恋姫無双〜覇王の弟〜   作:ホークス馬鹿

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62話です。

今回は何名かは戦に参戦していないので、好きなキャラがいたらお許しください。

また、上手く纏まってないですし、やり過ぎた場面もあるので、もしそう感じたら遠慮無くブラウザバックして下さい。

では、どうぞ。


62話

魏軍と蜀軍は、共に祁山に到着し、それぞれ陣を構えた。

 

 

 

 

魏軍本陣

 

 

 

 

秋蘭「純様、蜀軍の陣が展開していきます。」

 

純「そうか。劉備達もか?」

 

焔耶「まだ・・・いえ、出て来ました!天の御遣い北郷一刀も一緒です!」

 

純「まずは舌戦か・・・。何人か付いてこい。」

 

焔耶「はっ!」

 

霞「ウチも行くでっ!」

 

星「私も行きます!!」

 

翠「あたしも行くぜっ!」

 

純「分かった。残る皆は敵の陣形に応じて配置を調整しておけ。秋蘭、稟、風、判断は任せるぞ。」

 

秋・稟・風「「「「御意。」」」」

 

そして、純は馬に乗って行き、劉備と北郷に向かい合った。

 

純「また侵略してくるとはな、劉備、北郷。」

 

劉備「曹和さん・・・。」

 

北郷「曹和・・・。」

 

純「何故我が国に侵略した!我らに何の恨みがあるというのだ!」

 

劉備「曹和さん、やっぱりあなたとこの場にいないあなたの姉の曹操さんのやりかたは間違っています!!力で制圧して、人を殺して!!だから、あなた達を倒すためにここに来たんです!!」

 

純「それで、お前達はどうやってこの大陸に平和な世を作るのだ?」

 

劉備「皆で話し合い、手を繋ぐ。それで、平和な世の中になります。」

 

純「先の戦で姉上も言っていたが、なら何故兵を率いてここまで来たのだ?話し合うなら、兵など必要ないのではないのか?」

 

劉備「そ、それは・・・。」

 

純「それに話し合うなら、使者を送るという手もあるな。何故それをしなかったのだ?」

 

劉備「え、えっと・・・。」

 

北郷「お前、桃香を・・・!」

 

純「口を慎め北郷一刀!!」

 

北郷「何っ!?」

 

純「この場は貴様の出る幕ではない!!」

 

北郷「何だとっ!?お前、俺を誰だと思っている!!」

 

純「天の御遣い北郷一刀だろ?」

 

北郷「そうだ!!俺は天の御遣いなんだぞ!!」

 

純「それがどうした?」

 

北郷「な、何・・・!?」

 

純「その肩書きがなんだと言うのだ。お前は劉備の臣下だろう?臣下が出しゃばって口を出すな!!」

 

北郷「くっ!!」

 

純「それで劉備、何故それをしなかった?」

 

劉備「・・・。」

 

純「何も言えないのか・・・。お前、自分の言っている事と実際にやっている事の矛盾に気付かねーのか?」

 

劉備「え・・・?」

 

純「お前、話し合うと言いながら、先の戦同様兵を率いているし、国を侵略している。お前、自分のやっていることを自覚しているのか?」

 

劉備「いいえ!私とご主人様の理想には、一切の矛盾はありません!!私達の理想が絶対なのです!!間違っているのはあなた達です!!」

 

純「・・・そうか、ここまで言っても通じないか・・・。なら、話は終わりだ、行くぞ!!」

 

そう言って、純はその場を後にし、魏軍に戻った。

 

北郷「行くぞ、桃香!!俺達の理想が絶対だという事を証明しよう!!」

 

劉備「そうだね、行こう!!」

 

劉備達も、蜀軍に戻った。

 

 

 

 

 

純「全軍戦闘態勢に入れ!!己の友、思い人、家族を、そして我が姉であり、覇王である曹孟徳を守るため、侵略者である蜀の軍勢を叩き潰せ!!曹魏の牙門の下、各員奮励努力せよ!!」

 

そう言い、兵を鼓舞した。

 

魏軍兵士「「「おおーっ!!」」」

 

そして、馬上で太刀を抜き、

 

純「弓隊、撃てーっ!!」

 

そう命じたのだった。純の命令で、秋蘭を始めとした弓隊全員が、蜀軍に向けて矢を放った。すると、多くの矢が蜀の陣営に届き、

 

蜀軍兵士「「「ぎゃーっ!!」」」

 

