かわいいかすみんの世界で一番可愛い日記   作:ぱぴぷぺぱぴこ

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お久しぶりです。約一年放置してしまいすいませんでした!

かすみんって敬語で話してるシーンが多いせいで、相変わらタメ口調が難しい...

感想、評価待ってます!すっごくモチベに繋がりますので!ぜひ!




未知なる味を求めてかわいいかすみんの挑戦が今始まる!

 

 

 

○月$$日 晴れぇ!!!

 

休憩中、りな子とせつ菜先輩の少年漫画談義に巻き込まれてしまった。かすみんはあまり少年漫画を読まないので2人の話についていく事が出来なかった。

 

それとなぜか明日、2人がオススメの漫画を貸してくれることになった。

2人の話によると、最近大流行している面白い作品と、作者が天に召されるまでに完結するかわからないけど面白い作品、の2種類を貸してくれるようだ。

 

 

 

 

 

○月〒〒日 晴れのち曇り

 

 昨日言った通り、せつ菜先輩とりな子がかすみんのために漫画を持ってきてくれた。

気持ちは嬉しかったんだけど、重くて持って帰るのが大変だった。早速今日から読んでみようと思う。読むのにいったい何日かかるんだろう...

 

 

 

 

○月!!日 サニー!!

 

 はんぺん可愛い。というよりネコは可愛い。

 

 ネコはcutest♡アニマルでかすみんがcutest♡ガール。これがこの世界の真理だよねっ♪

 

 

 

 

 

○月hy日 れいにー

 

 

ポックルがポックリいっちゃった...

 

 

 

 

 

 

○月||日 雨だよ。かすみんじゃなきゃ見逃しちゃうね

 

 

もうこれで終わってもいい...だからありったけを...

 

4日かけてついに、作者が天に召されるまでに完結するかわからないけど面白い作品、の方を読み終わった。長かったー!面白かったから全然良いんだけどね。

 

 

 

 

 

○月△△日 くも

 

 昼休みにマダオとかすみんとはんぺんの2人と1匹で遊んだ。相変わらず猫の可愛さはずるい。もふもふもふもふ

 

世界中のネコを自由自在に操れる念能力があれば毎日もふもふしまくりなんだけどなぁ...

能力名は、『魔法のかすみん猫(マジカルかすみんキャット)』みたいな。

 

 

セ、センスゼロじゃないし!

 

 

 

 

 

○月★★日 アメ

 

 今日は家庭科の授業で調理実習をした。隣の席の人とペアを組めと言われたので、マダオと一緒に料理をすることになった。お題は生姜焼き定食。

 かすみんは料理は得意な方だ。なのでこれはかすみんの女子力を見せつけてマダオをときめかせて、「かすみん可愛いスゲーヤベー!」とマダオの語いを消失させるチャンス!

 

 

 と思っていたのにマダオはテキパキと信じられない速さで食材を調理し、あっという間にお味噌汁と生姜焼きを完成させてしまった。その様子にかすみんが唖然としているとマダオは、かすみんが料理が出来ないと勘違しているような言葉を掛けてきたのだ。

 悔しいのでマダオには休み明けにかすみん特製のめちゃうまコッペパンを食べさせてやろうと思った。

 

 

 

 

 

○月△△日 せつ菜先輩は晴れ女!?

 

 ちょっと早く起きたので散歩をしていたらせつ菜先輩が、うおおお〜〜〜っっ!!!と叫びながらランニングをしていた。声をかけようにも自分の世界に入っていたようだったのでやめておいた。

 

 コッペパンだが、普段パンの耳しか食べていないマダオはきっとガッツリ食べたい筈だからお肉にしようと思う。

 

 やる気を出すためにマダオがかすみんに餌付けされている未来を思い浮かべる。にひひ...

 

今から試作ざんまいだ。頑張るぞ〜!

 

 

 

 

 

 

○月××日 感謝の雨...

 

 この世の全ての食材に感謝をこめてパンをこねる。こねる。こねる。こねる。こね続けて数十分。

 完成したかすみん至高の逸品。このコッペパンにかすみんは『ハイエンド』と名前をつけた。

 

明日、かすみんはこの『ハイエンド』でマダオを...

