黒龍として討伐された転生者が目覚めると白兎になっているのは間違っている。 作:馬です
遂にやってきた
「団長、あそこに美味しそうな串焼き屋が!!」
「団長、向こうの方で炉端焼きが!!」
「団長、【ガネーシャ・ファミリア】の
「団長、あそこにヘスティア様が!!」
四人が勢いよく俺に寄ってくる、ってヘスティア!?
「やぁ、皆祭りは楽しんでいるかい?ボクは絶賛バイト中さ、あはは」
乾いた笑いと共にそう言ってじゃが丸くんを揚げているヘスティアの目は深い闇のように黒かった。
「こればっかりは仕方ないですよヘスティア様、今日はかき入れ時の祭りなんですから」
「それはさ・・・解ってるんだけどさ・・・」
シエルの言葉にヘスティアはそう返すも力がない。
「まぁ、今度
「何処ですか?」
「
『賛成!!』
俺の提案にヘスティアを含めた全員が賛同する。
そうして、
「{あれ、神フレイヤ何も仕掛けてこなかったな}」
そう、原作と違って神フレイヤ何もしてこなかった。
怪しさ満点だが、もう考えなくても良いよな。
若干現実逃避しながら俺は眠りにつくのだった。
そこは【フレイヤ・ファミリア】
そして、俺の目の前には
「では、手合わせ願おう」
オッタルのその言葉と共に構えられる大剣。
「{やっべぇ、超帰りたい}あぁ」
俺はそう考えてばかりだった。
事の発端は昨日に起きた、ヘスティアが【ヘファイストス・ファミリア】の店で働いていると、そこへオッタルを護衛に神フレイヤが現れた。
そして、ヘスティアにこう言った。
「先の出来事でオッタルがあの子に夢中なの、だからあの子とオッタルを戦わせてあげてちょうだい」
もちろん、最初はヘスティアも断っていたが・・・。
「そう。ヘスティア良いことを教えてあげる」
そう言って神フレイヤが口にした内容はあのロイマンが俺のことを疑っているらしく強制捜査の意思を見せているとのこと。
そして、その捜査で俺に対抗できる戦力としてオッタル達【フレイヤ・ファミリア】に打診が来ていることを。
しかし、今回の申し出を受けてくれるのであれば【フレイヤ・ファミリア】はもちろん【ロキ・ファミリア】にも介入はさせないとのこと。
その好条件を出されればヘスティアは飲まざるを得なかった。
やり口が上手い、俺はそれを聞いてそう思った。
だったら、俺も
「はじめっ!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
開戦最初の一撃はオッタル、その一撃は速く触れたもの全てを両断する剛撃。
猛る武人の一撃に俺は大剣の横腹を叩きへし折った。
『!?』
衝撃の光景に両派閥の全員が驚く。
「何を驚いている、忘れたのかあの時言ったことを」
「例の格上喰らいのスキルか」
オッタルは俺の言葉を聞き納得の表情をする。
「ならば、次だ」
新しい大剣を抜き放ち臨戦態勢に入るオッタルと俺。
「いくぞ」
「おう」
短い言葉のやりとりの後、俺達は地面を蹴る。
振るわれる剛剣と受け流す徒手空拳、それでは決着は付かない。
しかし、終わりは突然訪れる。
「何をやっとるか貴様らー!!」
その声に俺とオッタルは拳と剣を止める。
現れたのはロイマンだった。
「【フレイヤ・ファミリア】の
そう叫びながらやってきたロイマンが俺を発見し絡んできそうになったその時だ。
「黙りなさいロイマン」
「フ、フレイヤ様、その者は【ステイタス】の偽装の・・・」
「だから、今調べていたんじゃないの」
「はへ?」
神フレイヤの言葉に頭の方がついて行けてないのか、なんとも情けない声を漏らすロイマン。
「貴方が私達に行ってきた捜査をしていたのよ、丁度良かったから受けてあげたのに・・・邪魔をされるなんて不愉快だわ」
語気を強めた言葉を放つ神フレイヤにロイマンはタジタジになっている。
「ベル・クラネルは相手が強ければ強いほどに自身を強化するスキルを持っていることが解ったわ。教えられることは以上よ、帰って頂戴」
「いや、しかしですな・・・」
「もしかして、案内が必要かしら?ねぇ、アレン」
「承知しました。あの方の手を煩わせやがって・・・さっさと消えろ豚が・・・轢き殺すぞ」
「ひぃいいいいいいいいいいいいいいっ!!」
なんとも情けない声の悲鳴と共にロイマンは帰って行った。
「フレイヤ、君もしかして・・・」
「ふふっ、何のことかしら?でも、今更再開するもの、ねぇ」
ヘスティアの言葉に神フレイヤは濁すような態度を取る。
「今回はここで終わりのようだ、次はまたいずれ・・・」
「俺としては勘弁して欲しいけど・・・受けてやるよ」
そうして、俺とオッタルの戦いは不毛な形で終わりを迎えたのだった。