ゴリラ、トレーナーになるってよ   作:エヌラス

25 / 41
21.JOKER

 

「ということで…あの〜…ほんとごめんなさい!!」

 

突如抜け出したフクキタルは、弦太郎と相談してもう1度戻ってきた。そして今に至る。

 

「おうなんだそんなことか気にしねーぞ」

 

最初に口を開いたのはゴルシだった。まぁ…気にはしてなさそうだ。

 

「悩むことは誰にでもあります。特にこのような人がトレーナーだったら、もっと増えますでしょうに…」

 

不破をジト目で見つめながらマックイーンが口を開いた。許してはくれている

 

「行けなかった俺が悪かった、次は行くから安心しろ」

 

そしてやけに素直な不破諫。逆に謝られてしまった…

 

「あ”り”が”と”う”ご”ざ”い”ま”す”ぅ!!!」

 

「うわっ…!」

 

途端に鼻水と涙を流し始めるフクキタルを見て、不破がうわっとなる。

 

「そういえばトレーナーさん、さっきの頭痛は一体なんなんですの?」

 

仕切り直そうと思ったのか、マックイーンがそう聞いてきた

 

「あぁ…俺にもわかんねぇんだよ、感覚的には思い当たる節はあるんだが…」

 

そう、あれは天津にチップを作動させられた時や、アークが復活した時…

 

「…おい待て」

 

『気づきましたか?』

 

亡の声が聞こえた

 

「いやまさか…」

 

『それが分かる方法があります』

 

そう言われ、不破はその続きを黙って聞いた。

 

「…わかった」

 

「…?わかったとは?」

 

「おいマック」

 

「はい?」

 

「庭でもなんでもいい、広いとこ貸してくんねぇか?」

 

「…?別に大丈夫ですけれども…」

 

――――――――――

 

 

「…」

 

そう言われて提供された場所は、メジロ家の館から少し離れた場所だった。身体はある程度は治ってはいるが主治医からはまだ戦えはしないと言われていた。

 

「マックイーン?ここでなにするの?」

 

「ライアン!?貴方いつから…」

 

「少し気になってね…見てても大丈夫?」

 

「え、えぇ…」

 

ライアンの後ろにはメジロ家が集合していた。フクキタルとゴルシも見守っている

 

「アイツ変なことしたらすぐさま蹴るぞ!」

 

「と、トレーナーさんを蹴る…!?」

 

「絶対蹴るなよ」

 

「聞こえてんのか…」

 

「当たり前だろうが」

 

そう言いながらショットライザーを腰に装着する。懐から取り出したプログライズキーは『アサルトウルフプログライズキー』

 

(コイツがもし使えるなら…俺たちの予想は当たってる)

 

『アサルトバレット!』

 

随分ガバガバになったプログライズキーをこじ開け、ショットライザーにセット

 

『オーバーライズ!』

 

「変身」

 

『ショットライズ!』

 

ショットライザーの引き金を引く。放たれた弾丸は宙を少し舞うと狼になり不破に突っ込んできた。

 

「っ!!」

 

それを片手で受止め握りつぶすと、アーマーになり不破に装着されていく

 

『Lady Go!アサルトウルフ!』

 

『"No chance of surviving."』

 

「…」

 

予感は確信へと変わってしまった。これに変身できること、つまり

 

『アークが、この世界にいる…』

 

「ああ…」

 

 

「おーー!!すげぇ!ゴツゴツしててかっこいいじゃねぇか!!」

 

「えっ…マックイーン??」

 

「貴方達には話していませんでしたね…」

 

そう言いながらテンションが上がっているウマ娘達、それを見ながら変身解除する。

 

「えー!!写真くらい撮らせてくださっても…」

 

メジロアルダンが目を輝かせて不破に近寄る。

 

「…」

 

「…どうした?」

 

ゴルシが普段とは違う不破に疑問を抱く。そして…

 

「まぁコイツも1人になりてーんだろ!オマエら行こうぜ!」

 

(アイツ…)

 

すぐいつも通りの雰囲気に戻ったゴルシは、アルダン達の手を引き不破から離れていった。視界からいなくなる瞬間、ゴルシは不破にウインクを決めた

 

