黒龍として討伐された転生者が目覚めると白兎になっているのは間違っている。   作:馬です

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ギルドを出た俺は講義で凝り固まった身体を解しながら途中の出店で購入した背嚢十枚を背に担ぎ、摩天楼施設(バベル)の地下にあるダンジョンに向かうのだった。

数多の階層に分かれる無限の迷宮にして凶悪な怪物(モンスター)の坩堝とされている場所(ダンジョン)に足を踏み入れた俺は前世には存在しなかった未知に昂奮している。

「さぁ、ここはどんな景色を俺に見せてくれるんだろうな?」

そう言いながら俺の初の迷宮探索が始まるのだった。

憂さ晴らしと気分転換にダンジョンに潜ってみた俺はモンスターを片手間に屠り魔石や怪物素材(ドロップアイテム)を回収していくにつれて下層にへと降りて行き、最終的に深層の安全階層(セーフティポイント)である五十階層にまで到達していた。

「ふむ、少し降り過ぎたな」

そう言いながら俺はギチギチに魔石と怪物素材の入った十の背嚢を地面に下ろし、自分も腰を下ろして休息を取る事にした。

「それにしても、俺はどうして原作主人公(ベル・クラネル)になったんだ?何かあるというのか黒龍(おれ)にとっても、ベル・クラネルにとっても・・・。」

そうやって考えるも何一つ良案が浮かび上がらず埒がいかずに悩んでいると、正面の茂みが揺れた。

その瞬間、俺は臨戦態勢に入り待ち構えると茂みから出てきたのは金髪金眼の美少女もとい主要人物(メインヒロイン)であるアイズ・ヴァレンシュタインだった。

確かにこんなに可愛いなら原作主人公(ベル・クラネル)も惚れるだろうな、とそんなことを思っているとアイズが剣姫の顔へと変わり愛剣を抜き放ち斬りかかってくる。

「なっ・・・っ!?」

突然の事に驚きながらも俺は初撃を一重に回避するも、アイズの攻撃は止むことはなく続いてくる。

「チッ!!」

さすがは原作でも最強キャラの一角を担っているだけあって攻撃の正確さと容赦の無さをしている。

眼に心臓と腹に足を的確に狙ってくるが、俺は全てを回避している。

なんで初対面なはずの主要人物(ヒロイン)に全力で殺されかけているのか意味が理解できすにいた。

この状況を打開しようと意を決して話しかける。

「おい、剣姫!貴様何のつもりだ、初対面の相手には斬りかかるなんざ気は確かか!?」

「あなたは危険、ここにいちゃいけない存在。だから、私が倒す!!消えて!!」

oh・・・、既に正気は何処状態だったわ・・・。

目覚めよ(テンペスト)!!」

そんなことを考えている内にアイズが魔法を発動させやがった・・・!!

「そっちがその気なら良いだろう、来い剣姫」

原作でも未知数なアイズの魔法(かぜ)に出し惜しみしていればこっちが危険と判断した俺は本気で相手をすることにした。

すると、俺の雰囲気が変わったことに気づいたのかアイズも集中力を高めていく。

そして、俺とアイズがぶつかり合おうとした瞬間ナイフが投げ込まれてきた。

その事にアイズは驚いていたが、俺はロキ・ファミリア(第三者)の介入は当然だと理解していたからこそ投げ込まれたナイフを全て破壊した。

「皆!!」

アイズは仲間の登場に驚いていようだ。

「全く、これはいったいどういう状況かな」

そう言いながら槍で肩を叩くのは【ロキ・ファミリア】団長にしてLv.6の第一級冒険者であるフィン・ディムナ。種族は小人族(パルゥム)、神々から与えられし二つ名は【勇者(ブレイバー)

「アイズ、説明しろ。ここで何があった」

アイズに問いかけているのは【ロキ・ファミリア】副団長にしてLv.6の第一級冒険者であるリヴェリア・リヨス・アールヴ。種族は王族妖精(ハイエルフ)、神々から与えられし二つ名は【九魔姫(ナイン・ヘル)

「舐めたマネしやがって兎野郎」

そう言って睨みつけてくるのは【ロキ・ファミリア】幹部の一人にして派閥最速のLv.5の第一級冒険者であるベート・ローガ。種族は狼人(ウェアウルフ)、二つ名は【凶狼(ヴァナルガンド)】。

そして、睨みつけてくる双子の女傑族(アマゾネス)は第一級冒険者である姉のティオネ・ヒリュテと妹のティオナ・ヒリュテ、二つ名は(ティオネ)が【怒蛇(ヨルムガンド)】、(ティオナ)が【大切断(アマゾン)

「ふむ、全く状況が読めんのう」

そう言ってくるのは【ロキ・ファミリア】最古参幹部の鉱人族(ドワーフ)の第一級冒険者ガレス・ランドロック、二つ名は【重傑(エルガルム)

こうして、迷宮都市二大派閥の一角【ロキ・ファミリア】の主要幹部達が揃った。

「皆、どうして・・・」

「どうしてじゃない、お前の魔法が発動しているのを見て駆けつけてみればこの状況は何だ?」

アイズの問いにリヴェリアが答え問いかけてくる。

「あの人は危険、ここで倒さないと・・・」

そう言ってアイズは俺を険しい顔で見てくる。

「あの少年が?」

それを聞いたリヴェリアが俺の方を見てくる。

だが、流石に俺も我慢の限界だ。

「さっきからふざけた事抜かしやがってよぉ・・・、俺はここに休憩してただけで斬り掛かってくるのはどういう了見だぁ?」

こんなに頭に血が上るのは何時以来だろうか・・・。

まぁ、そんなことはどうでもいい。

「なんだと?それは本当か、アイズ?」

「違う、あの人は・・・」

「だからといって、お前の感覚で判断して行動していい話ではない」

リヴェリアはアイズの言葉を完全に封殺する。

「ウチの姫が悪いことをした、申し訳ない」

そう言ってフィンが頭を下げる。

派閥の団長(カシラ)が頭下げてることもあり、俺は今回は掘り返さないことにした。

「いや、こっちも謝罪がちゃんとしてるならこれ以上は何も言うことはねぇ」

俺はそう言って背嚢を持って更に深層を目指して降りていくのだった。

 

 

 

 

 

五十一階層にやってきた俺は一先ず強竜(カドモス)二体を狩り終えて魔石と怪物素材(ドロップアイテム)を回収して今回の探索は終わりにしておこう。

この後の騒動に巻き込まれないように・・・。

 

ちなみに、換金の際エイナがその内容を見て卒倒したことを追記する。

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