恋姫無双〜覇王の弟〜   作:ホークス馬鹿

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63話です。

この戦いは、ある戦いを参考にしております。とはいえ、史実はこういう戦いではなかったらしいですけどね・・・。

では、どうぞ。


63話

戦いが始まってから半月が経過し、依然として魏軍が優勢であった。しかし、蜀軍も不利とはいえ、鳳統の策で何とか持ち堪えており、両軍暫くにらみ合いが続いた。

それが暫く続き、月が変わり季節は夏になった。

 

 

 

 

蜀軍本陣

 

 

 

 

 

鳳統「ご主人様、桃香様。我が軍は、風土の馴染まない戦地での生活に体調を崩す兵が出てきています。酷暑で水源が枯渇し、汚水を飲むため、疫病が蔓延しています。」

 

鳳統「昨日私が愛紗さんと視察に行きましたら、感染した兵が多く見られ、2つほどの陣営がやられており、その影響で兵士は厭戦気分になっております。よって、ここは成都に撤退するべきかと。」

 

劉備「・・・愛紗ちゃんもそうなの?」

 

関羽「私も雛里の意見に賛成です。今の状態で戦に挑んだら、我が軍は敗北します。」

 

北郷「・・・皆も同じ意見なのか?」

 

北郷のその発言に、

 

張飛「兵達もお休みを取れば、絶対に元気一杯になると思うのだ・・・。」

 

張飛もそう言い、他の将も張飛と同じ反応をした。しかし、

 

北郷「今ここで退けば、俺達の正義が負けたと世間がそう言い、兵の士気も大きく下がると思うぞ。」

 

北郷「それにこの暑さが辛いのは、魏も同じじゃないのか?この暑さに気合で勝てば俺達の勝ちだ。」

 

劉備「そうだよ、ここで退いちゃったら私達の理想が叶わないよ。だから、全軍撤退しないで、山林の茂みに移し、谷川沿いに留まって、秋になったら兵を進めよう。」

 

と聞かず、むしろ山林の茂みに陣を移すと言った。それを聞いた鳳統は、

 

鳳統「それは駄目です!!確かに山林の茂みに入れば、酷暑を避けることは出来ます!!しかし、敵に火攻めの絶好の機会を与えてしまいます!!それにここ最近酷暑の影響で雨が降っておりません!!その状態で火攻めを受ければ、我が軍は火鉢同然です!!」

 

と反対し、

 

関羽「私も雛里の意見に賛成です!!もし山林に我が軍全てを移したら、魏は必ず火攻めを行います!!そうなれば、我が軍は一巻の終わりです!!」

 

関羽もその意見に賛成した。しかし、

 

北郷「大丈夫だよ。そんなの、曹和が気付くはず無い!!もう俺と桃香が決めた事だ!!」

 

劉備「そうだよ、ご主人様の言う通り!!私とご主人様の考えに逆らわないで!!」

 

と言い、全く耳を貸さなかったのだった。これには、

 

関・鳳「「・・・。」」

 

関羽と鳳統は、複雑な表情を浮かべたのであった。

 

 

 

 

 

魏軍本陣

 

 

 

 

 

純「それは確かな情報か?」

 

稟「はい。私の隠密によりますと、蜀軍は現在陣を林に移動したとの事です。」

 

稟「縦横数十里程の長さで陣を構えております。」

 

純「移したのは一部か、それとも全軍か?」

 

稟「全軍です。蜀軍本陣も、林の中に。今は夏です、秋になってから戦うつもりだと思います。」

 

それを聞いた純は、

 

純「・・・そうか。蜀軍は、これで必ず負ける。稟、皆を集めてくれ。」

 

稟「はっ!!」

 

そう言い、稟に皆を集めるよう命令した。

 

 

 

 

 

純「この戦が始まってもうすぐ一ヶ月が経つ。皆、この厳しい戦いの中よく戦ってくれた。しかし、それももうすぐ終わる。」

 

秋蘭「それは何故でしょうか?」

 