多くがその矢の餌食となった。それと同時期に、

 

真桜「凪!沙和!照準はどないや!」

 

凪「問題は無い!」

 

沙和「距離良し!方向良し!目標、蜀軍に合ってるの!」

 

真桜「よっしゃ!なら、撃てーぃっ!!」

 

投石機も発射され、蜀軍は多くの被害を受けた。

 

劉備「戦車(兵を乗せて運ぶ馬車)隊突撃!!」

 

それを見た劉備は、戦車隊を突撃させた。

 

北郷「行けーっ!!」

 

それに対し魏軍は、

 

純「盾隊、前へ!!」

 

大きな盾を持っている盾隊を前に出し、槍を構えながら防御の構えを取った。そこに突撃していく蜀軍の戦車隊だったが、

 

魏軍兵士「「「ふん!!」」」

 

蜀軍兵士「「「うわーっ!!」」」

 

盾に止められその反動で宙に放り出された蜀軍の兵士は、

 

蜀軍兵士「「「ぎゃーっ!!」」」

 

すぐに魏軍の槍の餌食となった。その際、霞と星が率いる騎馬隊が劉備軍の奇襲のため、準備を進めていたのだった。

その間も、魏軍と蜀軍との間には激しい戦いが続いていた。

 

純「戦車隊、進めーっ!!」

 

魏軍兵士「「「おおーっ!!」」」

 

蜀軍「「「ぎゃーっ!!」」」

 

とは言え、戦いは数と質と士気において魏軍が上であったため、魏軍が優勢であった。対して蜀軍は、先の戦での敗北とクーデターによって、兵士の心は全く纏まっておらず、士気もあまり良くなかったのだった。

 

純「騎馬隊、歩兵隊、進めーっ!!」

 

春蘭「行くぞ、翠!!」

 

翠「ああ!!錦馬超の槍の冴えを、劉備達に焼き付けてやるぜ!!」

 

焔耶「我らの力を劉備に見せつけるのだー!!」

 

春蘭と翠、そして焔耶が先頭に立って、騎馬隊と歩兵隊を率いて突撃していった。

 

劉備「騎馬隊進め!!」

 

それを見た劉備は、騎馬隊を突撃させた。

 

関羽「・・・行くぞ!!」

 

張飛「・・・応なのだ!!」

 

その際、関羽と張飛は、複雑な表情を浮かべながら騎馬隊を率いて突撃していったのだった。

そして、両軍の騎馬隊が激突したのだが、不利な状況は変わらなかった。それを見ていた北郷は、

 

北郷「桃香、剣を!!」

 

桃香「え!?う、うん。」

 

劉備の剣を取って、

 

北郷「この役立たずが!!」

 

蜀軍兵士A「ぎゃーっ!!」

 

蜀軍の兵士を斬り殺したのだった。

 

北郷「こうなりたくなければ、魏を曹和を殺せ!!」

 

劉備「ご主人様の言う通りだよ!!進めーっ!!」

 

そう言って、蜀軍を強引に突撃させたのだった。その様子を見ていた霞と星率いる奇襲部隊は、

 

霞「突撃ー!!行けーっ!!」

 

星「義は我らにあり!!行けーっ!!」

 

そう言って、劉備軍に奇襲を掛けた。春蘭と翠、そして焔耶の武勇、そして霞と星の巧みな指揮により、蜀軍は益々劣勢になっていき、陣営は乱れに乱れていったのだった。

 

関羽「くっ!!このままでは・・・鈴々、無事か!!」

 

張飛「無事なのだ!!けど、このままじゃ全滅なのだ!!」

 

関羽「ああ!!どうすれば・・・!!」

 

この様子に、関羽と張飛は顔を歪ませたのだった。蜀軍の本陣でも、状況が悪化したのを見た鳳統は、

 

劉備「装甲隊、突撃だよ!!歩兵隊、進めーっ!!」

 

鳳統「桃香様、どうかお止め下さい!!我が軍は乱れております!!やはりここは、退却すべきです!!」

 

劉備にそう言ったのだった。しかし、

 

北郷「何を言ってるんだ、雛里!!ここは攻撃を続けるべきだ!!」

 

北郷が首を突っ込んでそう言った。

 

劉備「そうだよ!!ご主人様の言う通りだよ!!私達は何にも間違ってないのに、ここで退いたら向こうが正しいって事になっちゃうよ!!」

 

北郷「そうだ!!こんな状況、気合でどうにかしろ!!」

 

