episode01【第11機動隊】
暴走レイバーを止めるべく派遣された僕らは公園で待ち伏せていた。
ウイィィン、ウイィィン、ウイィィン、
来た。
ムッツリーニ「……菱井インダストリー製、ヘラクレス21。」
ムッツリーニが型を教えてくれる。まともにやり合いたくない相手だ。
雄二「搭乗中の乗務員に次ぐ、直ちにレイバーを停止させ、操縦席を離れなさい!」
雄二が決まり文句の警告文を言う。
『うるせ~、なんだてめぇらやるってのか?この税金泥棒!捻り潰してやる!』
明久『ゆ、雄二?』
雄二「望むところだ!捻りつ潰してもらおうか!」
な、何言ってるの雄二、僕がやるんだよ!雄二はそこで見ているだけじゃないか!
って来たあ!
『おらぁー、くたばれやー!!』
ガキィイン、バラバラ
う、うでが、うでがあ!
雄二「何やってるんだ!そんな奴潰すの朝飯前だろ!」
『そんな奴ってなんだぁ!てめぇらケンカ売ってんのか!』
雄二「売られたケンカは倍返しってのが俺のモットウーでね。」
『いいだろう!やってやる!死ねぇえー!』
明久『ゆ、雄二!貴様ぁー!」
ってあれ、足が、右足が動かない!さっき右腕を持っていかれた時にやられたのか!
『死ねぇえ!』
ドカッン!ボコン、ボン、カラン
・・・装甲板が落ちた。そのままもたれかかるように相手のレイバーが倒れた。
雄二「明久?生きてるか?・・・・・・馬鹿でも死ぬんだんな。」
明久『生きてるよ!てか、早く助けて!』
全く持って失礼な奴だ!
雄二「ムッツリーニが乗員を確保した。」
明久『そんな事より僕を助けてよ。』
乗員の方も大事だけどやっぱり自分の身が大切だ。
雄二「クレーン車が来るまでそのまま待ってろ!」
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第11機動隊棟(香椎)
プー、プー、プー
須川「オーライ、オーライ、オーライハイ、ストップ!」
西村「酷い遣られ用だな。どんな具合だ?」
カチャ、カチャ
須川「えっと、うわぁ、これは、・・・・・・こいつはうちじゃ無理ですね。メーカーに回さないと。」
西村「仕方ないな。おい、メーカー修理に出すから、チャック入れとけ!」
須川「わかりました!おい、おまえら、・・・」
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雄二「メーカー修理らしいぜ!」
雄二がハンガーから帰って来てそう言った。
明久「ふう、命が伸びた感じ。」
雄二「お前の操縦が下手なだけだろ!」
明久「動かなかったんだよ!」
雄二「お前がバカなだけだ!」
明久「そもそも、雄二が挑発なんてするから!!
もう少しずれてたらコックピット潰されてたかもしれないんだから!」
雄二「潰されてないだろうが!」
むっつりーに「……(プシュー)」
明久「なんでムッツリー二!」
雄二「何を想像したんだ?」
西村「お前ら元気そうだな!」
明久「ゲッ鉄人!」
西村「ほ、ほう。」
バキ、ゴキ
明久「あ、あ、ク、首がぁぁ」
西村「貴様らグラウンド10周して来い!」
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福原「やってますね。」
庁舎の3Fの隊長室からグラウンドを眺めている福原と遠藤
遠藤「福原さん、どこにいたんですか?」
福原「本庁に呼び出されまして。」
遠藤「小言を言われたんですか?」
福原「言われましたね。まあ、そんな事よりも新型レイバー導入の件で」
遠藤「ど、導入って第一小隊を差し置いて?第二小隊は設立はされたもの人員が足りていないはずでは?」
福原「3名配属されることになりました。遠藤さんのところに1名、うちに2名」
遠藤「するとうちから一人福原さんのところに出すってことですか?」
福原「そうなりますね。」
遠藤「大丈夫かしら?」
福原「なるようになると思います。」
遠藤「それで、配置はいつ?」
溜息を吐いて言う遠藤
福原「1、3号機は今週中に届くはずですが、2号機は来週ですかね。」
遠藤「2号機になにかあったの?」
福原「新設された北九州で全機つくるはずだったんですが、篠原の内部であったようで
2号機は八王子で作ったんですが、輸送経路の問題で、」
遠藤「どこの組織も同じですか。」
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明久「ハァ、ハァ、終わった。」
雄二「しかし、何で俺まで巻き添えをくらわないかんのだ。
レイバー壊したのは明久なのに。」
明久「そもそも、雄二が丁寧に説得してくれればあんなことにならなかったかもしれないのに!」
雄二「まさか、そのまま左手がもがれるとは思わなかった。」
ムッツリーニ「……驚愕。」
全く、自分は見ているだけだからってバカにして!
