今年最後の投稿です。この小説、今年の6月から始まっておりますが、ここまで続くとは自分自身思っておりませんでした。
このような拙作でも読んでくれ応援してくれた方々に感謝です!!
来年もよろしくお願いします。
では、どうぞ。
雪蓮達が曹魏に滞在して二ヶ月が経った。
雪蓮「それじゃ、またね♪華琳、純!」
華琳「ええ、元気で。」
純「またな。」
雪蓮達は、曹魏の皆と交流を深め、互いに真名を交換した。
その際焔耶と交換するとき、このようなやり取りをした。
雪蓮「あなたの活躍、よく聞いてたわ。今あなたと戦をしたら孫呉はどうなるか・・・。」
冥琳「そうだな、雪蓮。焔耶、成長したようだな。」
焔耶「私は、お館に会えたから今がある。もしお館に会えなかったら、私は今頃野垂れ死んでいた。だから、お館に感謝している。」
雪蓮「・・・そう。母様も恐らく、あなたの成長を草葉の陰から見ていると思うわよ。」
焔耶「そうだと良いな。」
冥琳「ところで焔耶、お前は紫苑を知っているか?」
焔耶「知っているが、孫呉に仕えているのか?」
冥琳「ああ、今は我ら孫呉の重鎮として仕えている。お前の活躍を自分の事のように喜んでいたぞ。」
焔耶「・・・そうか。なら、紫苑に伝えてくれ。互いに、大陸の明日のために頑張ろう。そして、会う機会があったら酒を飲もうと。」
冥琳「分かった、紫苑に伝えておく。」
そう言って、雪蓮達は曹魏を後にしたのだった。
それから暫く経ったある日の事だった。
秋蘭「ん?」
その日、秋蘭は廊下を歩いていた。その時、ふと中庭を見ると
純「・・・。」
純がいつもいる中庭の木の下で寝てはいないが横になっていた。
秋蘭(いつもの純様と雰囲気が違う・・・。)
そう思った秋蘭は、中庭に出た。
秋蘭「純様・・・?」
そう言って声をかけると、
純「・・・あぁ、秋蘭か・・・。」
純は元気ない返事をした。
秋蘭「中庭に目を向けたら純様が見えましたので・・・。どこか体調が悪いのですか?元気が無いようですが・・・。」
純「・・・そんなことねーよ。・・・ちょっと考え事してたんだよ。」
そう話す純だったが、やはり元気が無かった。そう思った秋蘭は、純の横に座った。
秋蘭「何を考えてたんですか?」
そして、秋蘭はそう尋ねた。
純「大したことじゃねーんだけどな。・・・戦が終わっただろう・・・。」
そう言った純は、一度言葉を止め、すぅっと目を細めた。
純「泰平の世になったら・・・俺はどうしようかなぁって思ってな。」
純「平和になったとは言え、まだ基盤が固まっていねーし、不穏分子の影もあるし、やるべき事が無いわけでは無い。しかし、それは俺がやらなくても出来る事だ。」
純「飛鳥尽きて良弓蔵められ、狡兎死して走狗煮らるって言うだろ?余程のことが無い限り、官渡や蜀との戦いは、もう起きる事はねーだろうな・・・。俺や姉上が、いや、民が最も望んでいた世だからそれで良いんだが・・・。」
秋蘭「純様・・・。」
純「姉上には国を治める才がお有りだ、姉上はそれで構わない。桂花達軍師は、文官の仕事があるからな。」
純「俺に出来る事は、幼い頃の目標だった、衛青や霍去病のように戦場で功を立て敵を斬り殺す事しかねーよ。」
秋蘭「しかし、純様は蜀を平定した後、一時期ですが蜀の民を安んじました。純様にも、華琳様同様国を治める才があります。」
その時、秋蘭は蜀を平定した後の事を言って純をフォローしたのだが、
純「そんなのは、姉上だったらもっと良い方向に民を安んずる事は出来たよ。俺は戦においては、姉上に勝てる自信はある、しかし政に関しては、俺は姉上に到底及ばねーよ。」
純はそう返したのだった。
純「ありえぬ事だが、姉上が用済みだと判断したら、俺は韓信元帥の様に粛清されるやもな・・・。」
それを聞いた秋蘭は、
秋蘭「そんな事、私が決してさせません!!」
と怒鳴ったのだった。
純「秋蘭?」
秋蘭「もし華琳様がその様な事を純様に命令したら、私が華琳様を・・・」
純「秋蘭!」
秋蘭「!」
純「それ以上は言うな・・・。」
秋蘭「・・・大変申し訳ございません。しかし、私にとって、純様はかけがえのないお方なのです!!それは私だけじゃ無く、焔耶や稟、風、霞、凪、真桜、沙和、そしてこの曹魏の兵達も同じ思いです!!」
秋蘭「その様な事、二度と言わないで下さい・・・。でないと、私が私でいられなくなります・・・。」
そう秋蘭は涙を流して述べたのだった。
純「・・・。」
すると、純は身体を起こすと、秋蘭の頭を撫で、抱き締めた。
秋蘭「・・・!!」
純「・・・ありがとう。お前がそう言ってくれるのは、スゲー嬉しい。・・・けどな」
純「武官は、平和になれば役目を終える。平和なのは勿論良いことだ、望んでいた事だからな。けど、武官として戦場で武を振るい、功を立てる事は、俺にとって非常に大切な事で、俺の存在意義でもあるんだ。」
純「平和は良いことなんだが・・・正直俺は、自分を見失ってしまいそうでな・・・。」
秋蘭「純様・・・。」
その時、秋蘭は純の右手に、そっと自身の左手を伸ばした。指先が触れると、一瞬小さく震えたが、指を絡めたら純は握り返してくれた。
秋蘭「・・・純様は、そういうお考えなのですか・・・。」
純「ああ・・・、スマンな。」
秋蘭「謝ることではありませんが・・・。」
その時、ある事を思いついた秋蘭は
秋蘭「純様、如何でしょう?これまで経験した戦を、何か物語として書き記すというのは?」
こう純に言った。
純「物語!?今までの経験を?」
秋蘭「はい。初めて戦に出たときから今に至るまでの事を全て物語のような形で書き残すのです。」
純「おお!!それ良いな!!経験したって事は、今だったら北方平定までだな。」
すると、純は反応し、食いついたのだった。それを見た秋蘭は目を細めて微笑みながら
秋蘭「はい。そこまでの事を物語のように書くというのも面白いかもしれません。」
そう言った。
純「確かに面白そうだ!!」
純「ありがとな、秋蘭!!お前のお陰で、胸が軽くなった!!それだけじゃ無い、まるで戦に出る時みてーな気分になったぞ!!」
秋蘭「ふふっ、それを聞いて安心しました。」
純の様子を見た秋蘭は、安心した笑みを浮かべ、自分のことのように嬉しくなったのだった。
余談だが、純は自身が経験した戦を物語形式で纏め出版し、これは魏だけでなく、大陸全体で大ヒットしたのであった。