 

 

 

 

 

 

 

 

仕留める。

 

 

 

 

 

○月¥¥日 晴れ

 

 昼休み。いつも通りマダオは教室を離れるため席を立とうとしていたので、すんでの所で引き留めた。

 調理実習のお返しじゃー!とマダオの机の上にハイエンドを置き、食べるように勧める。

 

美味しく出来ているかドキドキしたけど、マダオは凄く美味しいって言ってくれた。

 

部室で達成感に浸っていると、侑先輩にかすみんが上機嫌な理由を尋ねられた。事のあらましを話すと侑先輩はかすみんの手を握り、「完ッ全にときめいちゃった!」と言って目を輝かせていた。ときめく所なんてあったかな?と思ったけど侑先輩だからヨシッ!

 

 

 

 

 

○月××日 クラウディー

 

 

 あれ?最近のかすみん全然可愛くない気が......なに?ハイエンドって?可愛さのかけらもないネーミングセンスだ。

 

 きっと寝不足で頭がおかしな事になっていたんだと思う。可愛いかすみんでいるためにもこれからは夜更かしは出来るだけ控えようと思った。

 

 明日からはいつもの、めちゃかわ♡かすみんに戻るよっ!キュルルーン☆

 

 

 

 

 

○月△△日 晴れのち雨

 

マダオにキュルルーン☆ってしたら、ゔぉぇぇぇ、ってされた。絶対に許さない。

 

 

 

 

○月bb日 くもり

 

 部室に向かう途中、コペ子とマダオが話しているのを見かけた。マダオは相変わらずの無表情だったけど、コペ子は凄く楽しそうな様子だった。あの2人知り合いだったんだ。

 

 

 

 

○月&&日 曇りのち晴れ

 

練習つかれたぁぁぁぁ

 

 

 

 

 

○月sm日 くもくも

 

今日部室で果林先輩が居眠りをしていた。あれは可愛いすぎるでしょ。ズルい。

 

 

 

 

 

○月××日 晴れ

 

 

 今週からテスト週間なので同好会はお休み。ということで今日は放課後、りな子としず子の3人で図書室で勉強会をした。3人で教え合って苦手な部分をなくそうという試みだったが、かすみんが教える側に回る機会はついぞ来なかった。教える事も勉強になるしね、かすみんはしず子とりな子に学びの機会を提供してあげた、みたいな?かすみんってばなんて良い子!!!

 

 あと、りな子は数学や理科みたいな科目は得意らしいが、国語は全然出来ないらしい。かすみんと同じようにしず子に古典を教えてもらっていた。

「はーい!桜坂先生!かすみん、古典なんか勉強しても将来全く役に立たないと思いまーす!」そう質問すると、しず子は笑顔で分厚い古典の参考書をかすみんの目の前に置いてきた。

 

桜坂先生厳しい...

 

ぞなむやかこそ、ラ行変格活用、枕詞...

 

わけわかんないよぉ〜!!

 

 

 そもそも現代人のかすみん達がなぜ昔の言葉を勉強しなければいけないんだろうか。古典なんか勉強するくらいならプログラミング言語勉強した方が絶対良い!......ってりな子が言ってた。プログラミング言語ってなぁに?

 桜坂先生がりな子に教えている隙にかすみんは机に伏せ、休憩を取った。決してサボっていたわけでわない。勉強では適度な休憩も大事なの!

 

 それと、図書館にはかすみんたちのように勉強している人達が沢山いた。

 

 他の人の様子を眺めていると、隅の方で1人、勉強をしているマダオを発見した。かすみんの視線に気がついたマダオと目が合ったので手を振るとマダオも手を振り返してくれた。でもその光景をしず子とりな子に見られてしまったみたいで、2人に色々と追及されてしまった。

 

 マダオはただのかすみんのおもちゃだから!勘違いしないでよね!!!

 

 

 

 

 

○月××日 晴天!!!