『ゴールドシップ…空気は読めるんですね』

 

亡がそう言い、不破も同意する。今は少し…1人で考えたい気分だった。

 

――――――――

 

〜トレセン学園〜

 

「おー!お前らもう終わらせたのか!BNW!」

 

ウマ娘達がトレーニングをするコース、様々なトレーナーが指導しているがその中でも目立っているのは如月弦太朗だった。

 

彼はトレーニングの全てをウマ娘達に任せているが、決してウマ娘達がオーバーワークをすることは無い。なので学園からも信頼が高いのだ

 

自由なトレーニングといえば不破諫もだが…あっちはただの放置では?という声がチラホラ上がっている。あのマックイーンを仲間にしたのも謎と言われている。

 

(財団X…絶対にこの世界は渡さない)

 

弦太郎が心の中で改めてそう誓い、トレーニングを終えたBNWの元に向かおうとした時だった

 

 

 

 

 

――――「よぉ!」

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

走り出した弦太郎の真後ろに、最上が2人立っていた。周りが「あの人誰だろう」となる

 

 

「いい登場だろ!?今日は青もいるぜ!」

 

「…如月弦太朗、邪魔だ」

 

「なんで…」

 

「あー、青が機嫌悪ぃ…じゃ、お喋りはこれまでだ」

 

そう言うと、2人はトランスチームガンを取り出す。もう片方の手にはお互いの色のフルボトルが握られていた

 

 

 

『ギアエンジン!』

 

赤色のフルボトルをスチームガンに差し込み、引き金に指を置く。

 

「潤動ッ!!」

 

引き金を引くと、赤最上は煙に包まれていく

 

『ファンキー!――エンジンランニングギア』

 

 

『ギアリモコン!』

 

『ファンキー!』

 

「潤動」

 

『リモートコントロールギア!』

 

赤最上の横で、青最上も同じことを行い、赤最上は右半身に赤い歯車の様な装甲を纏っている『ライトカイザー』青最上は左半身に青い歯車の様な装甲を纏っている『レフトカイザー』に姿を変えた。

 

周りから悲鳴が巻き起こり、混乱が生まれた。BNWの3人はチケットを除いて冷静な2人がすぐさま行動。周りのウマ娘を遠ざける。

 

――――――――――

〜トレセン学園付近〜

 

 

「ん?今…女性の悲鳴が聞こえたような…」

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

「オラオラァッ!!」

 

「くっ…!」

 

「今度はこっちだ」

 

「っ!?」

 

赤最上――ライトカイザーのスチームブレードの斬撃を躱すが、青最上――レフトカイザーのスチームガンの銃弾を胸部に受け、後ろに下がる。

 

(コイツら…!コンビネーションがすげぇ…!)

 

「どしたどした!?初陣補正はもう切れたかぁ!?」

 

右手でスチームブレードをくるくる回しながら近づくライトカイザー、完璧な連携に弦太郎は翻弄されつつあった。

 

『スモークオン、クローオン、エアロオン』

 

 

左足にエアロモジュール、右足にスモークモジュール、右腕にクローモジュールを装着。反撃に出る。

 

「うおっ!?」「っ!?」

 

まずスモークモジュールから煙幕を噴射、2人とフォーゼを煙幕が呑み込む。

 

「チッ!なんだこりゃあ!!」

 

叫びながらスチームブレードを振り回すライトカイザー。レフトカイザーは状況を整理しようとしたが――――

 

「食らいやがれっ!!」

 

「くっ…!」

 

上から現れたフォーゼ、そのクローの斬撃を喰らう、そしてそのままエアロで肩を踏んづけた。その瞬間――――エアロで吸い込んだ空気が炸裂。レフトカイザーはモロにくらい、地面に叩きつけられた。

 

「おい!?」

 

斬撃の後の炸裂音、音がした方をライトカイザーが振り向く。だが――――

 

 

「もう1発だっ!!」

 

「くっ…!?――うおっ!!」

 

先程と同じ戦法でクローを振るう。だがそれをギリギリでスチームブレードで受けたライトカイザー。

 

「へっ!受け止めたぜ!ちょこまかしやがって!」

 

(まずい…スモークが切れる!)

