嬉しい。
マックイーンがクゥを手放すわけないもんね?
そして喜べ、心のアグネスデジタルを解放せし同士諸君よ!
ライスシャワーエンド①
個別エンドは取りあえずこれで終わりだ!
最後の方にまた新しいアンケートがあります。
――思い立ってからの私の行動は速かった。
震える身体をやっとの想いで立ち上がらせ、眼の前の底の見えない濁流を見る。
私の眼も、こんなふうに濁っているんだろうか。
そんなことを他人事のように感じていた。
「もう、疲れた。さよなら、■■■■■――――」
胸に残る虚無感が命じるままに、私は左足を踏み出した。
―――――はずだった。
「――――クラウちゃん!」
背後からの声。
踏み出そうとした足を戻し、声の主へ振り返える。
「よかったぁ……!」
肩で荒く息をつき、どこまでもこちらを心配している瞳の彼女――青薔薇のライスシャワーが、そこにいた。
◇◇◇
何故ここに来たのかはわからない。
三女神様が導いてくれたのかもしれない。
でも、今はそんなことどうでも良かった。
「もう、疲れた。さよなら、ライスさん――――」
今まさに、散ろうとしている友達を止めるために、ありったけの声を出した。
「クラウちゃん!」
「ライスさん……?」
その声は、いつもの綺麗な声で、間に合ったことを理解した私は安堵し、彼女の元に歩み寄る。
「こんな雨の中で走りに出たっていうから、心配したんだよ?」
「それは……すいませんでした」
「マックイーンさんたちも探してるし、学園に戻ろう? 知ってる? 学園のカフェに、新しいスイーツが出たんだって。ライスもまだ食べたことなくて、一緒に食べようよ」
「……なんで」
「え?」
「なんでライスさんは、私を気に掛けるんですか?」
そう言ってライスを見上げたクラウちゃんの顔には、純粋な疑問と、そして幾ばくかの小さな不安があった。
「私は、たいして何もないウマ娘です。ライスさんの言う物語で例えるならば、名前も付けられないようなモブです。こんな私と一緒にいるより、あなたにはもっと多くの友人がいるでしょう?」
「そんなことないよ! 私は、クラウちゃんだって大切なお友達だって……!」
「私には、何もない……」
クラウちゃんの顔がフードの影に隠れ、その表情が窺えなくなる。
それは降りしきる雨のせいなのか、それともこの場の異様な空気のせいなのか、彼女の周囲が暗く感じる。
だけど、一つだけわかることがあります。
今のクラウちゃんにはあるのは、深く暗い絶望だけ。
「私には、何もない。気軽に相談できるようなルームメイトも、一緒に支え合うようなチームメイトにクラスの友人も。能力だってない。才能だってない。物語の主人公のようなライスさんと違う。何もかもが」
淡々と語るクラウちゃんの声に、私は何も言えなかった。
だって、今の彼女は感情的になっている訳じゃない。
ただ客観的な事実だけを語るそれだったから。
「もう……惨めなのは嫌なんです。でも、私はメジロ家だから、だから……ッ!? ゴホッ! ゴホッ!」
もはや自棄とでもいうように、クラウちゃんが声を荒げた瞬間、突如として咳き込み出し、地面に膝をついた。
「クラウちゃん!」
「ゴホッ! ゴボッ! ヴガァッ!?」
「……え?」
クラウちゃんの口から飛び出た赤色。
ライスの帽子の薔薇が紅に染まる。
雨に流されることなく、地面を赤く染めたそれは、間違いなく彼女の血でした。
そして私は、真っ白になった頭でそれを見ているだけだった。
ドサリ……という音でようやく正気に戻り、クラウちゃんを見ると、彼女が地面に横たわっていた。
「クラウ、ちゃん……?」
「…………」
「ねえ……クラウちゃんってば……」
「…………」
「起きて、起きてよぉ……」
「…………」
「クラウちゃぁぁぁあああああああんッ!!」
それはまるで、今朝見た悪夢の再現の様で。
その後、すぐに私たちを見つけたマックイーンさんたちが救急車を呼ぶまで、ライスはこの結末を憎み続けた。
……そんなことしか、出来なかった。
クラウちゃんが救急車で運ばれた後、検査の結果、身体に溜まっていた疲労と極度のストレスによるものだろうと診察された。
命に関わるほどではなかったけど、中央のウマ娘が倒れたことは、世間にあっという間に広がっていった。
それによって、学園は少なくない批判を受け、これを機に学園全体への定期的なカウンセリングを実施。
クラウちゃんの家系でもあるメジロ家も、その件に幾つか絡んでいるとは聞いているらしい。
そのおかげか、悩みを打ち明けるウマ娘やトレーナーがポツポツと現れ、精神的なケアも重視されることとなった。
……なんという皮肉だろうか。
私は、どうすればよかったんだろうか。
どうすれば、クラウちゃんの悩みを、不安を受け止めてあげれたのだろうか。
どうすれば、あの娘が壊れてしまわないようにできたのだろうか。
それとも、この考え方自体が傲慢だというのだろうか。
分からない、分からない、分からない、ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ…………。
◇◇◇
ある日、トレーニングを終えて会議室のテレビをつけると、ある番組が映った。
その番組に映っていたのは、皐月賞、日本ダービーを制しクラシック三冠を期待されているウマ娘、ミホノブルボンさんだった。
期待の三冠ウマ娘として、華々しくテレビで紹介されている彼女を見て、あの時、クラウちゃんが言っていたことを思い出した。
『――――物語の主人公のようなライスさんと違う。何もかもが』
「……あ」
……そっか。そっかぁ……!