 

 りな子にマダオのあだ名について尋ねられた。

「何故マダオなのかって?真田雄太郎だからマダオ!いいあだ名でしょ!」

そう答えるとりな子に、

「それは真田君が可哀想...りなちゃんボード、『しくしく』」

と言われた。いいあだ名だと思うんだけどなぁ...

 

 

 

 

 

○月××日 くもり

 

 今日は自習時間中、マダオに勉強を教えてもらった。

 

 マダオは教えるのがすごく上手い。なんでそんなに上手いのか尋ねると、妹にもよく勉強を教えているかららしい。へぇー、妹いるんだー、と反応すると、そこからマダオの妹自慢が始まってしまった。どうやらマダオはシスコンのらしい。意外な一面を発見してしまった。

 

 

 

 

 

○月ab日 雨

 

そういえば、前にりな子から借りた漫画をまだ読んでいなかったことを思い出した。

 

すこーしだけ、すこーしだけ読んじゃお!

 

 

 

 

○月cd日 午前中は晴れてた

 

 

呪術○戦面白すぎ!!!

 

 

 

 

 

○月ef日 晴れ

 

今週の土日はちゃんと休むぞーーー!!!

 

 

 

 

 

 

○月$$日 果林先輩の表情が曇ってた

 

今日は皆んなで勉強会をした。愛先輩スパルタ...

 

果林先輩が以外と勉強が出来ない事が発覚した。普段の大人っぽいさが今日はみる影もなくてなんだか面白かった。

 

 

 

 

 

○月☆☆日 雨

 

 

月曜日お疲れサマンサ!

 

 

 

 

 

○月gh日 晴れ

 

ヤバいヤバいヤバい。明日テストだ。漫画読んでる場合じゃ、日記書いてる場合じゃないよー!!!でも毎日日記を書くという縛りをかすみんは結んだので日記はちゃんと書く。

 

 よしっ!でも今は眠たいから少し寝て早く起きて勉強しよう!それに夜更かしはお肌の敵だし!夜更かしなんてしたらかすみんのスベスベお肌が傷ついちゃうからね♪

 

 

 

 

○月xy日 サニー

 

寝過ごしちゃったけどテスト初日☆

 

一番最初の科目はかすみんの得意科目である日本史だ。テストの時間が終了に近づくにつれ、かすみんのペンを動かす速さが上がっていくのを感じた。

しず子、りな子、愛先輩、彼方先輩、侑先輩、あとマダオ。かすみんをここまで成長させてくれた全ての出会いに感謝しつつ、かすみんは日本史のテストを完璧に解き終えた。恐らくテスト中のかすみんはアスリートで言う所のゾーンに入ってたのかもしれない。自分以外の全てが自分を中心に立ち回っているような全能感...そんな感覚を覚えた。

 

 

と思ったけどかすみんは古典にやられてしまったのだった。ちゃんちゃん♪

 

 

 

 

 

○月ーー日 くもりで風が強い

 

テスト2日目。

 

へいほーかんせーってなに?先生のカツラ風で吹き飛んじゃえばいいのに。

 

 

 

 

○月××日 curaudy

 

 

Kasumin don’t speak English

 

 

 

 

○月@@日 晴れたよ...パトラッシュ...

 

テスト終わったーーー!!!(二重の意味で)

 

疲れたからもう寝る!かすみんのすやぴは誰にも邪魔させない!

 

 

 

おやすみ〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

「は〜い、今日は先週お話しした通り、皆さんには調理実習を行ってもらいます。隣の席の人とペアを組んで生姜焼き定食を作ってください。作る上でのポイントは黒板に書いてあるので分からなくなったら見てください。では始め!」

 

 一週間に一度ある家庭科の授業。時々こうやって調理実習があり生徒からの人気は高い。前回はアップルパイを作った。今回はご飯、お味噌汁、生姜焼き、つまり生姜焼き定食を作れとの指示だ。

普段料理をしない人からすれば、面倒な授業かもしれないが、かすみんは普段結構料理をするので余裕のよっちゃんだ。

 

 

 