純「蜀軍は、現在この酷暑と風土と疫病の影響で2つ程陣営がやられている。ただでさえ兵の心が纏まっていない状況だ、更に士気は落ちる。この蜀軍の損失は、大徳を唱えておきながら私利私欲で戦を起こし、大地と民を苦しめた天からの怒りに等しい!!」

 

この発言に、

 

春蘭「はっはっはっは!!流石純様!!」

 

秋蘭「そういうことですか・・・!!」

 

焔耶「六万の蜀軍が、不義で病人の群れに成り果てたんですね!!」

 

凪「成程・・・!!」

 

真桜「流石大将や!!」

 

沙和「スゴイのー!!」

 

霞「よう言うたでー、純!!」

 

星「流石です、主!!」

 

翠「純殿、流石だぜ!!これで勝てる!!」

 

風「・・・ぐぅ。」

 

稟「寝るな!!」

 

風「・・・おぉっ!?純様の凄さについ・・・。」

 

稟「全く・・・。けど、風の言う通りですね。」

 

諸将は皆、純に賛辞の言葉を言った。

 

純「病だけに留まらねーぞ。皆、目の前の山林を見ろ。」

 

と純は皆に山林を見るよう指を指した。

 

純「乾いた薪が、竈に積み上げられたも同然。後は火を用意するだけで、蜀軍は、無残な目に遭うだろう。そしてこの炎は、天地が裂けんばかりの勝利の炎となるだろう!!」

 

この言葉に皆の心は最高潮に昂ぶり、

 

「「「はっ!!!」」」

 

皆揃って純に拱手し、益々敬服したのであった。そして、それぞれ準備を進めたのだった。

 

 

 

 

そして夜、

 

 

 

 

秋蘭「鏑矢を合図とし、蜀軍の軍営に火攻めを仕掛け、敵軍が乱れるのを見て、中へと突撃する!!」

 

春蘭「純様の命だ、逃がすな!!とことん追え!!恐怖を劉備と北郷の心に刻み込ませろ!!」

 

魏軍兵士「「「御意!!!」」」

 

焔耶「肝に命じろ!!この戦、必ず勝つ!!」

 

魏軍兵士「「「必勝!!!必勝!!!必勝!!!必勝!!!」」」

 

霞「勝って、ウチらにとって大切な人を守るんやー!!」

 

星「大義は我らにあり!!」

 

翠「あたし達は、純殿と共にあり!!」

 

魏軍兵士「「「曹和様と共にあり!!」」」

 

 

 

 

 

魏軍本陣

 

 

 

 

 

純「・・・真桜、鏑矢を放て!!」

 

真桜「了解!!」

 

純の命令で、鏑矢が放たれた。

 

 

 

 

 

それを見た秋蘭は、

 

秋蘭「火を点けろ!!」

 

そう命令し、兵達は、矢や投石器の石に火を点け構えた。

 

春・秋・焔・霞・星・翠「「「「「「攻撃開始ーっ!!!!!!!」」」」」」」

 

そして、大量の火矢と火の点いた石が一斉に蜀軍陣営に向けて放たれた。そして、蜀軍陣営は一気に火に包まれた。

 

蜀軍武将A「逃げるな!!火を消せ!!急げ!!」

 

消火活動しようとするが、尽きること無く火矢などが来るのと、山林の茂みの中にあるため、中々火が消えなかった。その間も、魏軍は容赦なく火矢と火の点いた石が放たれるため、被害はどんどん広がっていった。

 

春蘭「一気に攻め入る!!蜀軍を殺せ、突撃ーっ!!」

 

秋蘭「行くぞーっ!!」

 

焔耶「うおーっ!!」

 

霞「行くでーっ、皆ーっ!!」

 

星「この槍の錆としてくれる!!」

 

翠「奴らを殺せーっ!!」

 

そして、魏軍は一気に蜀軍陣営に向かって突撃した。

一方の劉備と北郷は、目が覚めると火が点いてる事に呆然とした。その時、

 

関羽「ご主人様!!桃香様!!」

 

関羽が入ってきて、

 

関羽「火攻めを仕掛けられました!!火の勢いが強く、多大な犠牲が・・・。」

 