明久「本当に死ぬかと思ったんだから!」
西村「まだ、元気そうだな。」
明久・雄二・ムッツリーニ「「「!!!」」」
西村「よし!そのまま、畑の草むしりをして来い!それが終わったら庁舎の掃除だ!」
明久「そんな!」
雄二「俺らはもう非番のはずだ!」
ムッツリーニ「……許されざる横暴!」
新村「貴様らぁ、2号機の担当がたった今準待機に代わった。貴様らの所為だぞ!休みなんてあるか!」
そもそも、相手を挑発してレイバーを壊すはめになったのは雄二の所為じゃないか。
明久「逃げるよ雄二!ってもう居ない!ムッツリーニも!」
西村「逃がすか!全員海に叩き込んでやる!」
明久「え、うわあ。雄二、ムッツリーニ~」
西村「まずは吉井、お前からだ!」
明久「いっやぁあああ!」
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で、こっぴどく鉄人こと西村班長にボコられて畑の草取りを終えて宿舎に帰った。
福原「ええ、少しいいですか?」
明久「はい。」
なんだろう。
福原「明日11:00時に篠原重工北九州工場に出向し
新型パトロールレイバー99式TOBIUME、1号機、3号機を
受領しに行くことになった。よって本日は待機するように、以上。」
明久「ようやく新型が配備されるんだ。」
雄二「新型が配備されても乗る奴が変わらんことには同じだがな。」
ムッツリーニ「……(コクリ)」
何てひどいこと言うんだ!確かに僕がマズかったことあったかもしれないけど
明久「100割方、雄二の所為じゃないか?」
・・・・・・
福原「吉井、100割なんてありませんよ。」
雄二「それじゃあ、1000パーセントになるだろうが!」
ちょっと間違えたただけじゃないか!
秀吉「何をやってるんじゃ明久?」
明久「ひ、秀吉!」
雄二「すまなかったな。休みのところ。」
ムッツリーニ「……(コクリ)」
秀吉「どのみち出て来ないといかんかったしの。」
明久「どういう事?」
福原「本日18:00を持って木下秀吉は第二小隊の配属になったわけです。」
明久・雄二・ムッツリーニ「「「(……)えええ!?」」」
秀吉「よろしく頼むわい。」
明久「こちらこそ。」
雄二「しかし、第一小隊は人数が足りなくなるんじゃないのか?」
福原「後日、新人が配属されます。うちに1名、第一小隊に1名。」
ムッツリーニ「……一人足りない。」
福原「配属予定の新人が一人脱走しました。」
明久「ええ!」
秀吉「なんと!」
脱走だなんて
雄二「大きい声出すな。」
明久「どういう事なんですか?」
隊長は頭を掻きながら
福原「どうも、昨日の朝、富士の教習所から姿を消したそうで」
雄二「捜索はしてないのか?」
福原「もちろんやってはいるようですが。未だ発見できずと。」
明久「じゃあ、一人足りませんけど、どうするんですか?」
福原「整備員の方にお願いしています。
さて、今日の始末書、書いておいてくださいね。」
雄二「始末書って何の?」
福原「3号機が倒れた場所には近くの幼稚園生たちが植えた木があったようなので。
幼稚園の方からと近所の住民から苦情がありました。
書き方はわかってると思いますから今日中にお願いしますね。」
雄二「ちょっと待て俺は関係ないぞ!」
ムッツリーニ「……あれは明久が勝手に!」
ムッツリーニはともかく雄二に言う資格はないと思う。
明久「何言ってるんだよ雄二!元はと言えば雄二の所為じゃないか。」
雄二「何だと!お前が相手していれば問題なかったはずだ!」
明久「雄二が挑発していなければこんな事にはならんかったんだ!」
互いに胸倉をつかみ合い野次を飛ばす。
福原「ハイハイ、言い訳は良いから!もう一枚書きたいですか?」
仕方なく手を放す。
福原「じゃあ、始末書、出してくださいよ。私は今からまた本庁に行くことになりましたから」
そう言って隊長はハンガーに出ていく。
秀吉「災難じゃったのう。」
明久「はあ、全くだよ。」
最近こんなことばかりだ。出動を命じさせられるたびに始末書を書くんだから。
雄二「取りあえず天神まで行くか?遅いけど昼飯でも食いに行こうぜ。」
秀吉「勤務中じゃぞ。鉄人に見つかったらどうするんじゃ?