 周囲を見ると殆どの人が準備室が置移動し、エプロンを着て三角巾を頭に巻いていた。出遅れたと思い、急いで準備室に向かいかすみんもエプロンと三角巾を身につける。

 家庭科室に戻ると、マダオは顎に手を添えて、調理法が書いてある黒板をじっと見つめ思考に浸っているようだった。日頃料理をしていれば生姜焼きくらいレシピを見なくても作れるものだ。よって黒板をあんなに真面目に見ているマダオは料理が出来ない可能性が高い。

 

 

 ふっふっふ、そうと分かればかすみんが引っ張るしかないでしょう!!!いつもかすみんを論破してくるマダオの語彙を消失させてやろうと思う。

 

 かすみんの高い女子力を垣間見たマダオは驚きの余り、『かすみん可愛い上に料理も出来るとか完璧かよ!かーっ!スゲーわ!ヤベーわ!』と言ってかすみんに尊敬の眼差しを向けてくるのだ。

 

 

『かすみんの作った生姜焼きマジうめー!マジかすみん女子力高けーわ!マジちゅきちゅき!マジ俺と付き合ってちょ!』

 

 

『え〜、いくらかすみんが可愛くて料理も出来て魅力的なのはわかるけど〜、かすみんは皆んなのアイドルだからマダオとは付き合えないの〜。ゴメンね♡』

 

 

『えー!俺だけのアイドルになってよー!かすみんー!!!』

 

 

 

勝った

 

 

 

 っていやいやいや、なにこれ。別にかすみんマダオと付き合いたいとかそんな事ないし。マダオの事とか好きじゃないし。ただの友達だし。ただのおもちゃだし。かすみんはただマダオをからかって反応を楽しみたいだけだし。

 でも、マダオがこんな風にキャラ崩壊する所もちょっと見てみたい気もするし...

 

 

「おーい!」

 

「な、なに?」

 

突然のマダオの声にビックリする。どうやら随分と深く考え込んでしまっていたようだ。

 

 

「なにって、もう実習始まってるぞ」

 

「ごめんごめん!ちゃんとやるから!じゃあ食材を切るところからー「もう終わった」...え?」

 

 

まだ調理実習始まって15分くらいしか経ってないよね?もう終わったってどういうこと?

 

 

「あとは米が炊き上がるのを待つだけだな」

 

 

あとはお米が炊き上がるのを待つだけ?それってつまり...

 

 

「ねぇマダオ、それってつまり、もうお味噌汁も生姜焼きも作り終わっちゃったってこと?」

 

「うん。あとは盛り付けだけ」

 

 

この男は何を言っているんだろうか?

 

 

「いやっ、え?かすみん何にもしてない...え?」

 

 

「あー、なんか考え事してたみたいだから先に終わらせちゃった、ごめん」

 

「なぁぁぁー!?」

 

 

少しくらい私に仕事を残しておいてくれててもいいじゃん!?なんで先に全部終わらせちゃうの!?

 

 

私は、あまりの出来事に頭が真っ白になり固まってしまった。

 

 

 

「かすかす...確かに急に料理をしろと言われれば頭が真っ白になるのも理解できる。だからこれからはちゃんと家で料理のお手伝いとかして練習してくるんだぞ」

 

 

 

かすみんのその様子を見たマダオは何を勘違いしたのか、このちょーぜつ可愛いかすみんにその様な言葉を吐いたのだ。

 

 

「してるよっ!!!それにかすみんだって料理くらいできますけど!!!あとかすかすじゃなくてかすみん!」

 

 

 かすみんはマダオに普段家の手伝いや、料理をしない人間だと思われた様である。なんか悔しいので明日、は土曜日か。次の月曜日にかすみん特製スペシャルコッペパンでマダオを骨抜きにしてやる!!!

