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〜トレーニングルーム〜
「ねぇ…あの人ってトレーナーだよね…?」
「うん、バッジあるもんね…」
「でもあれ私でも持ち上げるの辛いよ…?」
ヒソヒソと、通りすがる者が全員二度見する光景がそこにはあった。
「ふっ…!__あいつらこんなもん持ち上げてんのか…!!」
だって普通の人間?しかもスーツ姿の人ががウマ娘専用トレーニングルームで鍛えてるんだもん。
〜事は30分前に遡る〜
「さて…アイツが走るまでまだ時間はあるな…」
朝飯を食い終わり、身支度を済ませた不破諫。腕時計を覗いて時間を確認し、まだ余裕があることに驚く。
「そういや最近まともに体、動かしてねぇな…」
最近と言えば、歩いた。走った。殴られたくらいか……
『トレーニングルームもありますよ』
「そういや言ってたな、トレーニングルームがあるって…」
そうと決まればやることはひとつ。
「行くか、トレーニングルーム!」
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と、言うわけなのだが…
(視線がやけに痛い…俺なんか変なことしてるか?)
色々なウマ娘から浴びる視線がやけに刺さる…だが一度集中をすればこんなもの……
「ああああああ!!!」
「「っ!?」」
不破の大声に、周りにいたトレーナーやウマ娘達が跳ねそうな勢いで驚いた。
「もうこんな時間かよ!?アイツのレースじゃねぇか!?」
スーツを拾い上げ、汗まみれのまま走り始める不破諫。そしてその場所に落ちるひとつの物。
「あの〜!」
それを拾い上げたウマ娘、ナイスネイチャが、止めるべく呼びかけるが……
「いないし……てかこれ…なんだろ?」
「どうしたの〜?」
たまたま一緒にいたマチカネタンホイザが、後ろからニュっと覗く。
「ほらこれ、さっきの人の落し物だよ…」
「…なんだろこれぇ…?」
青く光り、何となくオオカミっぽい塗装がされてある”それ”を2人はトレーニングルームの明かりに照らし眺める
「さぁ…?___ま、一応生徒会に届けたら持ち主に届くでしょ……多分」
「でも綺麗な水色だね〜」
照明に照らされた水色の何かはキラキラと光っていた。
「はいっ!終わり!」
「ぇぇええええ…!もっと見せてよ〜!」
「それで変なことに巻き込まれたらなんかヤバそうでしょ…!とりあえず行こ!生徒会!」
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〜学園内・長距離レース場、観客席〜
「ここか…!はぁ…はぁ…!」
ひたすらダッシュしたのがよかったのか何とかギリギリで間に合った。改めて思う、この学校広すぎる…、歩きなら1日退屈しなさそうだ。
「トレーナーの方ですか?」
「…ああ」
正直、自ら進んでトレーナーとは言うのは気が進まないが家を改造されるのは困る、だからとりあえず名乗る
「こちらへどうぞ」
頷いたスタッフは、不破をある部屋に連れていった。その部屋には、様々な思いを胸に背負ってるであろうトレーナー達、年齢も意外に様々で、まだまだ新人っぽい奴から多分もう熟練のトレーナーであろう、本当に十人十色だ。
「ふん…まさか君も新人トレーナーかい?」
「あ?」
初対面から妙にカチンとくる喋り方をした奴がいた。
「スカウトに遅れてくるなんて相当馬鹿なんだろう…」
「テメェいまなんつった…!!」
不破はイライラをぶつけるかの如くそいつの襟をつかみ椅子から立たせ、睨みつける
「ち、ちょっと…!落ち着いてください!」
その横にいた藍色の髪の女が止める。
「…チッ」
「ふん…」
不破は尚も煽るような目を向けてくる奴に背を向け、1番遠いところにある椅子にどかりと座り込む。
(なんなんだアイツ…ムカつく野郎だ…)
そう思いながら前を見ると、9人のウマ娘達がゲート前に現れたのだが……
(アイツ……)
あの見た目で嫌という程わかってしまう。ゴールドシップだ。アイツだけなんかサングラスかけて五郎〇ポーズのようなものを取っていた。
(あんなんで大丈夫なのかよ…)
不破の些細な不安をよそに、レースが始まろうとしていた
不破の些細な不安……ギャグの匂いがする……