それから二人は周囲を警戒しつつ進み、
向かってくるモンスターを倒し続けます
最初に比べると少し守くんに興味を持ってくれたのでしょうか、
セレスティナさんが時折りあれこれと教えてくれるようになりました
「いいかい? モンスターの気配を感じるなんてこと、一朝一夕ではできないから感覚に頼ってはいけないよ、
ここら辺に生息しているフォード・ティラニエルは一定の間隔で縄張りを作っているんだ、
だから最後に遭遇した場所から一定の距離を移動すればまた現れる、その距離を自分の足で覚えるんだ」
「は、はい、分かりました」
モンスターにいきなり襲われるという事態を避けるため、
遭遇するタイミングを覚えさせてもらったり・・・
「さっきの魔法では一撃で倒せないことは分かっただろう?
もしできるなら、複数の刃を2~3体に集中させて放ってみるんだ、
一撃では無理でも二撃三撃を同時に当てれば倒せるかもしれないからね」
「そっか・・・、一度に全部倒せなくてもそうやって確実に倒した方がいいんですね、
なるほど分かりました、やってみます♪」
「それと、これもできればでいいんだが、狙うのは端を飛んでいる奴や
他のモンスターから離れた位置にいる奴を狙ってくれないか?
私の戦い方だと敵がまとまっていた方が戦いやすくてね」
「あ・・・、確かにそうですね、分かりました、それもやってみます」
「できるのかい? なら頼んだよ、即席のチームだからこうして事前に打ち合わせておかないと
即座に連携することは難しいからね」
今の守くんにできる戦い方や、セレスティナさんと力を合わせるための戦い方など、
いろいろと実践できそうなことも教えてもらいます
そしてモンスターに遭遇すると、セレスティナさんの号令に合わせて
事前に話していた通り動きました
「まだだよ、もう少し引きつけないと私が攻撃に移れない、
合図をするから、私が飛び掛かる直前に両端の2体を頼む」
「はい、分かりました!」
離れた位置から飛んでくる敵を迎え撃ったり・・・
「それなりに歩きましたけど、
もうそろそろ次の敵が来るころでしょうか・・・?」
「ん~・・・、まだ少し早いかな?
だけど来ないとも限らないから警戒しておいた方がいいかもね、
特にあの山の方から来る場合、発見した時には準備をする時間がないかもしれない」
「わ、分かりました・・・、って、ああっ!」
「噂をすればか、すぐ行くぞっ!」
出会い頭に衝突したりと、少しずつですが着実に経験を重ねていきます
その内に空は赤くなり、日が沈み始める時間になってしまいました
「ふ~・・・、お疲れ様、そろそろモンスター退治は切り上げるとしようか・・・、
かなりの魔石が溜まったよ、一日でこれは順調だね」
「はい・・・、ありがとうございました・・・、さ、さすがに疲れました・・・」
途中何度か休憩は挟んだものの、かなり長い間戦い続けていたため、
守くんもすっかり疲れ果てています
しかし、セレスティナさんと一緒に戦っていたとはいえ、
彼自身も一日中モンスター退治ができるくらいにはいろいろと強くなっていたみたいでした
「もうすっかり夕方ですね・・・、ここはどの辺りなんでしょう・・・?
今から帰ったら町につくのは夜になっちゃいますか?
僕、ずっとセレスティナさんについていくばかりだったので町がどこにあるか分かりません・・・」
「うん? ・・・ああ、そういえば言ってなかったか、
今から戻っても町につくころには出入り口の門が確実に閉まってるよ、
だから今日はここで野宿さ」
「え・・・? ええっ!? こ、ここで寝るんですか・・・!?
い、いくらモンスターを倒したと言ってもまだどこかにいるんじゃ・・・」
「その点は大丈夫、ちゃんと本部に申請して野宿用の道具を借りておいたんだ、
これを使えば外で一夜明かすくらいは可能だよ」
「そ・・・、そうなんですか・・・? でも・・・、
僕、お泊りになるなんて知らなかったので、お姉さんに何も言ってません・・・」
「お姉さん? 家族の人が心配するということか、でも、
本部に聞けば君が私と宿泊道具を持って外へ出たことは教えてもらえるはずさ」
「ううん・・・、それなら・・・、だけど、勝手にお泊りして
お姉さん怒らないかなあ・・・」
「ふふ、そういう心配をしているのかい、まあそうだね、
言わなかった私の方に落ち度があるだろうから、いざというときは私が謝るさ」
「えっ・・・? あ、いえ、そういうわけには・・・、僕の方で謝りますから・・・」
「・・・ふむ、その人は、君にとって大切な家族なんだね、
まあそれなら私はあまり口を挟まないことにしようか・・・、
さて、そろそろ野営の準備をしよう、お話はそこからだ」
「あ、はい、分かりました」
思いがけずお家に帰ることなく、なんと外で一夜を明かすことになってしまった守くん
お姉さんに何も言っていないことを心配しながらも、モンスターのいる可能性がある場所であることを
なんとなく理解しつつも、心のどこかではキャンプみたいだと少しワクワクしているようです
セレスティナさんという大人の女性と二人きりで一夜を明かすことになったわけですが、
それに関しては特に意識していないようでした・・・