 

 

 

 それからかすみんの挑戦は始まった。究極なる美味なコッペパンの追求。中に挟む具材の考案。コッペパン本体の改良。インターネットや家にあるパン専門誌を見ながら試作を繰り返す。

 

 

 

それは孤独な挑戦だった。

 

 

 

試作を始めてから数時間後、ようやく、これだ!と言えるものが完成した。

 

「出来た!試作第一号!いただきまーす!」

 

 

 確かに美味しい。美味しいのだがこれではダメな気がする。

 マダオの作った生姜焼きと味噌汁はめちゃくちゃ美味しかった。なんであの短時間であそこまで美味しいものが作れるんだろう?というレベルで。悔しいことに、かすみんが今まで作ってきたレベルのコッペパンではマダオの舌を完全に満足させることは出来ないだろう。そう思わされてしまった。

 

 故にかすみんは寝る間も惜しんで(睡眠不足はお肌の天敵なので結局8時間は寝た)コッペパンの研究に励む。

 

 普段パンの耳しか食べていないマダオはきっとガッツリ食べたい筈だからお肉にしよう。

マダオがかすみんに餌付けされている未来を思い浮かべる。

 

 

『へっへっへっへっ、くれっ。かすみん、パンくれっ。へっへっへっ...』

 

 

 

 

 

 

にひひ...

 

 

 

 

 

 

 

「うおおお〜〜〜っっ!」

 

 

 途中、気分転換に散歩に出かけると、せつ菜先輩が大声を出しながら走っていた。

 

 

 そんな謎のサプライズがありつつも、かすみんの研究はそこそこ順調に進んだ。

しかしかすみん、遂に行き詰まる。コッペパンに挟む具材は上手く出来たが、いや、上手く出来過ぎてしまったせいかコッペパン本体の力不足感が目立つようになってしまったのだ。

 改良しようにも既に日曜の夕方。居間に設置されているテレビからワカメさんのオープニングが聞こえてきた。月曜日まであと1日もない。

 

 かすみんは手元にあるパンのレシピをもう一度読み直し、改良を試みたがやはり上手くいかない。

 試食のしすぎでかすみんのお腹はパンパンだ。コッペパンだけに。あっはっはっはっは!かすみんってばやっぱり天才!可愛くて料理上手でその上ギャグセンスもあるなんて完璧!これは愛先輩の十八番を奪ってしまう勢いではないだろうか?

 

 

 

 

 

.........なにやってるんだろ私。

 

 

 

 

 

 

 満腹感と眠気に襲われながら、かすみんは思う。もう諦めていいんじゃないかと。かすみんが料理が出来ることを証明するだけならいつも通りのコッペパンを作っていけば良いんじゃないかと。

 

 

 なんでかすみんはこんなにも頑張っているんだろう。別にもう頑張らなくても......

 

 

眠気に身を任せ、意識が失われようとした瞬間、かすみんの脳裏に電流がはしる。

 

 

 

 

 

『走るのってランランするよね!ランだけに!』『彼方ちゃんすやぴ...』『うおおお〜〜〜っっ!!!』『歳五十を超えて完全に羽化する』『桜坂監督ッ!!!』『ジャスコはまだ死んでねぇよ...』『歩夢だぴょん!』『うまきゃ〜!』『完ッ全にときめいちゃった!』『エマ...あと10分寝かせてぇ...』『はんぺん可愛いな〜!にゃ〜ごろごろ〜!』『辿り着いた先は"感謝"であった』『紅茶をこうちゃった!紅茶だけに!』『りなちゃんボード、レロレロ』『このマンガがすごい!ですよっ!!!』

 

 

 

 

 

 

目まぐるしく溢れ出る記憶。普段のかすみんの脳では対処しきれない程の情報量。しかしかすみんの脳は!今!確かにこの世の真理に辿り着こうとしていた!

 

 

 

 

「......感...謝...」

 

 

 

 

 そう、感謝だ。かすみんはきっと、マダオに日頃の感謝を伝えたかったんだ。いつも勉強を教えてくれるマダオに、いつもパンの耳しか食べていないマダオに美味しいって言って貰いたかったんだ。

 

 

 そうと決まれば、立ち止まるわけにはいかない。新たに生地を作りこねる。一回一回のこねこねに心を込める。

 この世の全ての食材に感謝をこめてパンをこねる。こねる。こねる。気持ちをこめる。こねる。こねる。思いをこめる。こねる。こねる。

 

こね続けて数十分...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かすみんのこねこねは......音を置き去りにした!