火攻めを食らった事を言った。これには、

 

劉備「・・・火攻め?」

 

北郷「どういう事だ?」

 

劉備と北郷は呑み込めなかった。

 

関羽「はい!!陣屋は全て林の中!!私と雛里の懸念通り、魏軍は火攻めを仕掛けました!!私がここに駆けつけたときは、既に火の海でした!!」

 

それを聞いた劉備と北郷は、

 

劉備「・・・っ!!」

 

北郷「・・・クソッ!!」

 

剣を持って外に出ようとした。

 

関羽「ご主人様!!桃香様!!お待ちを!!」

 

そして、外を見ると、

 

蜀軍兵士A「うわーっ!!」

 

蜀軍兵士B「あちーっ!!あちーよーっ!!」

 

蜀軍兵士C「た、助けてくれーっ!!」

 

阿鼻叫喚とした様子が映し出されていた。

 

春蘭「私に付いてこい!!蜀軍を皆殺しにしろ!!」

 

秋蘭「皆殺しだーっ!!」

 

焔耶「蜀軍を皆殺しにしろー!!」

 

霞「皆殺しやーっ!!」

 

星「容赦するなーっ!!」

 

翠「うおーっ!!」

 

関羽「ご主人様!!桃香様!!早く馬に!!」

 

それを見た関羽は、早く馬に乗って逃げるよう言ったが、二人は聞こえないのか、呆然としたまま歩いて行った。それを

 

関羽「ご主人様!!桃香様!!早く馬にお乗り下さい!!私が何とかお守り致します!!」

 

関羽は必死に言った。途中、

 

張飛「お兄ちゃん!!桃香お姉ちゃん!!早く馬に乗るのだ!!」

 

蜀軍武将B「早く馬に!!」

 

蜀軍武将C「早くお乗り下さい!!」

 

その時、

 

北郷「魏軍は何て、何て言ってんだ・・・?」

 

劉備「何て言ってんの、愛紗ちゃん?」

 

と言った。

 

関羽「ご主人様、桃香様・・・。」

 

北郷「魏軍は何て言ってんだと聞いてんだ!!」

 

北郷は、言わない関羽に怒鳴りつけるようにまた言った。

 

関羽「・・・魏軍は叫んでいます。口々に、我が軍を皆殺しにしろと・・・!!」

 

これには、関羽はそう答えた。それを聞いた劉備と北郷は前に進み、

 

北郷「俺は退かない!!」

 

劉備「私も!!」

 

関羽「ご主人様!!桃香様!!」

 

北郷「全軍に伝えろ!!今こそ決戦の時!!曹和を討てーっ!!」

 

劉備「魏を殺せーっ!!」

 

そう叫ぶように言った。

 

関羽「ご主人様!!桃香様!!早く馬に!!」

 

張飛「そうなのだ!!」

 

関羽と張飛らは必死に止めたが、

 

北郷「離せー!!」

 

劉備「離して!!」

 

北郷と劉備は振りほどいて、

 

北・劉「「行けーっ!!」」

 

と剣を抜いて言い、突撃しようとした。それを見た関羽は、

 

関羽「ご主人様と桃香様をお守りせよっ!!」

 

と命令した。それに蜀軍兵士は二人の盾となり、二人は死なずに済んだ。しかし、それでも攻撃が続いたので、盾となった兵は全滅した。

それを見た関羽は、前に立ち圓月刀を振るって敵兵を倒していった。

 

張飛「愛紗!!」

 

関羽「鈴々!!早くお二人を!!私も後で行く!!」

 

張飛「分かったのだ!!」

 

そう言って、関羽は魏軍の兵士を倒していった。

 

北郷「曹操と曹和を殺せーっ!!」

 

劉備「魏を皆殺しだーっ!!」

 

北郷「曹操と曹和を殺せーっ!!」

 

張飛「お兄ちゃん!!桃香お姉ちゃん!!」

 

その間も、張飛は二人を抑えていき、何とか退却した。

そしてこの戦いは、蜀軍の完全な敗北に終わり、先の戦以上の大きな損耗を受けたのだった。

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