鳳統「ご主人様!!桃香様!!」

 

すると、

 

鳳統「あれを見て下さい!!魏の騎馬隊が、既に我が軍の中軍を破りました!!今すぐ退却を!!」

 

と鳳統は、そう訴えた。

 

鳳統「早く!!お願いです!!」

 

劉備「嫌だ!!」

 

北郷「ここは退かないぞ!!」

 

しかし、劉備と北郷は全く耳を貸さないので、

 

鳳統「すいません!!二人をお願いします!!」

 

近くの兵士を呼んで、退却させた。

 

劉備「嫌ーっ!!」

 

北郷「離せ!!離せーっ!!」

 

そして、

 

関羽「退却!!」

 

張飛「退却なのだ!!」

 

関羽と張飛も、本陣の様子を見て退却をしたのだった。こうして、魏軍と蜀軍の最初の戦いは、魏軍の大勝に終わった。

 

 

 

 

魏軍本陣

 

 

 

 

春蘭「初戦は我らの大勝だな!!」

 

翠「ああ!!武具も沢山奪ったしな!!」

 

と春蘭と翠は、初戦の大勝に喜んでいた。

 

純「確かに喜ばしいことだ。しかし、蜀軍もまだ本国に撤退していないし、劉備と北郷はまだ生きている。油断はするなよ。」

 

春蘭「はっ!!」

 

翠「分かってる、純殿!!」

 

純「うむ。秋蘭、兵達に勝利を喜ぶのは良いが、気を緩めてはならぬと言っておいてくれ。」

 

秋蘭「はっ。」

 

純「皆の奮戦のお陰で、初戦は勝った!しかし、まだ気を緩めてはならん!戦はこれからだ!劉備達を倒し、陳留にいる姉上に勝利を届けよう!!」

 

「「「御意!!」」」

 

純の言葉に、将は皆奮い立ったのであった。

 

 

 

 

 

蜀軍本陣

 

 

 

 

 

北郷「クソッ!!曹和の奴め!!」

 

その頃、北郷は初戦の敗北の悔しさのあまり、周りの物に当たり散らしていた。

 

北郷「あの極悪人め!!絶対許さない!!」

 

劉備「そうだねご主人様!!また人を沢山殺して!!」

 

北郷「ああ!!奴は人間じゃない!!残虐な奴め!!」

 

鳳統「ご主人様、桃香様、どうか怒りを静めて下さい。」

 

北郷「大体雛里!!何故退却させた!!もし退かなかったら、俺達が勝っていたかもしれないじゃないか!!」

 

劉備「そうだよ!!雛里ちゃん酷いよ!!」

 

鳳統「いいえ、我が軍の陣営は完全に乱れておりました!!あのままでは、我が軍は今より多大な犠牲が出ていたかもしれません!!だから、退却させたのです!!」

 

北郷「うるさい!!そんなの、気合でどうにかしろ!!」

 

鳳統「ご主人様!!」

 

その時、

 

関羽「ご主人様!!雛里を責めるのはお止め下さい!」

 

張飛「そうなのだ!お兄ちゃん止めるのだ!!」

 

関羽と張飛が入ってきて、北郷を止めたのだった。

 

北郷「愛紗、鈴々・・・。」

 

関羽「先程の戦い、もしあのまま戦闘を続けていたら、我が軍の被害は甚大なものとなっておりました!!雛里の判断は何一つ間違っておりません!!」

 

北郷「そんなの、気合でどうにかできる!!」

 

関羽「そんなのでは戦況は覆りません!!ご主人様、いい加減現実を見て下さい!!」

 

張飛「そうなのだ!!お兄ちゃんも桃香お姉ちゃんも、いい加減夢ばかり見るのは止めるのだ!!」

 

北郷「・・・るさい。」

 

関・張「「?」」

 

北郷「うるさいうるさいうるさい!!俺は何も間違っていない!!俺は正しいんだ!!俺が正義なんだ!!いちいち俺に口答えするな!!」

 

関羽「ご主人様!!」

 

張飛「お兄ちゃん!!」

 

劉備「そうだよ愛紗ちゃん、鈴々ちゃん、ご主人様は何も間違ってないんだよ!!何で分かってくれないの!!二人とも、最低だよ!!」

 

関羽「桃香様!!」

 

張飛「桃香お姉ちゃん!!」

 

この言葉に、関羽と張飛は絶句してしまった。この一件以降、蜀軍の雰囲気は更に悪くなってしまったのであった。


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