 

 

 

 

 

〜〜〜

 

 昨夜は遅くまで試作を繰り返していたため、凄まじい眠気に襲われながら授業を受ける。近くの席からお腹が鳴る音が聞こえた気がする。

 

(あと五分でお昼休みだ...)

 

 普段のかすみんならば寝ていただろう。だが、今日はどうしても成し遂げなければならないことがあるのだ!

 

 

 授業の終わりをソワソワしながら待っていると、遂に昼休みの到来を知らせるチャイムが鳴った。しかし授業は延長するようで、数学の先生(カツラをかぶっていることで有名)は早口で黒板に書いてある問題の説明をしていた。周囲からゴソゴソと音が聞こえる。まだ先生が話している最中にも関わらず教科書を仕舞おうとしている人が数人いた。

 かすみんの隣の席に座っているマダオは教科書を仕舞うことなどはせず、先生の話を聞いているようだった。流石マダオは真面目だ。依然かすみんに有利な状況である。

 

 やっと先生は説明が全て終わったようで、そそくさと教室から退室した。そしてマダオも机の上の教科書類をすべてしまい、カバンからパンの耳が入った袋を取り出していた。

かすみんはマダオの一挙手一投足に気を配る。

 

 

きたっ!!!

 

 

 席を離れ、どこかに行こうとするマダオの腕を掴んで制止する。マダオは予想外のことに少し目を大きくし、かすみんの方を向いた。

 

 

「なに?」

 

「マダオ、ステイ」

 

「ステイって俺は犬か」

 

 

ぐふふ...流石マダオ、察しがいい。マダオは今からかすみんのコッペパンの、いや、かすみんの犬になるのだ。

 

「今日はかすみんからスペシャルな贈り物があるよ!」

 

「贈り物?」

 

かすみんの言葉に、マダオは怪訝怪訝そうな表情をする。

 

 

「そう......こほんっ」

 

 

かすみんは1つ咳払いをし、手元の小さな紙袋に手を入れ、

 

 

「昨日のお返しじゃー!!!」

 

「その言い方じゃ全然贈り物感ないんだけど」

 

 

 マダオの机の上にかすみん謹製スペシャルコッペパン、通称『ハイエンド』を置く。机に置かれた『ハイエンド』を見たマダオは、不思議そうにこちらに目線を向ける。

 

 

「コッペパン?...って昨日のお返しって?」

 

「先週の調理実習のとき、かすみんの分も1人で作ってくれたでしょ?そのお返し」

 

「別にお返しとかいいんだが」

 

 

 相変わらず素直じゃないねマダオは。折角このかすみんが作ってきたというのに、なんとマダオはいらないと言ったのだ。

  

 ふっふっふ、本当は食べたくて仕方がない癖に!意地張っちゃって可愛いマダオ!

 

 

「いいから食べて食べて!この可愛いかすみんが一生懸命、真心込めて作ったんだから食べなきゃ損だよ!」

 

 

でもかすみんは優しいのでそんなツンデレなマダオでも快く『ハイエンド』を食べれるようにお膳立てしてあげる♪

 

 

「うーん、分かった。貰うね。ありがとう。いただきます」

 

 

ついにコッペパンを口に入れたマダオは、しばらく味を確かめるように咀嚼していた。

 

 

美味しく出来たかドキドキする...

 

 

ゴクリ、と飲み込んだマダオは目を閉じて沈黙していた。

 

 

 

あ、あれ?

 

 

「マ、マダオ...?」

 

 

もしかしてーーーーーー

 

 

 

一瞬悪い想像が頭をよぎる。しかし、それは目の前の光景により直ぐに打ち消されることになった。

 

 

 

ーーーーーーマダオが笑ってる!?

 

 

そう、マダオが広角を上げて幸せそうに微笑んでいたのだ。マダオが笑ってるところなんてはんぺんと遊んでる時以外見たことないし!