物語の主人公だったから、ライスは分かってあげられなかったんだね!
駄目だよね。
ライス、こーんな簡単なことで、クラウちゃんのことを分かってあげられなかったなんて。
うん。じゃあ、手始めにまずは菊花賞からかな?
お姉さまに言って、すぐに出走登録しないと!
……ふ、ふふっ。ライスだけなんだ。ライスだけが、クラウちゃんの苦しみに気付いてあげられたんだ。
誰にもあげない。渡さない。
この
「クラウちゃんのために……がんばるぞー、おー!」
◇◇◇
「……呆気なかったなー」
いざやってみると、すぐに終わった。
手始めに菊花賞でブルボンさんの三冠を阻んだ。
元々スプリンターとしての才能の方があった人だったから、最後に差すことは難しくなかった。
この事で、世間は私を三冠を阻んだ
ただ、そうやって騒ぐのは世間だけで、マックイーンさんやテイオーちゃんは私を心配してくれた。
ブルボンさんも心配してきたのは、少し意外だった。
だけど特に響いていない私は、春の天皇賞で、マックイーンさんの二連覇を阻んだ。
また世間が騒いだ。
せっかく世間が望んだ
時にブーイングを浴びせられることもあったけど、私としてはどうでも良かったし、元よりそれを望んでいたのだ。
そうして走り続け、何度も勝利を重ねるうちに世間は手のひらを返し始め、いつの間にか『黒薔薇の女王』なんて呼ばれ出した。
どうでも良かった。
私の走りはクラウちゃんのためにあるんだから。
だから、さ……
……私がいる内は、栄光なんて掴めると思わない方がいいよ?
実績:【紅に染まる青薔薇】を獲得しました。
「誰にもあげない。渡さない。この役割は、ライスだけのものなんだ。」
条件 ライスシャワーエンド①を見る。
毎度お馴染みライスシャワーエンド①に関するヒント
・血を吐いて倒れた雲ちゃんがどうなったか。
それは完全に読者の想像に任せることとする。
ちなみに、それぞれの個別エンドは、三人が見た悪夢をそれなりに反映しています。
【キャラ:見た悪夢→どうなったか】
テイオー:どれだけ走ろうと雲ちゃんに近づけない→むしろ自分から遠ざかっていく。
マックイーン:津波に呑み込まれる→独占欲と愛に呑み込まれた。
ライスシャワー:雲ちゃんが流す血をバラが吸う→雲ちゃんの吐いた血がライスの帽子のバラに付着する。
さーて、次はようやっとトゥルーエンドやー!
<バッドエンド①>
誰も見つけられず、雲ちゃん入水自殺。
遺体が見つかり、皆壊れる。
終わり。
え? それだけだよ?
まあ、他のウマ娘たちがどうなったかはご想像にお任せしますよ。
見たい番外編は? 上位3つ
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テイオー:注射を打つ
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マックイーン:我慢する
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ライアン:筋トレする
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ドーベル:初めての少女マンガ(百合)
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ライス……どうしよう(※案求む)
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タキオン:実験