それに始末書もあるじゃろうし?。
雄二「レイバーがないのにどうするんだ?鉄人は本庁に行ってる。
始末書はここ毎回書いてるんだ。形式は覚えたさ。秀吉もどうだ?」
ムッツリーニ「……いい店知ってる。」
なんか完全に行く気になってる二人
秀吉「すまぬがワシはまだ第二小隊に配属されたわけじゃないのでのう。」
明久「わるいけど。僕も辞めとく。この前ゲームに使いすぎちゃったから」
雄二「なんだ。行かないのか。仕方ない明久は抜きで行くか。
急ぐぞ。バスが行ってしまう。」
ムッツリーニ「……じゃあ。」
雄二たちを見送った後、買いだめしていたカップラーメンにお湯を注ぐ。
秀吉「しかし、丁度良かったんじゃないかの。新型機の導入は」
秀吉がお茶お入れながら
明久「まあね。でも、少し名残惜しい気がするなあ。
ちゃんと動かしておけばよかったって言うのかな。」
秀吉「できたぞ。明久。」
明久「ありがとう秀吉。やっぱり秀吉の煎れるお茶が一番おいしいや。」
秀吉「面と向かって言われるとはずかしいのう。」
ラーメンが出来るまで待っていたら
優子「いい御身分ね。レイバー壊して帰って来たかと思ったらゆっくりお茶して!」
愛子「言い過ぎだよ優子。」
秀吉「何をイライラしとるのじゃ姉上?」
何となく木下さんからはピリピリとした雰囲気を感じられる。
優子「なにもおこってないわよ!秀吉、さぼるんじゃないわよ!
アンタが変な行動すると、アタシまで同じように見られるんだから!」
愛子「ゆ、優子!待ってよ!」
ハンガーに出て隣の棟に歩いていく木下さんと工藤さん
のっしのっしという表現が今の木下さんに合いそうだ。
明久「怒ってたねお姉さん。」
秀吉「例の新型レイバー導入の件でイラつい取るんじゃろう。」
明久「やっぱりお姉さんたちが使った方が良かったんじゃないかな?」
秀吉「そうは言っても上が決めたことじゃ。代えることはできんかろう。」
明久「そうだけど。」
秀吉「・・・このタイマー動いとらんぞい。」
えっ!?
恐る恐るふたを開けてみると
明久「あ~あ、伸びてる。」
秀吉「新しいの空けるかのう?」
もったいないし
明久「これを食べるからいいよ。」
ズゥー、ちゅるちゅる。
秀吉「どうじゃ?」
明久「まあ、食べられないことは無い。」
あ~あ、ま、仕方ないか。
ウーゥ、ウーゥ、『北九州市若松区響灘埋め立て地にて海の家を名乗る集団に占拠された。
直ちに第1班、第2班は急行せよ!繰り返す、・・・』ウーゥ、ウーゥ、ウーゥ、ウーゥ
秀吉「む、行かなならぬの」
明久「気を付けてね。秀吉!」
秀吉「ワシはキャリアに乗っておるだけなのじゃから実質危なくはないのじゃが。」
明久「じゃあね。」
秀吉たちを見送って始末書を片づけていると
須川「よお、書いてるな。」
明久「ああ、整備する機体がなから暇なの?」
須川「そうなんだよ。で、鉄人のいない今、やりたい放題ってわけ。」
明久「で、今回は何やってるの?」
須川「ちょっとこっちに来てみろよ。」
須川に案内されて付いて行く。整備班の休憩室の扉を開けると
何やら物騒なものを作っていた。
明久「何これ?すんごい物騒に見えるんだけど。」
須川「よくぞ聞いてくれた吉井、これは我らが整備班が次期パトレイバー導入を夢見て
休憩時間に心血を注いで作った90mm連装ライアットガン!我らがレイバー部隊の先輩、
警視庁(省略)特車二科整備班より伝えられたものだ。」
明久「90mmってそもそも警察が使うものじゃないんじゃない?自衛隊じゃなんだからさ。」
須川「そこが甘い!レイバーメーカーは各社しのぎを削って新型レイバーを次々世に送り出している!
いずれはこのライアットガンを持って出撃する日が必ず来る!」
いや、こんな物騒な物まず第一使いたくないし。ライアットガンって
明久「そんな日は来てほしくないな。?」
須川「それとライアットガンのみならず各種武器を製作している。」
明久「まあ、ほどほどにしなよ。鉄人にどやされちゃうから。」
須川「抜かりはない!きちんと仕事をしているから。」
親指を立ててポーズを決める須川、
明久「じゃあ、始末書の続きを書かないといけないから」
部屋に戻って始末書の続きを書く。
この後、隊長と鉄人に見つかって雄二とムッツリーニの捕り物が行われたのは別の話で