 

 

「...美味しい。すごく美味しい。すごいなこれ、どうやったらこんな美味しいの作れるんだ?」

 

「ふふんっ、分かった?かすみんだって料理くらい出来るんだよ」

 

「すごいすごいかすかす」

 

「かすみん!」

 

 

珍しく、あまりに素直に称賛の言葉を口にするので、少し気恥ずかしくなり顔を逸らしてしまう。普段はツンツンしてるのに珍しいこともあるんだね...

ちらりと、マダオの様子を確認すると、マダオは残りを食べ進めていた。

 

 

その様子を眺めていると、ふと、今まで我慢していた眠気が襲ってきた。

 

 

「ふぁ〜ぁ」

 

「寝不足か?お肌の敵じゃなかったのか?」

 

「そうだけど、昨夜はちょっと忙しかったの」

 

マダオから美味しいという言葉を聞けて安心したためか、つい大きなあくびをしてしまった。

 

「...なぁかすかす」

 

眠気を晴らすために、両腕を挙げ伸びをしていると、食べるのを一旦ストップしたマダオが声をかけてきた。

 

 

「なぁに?あとかすみん」

 

 

目の前のマダオを見る。何故かマダオは目線をかすみんのいる方と明後日の方向にキョロキョロさせながら、なにか言いづらそうにしていた。

 

少しして、マダオは自信なさげに口を開いた。

 

 

「今日珍しく寝不足みたいだけど、もしかしてお前...」

 

 

 何かと思えば、どうやらマダオはかすみんが夜更かししていた理由に察しがついたようである。

 

 

「えへへ〜、マダオをビックリさせるために遅くまで試作してたの。すごいでしょ〜?...ってマダオ?どうしたの?そっぽ向いちゃって?」

 

 

寝不足だけど、世界一可愛いアイドルのかすみんはとびきりの笑顔でそう答える。すると、マダオはそっぽを向いて黙ってしまったのだった。

 

 

「...別になんでもない。コッペパン美味しすぎてつい首を捻りたい衝動に駆られてしまっただけだし」

 

「なにその衝動怖い」

 

 

 

 

 

 マダオは自分の席に着いて、再び残りを食べ進めていた。かすみんも、昼休みにも関わらずまだなにも食べていなかったのを思い出したので、再度紙袋から自分用のコッペパンを取り出して食べ始める。

 

 

 口に『ハイエンド』を含みながらかすみんは思う。まさか貴重な土日を使ってコッペパンの研究をする事になるとは思わなかった。当初はマダオをビックリさせて、ついでに、

 

 

『へっへっへっへっ、くれっ。かすみん、パンくれっ。へっへっへっ...』

 

 

こんな感じにマダオをワンちゃん化させる事が目標だったが、予想外にマダオが素直で寧ろかすみんの方が驚かされてしまったくらいだ。まぁでもこれはこれで...

 

 

 

 

なんだかすっごく...

 

 

 

「えへへっ」

 

 

 

嬉しいなぁ...

 

 

「!?!!?」

 

 

マダオが顔を真っ赤にし、驚いた表情でこちらを見ていた。

 

 

「どうしたのマダオ?」

 

 

 そう声をかけると、マダオはハッとしたような表情し、再び顔を逸らしてしまった。また首を捻りたい衝動?

 

 

「...だからなんでも」

 

 

「え〜?なんでもないってことは無いでしょ〜?」

 

「なんでもないったらなんでもない!このかすかす!」

 

「あ〜!!またかすかすって言った〜!!」

 

 

 

まぁでも、美味しって言ってくれてよかった!

 

 

 

 

 

 

 

 





「ふんふんふふ〜ん」

「どうしたのかすみちゃん、何か良いことでもあった?」

「あっ、侑先輩!実はですねーーーーーー



ーーーーーーっていう事があったんです!」


「か、かすみちゃん、それって...」


「どうしたんですか、侑先輩?」


「私、完っ全にときめいちゃった!!!」


「?」


「かすみちゃんに春が来ちゃったね〜」

「何言ってるんですか、彼方先輩?今夏ですよ?」

「ふふっ、かすみちゃんは可愛いね〜」
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