魔王様…人間共の侵攻行為が、確認されました。」
「うむ。御苦労。」
やあ、魔王だ。
ついに、人間共が再び、軍を率いて魔界に侵攻するのが、明らかとなった。
はい、完全な侵略行為。有罪ギルティです。
報告によれば、今度は この魔界中央大陸の南エリアの平野に転移ゲートを開き、進軍を始める様だ。
これは人間界に潜ませている、諜報部隊からの報告とも一致する。
「…で、何時頃になる?」
「はい。推定ですが、最速で10日で、ゲートが完全に開かれると思われます。」
「…わかった。ならば速やかに、準備に取り掛かれ。」
「御意!」
はぁ…
いや、転移ゲート開くのに、10日掛けるって、何?
それってさ、『此処から魔界に侵入して攻めます』って言ってるのと同じじゃない?
まさか向こう側、徐々にゲートが開くのに気付いてないっていうか、知らないの?
てゆーかゲート開くのに、そんなに時間掛ける?
人間の魔法使いのレベル低っ!
俺達魔族は、あっと言う間だよ?
前の時も、人間側からのゲートが開かれ始めたって報告から実際に攻め込まれるのに、それ位の期間があったけど?
あの時は まさか、進軍なんて思ってもみなかったから対処が遅れて、此方も被害が出たけど、今度は そうはイカないよ?
とりあえずは…
◆◆◆
「失礼します、魔王様。」
翌日。
王の間に入ってきたのは、マッスルな肉体を赤い全身鎧で覆った、熊みたいな親父…と言うかワーベア。
魔王軍将軍の1人、マヅマだ。
「人間の侵攻に対する迎撃準備が整いましたので、その詳細報告に参りました!」
「うむ。」
「先ずは、件のゲート周囲を(…以下略)。
これが今回の計画であります!」
「御苦労。
報告では、早くて あと9日後か?
しかし、万が一の可能性もある。
直ちに予定している軍を現地に向かわせ、待機させよ。」
「御意!」
≫≫≫
10日後。
マヅマ将軍から、魔界に攻めてきた人間の軍勢殲滅の報せが入った。
早っ!仕事、早っ!?
もしかして瞬殺?
マヅマ将軍…恐らくは その副官の梟人アゥルヘッドの策だろうが、先ずは人間の軍勢全てがゲートを抜け、此方の地に踏み入れたのを確認と同時に そのゲートを破壊。
更には周囲の地面を猛毒の沼地に変換して、伏せていた精鋭が先ずは魔法での攻撃。
予定では、此処から戦士系の兵が突撃を仕掛けて一網打尽にする計画(魔族には毒沼は関係無い)だったのだが、最初の魔法攻撃で殲滅させてしまったそうだ。
「好し!ならば次は、我々の番だ!
聖国に侵攻!とりあえずは王都を半壊させよ!」
「「「「御意!」」」」
≫≫≫
この指示から半日もせず、王都半壊の報せを受けた。
…が、その内容が、少しだけ俺のイメージの斜め上を行っていた。
王城上空にゲートを開け、人間界に侵出した我が軍は、王都…城を中心に南北に分け、南側には一切手を出さず、北側を壊滅状態に。
つまりは王都の半分を完全に更地にしたらしいのだ。
いや、半壊って、そういう意味で言った訳じゃなかったのだけど…まぁ良いか。
…さて、これで人間達は、どう出る?
ま、今から謝ってもシバくけど。