 

クロースイッチをフラッシュスイッチに切り替え、起動させる。

 

『フラッシュオン』

 

「なにっ…!?――――ぐぅぅぅあああっ!!??」

 

フラッシュモジュールを起動させる瞬間、弦太郎は目を瞑る――――次の瞬間、2人を強烈な光が包み込んだ

 

「っ!」

 

目を潰した間に距離を取り、次の攻撃に備え構える。

 

『フルボトル!』

 

光が消えた瞬間、音が聞こえた。

 

「…!?」

 

弦太郎はすぐさまシールドスイッチを使用しようとしたが……

 

『ファンキーアタック!フルボトル!』

 

相手の攻撃が早く、ロケットのようなものが次々と弦太郎に降り注いだ。

 

「ぐっ…!?うわぁぁあああああっ!!!」

 

 

「さっすがー!ロケットフルボトルはファンキーだねぇ!」

 

光が完全に晴れると、ライトカイザーが一気に詰め寄る。

 

「危ないっ!!」

 

直前にタイシンが叫んで、弦太郎が山勘で躱した。

 

――――

 

「2対1じゃ…」

 

その状況を遠目から見るBNWの3人。

 

「がんばれー!いけー!!」

 

チケットが横で叫ぶ。だが現実問題2対1はなかなかきつい。タイシンがやるゲームでもそうだ。しかもその2人が手練ならさらに難易度は上がる。

 

(これはゲームなんかじゃない…現実、どうにしかしないと、アイツが死ぬ…!)

 

仮にも恩人、こんな所で死なれたら自分たちが困る。チケットが特にうるさいだろうな…

 

「見てるだけ、というのも苦なものだな…」

 

「ハヤヒデ…」

 

「加勢できたら、私ならすぐさましてるだろう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、俺を呼んだのはここみたいだな」

 

 

 

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

次の瞬間だった。3人の後ろに男性が一人立っていた。ハットに手を添えた――

 

「なんか渋くてかっこいいね!おじさん!」

 

チケットがそう言うと、男性はコケた。

 

「俺はまだおじさんな歳じゃねぇ!」

 

さっきのかっこよさは一体…、

 

「てか、あんた誰…?」

 

タイシンがそう聞くと、たっていた男はハットを再び被り直し名乗った

 

 

 

 

「俺は左翔太郎…ハードボイルドな探偵さ」

 

 

 

「おー!!!――――――――ハードボイルドって何?」

 

目をキラキラさせて――――すぐに?になったチケット。それに再び翔太郎がコケる

 

「知らねーのかよ!!」

 

「君も仮面ライダーなのか?」

 

「お?モフ子、なんで仮面ライダーって分かった?」

 

「なっ…!?私はモフ子ではない…!!」

 

「お、おう…すまん」

 

「前見たらわかるでしょ」

 

「ん?――あっ!?フォーゼ、弦太郎じゃねーか!?」

 

「気づいてなかった…?」

 

「弦太郎知ってるの!?」

 

「あ、ああ…ってかあれやべーよな?――――よし、行くぜ」

 

そう言いながらダブルドライバーを取り出して、ガイアメモリを取り出す。

 

(あのメモリ…!?)

 

「あー、財団Xがこんなやつ持ってたんだろ?――俺たちのは少し違うからな――――行くぜ、相棒」

 

(相棒…?)

 

だが、どれだけたっても相棒からの返事はなかった。

 

「あ、あー…そいや相棒と連絡取れねぇから変身出来ないのも仕方ないのか…?」

 

そう呟き始め、BNWの3人は

 

((なんか…カッコつかないなぁ…))

 

と思ってしまった。

 

 

「今のは見なかったことにしろ、分かったな?馬コスプレのおねーさん方」

 

翔太郎はそう言い、今度はロストドライバーを取り出した。

 

『ジョーカー!』

 

メモリをロストドライバーに差し込む

 

 

「変身」

 

『ジョーカー!』

 

少しの風が巻き起こり、次の瞬間には翔太郎は仮面ライダーになっていた。

 

 

 

 

 

 

「俺の名前は仮面ライダー…”ジョーカー”」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。