方も星に何か言われてからおかしかったと聞いたし・・・?)

 

華琳「相変わらず劉備には甘いのね、関羽。」

 

関羽「周りが厳しいですから、少しくらいは。こちらが親書となります。」

 

そして、関羽は親書を渡した。

 

華琳「・・・そう。」

 

焔耶「・・・あの副官、確か・・・」

 

燈「厳顔。益州州牧、劉璋殿の部下ね。恐らく劉備様が華琳様と純様に使者を出すと言うから、お目付役として付けられたのでしょうね。」

 

焔耶「劉備も益州に入ったばかりだ、そのくらいは仕方ないか。」

 

その間、華琳は手紙の封を切り、紙に記された文に内容を目で通した。そして、純にも手紙を渡し、純も劉備の手紙に目を通した。そして、

 

純「返事は数日中にしたためるから、今日は退がりな。部屋は城内に用意させているが・・・。」

 

関羽「お心遣い、痛み入ります。ですが急な訪問でしたし、既に城下に宿を取らせましたので・・・本日は、これにて。」

 

純「そうか。ならば、手紙を用意したら使いを向かわせる。」

 

関羽「はっ。お待ちしております。」

 

そして、関羽達は悠然と礼をしてその場を後にした。

霞は関羽の後を追い、稟は呆れながら霞の後を追い掛けたのであった。

 

純「姉上、大丈夫ですか?」

 

華琳「ええ、いつもの頭痛だから、大丈夫よ。」

 

純「まあ、なんでかは察しがつきますが・・・。」

 

風「おやおや。お医者様をお呼びしましょうか?」

 

真桜「それとも、そんな手紙やったん?」

 

華琳「医者は結構よ。」

 

純「手紙は・・・興味があるなら好きに見な。」

 

そう言って、純は手紙を真桜に渡した。それを覗き込むように焔耶も見てみたが、その内容を見て、

 

真桜「何というか・・・。」

 

焔耶「こやつの頭の中はどうなってるんだ・・・。」

 

呆れかえってしまった。

 

焔耶「しかし、城下に宿を取ったという事は、視察のためか?」

 

純「恐らくな。」

 

華琳「別に構わないわ。見られて困る物はないし。」

 

純「そうですね。それより稟、これから霞と幽州だろう?関羽を引き留めても視察の邪魔だろうし、そろそろ迎えに行ってきな。」

 

稟「了解です。・・・それでは行って参ります。」

 

そう言って、稟はその場を後にした。

 

華琳「・・・ふぅ。」

 

香風「華琳様、まだ頭痛い?」

 

焔耶「休まれては?」

 

華琳「そうも言ってられないわ。」

 

真桜「あのよう分からんお手紙の返事をどうするかか?」

 

華琳「そちらも頭が痛いけれどね。先程、都の大長秋から使者が来たのよ。」

 

純「司隷をあげるでしたね。」

 

華琳「ええ。」

 

焔耶「・・・何と!?」

 

真桜「はぁあ・・・っ!?司隷って、あの朝廷のお膝元かいな。」

 

純「正確には、司隷の警護と維持管理の権限だがな。いずれにしても、これを受ければ司隷に公然と兵を入れられるようになるな。」

 

焔耶「それで、お館と華琳殿はその話を受けるのですか?」

 

華琳「もちろん受けるわ。」

 

純「反対か?」

 

焔耶「いえ、ただ・・・」

 

燈「・・・人は今よりもっと足りなくなるわね。」

 

真桜「それに、周りからめっちゃ警戒されると思うんですけど。」

 

風「朝廷には新たな天子様がおりますが、その天子様を好き勝手にするとか、専横を働くとか、都を陳留に移すんじゃないかとか、色々言われる可能性も出て来ますねー。」

 

焔耶「遷都なさいますか?」

 

純「・・・遷都はしねーよ。」

 

華琳「ええ。守ってあげる分には構わないけれど、権力争いはあの壁の中でしていて欲しいわ。」

 

華琳「それに、あのいざこざに付き合うくらいなら、劉備の文通相手でもしていた方がいくらかマシよ。」

 

真桜「どんだけ都嫌いやねん、華琳様。」

 

純「あはは・・・。それでは姉上、俺は書類の整理がありますので、これにて。」

 

華琳「ええ、分かったわ。」

 

そう言って、純はその場を後にした。

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